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(22)紗英の身勝手な言い分
打算的思考回路
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***
仕事を誰にも押し付けられない日々に限界が来た紗英が、ある日の就業後ホテルの一室に風見を呼び出してどういうつもりなのか?と問い詰めたら「高嶺常務に釘を刺されたからだ」とはどういうことだろう?
「高嶺常務ってぇ、そんなお仕事もしてる人なのぉ? 紗英ぇ、会社のシステムとか全然興味ないからどういう意味なのかサッパリ分かんなぁーい!」
そう畳み掛ける紗英に、風見は「詳しいことは江根見部長に聞いたらいい」と言ってから、「そんなことよりこんなところへ呼び出したんだ。お前もそのつもりなんだろ?」と、紗英を押し倒してきた。
紗英は欲求不満解消のために仕方なく抱かれてやることにしたのだけれど、そんな紗英をあざ笑うみたいに風見が「素直に応じるってことはやっぱりお前妊娠なんてしてないんだろ?」としたり顔で言ってくるから、本気でムカついてしまった。
素直にその通りだと教えるのも腹立たしく思った紗英が、「アンタなんかに関係ないでしょぉ?」と風見を睨んだら、「そっか。まぁ私には関係ないが……本当に妊娠してるんならこのまま出しても問題ないな?」と気持ち悪いことを言ってきて。
紗英は風見が、避妊具を付けずに挿入してるのは知っていたから、観念して「妊娠なんてしてないんだからぁ! 外に出してよね!?」と渋々ウソを認めてやったのだけれど。
ニヤリと下卑た笑みを浮かべた風見に、「だったら噓がバレて困らないよう私が子種を授けてやろうな」って、結局そのまま中に出されてしまった。
一応婚約者ということになっている博視にだって、天莉から奪い取るまでの数回しか中で、は許していなかった紗英としては、正に最悪の極み。
(ピルは気分悪くなるから飲むのやめてるのにぃ! 赤ちゃん、本当に出来ちゃったりしたらパパに言い付けるって脅して手術代+慰謝料、きっちり請求してやるんだからぁ! 覚えてなさい!)
そこまで考えて、(あ、でもそうだ)と思い至った紗英だ。
この辺で一度産婦人科に行って「子供はやっぱり駄目でしたぁ……」という実績作りのための伏線を張っておいた方がいい。
(明日はお仕事休んでぇー、アフターピルを処方してもらっちゃおーっと)
何せ紗英、博視とは赤ちゃんを失って申し訳なくて、一緒にいるのが辛くなったと言う理由で婚約破棄をする計画なのだ。
(あんな独りよがりのエッチしか出来ない下手くそ男の妻になるのなんてぇ、願い下げだもん!)
博視と別れた後は、子供を失った上に婚約者も同時に失くしてしまった可哀想な女の子を演じつつ、常務の高嶺尽か、彼の秘書の伊藤直樹に傷心の自分を慰めて欲しいという体で猛アタックをして、どちらかをゲットするという壮大な計画がある。
実は紗英、性格は最悪で貞操観念もゆるゆるな困った女性だが、容姿だけは守ってあげないといけないようなどこか幼さの残った顔立ちで、ちょっと小首を傾げてウルウルッと瞳を潤ませれば、落とせなかった異性はいないという自負がある。
身長一五九センチの天莉が凛とした美人ならば、彼女より丁度十センチ低い小柄な紗英は――見た目だけなら――庇護欲をくすぐる可愛らしい小動物系。
高嶺尽と伊藤直樹の双方から言い寄られた場合、紗英的にはお金を沢山稼いでくれそうな高嶺の方を選ぶつもりではあるけれど、頭脳明晰容姿端麗な伊藤もキープしたいところ。
(きゃー、あんなハイスペックな男達を二人も落とせたら最高じゃぁーん♥ 考えただけでワクワクしちゃぁーう!)
風見に抱かれている最中だと言うのも忘れて、思わず笑みを漏らした紗英を見て、
「紗英、お前またくだらん計画立ててるんだろ?」
紗英の乳房をしゃぶりながら風見斗利彦が言ってくるから、「アンタには関係ない話だしぃ~!」とそっぽを向いてやった紗英だ。
なのに……!
「そうか、私には関係ないか」
言って咥えられたままの乳房を軽く甘噛みされたまま舌先で転がされて――。
「やあぁんっ」
思わず盛大に身体を跳ねさせて喘いでしまった。
風見は淡白な博視と違ってしつこいから、あと何回かは中に出されてしまうんだろう。
仕事を誰にも押し付けられない日々に限界が来た紗英が、ある日の就業後ホテルの一室に風見を呼び出してどういうつもりなのか?と問い詰めたら「高嶺常務に釘を刺されたからだ」とはどういうことだろう?
「高嶺常務ってぇ、そんなお仕事もしてる人なのぉ? 紗英ぇ、会社のシステムとか全然興味ないからどういう意味なのかサッパリ分かんなぁーい!」
そう畳み掛ける紗英に、風見は「詳しいことは江根見部長に聞いたらいい」と言ってから、「そんなことよりこんなところへ呼び出したんだ。お前もそのつもりなんだろ?」と、紗英を押し倒してきた。
紗英は欲求不満解消のために仕方なく抱かれてやることにしたのだけれど、そんな紗英をあざ笑うみたいに風見が「素直に応じるってことはやっぱりお前妊娠なんてしてないんだろ?」としたり顔で言ってくるから、本気でムカついてしまった。
素直にその通りだと教えるのも腹立たしく思った紗英が、「アンタなんかに関係ないでしょぉ?」と風見を睨んだら、「そっか。まぁ私には関係ないが……本当に妊娠してるんならこのまま出しても問題ないな?」と気持ち悪いことを言ってきて。
紗英は風見が、避妊具を付けずに挿入してるのは知っていたから、観念して「妊娠なんてしてないんだからぁ! 外に出してよね!?」と渋々ウソを認めてやったのだけれど。
ニヤリと下卑た笑みを浮かべた風見に、「だったら噓がバレて困らないよう私が子種を授けてやろうな」って、結局そのまま中に出されてしまった。
一応婚約者ということになっている博視にだって、天莉から奪い取るまでの数回しか中で、は許していなかった紗英としては、正に最悪の極み。
(ピルは気分悪くなるから飲むのやめてるのにぃ! 赤ちゃん、本当に出来ちゃったりしたらパパに言い付けるって脅して手術代+慰謝料、きっちり請求してやるんだからぁ! 覚えてなさい!)
そこまで考えて、(あ、でもそうだ)と思い至った紗英だ。
この辺で一度産婦人科に行って「子供はやっぱり駄目でしたぁ……」という実績作りのための伏線を張っておいた方がいい。
(明日はお仕事休んでぇー、アフターピルを処方してもらっちゃおーっと)
何せ紗英、博視とは赤ちゃんを失って申し訳なくて、一緒にいるのが辛くなったと言う理由で婚約破棄をする計画なのだ。
(あんな独りよがりのエッチしか出来ない下手くそ男の妻になるのなんてぇ、願い下げだもん!)
博視と別れた後は、子供を失った上に婚約者も同時に失くしてしまった可哀想な女の子を演じつつ、常務の高嶺尽か、彼の秘書の伊藤直樹に傷心の自分を慰めて欲しいという体で猛アタックをして、どちらかをゲットするという壮大な計画がある。
実は紗英、性格は最悪で貞操観念もゆるゆるな困った女性だが、容姿だけは守ってあげないといけないようなどこか幼さの残った顔立ちで、ちょっと小首を傾げてウルウルッと瞳を潤ませれば、落とせなかった異性はいないという自負がある。
身長一五九センチの天莉が凛とした美人ならば、彼女より丁度十センチ低い小柄な紗英は――見た目だけなら――庇護欲をくすぐる可愛らしい小動物系。
高嶺尽と伊藤直樹の双方から言い寄られた場合、紗英的にはお金を沢山稼いでくれそうな高嶺の方を選ぶつもりではあるけれど、頭脳明晰容姿端麗な伊藤もキープしたいところ。
(きゃー、あんなハイスペックな男達を二人も落とせたら最高じゃぁーん♥ 考えただけでワクワクしちゃぁーう!)
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「紗英、お前またくだらん計画立ててるんだろ?」
紗英の乳房をしゃぶりながら風見斗利彦が言ってくるから、「アンタには関係ない話だしぃ~!」とそっぽを向いてやった紗英だ。
なのに……!
「そうか、私には関係ないか」
言って咥えられたままの乳房を軽く甘噛みされたまま舌先で転がされて――。
「やあぁんっ」
思わず盛大に身体を跳ねさせて喘いでしまった。
風見は淡白な博視と違ってしつこいから、あと何回かは中に出されてしまうんだろう。
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