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第二章 疑雲猜霧のファルザルク王国
第二十八話 杜若の秘密
しおりを挟む香澄の部屋は広めだが椅子は一脚しかない。女子寮の部屋は、来客を想定してないからだろう。もしくは、後から自分好みの家具を持ち込むか、揃えていくためかもしれない。最低限の家具しか置かれていない部屋の中で、本棚が異様に大きく容量があるのは、ここが魔術の研究機関でもあるからなのだろう。
香澄は、杜若が唯一の椅子に座っているので、アレクシリスとマリシリスティアにベッドに腰掛けてもらうのは、失礼にならないかと悩んでいた。皓輝を撫でながら、香澄が招いた客人ではないのだからと、開き直ることにした。いつまでも、立ったままで話すよりもいいだろう。
「もしよろしければ、ベッドに腰掛けてお話しませんか?」
「私はいいので、香澄とマリーで座って下さい」
「ベッドなら三人くらい座れますよ?」
「アレクシリスが、立ってるって言うならそれでいいでしょう。香澄、一緒に座りましょう」
マリシリスティアは、香澄に微笑みかけた。香澄は、アレクシリスの姪だというマリシリスティアが、親しみやすい雰囲気で接してくれて嬉しかった。
香澄は、『囁きの森』で亜希子から竜族の『封印の儀』と『成人の儀』について聞いていた事と、藍白についてもある程度の話を聞いていた事を話した。そして、皓輝が『認識阻害の魔術』を利用して、香澄が藍白についての問題をあまり意識していなかった事を、かいつまんで説明した。
「アレク、あの後『茨の塔』に移動する事になったので、珊瑚さんはどうしていますか? もしかして、竜騎士団から契約竜がいなくなったのと、藍白は関係があるのですか?」
「私が『囁きの森』を離れて、竜騎士団の詰所に戻るまでは、異常ありませんでした。杜若がまだ戻らないうちに、『契約者』の団員から報告があって『契約竜』の規律違反を知ったのです。珊瑚をはじめ、比較的若い竜族がいなくなっています。残っているのは、古参の竜族が多いです。『契約竜』達の行先が、キプトの町であるのは、杜若からの報告で判明しました。しかし、理由を公表出来ないので、混乱を収めるのに時間がかかりました」
「理由って『竜王に呼ばれている』からでしょうか? メイラビアさんは、『竜騎士の契約』を再契約を経験した契約竜は残っていると言っていました」
「香澄は、竜族の禁忌をあっという間に知ってしまったんだな……。竜王は、おそらく…………」
杜若は、香澄に呆れた様に言った後、黙って俯いてしまった。
「……香澄、杜若はこれ以上は、話せないようです」
杜若は、顔を青くして具合が悪そうに口を押さえている。珊瑚が話せなくなった時と似ていた。
杜若も『聖印』を魔法で刻みこまれているのだろう。禁忌に触れて、話せない事は沢山あるはずだ。
「杜若さん、大丈夫ですか? 『聖印』の影響でしょうか? アレク、杜若さんは『封印の儀』も『成人の儀』も受けているのですか?」
「そうです。ですが、杜若は竜王の命令に抵抗出来るから、ファルザルク王国に戻ってこれたのです」
「そうだ。俺は竜王の命令に抵抗出来る……それは、俺が異世界転生者だからだ」
杜若は、苦しそうに、だがはっきりとと言い切った。
香澄は、金が煌めく紫紺の瞳をまん丸にして驚いた。アレクシリスとマリシリスティアは、驚いていたようだが、杜若が香澄に話した事に驚いているようだ。
「異世界転生者なの……ですか? 杜若さんが⁈」
「ああ、そうだ。魂の在り方が違う竜族に、異世界転生者の魂が混ざっている。……そんな感じだ。だから、藍白ほどじゃないが『聖印』の影響をまともに受けないでいられる……体調は最悪だがな」
アレクシリスは、魔法で冷たくしたタオルを杜若に渡した。杜若は、それを顔に押し当て呻きながら、天井を見上げている。
憂い顔の杜若は、妙に婀娜っぽかった。額に浮かぶ汗すら、男の色気を振り撒いていて、どきりと香澄の心臓を跳ねさせた。
『香澄様は、少し弱っている男性がお好みなのですね……』
「ち、違いますよ!」
「香澄、どうかしたの? そんなに杜若が異世界転生者だったのがショックだった?」
マリシリスティアが、心配そうに香澄を見ていた。
香澄は、猫の姿の皓輝の声は、他の人に聞こえないのを忘れて喋ってしまった。わたわたと、慌てる香澄を他所に、杜若は話し始めた。
「俺は、アレクシリスと『竜騎士の契約』を交わす時に約束した。沈黙は許されるが、嘘をつかない事。だから、確信を得ることが出来たからには黙っている訳にはいかない……!」
「杜若? 何を……」
「俺の、前世の名は、川端暁という……!」
香澄は、思わず立ち上がった……!
膝の上の猫の皓輝は、投げ出されるように床に落ちてしまったが、瞬時に青年の姿に変化して、真っ青な顔をしてふらついた香澄を支えた。
杜若は、椅子から立ち上がると、香澄の目の前でゆっくりと膝をつき、そのまま床に正座をして頭を下げて土下座した。
「すまなかった……!」
『ピッ!』
杜若の後頭部を見つめていた香澄の頭から、黒い小さな丸い物体が、プスプス煙を出しながら転げ落ちた。
「えっと、コレは何かしら?」
マリシリスティアが、とっさに両手でそれを受け止めた。それは、黒く丸々とした小鳥皓輝だった。
『申し訳ございません。少々、『認識阻害』を受け持った小鳥が、限界を超えてしまったようです』
「『認識阻害』の、何でしょうか?」
マリシリスティアは、皓輝を見て、土下座したままで微動だにしない杜若を見て、茫然とそれを見下ろす香澄を見て、香澄を見つめ固まったアレクシリスを見てから、手元の小鳥皓輝を見た。
マリシリスティアの手の中の小鳥皓輝から、煙は出なくなったが、ピクリとも動かない。
「……すまなかった!」
もう一度、杜若が土下座したまま言うと、香澄はビクッと怯えたように後ろに下がった。だが、すぐに足がベッドに当たり、力無く座り込んでしまった。
香澄の動揺した気配を感じてか、杜若がおずおずと顔を少し上げた。
「……本当に? 証拠は?」
「…………俺のした事を『スミスミ』が、許せなくて当然だと思っている」
「うわぁ! やめて! 『スミスミ』って呼ばないでちょうだい! えっと、本当に、本当に杜若さんは…………『アキリン』なの?」
「ああ、そうだ。……出来れば俺も『アキリン』呼びは、勘弁して欲しい。恥ずかし過ぎる!」
「呼ばれて恥ずかしいのは、お互い様でしょう……!」
「そうだな……。前世の自分に、何故そう呼ばれたかったのか、問いただしたいものだ。香澄は『スミスミ』と呼ぶと、恥ずかしいから、そんな名で呼ぶなと、いつも怒っていたな……」
香澄は、両手で顔を覆うと俯いて、しばらくそのままでいた。重い沈黙が続いたが、耐えきれなくなったので、香澄は顔を上げてため息をついた。
「…………とりあえず、わたしは許さないから……!」
「ああ、当然だ……!」
「永久に、許したりしません……!」
「……承知した」
「では、この件はもうこれで終わりにしましょう!」
「異論はない……」
杜若は、もう一度深く土下座をしてから立ち上がると、アレクシリスに向き合った。
「アレクシリス、俺の前世は香澄の夫だった。俺がどんな風に前世を生きて、どんな死に方をしたか、以前に話した通りだ。生まれ変わった俺は、前世に……香澄にこだわる気は無い。香澄に対して贖罪の気持ちはあるが、具体的に行動する事は何もない。香澄もおそらく同じ考えだから、この件はこれで終わりにしてくれ……」
「……杜若は、こう言っていますが、香澄はそれで本当にいいのですか?」
香澄は、アレクシリスが杜若の前世を知っているという事は、香澄の元の世界での生活を知っているのだと理解した。その上で、アレクシリスは尋ねてきているのだろう。
香澄は、杜若が一年前に死んだ夫ならば、転生した時間がずれていると思った。
だから、杜若の前世が香澄の夫ではない可能もあった。しかし、『スミスミ』『アキリン』の馬鹿なニックネームまで同じだったり、杜若は決定的な確信を得ているようだ。今から、厳密に突き詰めて話し合い、検証する努力をしても徒労に終わりそうだった。
香澄は、そこまで同じなら、本人だということでいいじゃないかと思ったのだ。
そもそも、異世界転移自体に時間のずれはあるし、世界も微妙に違ったりする。違う世界にも香澄が存在して、同じような人生を送っていて、異世界召喚されたのが、ここにいる香澄かもしれない。異世界転生なんて、ややこしい話になると、もうどうでもいい気がしていた。
ただ、香澄は二度と会えないはずの人に出会えて、謝罪してもらえたのだ。
だから、本当は許しても良かったのだ。だけど、絶対に許さないと泣く心が何処かに存在している。杜若も、きっとわかっているのだろう。だからこそ、香澄はこれで終わりにしようと思った。
「はい。これ以上、何も話す必要は無いので、終わりにしたいです。ごめんなさい」
「いいのです。私も、驚きました。香澄がそう言うのなら……。マリーも、いいですか?」
「承知いたしました」
マリシリスティアは、にっこりと微笑んで答えた。きっと、マリシリスティアも杜若の前世について知っているのだろう。
「亜希子さんは、かなり重要な話をしてくれていたのですね。長い間、竜族と一緒にいたからでしょうか? それとも、彼女が『死者の王』だからでしょうか? アレクは、亜希子さんが暴走して、わたしを混乱させるのをやめさせたと、言っていました。わたしが話していた亜希子さんは、自分は幽霊みたいなものだと言っていました」
「あの亜希子は……、『死者の王』になる前の、何も知らなかった少女時代の自分だと、亜希子が言っていました。本体の亜希子は、もう限りなく死に近づいています。だから、分身を創り出して行動させているのです。本人よりも能力や知識が欠けているそうです。本人が見ていれば、きっと憤死モノの行動もしますからね……」
「本体の亜希子さんは、どこにいるのですか?」
「魔霧の森の中にある、バルシャの町の『神社』に……」
香澄は、亜希子に見せられた幻覚の魔霧の森を思い出した。あの濃霧に包まれた森の何処かに、赤い鳥居を見たような気がした。
「亜希子さんは、バルシャの町で保護されていたのですか?」
「蘇芳達……バルシャの町の者は、バルシャの姓を名乗っています。世界樹の膝元で町を作り、公平で穏健な姿勢を貫いていました」
「バルシャの町……その町は、魔霧の森のどこにあるのですか?」
「『魔術の杭』になった神の力が尽きて、魔霧の森にのまれました。世界樹も次元の違う場所に移り、精霊の恩恵は世界から減る一方なのです」
「問題山積ですね……。はっ! もしかして、それも全部なんとかして下さいなの⁈ うわぁ……マジですか? 無理、無理、無理でしょう? 」
香澄は、思わず頭を抱えてしまった。
「香澄は、藍白の問題に関わらない方がいいと思いますよ……」
「マリーさん、何故ですか?」
「私は、香澄が何もかも背負う必要などないと思っています。この世界の事は、この世界の者が何とかすべきです。……『禁断の秘術』が召喚する者は、世界を救う者とは限らないと思います。この召喚術が、歴代の竜王の命を犠牲にして、継承しながら行われていたのなら……それは、世界の救済の為ではなく、他の理由でしょう」
「え、それは……何なのでしょうか?」
「香澄の召喚から、藍白の行動の結果、竜族は香澄を巡って、ファルザルク王国に干渉してきています。皓輝の襲来に、誓約の女神までが現れました。ランスの失踪と香澄を襲った事も異常事態です。亜希子は何事も過剰に反応している気がします。魔霧の森の異常も含めると、何か他のシナリオがある様な気がしませんか? だって、タイミングが良過ぎます」
「確かに、香澄が召喚されてから、一気に十年分の出来事がこの数日に起こっているようだ」
「長い年月の間に仕組まれた仕掛けが、やっと動き出した感が満載ですよね……」
「皓輝がわたしの目の前に現れたのは、わたしの存在を感じたからだそうです。神々と竜王の『禁断の秘術』で、わたしをこの世界に召喚したのは、きっと理由があるはずでしょう? それは、こんな曖昧な結果じゃないはずです」
「おそらく、『禁断の秘術』が行われたのは、竜王が、短い期間で継承されるようにななってから、古代竜の滅亡後からでしょう。私は『異界の悪魔族』に関する何かだと予測してます。その『黒い霧』が『主従の誓約』を結んでまで、側にいるのですから……」
香澄は、再び猫の姿で膝の上で丸くなった黒猫皓輝を見た。皓輝は、香澄の視線に気がついたのか、紅い瞳を瞬かせてから、これが答えだと言うようにスッと目を細めた。
香澄は、オバサンが異世界に行っても、恋も無双も始まらない……。ただの無理ゲーにしかならないし、事態についていけなくてややこしくなるだけだと思っている。
「わたしは、簡単に変化を受け入れる事が出来ませんでした。今でも戸惑っています。ラノベのヒロインが、異世界に召喚されてもすぐに順応出来るのは、大抵は十代の少女だからですよ。年齢がいってても三十代だったりで、年齢的にまだ若くて、羨ましい程に頭がまだ柔らかいし、変化を柔軟に受け入れられます。異世界の社会に馴染んで、心から信頼できる仲間を見つけて、更に人々に愛されていく……。わたしときたら、強固に自分を守って殻に入っているか、現状に流されて、現実から目を逸らしているだけですよね……。いい歳した大人がみっともないです。だったら、せめて自分で生き方を、選んでいかなくてはならないでしょう?」
香澄の嘆きは、多少の偏見を含んでいるだろう。
「危険かもしれないですが、わたしが竜王の『禁断の秘術』で召喚されたのなら、藍白に関わらないでいられるはずはないでしょうから……。それに、私は藍白を助けたいです」
この時点で、香澄が存在している理由を考えると、何もないわけがないと誰しも本当は思っていた。
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