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■僕惚れ③『家族が増えました』
意趣返し3
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心配そうに理人を見上げる葵咲は、袖口にリブの入った、棒タイリボン付きの白セーターを着ていた。下は、ミラノリブニットのフレアスカート。
スカートの色は、葵咲にしては珍しいボルドーで、少し大人っぽい雰囲気だった。それが上品でまた可愛くて。
セーターのところどころにアクセントのように黒のラインが入っているのと合わせると、随分大人びて見える気がした。
「いや、凄く元気だよ。葵咲を迎えに帰っただけ」
言いながら、理人は葵咲のおでこに口付けを落とさずにはいられない。
本当は唇を塞ぎたいところだけれど、そんなことをすれば、可愛い恋人に欲情してしまいそうで、グッと堪えた。
「葵咲、凄く綺麗だ……」
改めて葵咲を真正面から見つめると、理人はうっとりとつぶやく。
「あっ、有難、う」
理人は葵咲に、毎日のように可愛いね、とか綺麗だね、とか言いまくっている。
それなのに、そのたびに葵咲が初々しく照れてはにかむのが、愛おしくてたまらなかった。
今日の葵咲は、髪の両サイドをねじってひとつに束ねてから、一旦リボンで留めて、更にその先を三つ編みにしてもうひとつリボンで留めていた。いわゆるハーフアップのアレンジバージョンと言った感じだ。
葵咲が、敢えて首もとの髪の毛を束ねずに首筋に残す髪形にしたのは、恐らくデコルテから情事のあとが垣間見えるのを防ぎたかったのだろう。
理人は葵咲の首筋のラインを見るとはなしに見下ろしながら、そんなことを思う。
今日の服はそんなに首元が開いていないので大丈夫だろうけれど、服によってはほんの少し前かがみになっただけでインナーのレースがちらりと見えることを知っているので、理人は葵咲の服の襟周りのデザインを、普段から結構気にしている。
自分が見るのはいいとして、他の男に見られるのは絶対に嫌だからだ。
***
「もう出られそう?」
理人が葵咲にそう聞くと、彼女はこくんとうなずいた。
「じゃ、行こうか」
一瞬セレも一緒に連れて出ようかと思った理人だったが、車酔いなどのリスクを考えて、葵咲を下ろしたあとで、また連れに来よう、と思った。
スカートの色は、葵咲にしては珍しいボルドーで、少し大人っぽい雰囲気だった。それが上品でまた可愛くて。
セーターのところどころにアクセントのように黒のラインが入っているのと合わせると、随分大人びて見える気がした。
「いや、凄く元気だよ。葵咲を迎えに帰っただけ」
言いながら、理人は葵咲のおでこに口付けを落とさずにはいられない。
本当は唇を塞ぎたいところだけれど、そんなことをすれば、可愛い恋人に欲情してしまいそうで、グッと堪えた。
「葵咲、凄く綺麗だ……」
改めて葵咲を真正面から見つめると、理人はうっとりとつぶやく。
「あっ、有難、う」
理人は葵咲に、毎日のように可愛いね、とか綺麗だね、とか言いまくっている。
それなのに、そのたびに葵咲が初々しく照れてはにかむのが、愛おしくてたまらなかった。
今日の葵咲は、髪の両サイドをねじってひとつに束ねてから、一旦リボンで留めて、更にその先を三つ編みにしてもうひとつリボンで留めていた。いわゆるハーフアップのアレンジバージョンと言った感じだ。
葵咲が、敢えて首もとの髪の毛を束ねずに首筋に残す髪形にしたのは、恐らくデコルテから情事のあとが垣間見えるのを防ぎたかったのだろう。
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「じゃ、行こうか」
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