クスッと笑える短編恋愛小説～随時更新中～

おにぎりと恋の味～小説家との出会い～

ある日、会社帰りにスーパーで買い物をしていた主人公の葵は、おにぎりコーナーで美味しそうな焼きおにぎりを見つけた。思わず手に取り、レジへ向かった。

その時、後ろから声をかけられた。

「それ、美味しいんだよね」

振り返ると、同じ会社の後輩である椿が立っていた。葵は椿とは普段から仲が良く、一緒に飲みに行くことも多かった。

「そうなんだ。買ってみたんだけど」

葵はおにぎりを見せながら答えた。

「私も買うかな。あ、それ、もう一つあるんだ。私に譲ってくれない？」

椿は笑顔で言った。

葵はしばらく考えた末、おにぎりを分けることにした。

「いいよ、半分にする？」

「ありがとう！」

椿が喜んでおにぎりを受け取ると、葵も嬉しくなった。

そうして2人は、おにぎりを食べながら楽しく話をしていた。

「最近、彼氏ができたんだ」

椿が自慢げに話すと、葵は驚いた顔をした。

「へえ、誰だ？」

「あの人」

椿が指差す先には、おにぎりコーナーにいたイケメンがいた。

葵は思わず吹き出してしまった。

「それ、誰か知ってる人じゃん！」

「え、本当に？」

椿が驚く中、葵は説明した。

「あの人、有名な小説家だよ。私、彼のファンなんだ。」

「えええ、そんなこと知らなかった！」

椿は驚きを隠せなかった。

そんな2人の会話を聞いていた、小説家の男性は微笑むと、おにぎりを手に取り、レジへ向かっていった。

翌日、会社に行くと、机の上に小さな箱が置いてあった。

「葵さん、これ、あの小説家さんから届いたんだって！」

同僚が教えてくれた。

葵は箱を開けると、中には手紙と小説家のサイン入りの本が入っていた。

手紙には、「おにぎりを分けてくれたお礼に、サイン本を贈ります。また一緒に飲みに行きましょう。」と書かれていた。

葵は感激し、嬉しくて涙が出そうになった。

そして、その日から葵と小説家は、飲みに行くことが習慣になった。

おにぎりに恋の味があった。

二人の仲も深まり、やがて小説家と葵は恋に落ちた。

しかし、小説家には過去に恋人がいたことが判明し、葵は悩み始めた。

「彼女と別れて、私と一緒にいてくれるのかな…」

葵は心配していたが、小説家はそんな葵を見つめて優しく微笑んだ。

「葵さんがいなければ、私は今の自分になれていない。あなたと出会えたことが、私の人生を変えたんだよ。」

小説家の言葉に、葵は涙を流した。

二人はそれからも、お互いに支え合いながら愛を育んでいく。

そして、ある日、小説家は葵にプロポーズをした。

「葵さん、一緒に人生を歩みませんか？」

葵は迷わず「はい」と答え、二人は幸せな結婚生活を送った。

おにぎりに恋の味があった日々は、小説家との愛の物語として、二人の心にずっと残ることになった。




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