5 / 13
5.四騎士と転生した私
しおりを挟む
「殿下なぜお亡くなりになってしまわれたのです……」
「結局、この男もそれまでの人間だったということだろう。過程がどれほど華々しいものだったとしても、やり遂げる前に死ぬなど……つまらないやつだ」
「貴様、殿下を愚弄するのか?」
「事実を言ったまでだ」
「お2人とも殿下の御遺体の前ですよ。ここで口論する事、それこそがもっともアレク様を侮辱する行為です」
「……」グスン
「貴方は何か言ったらどうですか?」
「……うるさい」グスン
……。
私は気がつくと、周りに人の気配を感じました。数人、おそらく4人です。ふかふかの感触、ベッドに仰向けで寝ているのでしょう。
薄く目を開けると、豪華な装飾が施された天井が見えました。目が回りそうな模様です。
長い、長い眠りから醒めたような気分です。寝ぼけているように、現実感がありません……。
先ほどまで……いえ、なぜでしょう……真っ白な空間でアレク様と逢ったことが、すごい昔のように感じられます。
そして、私は自分の体の違和感に気付きました。
!!! 私は2秒で完全覚醒します。
ガバッと唐突に身を起こして、私は自分の体を確認しました。二十数年連れ添った慣れ親しんだ身体……ではありません!
あっ、ベッドの向かい側に姿見鏡があります!
鏡を見つけた私は、早く自分の姿を確認したくてベッドから駆け出して鏡を鷲掴みにしました。
鏡を見ると……
鏡の中にはアレク様がいました。
「ご無沙汰しております、アレク様……」
アレク様は、まるで鏡の中に閉じ込められたような驚いた顔をしておられます。
驚いた顔も素敵でした。
でも、私はアレク様の笑顔至上主義論者です! 笑顔が見たくて仕方ありません。
( ◠ ‿ ◠ )ニヘラ
ぎこちない笑顔をアレク様は浮かべました。……練習が必要みたいです。
それから、自分の身体をペタペタと触ってみます。
ガッチリとした二の腕……。手の甲に浮き出る血管。お腹は綺麗に縦割れしています! お腹を触るとボコボコと抵抗を感じました。こ、これが腹筋が割れるってことなんですね……。肌はすべすべで綺麗です。仕事のストレスで肌荒れしていた私の3倍くらい綺麗です!! ……ちょっと、悔しいです。
……というか、また裸です!!
そ、それに……その……つ、ついてます!! なにがとはとても言えません! 私は純情な乙女なのです。勘違いしないでくださいよ、そ、その部分には触ってませんからね!
というか、もう私……乙女じゃないんですか?
つまり、私は……
アレク様の身体に転生したのです!!
私が半狂乱になっていると、後ろから視線を感じました。
振り返るとそこには、美男子が4人もいたのです!!!!
4人とも口をパクパクして驚いています。
まるで、死人がいきなり起き上がって走り出したみたいな顔をしています。
……!!!!!
「うわぁぁ!!!」「きゃあ!!」
私たち5人はそれぞれ叫び声を上げました。
え、私が叫んだ理由? そんなの決まってるじゃないですか……全裸だからですよ! その件はもうやったですって? 状況が違います。私以外の人は服を着てるのですから!
私はとっさにシーツを掴んで体に巻きつけました。全身を隠します。
……突然ですが、私は今までの人生で疑問に思っていたことがあるのです。
下半身は男女ともに隠したいものです。しかし、男の人は上半身を隠さなくてもよい、という風潮がありますよね。胸のことです。もちろん理解しているつもりでしたけど……え? それ誰が決めたんです!?
男の人(アレク様)に転生した私ですが、恥ずかしくて堪りません!!
そ、それに……筋肉質の胸は……下手をしたら元の私より大きいかも?
……これじゃあ、天使が間違うのも無理はありませんね! って、黙れです! 誰が男の人と間違われるおっぱいですって!? ◯しますよ!!
1人ノリツッコミです。何点でしょうか。教えてください、本場の人。
私は、恥ずかしさを誤魔化すように頭の中でごちゃごちゃと考えていました。でも、8つの視線がマジマジと注がれていことを意識してしまいます。
み、見ないでください……。
シーツの間から、伺うように周りにいる方たちを見る私です。
……。まぁ、イケメン達ばかりですわ。
アレク様を見た時、この方以上の美男子は存在し得ないと思ったのですが……私を取り囲む4人は彼に匹敵するレベルの美男子達でした。
白髪の美男子
赤髪の美男子
緑髪の美男子
黒髪の美男子
の4人です! それぞれ違ったタイプのイケメン達です!! 4人!
「「「「……」」」」
「で、殿下っ! おお神よ!」
「おい、あの医者を呼び出せ。縛り首にしてやる!」
「それでは足りません。あの医者……拷問してから、一族郎党皆殺しです」
「……よかった。……あのヤブ医者殺す」グスン
イケメン美男子達は、ようやく現状を認識することが出来たのでしょう。バタバタと言葉を発しています。
よかったです。言葉は理解できるようですね。早く着る物をお願いしたいです!
……あと、お医者さんの命が心配です。
***
これが、私と4人の騎士様との出会いでした。
次回は私のチート能力をお見せしましょう!!
「結局、この男もそれまでの人間だったということだろう。過程がどれほど華々しいものだったとしても、やり遂げる前に死ぬなど……つまらないやつだ」
「貴様、殿下を愚弄するのか?」
「事実を言ったまでだ」
「お2人とも殿下の御遺体の前ですよ。ここで口論する事、それこそがもっともアレク様を侮辱する行為です」
「……」グスン
「貴方は何か言ったらどうですか?」
「……うるさい」グスン
……。
私は気がつくと、周りに人の気配を感じました。数人、おそらく4人です。ふかふかの感触、ベッドに仰向けで寝ているのでしょう。
薄く目を開けると、豪華な装飾が施された天井が見えました。目が回りそうな模様です。
長い、長い眠りから醒めたような気分です。寝ぼけているように、現実感がありません……。
先ほどまで……いえ、なぜでしょう……真っ白な空間でアレク様と逢ったことが、すごい昔のように感じられます。
そして、私は自分の体の違和感に気付きました。
!!! 私は2秒で完全覚醒します。
ガバッと唐突に身を起こして、私は自分の体を確認しました。二十数年連れ添った慣れ親しんだ身体……ではありません!
あっ、ベッドの向かい側に姿見鏡があります!
鏡を見つけた私は、早く自分の姿を確認したくてベッドから駆け出して鏡を鷲掴みにしました。
鏡を見ると……
鏡の中にはアレク様がいました。
「ご無沙汰しております、アレク様……」
アレク様は、まるで鏡の中に閉じ込められたような驚いた顔をしておられます。
驚いた顔も素敵でした。
でも、私はアレク様の笑顔至上主義論者です! 笑顔が見たくて仕方ありません。
( ◠ ‿ ◠ )ニヘラ
ぎこちない笑顔をアレク様は浮かべました。……練習が必要みたいです。
それから、自分の身体をペタペタと触ってみます。
ガッチリとした二の腕……。手の甲に浮き出る血管。お腹は綺麗に縦割れしています! お腹を触るとボコボコと抵抗を感じました。こ、これが腹筋が割れるってことなんですね……。肌はすべすべで綺麗です。仕事のストレスで肌荒れしていた私の3倍くらい綺麗です!! ……ちょっと、悔しいです。
……というか、また裸です!!
そ、それに……その……つ、ついてます!! なにがとはとても言えません! 私は純情な乙女なのです。勘違いしないでくださいよ、そ、その部分には触ってませんからね!
というか、もう私……乙女じゃないんですか?
つまり、私は……
アレク様の身体に転生したのです!!
私が半狂乱になっていると、後ろから視線を感じました。
振り返るとそこには、美男子が4人もいたのです!!!!
4人とも口をパクパクして驚いています。
まるで、死人がいきなり起き上がって走り出したみたいな顔をしています。
……!!!!!
「うわぁぁ!!!」「きゃあ!!」
私たち5人はそれぞれ叫び声を上げました。
え、私が叫んだ理由? そんなの決まってるじゃないですか……全裸だからですよ! その件はもうやったですって? 状況が違います。私以外の人は服を着てるのですから!
私はとっさにシーツを掴んで体に巻きつけました。全身を隠します。
……突然ですが、私は今までの人生で疑問に思っていたことがあるのです。
下半身は男女ともに隠したいものです。しかし、男の人は上半身を隠さなくてもよい、という風潮がありますよね。胸のことです。もちろん理解しているつもりでしたけど……え? それ誰が決めたんです!?
男の人(アレク様)に転生した私ですが、恥ずかしくて堪りません!!
そ、それに……筋肉質の胸は……下手をしたら元の私より大きいかも?
……これじゃあ、天使が間違うのも無理はありませんね! って、黙れです! 誰が男の人と間違われるおっぱいですって!? ◯しますよ!!
1人ノリツッコミです。何点でしょうか。教えてください、本場の人。
私は、恥ずかしさを誤魔化すように頭の中でごちゃごちゃと考えていました。でも、8つの視線がマジマジと注がれていことを意識してしまいます。
み、見ないでください……。
シーツの間から、伺うように周りにいる方たちを見る私です。
……。まぁ、イケメン達ばかりですわ。
アレク様を見た時、この方以上の美男子は存在し得ないと思ったのですが……私を取り囲む4人は彼に匹敵するレベルの美男子達でした。
白髪の美男子
赤髪の美男子
緑髪の美男子
黒髪の美男子
の4人です! それぞれ違ったタイプのイケメン達です!! 4人!
「「「「……」」」」
「で、殿下っ! おお神よ!」
「おい、あの医者を呼び出せ。縛り首にしてやる!」
「それでは足りません。あの医者……拷問してから、一族郎党皆殺しです」
「……よかった。……あのヤブ医者殺す」グスン
イケメン美男子達は、ようやく現状を認識することが出来たのでしょう。バタバタと言葉を発しています。
よかったです。言葉は理解できるようですね。早く着る物をお願いしたいです!
……あと、お医者さんの命が心配です。
***
これが、私と4人の騎士様との出会いでした。
次回は私のチート能力をお見せしましょう!!
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
転生して勇者を倒すために育てられた俺が、いつの間にか勇者の恋人になっている話
ぶんぐ
BL
俺は、平凡なサラリーマンだったはずだ…しかしある日突然、自分が前世プレイしていたゲームの世界の悪役に転生していることに気が付いた!
勇者を裏切り倒される悪役のカイ…俺は、そんな最期は嫌だった。
俺はシナリオを変えるべく、勇者を助けることを決意するが──勇者のアランがなぜか俺に話しかけてくるんだが……
溺愛美形勇者×ツンデレ裏切り者剣士(元平凡リーマン)
※現時点でR-18シーンの予定はありませんが、今後追加する可能性があります。
※拙い文章ですが、お付き合い頂ければ幸いです。
甥っ子と異世界に召喚された俺、元の世界へ戻るために奮闘してたら何故か王子に捕らわれました?
秋野 なずな
BL
ある日突然、甥っ子の蒼葉と異世界に召喚されてしまった冬斗。
蒼葉は精霊の愛し子であり、精霊を回復できる力があると告げられその力でこの国を助けて欲しいと頼まれる。しかし同時に役目を終えても元の世界には帰すことが出来ないと言われてしまう。
絶対に帰れる方法はあるはずだと協力を断り、せめて蒼葉だけでも元の世界に帰すための方法を探して孤軍奮闘するも、誰が敵で誰が味方かも分からない見知らぬ地で、1人の限界を感じていたときその手は差し出された
「僕と手を組まない?」
その手をとったことがすべての始まり。
気づいた頃にはもう、その手を離すことが出来なくなっていた。
王子×大学生
―――――――――
※男性も妊娠できる世界となっています
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
異世界に転移したショタは森でスローライフ中
ミクリ21
BL
異世界に転移した小学生のヤマト。
ヤマトに一目惚れした森の主のハーメルンは、ヤマトを溺愛して求愛しての毎日です。
仲良しの二人のほのぼのストーリーです。
婚約破棄された悪役令息は従者に溺愛される
田中
BL
BLゲームの悪役令息であるリアン・ヒスコックに転生してしまった俺は、婚約者である第二王子から断罪されるのを待っていた!
なぜなら断罪が領地で療養という軽い処置だから。
婚約破棄をされたリアンは従者のテオと共に領地の屋敷で暮らすことになるが何気ないリアンの一言で、テオがリアンにぐいぐい迫ってきてーー?!
従者×悪役令息
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
転生したら乙女ゲームの世界で攻略キャラを虜にしちゃいました?!
まかろに(仮)
BL
事故で死んで転生した事を思い出したらここは乙女ゲームの世界で、しかも自分は攻略キャラの暗い過去の原因のモブの男!?
まぁ原因を作らなきゃ大丈夫やろと思って普通に暮らそうとするが…?
※r18は"今のところ"ありません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる