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特捜
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神奈川県警察本部
梶山は矢野口がいったいどの様な人物でリョウガを取り込む本心は何なのかを知るため探りを入れる。
「矢野口さん、少し話したい事があるんですけと…」
「あなたは?」
「県警本部の梶山です、役職は警部です」
自己紹介に役職を知らせて来た梶山に矢野口は他の刑事とは何か違うと、独特のアンテナが立つ。
「いいですね、流石は神奈川県警の警部、私の事を少し調べましたか?」
「いえ、噂を聞いたぐらいですから調べたとは言えませんが、個人的に興味があるもので、話をして矢野口警部の事を知りたいと思ってます…」
矢野口は、梶山の個人的な話で昨日のリョウガを思い出しこれが捜査協力を申し出た自分への答えかもと直感的に感じて、話す場所を指定する。
「私も梶山警部に興味が湧きました…でも、話は人に聞かれない屋上でどうですか」
梶山は頷くと矢野口を屋上に案内する。
屋上に出ると矢野口が笑顔で昨日のリョウガとのやり取りを話出した。
「昨日、ドラッグマンの情報をくれた城山さんに捜査協力を頼んだら考えたいって言われたんです…おかしいですよねぇ…自分から捜査に協力しに来た人が協力してくれと頼んだら考えたいって…」
民間人に捜査協力を願い出た話をいきなり切り出した矢野口…
秘密漏洩などのリスクがある個人的捜査協力の願い出、もしバレたら懲戒免職だ…そんなリスキーな話を自分にするのはリョウガとの関係性をすでに疑われているのではと梶山は思った…
これ以上矢野口を探るのは危険だと判断して、今は矢野口の力量を見定ようと考る。
「そうですか…しかし、自分から捜査協力するのと警察から要請されるのでは責任の重さが違う…民間人が足踏みするのは当然かと…」
「責任の重さ? 殺人事件ですよ、城山さんを動かす感情は怒りです…重い軽いの問題は二の次で犯人に償わせたいのです」
「城山さんの気持ちが良く分かるのですね」
梶山の本音の見えない質問に矢野口が核心を突いた。
「そうです…聞いてますよね…?城山さんから…私も似たような境遇だったので…」
矢野口が彼方は城山と繋がっているから昨日の話を聞いているでしょうと探りではなく直球を投げて来た。
この男に、これ以上の誤魔化しは効かないと判断した梶山は2人の関係を当たり障り無く説明する…
リョウガがドラッグマンの逮捕を強く求めている事、こずえと言う女が事件に関わっている事を疑っている事…
ほっとけば個人的に捜査して事件に巻き込まれる可能性があるため連絡をマメに取ってこずえの情報をある程度共有してるなどを話した。
「やはり、城山さんと捜査をしてましたか」
「そんな大袈裟なものではなく彼の保護程度にです…」
「いえ、捜査してますね…内密に…だから、城山さんは彼方に相談したくて捜査協力の返事をせずに彼方に連絡した…だが彼方も私をよく知らない、だからこうして探りに来た… 違いますか?」
「……参りました」
梶山が優れた洞察力の矢野口に下ると決めた瞬間だ!と同時に矢野口の手下2号の誕生である。
「ちゃんと話してくれると言う事ですね…」
「はい、ただこれからリョウガっ…城山君を迎えに行かないとならないので改めて連絡します」
「城山さんの事はリョウガと呼んでるのですか?」
「そうですが…」
「彼が本部に来るなら一緒に話しましょう」
梶山は慌てた、これからリョウガを本部に連れて来る予定だが取調室で目立たない様に話すつもりだったからだ、しかし矢野口が居たら嫌でも目立つ… 変に目を付けられると動きにくくなるし、上層部の耳に入ったら厄介だと思っていると見透かしたように矢野口が話す…
「何か困ってそうですが大丈夫です。 私、来月で警視になりますから」
30そこそこの歳で警視異例の出世に驚く梶山…
現場25年のベテラン刑事を慌てたり困ったり驚かせたりさせる矢野口はどうやら特別な逸材のようだ。
「てっ事は、例の特捜…」
「任せて下さい、誰にも邪魔させませんよ」
不安を書き消す矢野口の一言で笑顔になった梶山はリョウガの迎えに行く。
「矢野口さん、どうぞ座って下さい」
梶山がパイプ椅子を出した…
「戻ったなら声を掛けて欲しかったですね」
「それは失礼、実は例のこずえと言う女とリョウガ君の会話を盗聴する予定なのでその時誘おうと思っていたのですが…」
「そこです! ずっと気になってました…2人はなぜその女を…」
リョウガ
「あっそう言えば…あたしは、もともとこずえが嫌いだったから直ぐにこずえを疑いましたけど… 警部さんは何でこずえを疑ってるか確かに気になります」
「うん、捜査のいろはで…整合性の取れない人物は徹底的に洗うべき…と言いたいけど、私は最初の事情聴取で何とも言えない違和感をこずえに感じた…いわゆる刑事のカンってやつかな、年を取るとそう言う事に固執してしまってね…だから1人で捜査していた」
矢野口
「証拠の無いカンだけに、他の刑事を使いづらい…そこにリョウガ君が現れた訳ですか」
「要約するとそうですが、誤解が無いように言うとリョウガ君は擁護が大前提です」
リョウガ
「本当です! 梶山警部が居なかったら…どうなってたか」
矢野口
「ちょっと待って下さい…言いかたが悪かった見たいですが私は梶山さんがリョウガ君を利用してるとは思ってませんよ…梶山さんが言った通り要約しただけです…私は皆さんとチームだと思ってますから」
梶山
「チーム…それは、特捜の事ですか?」
「そうです…彼方を指名してますよ」
梶山は、こずえが坂下あきらを売人になるように勧めた事やドラッグマンの捜査に興味を示す事などを矢野口に話した。
矢野口
「確かに気になりますね…」
梶山
「では、盗聴はご一緒して下さると…」
「それは、彼方に任せます」
しばらくして矢野口が巡査部長の佐藤を呼んで特捜のメンバーが揃った。
梶山は矢野口がいったいどの様な人物でリョウガを取り込む本心は何なのかを知るため探りを入れる。
「矢野口さん、少し話したい事があるんですけと…」
「あなたは?」
「県警本部の梶山です、役職は警部です」
自己紹介に役職を知らせて来た梶山に矢野口は他の刑事とは何か違うと、独特のアンテナが立つ。
「いいですね、流石は神奈川県警の警部、私の事を少し調べましたか?」
「いえ、噂を聞いたぐらいですから調べたとは言えませんが、個人的に興味があるもので、話をして矢野口警部の事を知りたいと思ってます…」
矢野口は、梶山の個人的な話で昨日のリョウガを思い出しこれが捜査協力を申し出た自分への答えかもと直感的に感じて、話す場所を指定する。
「私も梶山警部に興味が湧きました…でも、話は人に聞かれない屋上でどうですか」
梶山は頷くと矢野口を屋上に案内する。
屋上に出ると矢野口が笑顔で昨日のリョウガとのやり取りを話出した。
「昨日、ドラッグマンの情報をくれた城山さんに捜査協力を頼んだら考えたいって言われたんです…おかしいですよねぇ…自分から捜査に協力しに来た人が協力してくれと頼んだら考えたいって…」
民間人に捜査協力を願い出た話をいきなり切り出した矢野口…
秘密漏洩などのリスクがある個人的捜査協力の願い出、もしバレたら懲戒免職だ…そんなリスキーな話を自分にするのはリョウガとの関係性をすでに疑われているのではと梶山は思った…
これ以上矢野口を探るのは危険だと判断して、今は矢野口の力量を見定ようと考る。
「そうですか…しかし、自分から捜査協力するのと警察から要請されるのでは責任の重さが違う…民間人が足踏みするのは当然かと…」
「責任の重さ? 殺人事件ですよ、城山さんを動かす感情は怒りです…重い軽いの問題は二の次で犯人に償わせたいのです」
「城山さんの気持ちが良く分かるのですね」
梶山の本音の見えない質問に矢野口が核心を突いた。
「そうです…聞いてますよね…?城山さんから…私も似たような境遇だったので…」
矢野口が彼方は城山と繋がっているから昨日の話を聞いているでしょうと探りではなく直球を投げて来た。
この男に、これ以上の誤魔化しは効かないと判断した梶山は2人の関係を当たり障り無く説明する…
リョウガがドラッグマンの逮捕を強く求めている事、こずえと言う女が事件に関わっている事を疑っている事…
ほっとけば個人的に捜査して事件に巻き込まれる可能性があるため連絡をマメに取ってこずえの情報をある程度共有してるなどを話した。
「やはり、城山さんと捜査をしてましたか」
「そんな大袈裟なものではなく彼の保護程度にです…」
「いえ、捜査してますね…内密に…だから、城山さんは彼方に相談したくて捜査協力の返事をせずに彼方に連絡した…だが彼方も私をよく知らない、だからこうして探りに来た… 違いますか?」
「……参りました」
梶山が優れた洞察力の矢野口に下ると決めた瞬間だ!と同時に矢野口の手下2号の誕生である。
「ちゃんと話してくれると言う事ですね…」
「はい、ただこれからリョウガっ…城山君を迎えに行かないとならないので改めて連絡します」
「城山さんの事はリョウガと呼んでるのですか?」
「そうですが…」
「彼が本部に来るなら一緒に話しましょう」
梶山は慌てた、これからリョウガを本部に連れて来る予定だが取調室で目立たない様に話すつもりだったからだ、しかし矢野口が居たら嫌でも目立つ… 変に目を付けられると動きにくくなるし、上層部の耳に入ったら厄介だと思っていると見透かしたように矢野口が話す…
「何か困ってそうですが大丈夫です。 私、来月で警視になりますから」
30そこそこの歳で警視異例の出世に驚く梶山…
現場25年のベテラン刑事を慌てたり困ったり驚かせたりさせる矢野口はどうやら特別な逸材のようだ。
「てっ事は、例の特捜…」
「任せて下さい、誰にも邪魔させませんよ」
不安を書き消す矢野口の一言で笑顔になった梶山はリョウガの迎えに行く。
「矢野口さん、どうぞ座って下さい」
梶山がパイプ椅子を出した…
「戻ったなら声を掛けて欲しかったですね」
「それは失礼、実は例のこずえと言う女とリョウガ君の会話を盗聴する予定なのでその時誘おうと思っていたのですが…」
「そこです! ずっと気になってました…2人はなぜその女を…」
リョウガ
「あっそう言えば…あたしは、もともとこずえが嫌いだったから直ぐにこずえを疑いましたけど… 警部さんは何でこずえを疑ってるか確かに気になります」
「うん、捜査のいろはで…整合性の取れない人物は徹底的に洗うべき…と言いたいけど、私は最初の事情聴取で何とも言えない違和感をこずえに感じた…いわゆる刑事のカンってやつかな、年を取るとそう言う事に固執してしまってね…だから1人で捜査していた」
矢野口
「証拠の無いカンだけに、他の刑事を使いづらい…そこにリョウガ君が現れた訳ですか」
「要約するとそうですが、誤解が無いように言うとリョウガ君は擁護が大前提です」
リョウガ
「本当です! 梶山警部が居なかったら…どうなってたか」
矢野口
「ちょっと待って下さい…言いかたが悪かった見たいですが私は梶山さんがリョウガ君を利用してるとは思ってませんよ…梶山さんが言った通り要約しただけです…私は皆さんとチームだと思ってますから」
梶山
「チーム…それは、特捜の事ですか?」
「そうです…彼方を指名してますよ」
梶山は、こずえが坂下あきらを売人になるように勧めた事やドラッグマンの捜査に興味を示す事などを矢野口に話した。
矢野口
「確かに気になりますね…」
梶山
「では、盗聴はご一緒して下さると…」
「それは、彼方に任せます」
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