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2.ふざけた天使
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何もかも真っ白な空間で、私は天使さんの話を聞いていました。
「はぁ……つまり私は王子様に転生(転移?)するんですか?」
天使さんの話を頑張って理解しようとする私です。異世界転生って本当にあったんですね。
「はい。そう言うことになりますね。正確には皇太子ですけど。あなたの魂を亡くなってしまった彼のカラダに入れて復活させます」
「私はその人になりかわるって事ですよね。それは分かりましたけど……。なんで、私を? ……素直に男の人に頼めば良いのでは?」
天使さんの言ったことに疑問を感じる私でした。
男の人は男の人に、女の人は女の人にした方が色々と不都合がないものでしょう。
「ええまぁ、僕も最初はそのつもりだったのですけれど。……怒らないで聞いてもらえますか?」
「? 場合によりますが」
まさか、間違いだなんて言うはずがありません。人間の私には考えが及ばない、何か崇高な考えがあるに違いないのですから。
でも、目の前の天使はとんでもないことを言いやがりました。
「あなたの胸がまっ平らだったので男の人と間違えたのです!!」ドャァ
天使は謎のドヤ顔です。
こいつ、ころ……失礼。ぶっころ……すみません。言葉遣いには気を付けなくてはなりません。社会人としてのマナーです。
ミスは誰にでもあります。パワハラよくない。感情のままに行動してはいけません。
ふぅ、深呼吸して心を落ち着けましょう。
……さて、どうしたら、こいつをしばき回せるのでしょうか? 背中の翼を引きちぎってやりたいんですけどっ。
「すいません、神々のゴタゴタの疲れでミスしてしまいました。僕は悪くありません。ぺったんこのあなたが悪いんですからね! 」テヘ♪
はい、分かりました。こいつ完全にふざけてます。そして、わたし決めました。チート能力を貰えるなら、まずこのふざけた天使を地獄に落とせるスキルがほしいです。
能力名は《天使堕とし》でお願いしたいところです。天使に対して無敵の力を持つ能力です。
翼が生えてるから、鶏とたいして変わらないはずです。アホみたいな顔してるこいつの羽を引きちぎって、手羽先の唐揚げにしてやりますよ!
「喧嘩売ってるんですか? 」
(気にしないでください)
怒りのあまり本音と建前が逆になってしまいました。私の胸を馬鹿にしたことは万死に値します。ぺったんこじゃない、ちょっと起伏に乏しいだけです。スレンダーと言ってください。
「売ってません。怖い顔で睨まないでくださいよぅ。……ぺったんこの胸がトラックに轢かれて、さらに真っ平に!」ゲラゲラ
天使は腹を抱えて笑い転げています。
はーい、殺しまーす。ぶっ殺しまーす。こいつの死因は私を怒らせたことです。
「殺しますよ」
(殺しますよ)
「ヒェ……まあまあ、怒らないでくださいよ。軽いジョークです。死んだばかりで、何も分からないあなたを和ませようと思った僕の優しさなんですよ!」
本当でしょうか? 天界の冗談のセンスは分かりません。
「まぁ、あなたを人間の男性と間違えたことは本当ですけども」テヘ♪
こいつ、ジョークとつければ何を言っても許されると思ってやがります。パワハラ天使です。見た目が可愛らしい男の子じゃなかったら、顔面にパンチをお見舞いしているところです。
「あなたの冗談はどうでもいいです。早く、本題に入ってください。あと、私はぺったんこではありません」
私は、ほんのちょっとわずかに怒り狂う心を抑えながら天使に問いました。
「いいでしょう。あなたをからかうのも飽きてきました。あと、あなたはぺったんこです」
こ、こいつ……。
「では、その転生先の方に登場してもらいましょう。詳しい事は彼に聞いてください」
え、ここに現れるのですか?
これから転生する人に会えるだなんて……。
ボフン! と煙が上がりました。
そして、私の前に超絶イケメン皇太子さまが現れたのです。
「はぁ……つまり私は王子様に転生(転移?)するんですか?」
天使さんの話を頑張って理解しようとする私です。異世界転生って本当にあったんですね。
「はい。そう言うことになりますね。正確には皇太子ですけど。あなたの魂を亡くなってしまった彼のカラダに入れて復活させます」
「私はその人になりかわるって事ですよね。それは分かりましたけど……。なんで、私を? ……素直に男の人に頼めば良いのでは?」
天使さんの言ったことに疑問を感じる私でした。
男の人は男の人に、女の人は女の人にした方が色々と不都合がないものでしょう。
「ええまぁ、僕も最初はそのつもりだったのですけれど。……怒らないで聞いてもらえますか?」
「? 場合によりますが」
まさか、間違いだなんて言うはずがありません。人間の私には考えが及ばない、何か崇高な考えがあるに違いないのですから。
でも、目の前の天使はとんでもないことを言いやがりました。
「あなたの胸がまっ平らだったので男の人と間違えたのです!!」ドャァ
天使は謎のドヤ顔です。
こいつ、ころ……失礼。ぶっころ……すみません。言葉遣いには気を付けなくてはなりません。社会人としてのマナーです。
ミスは誰にでもあります。パワハラよくない。感情のままに行動してはいけません。
ふぅ、深呼吸して心を落ち着けましょう。
……さて、どうしたら、こいつをしばき回せるのでしょうか? 背中の翼を引きちぎってやりたいんですけどっ。
「すいません、神々のゴタゴタの疲れでミスしてしまいました。僕は悪くありません。ぺったんこのあなたが悪いんですからね! 」テヘ♪
はい、分かりました。こいつ完全にふざけてます。そして、わたし決めました。チート能力を貰えるなら、まずこのふざけた天使を地獄に落とせるスキルがほしいです。
能力名は《天使堕とし》でお願いしたいところです。天使に対して無敵の力を持つ能力です。
翼が生えてるから、鶏とたいして変わらないはずです。アホみたいな顔してるこいつの羽を引きちぎって、手羽先の唐揚げにしてやりますよ!
「喧嘩売ってるんですか? 」
(気にしないでください)
怒りのあまり本音と建前が逆になってしまいました。私の胸を馬鹿にしたことは万死に値します。ぺったんこじゃない、ちょっと起伏に乏しいだけです。スレンダーと言ってください。
「売ってません。怖い顔で睨まないでくださいよぅ。……ぺったんこの胸がトラックに轢かれて、さらに真っ平に!」ゲラゲラ
天使は腹を抱えて笑い転げています。
はーい、殺しまーす。ぶっ殺しまーす。こいつの死因は私を怒らせたことです。
「殺しますよ」
(殺しますよ)
「ヒェ……まあまあ、怒らないでくださいよ。軽いジョークです。死んだばかりで、何も分からないあなたを和ませようと思った僕の優しさなんですよ!」
本当でしょうか? 天界の冗談のセンスは分かりません。
「まぁ、あなたを人間の男性と間違えたことは本当ですけども」テヘ♪
こいつ、ジョークとつければ何を言っても許されると思ってやがります。パワハラ天使です。見た目が可愛らしい男の子じゃなかったら、顔面にパンチをお見舞いしているところです。
「あなたの冗談はどうでもいいです。早く、本題に入ってください。あと、私はぺったんこではありません」
私は、ほんのちょっとわずかに怒り狂う心を抑えながら天使に問いました。
「いいでしょう。あなたをからかうのも飽きてきました。あと、あなたはぺったんこです」
こ、こいつ……。
「では、その転生先の方に登場してもらいましょう。詳しい事は彼に聞いてください」
え、ここに現れるのですか?
これから転生する人に会えるだなんて……。
ボフン! と煙が上がりました。
そして、私の前に超絶イケメン皇太子さまが現れたのです。
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♡注意事項~この話を読む前に~♡
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※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
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