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甲斐の国
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田植えが終わると、田んぼは年寄りと子どもが見守り大人は山へ入る。男たちが木を切り倒して皮をはぎ、その皮を女たちが茹でてなめすのだ。この材木と樹皮こそが、この村を支えている。と言うのも、切り出した木となめした樹皮は塩と交換される。冬の食料となる塩漬けの野菜や味噌を作る大切な塩と。
しかしこれも人が少ないが為に、いつものようには作業が進まない。なのにこれにさえ幹助は協力しようとしない。相変わらず酒を飲んで一日中ゴロゴロ寝転がっているだけなのだ。
塩がもらえなかったら大変だとお千代はここでも焦った。手伝わせてくれと皮をなめす作業に加えてもらい、子どもながらに大人のように働いた。そうやって大人たちと一緒に働いていると、お千代は自分も立派な大人の女になった気分になる。働けば働くほどに、母ちゃんや婆ちゃんが乗り移ったかのように元気が出てくるのだ。嬉々として作業に没頭するお千代である。
そうこうするうちに暑い夏は終わり、秋が来た。収穫の秋。村の頑張りを象徴するように豊作となった。まるで亡くなった者たちが頑張れと励ましているようだと、皆口々に言い合った。
めでたいことに、幹助の甥である楢之助夫婦に子どもが生まれた。死ぬばっかりだった村に新しい命が誕生したのだ。村は喜びに満ち、みんなでお祝いをした。こういうハレの日には婆ちゃんの団子を食べるのが常だったから、誰ともなしに「団子がねえのは寂しいなあ」と言う。それを聞いたお千代は「父ちゃんが作るだよ」と言ったが、「幹助にそんなことできるわけねえ。あんな飲んだくれ」と笑われてしまった。
村での幹助の評判は当然のごとく頗る悪い。そんな幹助の汚名を払拭するかのように、お千代は懸命に働いた。新しく生まれて来た赤ん坊、クリのお守りの任も買って出た。かつて豊代を背負ったように、また赤ん坊を背負えることはお千代には願ってもない大役だ。張り切るお千代は、偶然にも家の隅に転がっている鈴を見つけた。歩き出したお豊代につけていた鈴だ。お豊代が動けばリンと鈴が鳴り、どこにいるのかわかるようにしていたのだ。
お千代はこの鈴を自分の腰紐につけた。リンと鳴る鈴と背中で泣く赤ん坊。それはお千代にとってこの上もない幸せだった。母ちゃんたちが死んで一年が過ぎた今、お千代は新しい生き方を楽しみはじめている。
(父ちゃんが立ち直ってくれたら)
そう願うお千代であるが、この冬も幹助の情けない体たらくは続くのだった。
一向に立ち直る気配のない駄目幹助とは裏腹に、お千代は精神的に急成長を遂げていく。お守りにとどまらず、クリの着物の刺し子も買って出た。すくすく育つ麻に子どもの成長をかけて、どの家でも赤ん坊には麻の葉模様の産着を着せる。まだまだ針を刺すことに慣れないお千代だが、赤ん坊の刺し子の定番模様である麻の葉の模様に挑戦した。
直線とジグザグを合わせた十二本の線が一点で重なってできあがる麻の葉模様。きれいに交差させるのは至難の業。一針一針、慎重に丁寧に刺していく。幼くして死んでしまった豊代の無念を生まれて来たばかりのクリに託し、少しずつ縫い進めた。
仕上がりはうまいとは言えなかったが、裁縫の苦手なクリの母、アヤは大層喜んだ。それに味をしめたお千代は「刺すものがあったら言ってくれ」と、母親の長姉、実代の家へ行った。
実代は今回の感染病で亡くなっていて、実代の夫長平の母親と長男と一人娘の長女も亡くなっている。残ったのは長平の父親と、長平、次男の次郎平、三男の五郎平と男ばかりである。
お千代が行くと「繕ってもらえんか」と五郎平の着物を渡された。脇が解れて大きな穴があいている。
「ええだよ。やってみる」
お千代は母ちゃんがしていたように脇を綴じると、刺し子で強度を増した端切れを当てて繕った。紗代が五郎平の着物に刺していた模様は、半円の連なる野分模様。風に吹かれた草を表している。麻の葉ほど針目は多くないが、弧を描くのはこれまた至難の業だ。毎日四苦八苦しながら刺すお千代だったが、そばに寄ってきた松之助が、 「ねえちゃん、かあちゃんみたいだあよ」と言うものだから、得意顔でますます奮起して縫い続けた。
一心不乱に針を刺せば母ちゃんが乗り移ったように針の目がそろっていく。無心で刺すお千代を幹助も感心して見ている。
なんとか五郎平の着物を繕い上げて持って行くと、
「ありがとな。うちは男しかいねえから助かるだ。これ持ってけ」
と甘く熟した干し柿をもらった。嬉しかったのは干し柿だけではない。お千代と目が合ってもぷいっと逸らしてしまう五郎平が珍しく、「お千代、ありがとな」 と言ったのだ。愛想のない嫌な奴だと思っていたのに礼を言って来るなんて。気分の良いお千代は、「刺すものはねえか。あったらいつでも言ってくれ」 と一軒一軒回った。
そうやって村を歩き回っていると、幹助の下の甥、桐助に出会うことが多い。
「今日も桐坊に会っただあよ」と話しても幹助は「そうか」と興味を示さない。「桐坊、ハル姉のとこにも水を運んでただ。うちのもしてくれてるのに」
この村では西の山から流れて来る川の水を汲んで使っている。どの家にも水甕があり、そこへ溜めておいて飲んだり料理に使ったりしている。
幹助は水汲みさえもしなくなっている。仕方ないからお千代が汲みに行ったが、重くて運べない。そしたら桐助が運んでくれたのだ。それ以来ちょこちょこと家へ来て、水がなくなりそうになると汲んで来てくれる。本来は幹助がすることを桐助がしているのだ。
「桐坊はすげえだあよ」
と桐助に心酔するお千代である。そこへ幹助の母親フキが、干したキノコを持って来た。幹助が飲んだくれているものだから、お千代と松之助のことを心配して三日に一度は様子を見に来る。否、様子を見に来ると言うよりは幹助を叱りに来ると言っていい。
「しっかりせんか」
と何度母親に叱りつけられても幹助の醜態が直ることはない。この日も幹助を叱り飛ばしに来たのだけど、いつもと違った。
「桐助を見習わんか」
と桐助がいかに素晴らしいかを滔々と語ったのだ。その内容はこうだ。
大人しい桐助はお調子者の幹助としっかり者の兄楢之介の陰に隠れてしまっていた。と言うか、文字通り山に隠れていた。要は一日中山をほっつき歩いて暮らしていたのだ。山にばかりいて村の誰とも関わろうとしないから、人嫌いだと思われていた。「あいつはダメだ」と村の人たちから烙印を押されていて、桐助の嫁にと娘を出す者もいない。ところが村を襲った麻疹騒動が終わったら、桐助が別人のように振る舞い出したのだ。山へ行くこともなく「なんか手伝うことはねえかあ?」と毎日家々を回って会う人みんなに話しかけるようになった。
ハルの家は実代の家とは逆で、女しか生き残らなかった。七十二歳の曽婆ちゃんと十八歳のハルと八歳の妹だけになっている。男がいなくて困っているこの家の水汲みも桐助がしているのだ。
もちろんハルの家だけではない。誰からでも頼まれればなんでもやった。今まで役立たずの代表だった桐助が、今では村のみんなから頼りにされる男になっている。
「おまえはホントに情けねえ。このキノコもなあ、桐助が採ってきた。村のみんなに配ってる。おまえもこれを食って桐助みたいに頑張んなきゃいけねえだよ」
酔っぱらいの幹助の耳は母親の言葉さえも素通りさせてしまう。どうしようもないぼんくらになってしまった幹助。フキは最後の起爆剤になればと、こんなことを言った。
「紗代のことは忘れて、フジと一緒になったらどうだ?」
フジは夫が亡くなり、一人で二人の子どもを抱えている。妻を亡くして二人の子どもを抱える幹助とよく似た境遇だ。しかし、この提案に幹助は激高した。
「紗代のことを忘れられるわけねえだ。かえれ!」
怒りに震えながらフキの腕を掴み、外へ引っ張り出した。フキは呆れながらも、
「おまえもしっかりせんといけねえだあよ」 と遠吠えのように叫んで帰っていった。
フキがいなくなっても幹助の怒りは収まらない。
「何てこというだ、あのばばあ!」
と母親への悪態を冬の間言い続けた。そんな幹助のそばで刺し子を刺すお千代も、
「母ちゃんのことを忘れるわけない。婆ちゃんは何てこと言うだ」
と憤然たる思いである。
しかしこれも人が少ないが為に、いつものようには作業が進まない。なのにこれにさえ幹助は協力しようとしない。相変わらず酒を飲んで一日中ゴロゴロ寝転がっているだけなのだ。
塩がもらえなかったら大変だとお千代はここでも焦った。手伝わせてくれと皮をなめす作業に加えてもらい、子どもながらに大人のように働いた。そうやって大人たちと一緒に働いていると、お千代は自分も立派な大人の女になった気分になる。働けば働くほどに、母ちゃんや婆ちゃんが乗り移ったかのように元気が出てくるのだ。嬉々として作業に没頭するお千代である。
そうこうするうちに暑い夏は終わり、秋が来た。収穫の秋。村の頑張りを象徴するように豊作となった。まるで亡くなった者たちが頑張れと励ましているようだと、皆口々に言い合った。
めでたいことに、幹助の甥である楢之助夫婦に子どもが生まれた。死ぬばっかりだった村に新しい命が誕生したのだ。村は喜びに満ち、みんなでお祝いをした。こういうハレの日には婆ちゃんの団子を食べるのが常だったから、誰ともなしに「団子がねえのは寂しいなあ」と言う。それを聞いたお千代は「父ちゃんが作るだよ」と言ったが、「幹助にそんなことできるわけねえ。あんな飲んだくれ」と笑われてしまった。
村での幹助の評判は当然のごとく頗る悪い。そんな幹助の汚名を払拭するかのように、お千代は懸命に働いた。新しく生まれて来た赤ん坊、クリのお守りの任も買って出た。かつて豊代を背負ったように、また赤ん坊を背負えることはお千代には願ってもない大役だ。張り切るお千代は、偶然にも家の隅に転がっている鈴を見つけた。歩き出したお豊代につけていた鈴だ。お豊代が動けばリンと鈴が鳴り、どこにいるのかわかるようにしていたのだ。
お千代はこの鈴を自分の腰紐につけた。リンと鳴る鈴と背中で泣く赤ん坊。それはお千代にとってこの上もない幸せだった。母ちゃんたちが死んで一年が過ぎた今、お千代は新しい生き方を楽しみはじめている。
(父ちゃんが立ち直ってくれたら)
そう願うお千代であるが、この冬も幹助の情けない体たらくは続くのだった。
一向に立ち直る気配のない駄目幹助とは裏腹に、お千代は精神的に急成長を遂げていく。お守りにとどまらず、クリの着物の刺し子も買って出た。すくすく育つ麻に子どもの成長をかけて、どの家でも赤ん坊には麻の葉模様の産着を着せる。まだまだ針を刺すことに慣れないお千代だが、赤ん坊の刺し子の定番模様である麻の葉の模様に挑戦した。
直線とジグザグを合わせた十二本の線が一点で重なってできあがる麻の葉模様。きれいに交差させるのは至難の業。一針一針、慎重に丁寧に刺していく。幼くして死んでしまった豊代の無念を生まれて来たばかりのクリに託し、少しずつ縫い進めた。
仕上がりはうまいとは言えなかったが、裁縫の苦手なクリの母、アヤは大層喜んだ。それに味をしめたお千代は「刺すものがあったら言ってくれ」と、母親の長姉、実代の家へ行った。
実代は今回の感染病で亡くなっていて、実代の夫長平の母親と長男と一人娘の長女も亡くなっている。残ったのは長平の父親と、長平、次男の次郎平、三男の五郎平と男ばかりである。
お千代が行くと「繕ってもらえんか」と五郎平の着物を渡された。脇が解れて大きな穴があいている。
「ええだよ。やってみる」
お千代は母ちゃんがしていたように脇を綴じると、刺し子で強度を増した端切れを当てて繕った。紗代が五郎平の着物に刺していた模様は、半円の連なる野分模様。風に吹かれた草を表している。麻の葉ほど針目は多くないが、弧を描くのはこれまた至難の業だ。毎日四苦八苦しながら刺すお千代だったが、そばに寄ってきた松之助が、 「ねえちゃん、かあちゃんみたいだあよ」と言うものだから、得意顔でますます奮起して縫い続けた。
一心不乱に針を刺せば母ちゃんが乗り移ったように針の目がそろっていく。無心で刺すお千代を幹助も感心して見ている。
なんとか五郎平の着物を繕い上げて持って行くと、
「ありがとな。うちは男しかいねえから助かるだ。これ持ってけ」
と甘く熟した干し柿をもらった。嬉しかったのは干し柿だけではない。お千代と目が合ってもぷいっと逸らしてしまう五郎平が珍しく、「お千代、ありがとな」 と言ったのだ。愛想のない嫌な奴だと思っていたのに礼を言って来るなんて。気分の良いお千代は、「刺すものはねえか。あったらいつでも言ってくれ」 と一軒一軒回った。
そうやって村を歩き回っていると、幹助の下の甥、桐助に出会うことが多い。
「今日も桐坊に会っただあよ」と話しても幹助は「そうか」と興味を示さない。「桐坊、ハル姉のとこにも水を運んでただ。うちのもしてくれてるのに」
この村では西の山から流れて来る川の水を汲んで使っている。どの家にも水甕があり、そこへ溜めておいて飲んだり料理に使ったりしている。
幹助は水汲みさえもしなくなっている。仕方ないからお千代が汲みに行ったが、重くて運べない。そしたら桐助が運んでくれたのだ。それ以来ちょこちょこと家へ来て、水がなくなりそうになると汲んで来てくれる。本来は幹助がすることを桐助がしているのだ。
「桐坊はすげえだあよ」
と桐助に心酔するお千代である。そこへ幹助の母親フキが、干したキノコを持って来た。幹助が飲んだくれているものだから、お千代と松之助のことを心配して三日に一度は様子を見に来る。否、様子を見に来ると言うよりは幹助を叱りに来ると言っていい。
「しっかりせんか」
と何度母親に叱りつけられても幹助の醜態が直ることはない。この日も幹助を叱り飛ばしに来たのだけど、いつもと違った。
「桐助を見習わんか」
と桐助がいかに素晴らしいかを滔々と語ったのだ。その内容はこうだ。
大人しい桐助はお調子者の幹助としっかり者の兄楢之介の陰に隠れてしまっていた。と言うか、文字通り山に隠れていた。要は一日中山をほっつき歩いて暮らしていたのだ。山にばかりいて村の誰とも関わろうとしないから、人嫌いだと思われていた。「あいつはダメだ」と村の人たちから烙印を押されていて、桐助の嫁にと娘を出す者もいない。ところが村を襲った麻疹騒動が終わったら、桐助が別人のように振る舞い出したのだ。山へ行くこともなく「なんか手伝うことはねえかあ?」と毎日家々を回って会う人みんなに話しかけるようになった。
ハルの家は実代の家とは逆で、女しか生き残らなかった。七十二歳の曽婆ちゃんと十八歳のハルと八歳の妹だけになっている。男がいなくて困っているこの家の水汲みも桐助がしているのだ。
もちろんハルの家だけではない。誰からでも頼まれればなんでもやった。今まで役立たずの代表だった桐助が、今では村のみんなから頼りにされる男になっている。
「おまえはホントに情けねえ。このキノコもなあ、桐助が採ってきた。村のみんなに配ってる。おまえもこれを食って桐助みたいに頑張んなきゃいけねえだよ」
酔っぱらいの幹助の耳は母親の言葉さえも素通りさせてしまう。どうしようもないぼんくらになってしまった幹助。フキは最後の起爆剤になればと、こんなことを言った。
「紗代のことは忘れて、フジと一緒になったらどうだ?」
フジは夫が亡くなり、一人で二人の子どもを抱えている。妻を亡くして二人の子どもを抱える幹助とよく似た境遇だ。しかし、この提案に幹助は激高した。
「紗代のことを忘れられるわけねえだ。かえれ!」
怒りに震えながらフキの腕を掴み、外へ引っ張り出した。フキは呆れながらも、
「おまえもしっかりせんといけねえだあよ」 と遠吠えのように叫んで帰っていった。
フキがいなくなっても幹助の怒りは収まらない。
「何てこというだ、あのばばあ!」
と母親への悪態を冬の間言い続けた。そんな幹助のそばで刺し子を刺すお千代も、
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