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第百九十六話 お願いがあるのです
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「姉上。良かったら、今からお茶でも…、」
あれから屋敷に帰ったルイは時間を見つけて、リエルの部屋に訪れた。が…、
「旦那様。お嬢様なら、つい先程、出かけられましたわ。」
「出かけた?どこに?」
「ルイゼンブルク邸に行かれましたわ。アルバート様からお借りした本を返しに行くと仰っていました。」
「な…!?アルバートに…!?あの駄犬、姉上にそのような手間をかけさせて…!」
何様のつもりだ!と憤慨するルイをメリルは宥めた。
「ま、まあまあ。旦那様、落ち着いて下さいませ。アルバート様はまだお帰りになられていないと思いますし、本当にただ本を借りに返しに行くだけですから…。」
「だからといって、姉上にわざわざ足を運ばせるなど…!」
怒りが収まらない様子のルイにメリルおろおろとしながら、お嬢様、早く帰ってきてー!と心の中で叫んだ。
リエルは馬車に乗りながら、アルバートから借りた本を膝に乗せて、思案していた。
アルバートから本を借りていて良かった…。
これで、ルイゼンブルク邸に行く口実ができた。
この時間はアルバートは薔薇騎士として王城に勤めている時間だから、鉢合わせにはならない筈だ。
リエルは借りた本を返すことが真の目的ではない。これは、あくまで口実に過ぎない。
本当の目的は…、アルバートの父、アレクセイに会う事だった。
「お嬢様。突然、どうなされました?生憎、坊ちゃんはまだお帰りになられていないのですが…、」
「ウォルター。約束もないのに突然、押しかけてごめんなさい。今、アレクセイ様はいらっしゃる?」
「いえ。それは構わないのですが‥。旦那様でしたら、ご在宅ですよ。」
「本当?ウォルター。今からお会いすることはできないかしら?大事な話があるの。」
「少々、お待ちください。旦那様に確認してまいりますので。」
リエルのいつもと少し違った様子にウォルターは内心驚きながら、アレクセイに話を通した。程なくして、リエルはすぐに客間に通された。
「リエル。久しぶりだね。」
「突然、お邪魔してしまい、申し訳ありません。アレクセイ様。…お久しぶりでございます。」
アレクセイはにこやかにリエルを迎え入れてくれた。
「私達と君達の家は古い付き合いだ。そこまで畏まる必要はない。楽にしてくれ。」
「ありがとうございます。」
リエルはニコッと笑った。
「それで一体、どうしたんだ?アルバートではなく、私に会いたいと来るとは珍しい。何か大事な話があると聞いたが…?」
「実は…、アレクセイ様にお願いがあるのです。」
「お願い?」
「私に…、ルイゼンブルク家の秘薬を分けて頂きたいのです。」
アレクセイは目を瞠った。リエルの言葉に笑みを消し、真剣な表情を浮かべる。
「…どのような?」
「できれば、即効性のある薬を。
具体的にいえば…、奇病、もしくは皮膚病に見えるかのような薬をお願いします。」
「…フム。」
アレクセイはリエルをじっと見つめ、顎に手を置いて黙った。
ルイゼンブルク家はありとあらゆる薬や毒に通じた一族。
だが、それらは表にはほとんど知られていない事実であり、一部の人間しか知る者はいない。
五大貴族は皇帝派の筆頭貴族であり、地位、財力、権力がある。
何も知らない貴族達は五大貴族を妬み、羨んだ。
だが、彼らは知らない。五大貴族の裏の顔を。
五大貴族は王家を支える光でもあり、闇でもあるのだ。王家を陰ながら支え、王家の闇として暗躍する。五大貴族にはそんな薄ら暗い歴史と過去がある。
フォルネーゼ伯爵家も汚れ仕事を買い、闇社会に足を踏み入れて、皇帝の命令と任務を遂行する役割を持つ。フォルネーゼ家に裏の顔があるように同じ五大貴族であるルイゼンブルク家にも裏の顔がある。
ルイゼンブルク家は今まで王家と一族の為に薬の知識を使い、暗躍してきた過去がある。
そして、その知識は代々、当主の間でのみ受け継がれてきた。
一般的に知られている薬以外にも一族にしか伝わっていない秘薬もあり、幅広い薬の知識と育成能力を持っている。中には、魔法のような効力のある薬もあるといわれているが、その詳細は謎に包まれている。
同じ五大貴族であるリエルですらも未知の領域だ。
詳しい事はリエルも知らない。でも…、もう頼れるのはここしかないのだ。
きっと、どこを探してもルイゼンブルク家以上に薬物に詳しい人物はない。
私には時間がないのだ。一刻も早く行動に移さないといけない。そうなると、頼れるのはここしか思いつかなかった。リエルは一縷の希望を抱きつつ、アレクセイの答えを待った。
「その薬を何に使うつもりだ?」
「他人に使うつもりはありません。薬は私が飲むものです。私は…、ある人を助けたいのです。その人は私にとってとても大切な人なのです!その人の名誉のために名前は明かせません。
ですが、決して、私は私利私欲のために薬を使う訳じゃなありません。誰かに危害を加えるつもりもありません。
ただ、私は大切な人を助ける為に…、周囲の人間に私を奇病に見させるための策が必要なのです。」
「その為に秘薬が必要だと?」
リエルは頷いた。アレクセイはじっとリエルを静かに見つめた。やがて、ゆっくりと口を開いた。
「リエル。君が誰よりも優しい子であることは私もよく知っている。そんな君が誰かを傷つけたり陥れようとする真似はしないのだということも。聡明で思慮深い君が突然、そんな事を言い出すには何か理由があるのだということも。…ちゃんと、分かっているよ。」
アレクセイはリエルに優しく、労わるような目を向け、続けて言った。
「本来、こういった薬の依頼は余程の事がない限り、引き受けることはしない。
安易に引き受けたりしては、どこからか秘密が洩れる恐れがあるからな。それに、失敗したとなると取り返しのつかない事態を引き起こす危険もある。…だが、君はエドゥアルトの娘だ。君の父上と私は親友だった。友を大切に想うその気持ちは私もよく分かる。だから…、今回は特別だ。」
「え…、じゃあ…、」
期待の入り混じった表情を浮かべるリエルにアレクセイは微笑み、頷いた。
「他ならぬ君の頼みだ。引き受けよう。」
「あ…、ありがとうございます!」
リエルは満面の笑顔を浮かべて頭を下げて、お礼を言った。
「アレクセイ様。本当にありがとうございました。助かります!」
「気にすることはない。また、落ち着いたらいつでも遊びに来るといい。」
「はい!是非!」
リエルはアレクセイの言葉に微笑んで頷き、そのまま帰ろうとした。が、少し不安そうに振り返ると、
「あの…、アレクセイ様。この事は…、」
「大丈夫。分かっているよ。リヒターにもアルバートにも秘密にするから安心なさい。」
アレクセイの言葉にリエルはホッとした。
「何から何まで、ありがとうございます!それでは…、私はこれで。」
そう言って、リエルは慌ただしく帰って行った。
リエルを見送り、ウォルターはアレクセイに問いかけた。
「旦那様。お嬢様と一体、何をお話しなさっていたのです?」
「…あの子は親友を助ける為に私に秘薬を分けて欲しいと言ったのだ。ああいう情に熱い所や無茶をする所は父親にそっくりだな。」
アレクセイは目を細めて、切なげに呟いた。
リエルの大切な人とは誰の事か名前を聞かなくても予想はつく。
ゾフィーの存在はアレクセイも知っていた。
その令嬢がリエルの親しい友人だということも。
アルバートが最近、仕事と次期当主としての務めの合間にもロンディ子爵令嬢の行方を追って、情報集めをしていることは知っていたし、あの友達思いのリエルが何もせずに大人しくしている筈がない。
親友を助ける為に危険を冒すだろうことはよく分かっていた。
あの様子だと、また危ない橋を渡るつもりなのだろう。
止めるべきだろうとは思うが今までの経験上、あの子は止めてもきかない性格だ。
それに、リエルもただ突発的に行動するだけのお転婆娘ではない。
戦闘能力はなくても、今まで極秘任務や潜入調査を何度も経験してきた身だ。
きっと、大丈夫だろう。だからこそ、アレクセイはリエルを信じて、背中を後押ししたのだ。
それに、どうせ自分が黙っていてもあの勘の鋭い息子二人はすぐに気付くことだろう。
アレクセイは遠ざかる馬車を窓から見送りながら、そう心の中で呟いた。
あれから屋敷に帰ったルイは時間を見つけて、リエルの部屋に訪れた。が…、
「旦那様。お嬢様なら、つい先程、出かけられましたわ。」
「出かけた?どこに?」
「ルイゼンブルク邸に行かれましたわ。アルバート様からお借りした本を返しに行くと仰っていました。」
「な…!?アルバートに…!?あの駄犬、姉上にそのような手間をかけさせて…!」
何様のつもりだ!と憤慨するルイをメリルは宥めた。
「ま、まあまあ。旦那様、落ち着いて下さいませ。アルバート様はまだお帰りになられていないと思いますし、本当にただ本を借りに返しに行くだけですから…。」
「だからといって、姉上にわざわざ足を運ばせるなど…!」
怒りが収まらない様子のルイにメリルおろおろとしながら、お嬢様、早く帰ってきてー!と心の中で叫んだ。
リエルは馬車に乗りながら、アルバートから借りた本を膝に乗せて、思案していた。
アルバートから本を借りていて良かった…。
これで、ルイゼンブルク邸に行く口実ができた。
この時間はアルバートは薔薇騎士として王城に勤めている時間だから、鉢合わせにはならない筈だ。
リエルは借りた本を返すことが真の目的ではない。これは、あくまで口実に過ぎない。
本当の目的は…、アルバートの父、アレクセイに会う事だった。
「お嬢様。突然、どうなされました?生憎、坊ちゃんはまだお帰りになられていないのですが…、」
「ウォルター。約束もないのに突然、押しかけてごめんなさい。今、アレクセイ様はいらっしゃる?」
「いえ。それは構わないのですが‥。旦那様でしたら、ご在宅ですよ。」
「本当?ウォルター。今からお会いすることはできないかしら?大事な話があるの。」
「少々、お待ちください。旦那様に確認してまいりますので。」
リエルのいつもと少し違った様子にウォルターは内心驚きながら、アレクセイに話を通した。程なくして、リエルはすぐに客間に通された。
「リエル。久しぶりだね。」
「突然、お邪魔してしまい、申し訳ありません。アレクセイ様。…お久しぶりでございます。」
アレクセイはにこやかにリエルを迎え入れてくれた。
「私達と君達の家は古い付き合いだ。そこまで畏まる必要はない。楽にしてくれ。」
「ありがとうございます。」
リエルはニコッと笑った。
「それで一体、どうしたんだ?アルバートではなく、私に会いたいと来るとは珍しい。何か大事な話があると聞いたが…?」
「実は…、アレクセイ様にお願いがあるのです。」
「お願い?」
「私に…、ルイゼンブルク家の秘薬を分けて頂きたいのです。」
アレクセイは目を瞠った。リエルの言葉に笑みを消し、真剣な表情を浮かべる。
「…どのような?」
「できれば、即効性のある薬を。
具体的にいえば…、奇病、もしくは皮膚病に見えるかのような薬をお願いします。」
「…フム。」
アレクセイはリエルをじっと見つめ、顎に手を置いて黙った。
ルイゼンブルク家はありとあらゆる薬や毒に通じた一族。
だが、それらは表にはほとんど知られていない事実であり、一部の人間しか知る者はいない。
五大貴族は皇帝派の筆頭貴族であり、地位、財力、権力がある。
何も知らない貴族達は五大貴族を妬み、羨んだ。
だが、彼らは知らない。五大貴族の裏の顔を。
五大貴族は王家を支える光でもあり、闇でもあるのだ。王家を陰ながら支え、王家の闇として暗躍する。五大貴族にはそんな薄ら暗い歴史と過去がある。
フォルネーゼ伯爵家も汚れ仕事を買い、闇社会に足を踏み入れて、皇帝の命令と任務を遂行する役割を持つ。フォルネーゼ家に裏の顔があるように同じ五大貴族であるルイゼンブルク家にも裏の顔がある。
ルイゼンブルク家は今まで王家と一族の為に薬の知識を使い、暗躍してきた過去がある。
そして、その知識は代々、当主の間でのみ受け継がれてきた。
一般的に知られている薬以外にも一族にしか伝わっていない秘薬もあり、幅広い薬の知識と育成能力を持っている。中には、魔法のような効力のある薬もあるといわれているが、その詳細は謎に包まれている。
同じ五大貴族であるリエルですらも未知の領域だ。
詳しい事はリエルも知らない。でも…、もう頼れるのはここしかないのだ。
きっと、どこを探してもルイゼンブルク家以上に薬物に詳しい人物はない。
私には時間がないのだ。一刻も早く行動に移さないといけない。そうなると、頼れるのはここしか思いつかなかった。リエルは一縷の希望を抱きつつ、アレクセイの答えを待った。
「その薬を何に使うつもりだ?」
「他人に使うつもりはありません。薬は私が飲むものです。私は…、ある人を助けたいのです。その人は私にとってとても大切な人なのです!その人の名誉のために名前は明かせません。
ですが、決して、私は私利私欲のために薬を使う訳じゃなありません。誰かに危害を加えるつもりもありません。
ただ、私は大切な人を助ける為に…、周囲の人間に私を奇病に見させるための策が必要なのです。」
「その為に秘薬が必要だと?」
リエルは頷いた。アレクセイはじっとリエルを静かに見つめた。やがて、ゆっくりと口を開いた。
「リエル。君が誰よりも優しい子であることは私もよく知っている。そんな君が誰かを傷つけたり陥れようとする真似はしないのだということも。聡明で思慮深い君が突然、そんな事を言い出すには何か理由があるのだということも。…ちゃんと、分かっているよ。」
アレクセイはリエルに優しく、労わるような目を向け、続けて言った。
「本来、こういった薬の依頼は余程の事がない限り、引き受けることはしない。
安易に引き受けたりしては、どこからか秘密が洩れる恐れがあるからな。それに、失敗したとなると取り返しのつかない事態を引き起こす危険もある。…だが、君はエドゥアルトの娘だ。君の父上と私は親友だった。友を大切に想うその気持ちは私もよく分かる。だから…、今回は特別だ。」
「え…、じゃあ…、」
期待の入り混じった表情を浮かべるリエルにアレクセイは微笑み、頷いた。
「他ならぬ君の頼みだ。引き受けよう。」
「あ…、ありがとうございます!」
リエルは満面の笑顔を浮かべて頭を下げて、お礼を言った。
「アレクセイ様。本当にありがとうございました。助かります!」
「気にすることはない。また、落ち着いたらいつでも遊びに来るといい。」
「はい!是非!」
リエルはアレクセイの言葉に微笑んで頷き、そのまま帰ろうとした。が、少し不安そうに振り返ると、
「あの…、アレクセイ様。この事は…、」
「大丈夫。分かっているよ。リヒターにもアルバートにも秘密にするから安心なさい。」
アレクセイの言葉にリエルはホッとした。
「何から何まで、ありがとうございます!それでは…、私はこれで。」
そう言って、リエルは慌ただしく帰って行った。
リエルを見送り、ウォルターはアレクセイに問いかけた。
「旦那様。お嬢様と一体、何をお話しなさっていたのです?」
「…あの子は親友を助ける為に私に秘薬を分けて欲しいと言ったのだ。ああいう情に熱い所や無茶をする所は父親にそっくりだな。」
アレクセイは目を細めて、切なげに呟いた。
リエルの大切な人とは誰の事か名前を聞かなくても予想はつく。
ゾフィーの存在はアレクセイも知っていた。
その令嬢がリエルの親しい友人だということも。
アルバートが最近、仕事と次期当主としての務めの合間にもロンディ子爵令嬢の行方を追って、情報集めをしていることは知っていたし、あの友達思いのリエルが何もせずに大人しくしている筈がない。
親友を助ける為に危険を冒すだろうことはよく分かっていた。
あの様子だと、また危ない橋を渡るつもりなのだろう。
止めるべきだろうとは思うが今までの経験上、あの子は止めてもきかない性格だ。
それに、リエルもただ突発的に行動するだけのお転婆娘ではない。
戦闘能力はなくても、今まで極秘任務や潜入調査を何度も経験してきた身だ。
きっと、大丈夫だろう。だからこそ、アレクセイはリエルを信じて、背中を後押ししたのだ。
それに、どうせ自分が黙っていてもあの勘の鋭い息子二人はすぐに気付くことだろう。
アレクセイは遠ざかる馬車を窓から見送りながら、そう心の中で呟いた。
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