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第二章 疑雲猜霧のファルザルク王国
第二十九話 『パスワード』
しおりを挟む「藍白は、自分が『成人の儀』を受けると、白竜王に人格を乗っ取られる可能性を知っていたのですね」
「そうよ。そして我々王室も、一部の上層部も、事前に対応を検討してきていたの。ファルザルク王国にとって、竜族の外交にどんな影響があるのか、出来る限り知っておきたかった。なのに、藍白ったら予告もなく『成人の儀』を受けたりして、こっちの都合も考えて欲しかったわ」
マリシリスティアは、そう答えながら、香澄の背中をそっとさすってくれている。香澄が、微かに震えていたからだろう。
香澄は、杜若の前世が自分の夫だった事が、決して平静に受け入れられた訳ではなかった。
杜若にとって前世でも、香澄にとっては、一年前まで共に暮らして来た相手なのだから……。
「アレクと杜若さん、マリーも、蘇芳さんや黄檗さんも知っていたし、藍白は、皓輝にまで伝言を残していたのですよね」
香澄は、クシャリと自分の前髪を握った。
「藍白は、『封印の儀』に抵抗したので、『聖印』の魔法が弱くて、多くの禁忌を話すことが出来たのですよね。だから、アレクと杜若達は、藍白の異変に備えて準備してきたのですよね? 『白竜は唯一』だから……?」
「そうです。竜族の中で古代白竜王は、竜核を残して、ある種の転生を繰り返しているらしいのです」
「じゃあ、『竜王が呼んでいる』って言う、竜王は藍白ですか?」
「そうなるでしょう」
「どうすれば、藍白を取り戻せますか?」
香澄以外の三人は、顔を見合わせて、ほぼ同時にため息をついた。
「藍白は『封印の儀』に抵抗して、白竜王の意識を受け入れるのを拒否できた。だが、もう一度『成人の儀』で白竜王の竜核に触れて、無事でいられる自信が藍白自身にも無かった。藍白は、精霊に愛されてて大量の精霊加護と、精霊王の加護まで得ていたにもかかわらずだ……」
杜若は、青い顔をして吐き気と戦いながら語っている。
「だから、藍白は対抗策が見つかるか、ギリギリまで『成人の儀』は拒否していた。それを、どさくさに紛れるように、何の相談もなく、藍白は儀式を強行した。意味がわからない!」
「ん~。藍白は、私達に協力してもらわなくてもいい方法を思いついたから、行動したのか……それとも、何も考えてないかもしれないわ!」
マリシリスティアの考えに香澄達も大いに同意した。
「白竜王が『禁断の秘術』の大元なら、香澄が召喚された今、何も起きないわけない。藍白は、白竜王を取り込む気かもしれないわよ」
「まさか、……歴代の白竜は皆、白竜王の現し身だったはずだ。竜族は『封印の儀』と『成人の儀』を放棄出来ない」
「藍白は、待っててって、言ってました。だから、何か考えがあったのだと思います」
「これ以上は、予測の域を出ませんね。藍白の件は、竜族の出方を伺いながら、随時対応していきましょう」
アレクシリスの言う通り、香澄に出来る事は今は無さそうだった。
マリシリスティアは、手のひらの中の黒くて丸い物体を捧げ持っていた。
「ねえ、ところでこれ、どうしたらいいかしら?」
マリシリスティアが小首を傾げると、サラリと鳶色の髪が流れた。香澄は、その仕草に胸を撃ち抜かれそうになった。女王陛下は、妖艶な美女だったが、娘のマリシリスティアは、どちらかといえばエロ可愛い……。本人は、おそらくサッパリとした性格をしていそうだが、見た目だけならさぞや多くの信奉者がいてもおかしくないだろう。
ランスグレイルは、アレクシリスは『国内最高物件の独身男性』で、マリシリスティアを『国内最高難物件の独身女性』だと評していた。
マリシリスティア本人に会って、香澄は何故そんな評価になるのかわからなかった。
「皓輝、この子は皓輝の分身なのよね」
『はい、そうです。香澄様に以前かけられていた魔導師の『認識阻害の魔術』の代わりをさせていたモノです。これから再起動いたします』
「え、『認識阻害の魔術』は、自然に消えるまで解除不可能だって遊帆さんが言っていたけど?」
『それは、どうでしょうか? 解除に何の問題もございませんでした。ただ、香澄様の頭上に、珍妙な魔術の精霊を置くなど、……どうしても、許せませんでした!』
「こ、皓輝?」
『香澄様にかけられた、魔導師の創り出した『認識阻害の魔術』の精霊と『翻訳魔法』の精霊は、魔霧の森の『隠れ家』で引き剝がしました。これです……今、可視化いたします』
皓輝が両手をさしだすと、右手の上に立派な鶏冠のニワトリに似た何かのキャラクターのぬいぐるみっぽい物体が現れた。
「「何これ⁈ キモ悪っ!」」
香澄とマリシリスティアは同時に叫んだ。
ニワトリもどきの顔からはみ出た目玉が、左右別々に動いて気持ち悪くて可愛いとは間違っても思えなかった。
ニワトリもどきは、時々ゲコゲコッコと鳴きながら自身の足元を啄ばんでは、パタパタと羽ばたいている。
皓輝の左手の手のひらの上では、蜂っぽい虫が二匹いて、ブンブン羽音を立てながら飛び交っていた。よく見ると、それはメガネをかけた妖精の様な姿をしている。一匹は本を、もう一匹はペンを手に持っていた。
どちらも、痩せているのにお腹がポッコリ出ている。顔つきも邪妖精っぽくて愛らしさのかけらもないのだ。
どちらも、シュール過ぎて気持ち悪い。これが、精霊だなんて香澄はイメージが崩壊して埋まりそうだった。
「ちょっと待って、皓輝。もしかして、皓輝に会う前から、魔霧の森の『隠れ家』に行くまで、わたしの頭の上にコレが乗っかっていたとでもいうの⁈」
『はい、そうです。ただ、精霊を見る能力が無いと、見えません。竜族でも、魔術を感知しても、精霊の姿が見えていた者はそう多くないでしょう』
アレクシリス達にも珍妙な精霊の姿が見えているらしく、引きつった顔をしていた。
『これらが、香澄様の頭上に乗っておりました。遊帆の魔術から生まれた精霊でしょう。悪趣味です』
「遊帆さんの魔術って、……はっ。杜若さんには見えてたの⁈」
「いや、俺は精霊の姿を精霊自身に見せてもらわない限り見えない。だが藍白には、見えていただろう。それと、蘇芳にも見えていたはずだが、まあ……その、諦めろ……」
香澄は、ショックを受けた。確かに、藍白はキプトの町で、香澄に魔術がかかっていると指摘していた。
「じゃあ、今のわたしは『認識阻害の魔術』と『翻訳魔法』がかかってないの?」
『香澄様に必要な魔術の様でしたので、私が同じ効果を持つモノに置き換えました』
「え? どんな精霊なの? 頭の上にいるの?」
『『ちゅん。ちゅん。ちち……』』
香澄の髪の間から、二羽の小鳥がさえずりながら現れた。ずんぐりした黒い羽根に紅い瞳の皓輝の分身の小鳥だ。二羽は、香澄に挨拶する様に飛んでから髪の中に同化していった。
そして、マリシリスティアの手のひらから、煙りを出して倒れていた小鳥が復活して飛び立つた。小鳥は、マリシリスティアの周りをお礼の代わりに飛び回り、他の二羽のように香澄の髪に同化した。
『私の一部ですので、精霊ではありません。しかし、普段から見えない上に、他者の干渉を受ける心配もありません。解除も簡単に可能ですが、如何いたしますか?』
「うちの子は、すごい! 皓輝、ありがとう。しばらくは、このままでいいです!」
『はい、香澄様』
皓輝は、やけに満足そうに答えた。そして、跪いて香澄を見上げた。
『香澄様、下僕を褒めて下さいませんか? どうか、存分に撫でていたけませんか?』
青年の姿の皓輝が、艶やかに微笑んで危ない発言をしてきた。香澄は引きつった笑顔で勢いよく答えた。
「猫の姿ならね!」
『はいっ!』
香澄は、猫の姿になった皓輝を撫でながら、自分は残念な主人だと自覚した。ただ、ゴロゴロと喉を鳴らして甘える皓輝は、香澄の理想的な完璧な猫だった。
「それにしても、魔術には精霊が存在しているのですか?」
「短期間に一定の効果を発揮するのに、専属の精霊は必要ないわ」
「ええっと、つまり、どういう意味でしょうか?」
「例えば、明かりを灯す為に道具に火を点けるのに、精霊の力は点火する一瞬で事足りるわ。この場合、起こしたい事象と精霊の相性がよっぽど悪くない限りその辺りにいる精霊に魔力を捧げて頼めばいいの。でも、魔道具に明かりを灯す為には、明かりを灯す魔道具の精霊に魔力を捧げればいいの。その方が、楽で効率の良いものになるわ」
「遊帆殿の魔術の精霊は、後者だろう。ただ、彼は絵心がない。壊滅的に、絵心がない。悪意を疑いたくなる程に、絵心がないのです……」
「だから、気にしたら負けよ!」
確かに、マリシリスティアの言う通りだ。
「そういえば、杜若さんは、どうしてわたしが同じ世界の前世妻だと確信したのですか?」
「前世妻って……。香澄、……怒らないか?」
「杜若? 先にそんな事を言うなんて狡いわ。香澄だって困るでしょう? 素直に怒られなさい!」
シュンとする杜若の様子に、マリシリスティアが、お姉さんのようだと香澄は思った。
香澄は、杜若と『川端暁』に共通点や相違点を見つけようとは全く意識していない。何故なら、二人の容姿は違いすぎるし、何より人格が別人過ぎた。
だから、本当に杜若の前世が香澄の夫だったのか、今更ながら半信半疑の部分があった。
「遊帆の執務室へ本を借りに行くと、パソコンを抱えて愚痴る遊帆がいた。俺が前世の世界で使っていた同じメーカーだったから、少し興味本位に弄らせてもらった。試しにパスワードを入力してみたら、解除できたんだ……」
「え? 本当に……⁈ じゃあ、やっぱり杜若は『アキリン』なの?」
「『アキリン』は、やめてくれないか……」
香澄は、様々なサイトのパスワードを共通の文字列で設定していた。セキュリティを考えれば、それは危険な行為だが、家庭で使う分のサイトの、パスワードを全て違うものにする必要性を感じていなかったからだ。
それに、香澄がせっせと複雑な設定をしても、旦那が覚えてくれなかったからだ。香澄が説明書を読んで教えなければ、電子レンジのあたため機能でさえ使えなかった。説明書どころか、普段は本すら読まなかった。
だから、住んでいたマンション名の頭文字と部屋番号に携帯の電話番号を組み合わせて複雑な物にして、一つだけだからと覚え込ませた。
偶然に、解けてしまうようなものなんかじゃなかった。
「遊帆は大喜びしていた。どの本でも持って行っていいし、おまけに礼だと言って、秘蔵の果実酒を一本くれたよ」
「それ、飲んだ事があります。美味しいお酒でした」
「あら香澄、遊帆のくれた物なんか信用できないわよ。じゃあ、遅い時間だし私は帰るわね! 香澄、 おやすみなさい。また、明日」
「あ、おやすみなさい!」
マリシリスティアは、来た時と同じようにヒラリと窓から出ていってしまった。
「酒に罪はない! それは、呑兵衛の正義です。寝酒に少しいただいていいですか?」
杜若は快く、コップになみなみと果実酒を注いでくれた。アレクシリスがそれを受け取って、香澄に渡してくれる。香澄は、皓輝を膝に乗せていたので動けなかったからだ。
「ところで、香澄はどうしてマリシリスティアの事をマリーって、すんなり呼ぶのですか?」
「え、ええっと、アレク、それは……」
「私をアレクと呼ぶまで、あんなに時間がかかったのに?」
「それは、女同士ですから……」
「ふうん。……本当はどうなのですか?」
「笑わないで下さいね……。絶対舌を噛むと思うからです!」
「は?」
「マ、マリシ、スティア? マリシスティアリ? じゃなくて、マリシ! いヒャイ……ほらね、噛みました!」
「だ、大丈夫ですか? ふっ! はははっ!」
「この際だから、マリーと呼んだ方がマシかもしれないと思ったのです。……もう! やっぱり、笑われた!」
「拗ねた香澄も愛らしいですね」
「なっ! いいから呑みましょう!」
ふくれっ面になった香澄をアレクシリスは、楽しそうにからかっていた。
婚約者という立場は、仮初めの関係かもしれない。だとしても、香澄は、アレクシリスに見つめられると、ザワザワと胸の奥が騒ぎ平静でいられなくなるのだった。
「アレクに、ファルザルク王国の貴族社会について教えてくださいと、言ったところで困らせるだけでしょう。だって、日本の社会を説明して下さいと、お願いされたら何をどう説明するのが正解なのかわからないですよ。どちらかと言うと『頭で考えるな! 感じろ!』などと言って誤魔化したいくらいに面倒くさいです。だって、知りたいのは当たりさわりのない概要じゃなく、もっと深い部分……ウラ側の意味ですから……。嫌味や蔑みの言葉を、表面上の意味だけ汲んで、素直な反応を返してしまい侮られる可能性大です。わたしだけならともかく、今のわたしの立場だとアレクは勿論、女王陛下をはじめ王家の方々にご迷惑をおかけする自信しかありません。そんな全力マイナス思考で申し訳ないですね。言い訳を言っているだけですよね。ああ、ごめんなさい……」
「遊帆殿が、酒が入ると香澄は饒舌で面白いって言っていましたが、……なるほど、本音がただ漏れているのですね」
「やだ! たった一口で酔いませんよ!」
香澄は、自分が酔っていると思っていないので少し不機嫌になった。酔っぱらいは、自分が酔っていると思わないものだ。香澄も自分がたった一口で酒に酔うなんて、経験上考えられなかった。
杜若が慌てて酒の入ったグラスの匂いを嗅いで顔をしかめた。
「アレクシリス。これは『果実酒』じゃない『竜涎酒』だ。ビンは『果実酒』だが中身は魔法酒の王様『竜涎酒』のようだ。遊帆の野郎……!」
「『竜涎酒』?! 一口で竜族ですら泥酔するという貴重な酒ですか?」
「まあ、翌朝は二日酔いしないし、安全ではあるが、あー、香澄、大丈夫か?」
「大丈夫? 何が?」
「……酔ってるだろう?」
「……ふふっ。酔ってません!」
「嘘だ。目が座ってるじゃないか……」
「目は座りません! 立ってます!」
「何を言ってるんだ?」
「わあ、アレクがいっぱいいるー!」
「か、香澄⁈」
香澄は、アレクシリスに抱きついて頭をグリグリと押し当てた。香澄の髪は、すっかり乱れてグシャグシャだった。上機嫌な香澄は、完全な酔っ払いだった。
だが、アレクシリスはそんな香澄を、柔らかな瞳で見つめていた。無言でも、愛しいという想いが伝わってきそうな、真摯なまなざしだった。
杜若は、こんなのでもいいのかと、少しアレクシリスの様子に引いていた。
「香澄、酔った貴女も可愛いですが、もう飲まない方がいいですね」
アレクシリスは、香澄の手からそっとカップを取り上げて、優しく微笑みかけた。
「酔ってませんよ! アレクこそ、そんなウルウルした瞳をしちゃって、飲んでないのに、匂いだけで酔っぱらったんじゃないですか? お酒、弱っ! あははは……! あはははは……! はは……」
香澄は、アレクシリスの秋波をぶった切って爆笑したあと、ぐったりとベッドに崩れ落ちてしまった。アレクシリスは慌てて香澄を抱き寄せた。
「香澄? 大丈夫ですか? 香澄! …………寝てる?」
「大丈夫。寝てるだけだな……皓輝、怒るなよ。悪気は無かったんだ。俺にはな……」
「遊帆殿なら、確信犯でしょうね」
香澄をベッドに寝かせてから、無言で怒る皓輝に後を任せて、アレクシリスと杜若は帰って行った。
翌朝、香澄は目覚めて羞恥の海で溺れるはめになるのだろう……。
中天に輝く月の光の下で、二人は竜騎士団の詰所に向かう為に歩きながら、顔を見合わせて、同時に肺の中の空気を吐ききった。
「アレクシリス……俺が遊帆に騙されて遊ばれるのは、何度目だろうな……」
「まあ、可愛く酔った香澄を見られたから……いいか」
「あれが、可愛いいのか?! それでいいのか! アレクシリスはおかしいぞ⁈」
「杜若が冷たい……」
「アレクシリス、酔っているのか?」
「ははは、実は香澄が飲む前に、用心して一口毒味をしていたのですが、さすがに『竜涎酒』は飲んだ事がなくて判りませんでした……正直、真っ直ぐに歩けるのが不思議だな」
「大丈夫か⁈ 倒れそうなら担いで運んでやる」
「杜若は、昔から俺に甘いな……」
「甘いのかな? 初めてアレクシリスに出会った時……別に、父性に目覚めた訳じゃないが、もしも息子がいたらどうだったのだろうと思ってしまったんだ。前世で子供を持たなかった事を、後悔したわけじゃない。ただ、守るべき対象が欲しかっただけかもしれない。まあ、……こんな残念な男に育つとは、正直思わなかったがな」
「……それは、杜若と藍白に囲まれて育ったからだろう?」
「……違いない!」
二人の笑い声は、愉しげな余韻を残して、闇の中に溶けていった。
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