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私の前世の記憶なんて知りません!

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 ◇ ◇ ◇



 ぼんやりとした意識の中。
 微かな薬品の匂いにルリイが目を覚ますと、そこは孤児院の医務室だった。
 見覚えのある、真っ白な天井。
 それは今までルリイが何度となく目にしてきたものである。
 ルリイはこれまでも姉シスターのいびりから来る過労の末、
 倒れて医務室で意識を取り戻すということが少なくなかったのだ。
 この天井を見て思うのはいつも嫌な記憶。
 
 あれ? 
 そういえば……わたしはどこで倒れたんだっけ……?

 徐々に覚醒する脳内。
 未だぼんやりとする頭で記憶の引き出しに手をかけると……。

「わあっ! ルリイ様、お目覚めのようですねっ!」

「きゃっ!」

 突然、見慣れない女性がベッドで横になるルリイの顔を覗き込んできた。
 思わず見開いた目でルリイが見たのは、
 透き通るような白い肌に、ぱっちりとした青い目、
 そして長い黒の髪に魔法使いのような黒の帽子を被った女性だっだ。

 どことなく聞き覚えのある声。
 それに加えて、次第に鮮明さが増す記憶……。

 そうだ!
 彼女が女神のミーシャ様だ! 

 ……何て記憶に合点をいかせても、
 その女性はモノトーン調のチェックのワンピースを身にまとっていて……、
 それがとてもではないがルリイにはどうも信じ難かった。

 何せルリイがこれまで祈り続けていた【女神さま】もとい女神像は
 白のレースをふわりと身に付けた神々しい感じ。
 青い目と白い肌、そして黒の長髪は良いとしても、
 まるで絵本で見るような魔法使いの帽子とワンピースからは、何というのか……
 今ルリイの目の前にいる女性ほど想像していた女神さまに親しみはなかったのだ。

 そんな戸惑いを持つルリイの心情を知ってか知らずか、
 ミーシャはルリイの視線が自分の格好であるのに気付いた上で、
 くすくすと笑った。

「ああ、この格好ですね。
 これは気にしないでください。
 趣味でしている人間のコスプレですから」

 言いながらミーシャは自慢するかのように、くるりとその場で回ってみせた。

 ーー人間のコスプレ。

 そのコスプレも人間の世界で披露されてはもはや私服。
 そのことにこの女神さまは気付いているのだろうか……?

 ふと。ようやくと言うべきか今更になってルリイは辺りを見渡した。
 
 誰もいない医務室。そのことを確認し、
 ルリイはそれが別にしないでも良いことと知りながらも話した。

「もしかして、あなたがさっき話したミーシャ様?」

「はい、もちろんですとも。
 それと、別に声にしなくても
 話そうと思うだけでルリイ様の声はわたしに伝わります。
 それに。わたしのことはミーシャで結構ですよ。
 何て言ったってルリイさまは聖女何ですからね!」

「聖女……?」

「ええ、聖女の力なら寝ている間に授けましたよ」

 その途端。
 ルリイの脳内に数多あまたもの映像が流れた。

 ーー天空の世界。
 ーー人間の世界。
 ーー時間。
 ーー空間。
 ーー宇宙。

 脳内に流れたありとあらゆる映像は、時間にして寸秒だったにも関わらず、
 その濃度は濃く、まるで数百年という時間を一瞬にして過ごしたよう。
 また、それらの映像はどれも生まれてこの方、
 ルリイが見も、聞きも、考えもしなかったことばかり。

 そしてその映像……アーリエの記憶の中にはミーシャもいた。

 気晴らしかモーゼのようにお互いに海を割ったり、
 存在を隠しつつも協力して人間の願いを叶えたり、
 一緒に慣れないお菓子作りに励んだり、
 人間のコスプレをしたりと記憶の中の自分はいつとミーシャと一緒にいて。
 またその仲は睦まじいように思えた。

 が……。
 その中に一つ、気になる記憶があった。
 
 その記憶は断片的で、
 どこか、高く、開けた丘のようなところで
 ミーシャのような人影が一人、泣いているのだ。
 そしてその映像は一貫して黒の幕をかけたかのようにボヤけていて、
 どういうわけかその記憶だけが鮮明には見えない……。

 と。
 一瞬にして注がれた莫大な記憶という名の情報。
 それに思わずルリイは頭に触れた。
 しかしそれは決して痛みからではなく、
 突然の【理解】という事象から反射的に頭に触れただけに過ぎなかった。

「これが、前世の私の記憶……」

 そんなルリイを見て、ミーシャは言う。

「ふふふ。どうやらアーリエ様の記憶が少しずつ蘇っているみたいですね。
 前世の記憶をすべて取り戻すのは容易ではないですが、
 基本的な真理や物の概念なら身に付いたでしょう」

 基本的な真理。
 ルリイにはそれが差すものが
 宇宙の成り立ちや世界の形成であることは理解できた。
 けれども、もっと個人的な……自分の前世、
 アーリエについての記憶はどういうわけか
 ほとんど見られなかったのが気がかりだった。

「あの……ミーシャ?」

 初めて様付けを外して、気遣わしげにルリイは言う。

「すみません。私って、未だに記憶の方が曖昧で……。
 つまるところ私とミーシャって、どんな関係だったんでしょう?」

 するとミーシャは破顔し、

「もーう、何を言っているのですかルリイ様。
 わたしは、ルリイ様の奴隷じゃないですか」

「え……」

 笑顔で言ったミーシャに対して、停止するルリイ。
 そんな固まったルリイの反応に、ミーシャが吹き出した。

「ぷっ……! ふふふ、冗談。
 冗談ですよ。友達ですよ、わたしたちは。ふふ」

 その言葉にルリイはほっとすると同時に、
 自分の前世アーリエはミーシャとジョークを言い合える仲だということを理解した。

「もう。第一、聖女と女神に上下関係なんてありませんもの。
 水や風、数字、音のように部類が違うんですからね……あ、ほらルリイ様、
 これネコミミですよ。ネコミミ。触ったことあります? 触っても良いですよ?」

 言いながらミーシャは魔法使いのような帽子をひょいと上げ、その中のネコミミを披露した。
 無論、これもコスプレの一環であり、付け物であることはルリイにもわかっていた。
 だが、わざわざそれを誇示するようにアピールされては無下にすることも出来ず、
 ルリイは言われるがまま、むにむにとミーシャのネコミミを触った。

「でも、どうしてか思い出せない記憶もあるみたいなの。
 何だか記憶にモヤがかけられているみたいで」

 ミーシャはネコミミを触られ気持ち良さそうにしている。

「ふふ、大抵のことは時間の経過で解決しますよ。ふふ。
 まあ、それでも思い出せない記憶なら自らで記憶を消した……、
 きっと黒歴史ですね~」

「もう。黒歴史って、ミーシャったら私の前世は聖女だったんでしょ? 
 そんな私に黒歴史なんてあるわけないじゃないのよ」

 ルリイはミーシャが冗談を言ったのだと思った。
 が、それは違った。

「も~う。ルリイ様こそ、お忘れになったんですか?
 13歳にもなってした、おねしょを」

「まったく、やあね。おねしょなんて聖女がそんなのするわけ……」

 刹那。
 ルリイの脳裏におねしょをし、それを隠すために、
 はたはたとみっともなく慌てふためく映像が流れた。
 そうしてドタバタと布団の隠蔽に興じるも結局はバレ、
 それどころかその時の隠蔽は、正月に行われる親族の集まりの度、
 親が笑い話の類として披露する……。
 そんな悲しき黒歴史が嫌と言うほどに鮮明に頭を過った。
 それは昨日のことのように細部まで覚えていて、
 現世になった今思い出しても恥ずかしくて消えたいくらいのもの。

「そんなこと……あった……かしら……ねえ?」

 ルリイは意識的にくうを見た。
 額に嫌な汗が流れる。
 何せ巫女のルリイにとって、その時のおねしょは恥ずかしすぎる過去なのだ。

「え? もしかしてルリイ様の記憶に不鮮明なところでも?
 本当に覚えてないのですか?
 あの時のルリイ様は、
 それはそれはわんわんと泣いてみっともなかったのですよ?
 それにじゃあ……。
 あ! では14歳の時のあの記憶はどうです?
 寝ながらにしておねしょ以上に酷い……」

「知らない」

「なら、15歳の時にあった」

「覚えてない!」

「だったらとっておきです! 16歳の」

「止めなさい!」

 ミーシャが年齢を言うだけで、
 ルリイには思い当たる黒歴史が山のようにあったのだ。
 そしてそれらの思い出はどれも脳裏を少し過るだけでも、
 今すぐにでも死んでしまいたくなるようなものばかり。
 
 繰り返すようだが、
 何せ巫女のルリイにとってその時の……えっと……その、それは……。

 おもむろに枕に頭を静めるルリイ。
 そして内心で悶えた。
 
 ああああああああああああああああああああああぁぁぁっ!!!!!!
 死にたい死にたい死にたいぃぃぃぃぃ!!!!!

「…………あの、ルリイ様?
 どうして頭を抱えているのですか?」

「ううっ。い、いいのよ。気にしないで。
 たった今少しずつ記憶が戻ってきたところだから」

 確かにその言葉は嘘ではなかった。
 今現在もルリイの頭の中では見たくもない、
 前世の逆ハイライトが延々と流れているのだから。

 と、その時。


『ゴーン! ゴーン! ゴーン!』

 医務室の天井スピーカーから鐘の音がなった。
 この時間の鐘の音は、礼拝時間終了と自由時間の始まりを意味している。
 その音を聞いたルリイは立ち上がる。
 名目上は自由時間といっても、ルリイにはやるべきことがあるのだ。
 そしてそれは悲しいことに面倒ごと……。

「あら? 出ていくのですか?」

 ルリイは医務室の扉の方に向かっていた。

「ええ、やるべきことがあるので……」

「ふふ。そうですか。
 でもまあ、今日はアーリエ様の来世のルリイ様に会えて本当に良かったです。
 聖女となったルリイ様の声でしたら、どこに居ても交信できるので、
 困ったことがあればいつでも言ってくださいね!」

 思わず振り向く。

「え、本当?」

「ええ、もちろんです。
 ……とはいえ、女神の力も聖女の力も同じもの。
 大抵のことはわたしの力など必要とせず自力で解決するんでしょうけど。
 それにまだ実感はないでしょうが、
 今のルリイ様には聖女としての素晴らしい力が身についているんですよ。
 だからルリイ様には何も恐いものはなし!
 ね? 女神はジョークは言っても嘘は吐きませんからね!」

「ありがとう! ミーシャ!」

「いえいえ、ルリイ様。
 今のわたしがいるのもルリイ様のおかげですから。
 わたしに出来ることなら、何なりとですよ」

「ありがと……あ!」

 医務室を出る寸前で、

「それじゃあミーシャ?」

 ルリイは言う。

「あのね。仮にだけど……ね。
 その、もしあったらだけど……、
 おねしょの記憶って……聖女の力で消せる?」

 その問いにミーシャは悩むような間を空け、それから自信満々に言い切った。
 微笑みを浮かべながら……、

「ふふふ、ごめんなさい。
 それだけは絶対に出来ないんですよね~」

 その返答にルリイは、自分が嘘が吐かれたことを確信した。
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