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第二章 レッドドラゴンの角
第20話 ヒールが使えるようになる
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───────────────
冒険者マルコス LV3
【攻撃力】 6
【魔力】 0
【体力】 10
【スキル】 レベル3
【スキルランク】 S
【スキル能力】
・体を輝かせる
・回避
・ヒール
【持ち物】
・アイテムボックス
・オリハルコンの剣
───────────────
僕は自分のステイタスを見つめていた。
スキル能力にヒールが追加されている。
ヒールってあれだよね。
体力なんかを回復させるやつだ。
そうだよ。そのヒールに違いない。
僕は自分が知っているヒールの力を頭に思い浮かべていた。
そして、ある可能性に気づいた。
もしそうなら、すごいことになるのかも!
さっそく僕は、死んでしまっているミルヴァさんのもとに駆けつける。
どうすればいい?
ヒールの出し方がわからない。
でも、きっとそう。
『回避』のときと同じように、ライトを発動されれば、きっと『ヒール』が自動的に使えるはずだ。
僕は動かなくなってしまっているミルヴァさんに手を当てた。
そして心の中で唱える。
『ライト』!
するといつも通り、僕の体が無駄に輝きはじめた。
ぼくの目論見はこうだ。
ヒールには回復効果がある。
ミルヴァさんを回復させてみれば、もしかすると……。生き返るのでは……。
無駄かもしれないが、やってみる価値はある。
一般に、死んでしまっている人に対してはヒールなど効果がないと言われている。
けれど、やってみなければわからないじゃないか。
ミルヴァさんの呼吸が止まってしまっていても、細胞までは死に絶えていないのかも……。
輝いた僕の体から、光の粒子がミルヴァさんの体へと移行していく。
僅かな望みを持ちながら、僕は必死に体を輝かし続ける。
すると……。
もしかして!
僕の光がミルヴァさんへと伝わっていくと、微かに何かが動いたように思えた。
何だ? 何が動いているんだ?
時間が立つと、やがてその動きが明らかになってきた。
そうだ。
微かに動いているのはミルヴァさんの口元だった。
くちびるが微かに震えている。
それに呼応するように、次は閉じられたまぶたが揺れはじめる。
『ライト』!
僕はもう一度ライトを唱える。
「うっ」
ついにはミルヴァさんの口が開き、声がもれた。
「ミルヴァさん!」
僕はミルヴァさんを抱きしめ名前を呼んだ。
戻ってきて!
ミルヴァさん、こちらの世界に戻ってきて!
ミルヴァさんは戦う前に、こんなことを言っていた。
──きっとラッキーなことが起こる──
今こそ、そのラッキーなこと、起こってくれよ!
光の粒子がミルヴァさんを包み込む。
やわらかい膜が彼女を覆う。
「こ、ここは……」
奇跡だった。ミルヴァさんの目が開いたのだ。
「やった! ミルヴァさん、僕の声が聞こえますか?」
彼女はじっと僕の顔を見た。
「うん。聞こえる」
やがてミルヴァさんは、自分の足で地面に立った。ふらつくこともなく、しっかりと立っている。
手や足を動かして、自分の状態を確認し始める。
「大丈夫。どこも何ともないみたい」
ミルヴァさんは笑顔で話す。
「確か私……、レッドドラゴンに……。私、死んだはずだと思っていたけど、まだ生きているのね?」
「ええ、ミルヴァさんは生きてますよ」
嬉しくなった僕も笑顔で返す。
「すごく心地のいい光を浴びながら体が回復していくのが分かったけど、マルコスが私に何かしてくれたの?」
「ええ。たった今使えるようになったヒールをかけたのです」
「ヒール? 回復術のヒール? それを私に……?」
「はい」
「でも、ヒールは死んだ人間を生き返らせることなどできないわよ」
「僕もそう思ったのですが、やってみるとなぜかできたのです」
「す、すごい……。もしそれが本当なら……、マルコス、これはすごいことよ。今までの常識をくつがえすようなことをあなたはしているのよ。そんなすごいヒールが使えるなんて……、あなたは一体……」
そう言いながら、ミルヴァさんは横たわるレッドドラゴンに目をやった。
「まさか、このレッドドラゴンを倒したのも、マルコスなの?」
「はい、オリハルコンの剣があったから、意外と簡単に倒せました」
「レッドドラゴンを簡単に……、あの史上最強といわれているモンスターを簡単に倒したの?」
「ええ。剣で二回突いただけですが」
「……信じられない。マルコス、あなたはやっぱりすごい剣士よ。間違いないわ……、あなたは……。選ばれし勇者になれる逸材よ」
ミルヴァさんの口からそんな言葉がもれる。
そういえばレッドドラゴンも倒される際に勇者がどうとか言っていたな。
でも。
「僕が勇者になんかなれるわけありません」
僕は即答する。
レベル3になったばかりの僕が勇者になんかなれるわけないよ。そんな勇者聞いたことない。
だいたい僕は、勇者なんかに興味ないし。
そんなことより……。
「ミルヴァさん、このレッドドラゴン、魔石に変化していないんです。おそらく、まだ命が尽きていないんだと思います」
「そうね。この状態なら、角を切り取ることができそうよ」
「でも、切り取ったとしてもレッドドラゴンが死ねば、この角も魔石の一部に変わってしまうんじゃないですか?」
「その通りだと思う。けれど、もしもレッドドラゴンが死ななかったら……」
「もう、死ぬ寸前のように思えますが」
「マルコス、あなたはヒールが使えるのよね。私をよみがえらせたヒールを」
「……」
「そのヒールをレッドドラゴンに当てるのよ。そうすればドラゴンは復活し、死に絶えることはないと思うわ」
そうか。
僕にはヒールがあるんだ。
ミルヴァさんを生き返らせたヒールを使えば、レッドドラゴンも死ななくて済むかも。
「わかりました。では角を取って、レッドドラゴンにヒールをかけたら、僕たちは急いで逃げ帰りましょう」
僕はそう言うと、あらためてオリハルコンの剣を握りしめた。
剣の刃が、青白く輝いた。
「剣刃が輝いているわ! 私なんかよりマルコスに持たれることで、剣が喜んでいるように見える」
ミルヴァさんは僕とオリハルコンの剣とを見比べながら、驚いた様子でそんなことを言ったのだった。
冒険者マルコス LV3
【攻撃力】 6
【魔力】 0
【体力】 10
【スキル】 レベル3
【スキルランク】 S
【スキル能力】
・体を輝かせる
・回避
・ヒール
【持ち物】
・アイテムボックス
・オリハルコンの剣
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僕は自分のステイタスを見つめていた。
スキル能力にヒールが追加されている。
ヒールってあれだよね。
体力なんかを回復させるやつだ。
そうだよ。そのヒールに違いない。
僕は自分が知っているヒールの力を頭に思い浮かべていた。
そして、ある可能性に気づいた。
もしそうなら、すごいことになるのかも!
さっそく僕は、死んでしまっているミルヴァさんのもとに駆けつける。
どうすればいい?
ヒールの出し方がわからない。
でも、きっとそう。
『回避』のときと同じように、ライトを発動されれば、きっと『ヒール』が自動的に使えるはずだ。
僕は動かなくなってしまっているミルヴァさんに手を当てた。
そして心の中で唱える。
『ライト』!
するといつも通り、僕の体が無駄に輝きはじめた。
ぼくの目論見はこうだ。
ヒールには回復効果がある。
ミルヴァさんを回復させてみれば、もしかすると……。生き返るのでは……。
無駄かもしれないが、やってみる価値はある。
一般に、死んでしまっている人に対してはヒールなど効果がないと言われている。
けれど、やってみなければわからないじゃないか。
ミルヴァさんの呼吸が止まってしまっていても、細胞までは死に絶えていないのかも……。
輝いた僕の体から、光の粒子がミルヴァさんの体へと移行していく。
僅かな望みを持ちながら、僕は必死に体を輝かし続ける。
すると……。
もしかして!
僕の光がミルヴァさんへと伝わっていくと、微かに何かが動いたように思えた。
何だ? 何が動いているんだ?
時間が立つと、やがてその動きが明らかになってきた。
そうだ。
微かに動いているのはミルヴァさんの口元だった。
くちびるが微かに震えている。
それに呼応するように、次は閉じられたまぶたが揺れはじめる。
『ライト』!
僕はもう一度ライトを唱える。
「うっ」
ついにはミルヴァさんの口が開き、声がもれた。
「ミルヴァさん!」
僕はミルヴァさんを抱きしめ名前を呼んだ。
戻ってきて!
ミルヴァさん、こちらの世界に戻ってきて!
ミルヴァさんは戦う前に、こんなことを言っていた。
──きっとラッキーなことが起こる──
今こそ、そのラッキーなこと、起こってくれよ!
光の粒子がミルヴァさんを包み込む。
やわらかい膜が彼女を覆う。
「こ、ここは……」
奇跡だった。ミルヴァさんの目が開いたのだ。
「やった! ミルヴァさん、僕の声が聞こえますか?」
彼女はじっと僕の顔を見た。
「うん。聞こえる」
やがてミルヴァさんは、自分の足で地面に立った。ふらつくこともなく、しっかりと立っている。
手や足を動かして、自分の状態を確認し始める。
「大丈夫。どこも何ともないみたい」
ミルヴァさんは笑顔で話す。
「確か私……、レッドドラゴンに……。私、死んだはずだと思っていたけど、まだ生きているのね?」
「ええ、ミルヴァさんは生きてますよ」
嬉しくなった僕も笑顔で返す。
「すごく心地のいい光を浴びながら体が回復していくのが分かったけど、マルコスが私に何かしてくれたの?」
「ええ。たった今使えるようになったヒールをかけたのです」
「ヒール? 回復術のヒール? それを私に……?」
「はい」
「でも、ヒールは死んだ人間を生き返らせることなどできないわよ」
「僕もそう思ったのですが、やってみるとなぜかできたのです」
「す、すごい……。もしそれが本当なら……、マルコス、これはすごいことよ。今までの常識をくつがえすようなことをあなたはしているのよ。そんなすごいヒールが使えるなんて……、あなたは一体……」
そう言いながら、ミルヴァさんは横たわるレッドドラゴンに目をやった。
「まさか、このレッドドラゴンを倒したのも、マルコスなの?」
「はい、オリハルコンの剣があったから、意外と簡単に倒せました」
「レッドドラゴンを簡単に……、あの史上最強といわれているモンスターを簡単に倒したの?」
「ええ。剣で二回突いただけですが」
「……信じられない。マルコス、あなたはやっぱりすごい剣士よ。間違いないわ……、あなたは……。選ばれし勇者になれる逸材よ」
ミルヴァさんの口からそんな言葉がもれる。
そういえばレッドドラゴンも倒される際に勇者がどうとか言っていたな。
でも。
「僕が勇者になんかなれるわけありません」
僕は即答する。
レベル3になったばかりの僕が勇者になんかなれるわけないよ。そんな勇者聞いたことない。
だいたい僕は、勇者なんかに興味ないし。
そんなことより……。
「ミルヴァさん、このレッドドラゴン、魔石に変化していないんです。おそらく、まだ命が尽きていないんだと思います」
「そうね。この状態なら、角を切り取ることができそうよ」
「でも、切り取ったとしてもレッドドラゴンが死ねば、この角も魔石の一部に変わってしまうんじゃないですか?」
「その通りだと思う。けれど、もしもレッドドラゴンが死ななかったら……」
「もう、死ぬ寸前のように思えますが」
「マルコス、あなたはヒールが使えるのよね。私をよみがえらせたヒールを」
「……」
「そのヒールをレッドドラゴンに当てるのよ。そうすればドラゴンは復活し、死に絶えることはないと思うわ」
そうか。
僕にはヒールがあるんだ。
ミルヴァさんを生き返らせたヒールを使えば、レッドドラゴンも死ななくて済むかも。
「わかりました。では角を取って、レッドドラゴンにヒールをかけたら、僕たちは急いで逃げ帰りましょう」
僕はそう言うと、あらためてオリハルコンの剣を握りしめた。
剣の刃が、青白く輝いた。
「剣刃が輝いているわ! 私なんかよりマルコスに持たれることで、剣が喜んでいるように見える」
ミルヴァさんは僕とオリハルコンの剣とを見比べながら、驚いた様子でそんなことを言ったのだった。
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