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片思い

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私はずっと彼が好きだった。

幼稚園から一緒の幼なじみで、隣の家に住んでいる彼。

彼はクールでカッコよくて頭も良くてスポーツも得意で、学校では女の子からも男の子からも憧れられている。

私はそんな彼に対して、ただの友達以上の気持ちを抱いていた。

でも、私はただの地味で普通で目立たない女の子だった。

彼にとって私は、幼なじみ以上でも以下でもなかった。

それでも私は諦めなかった。

高校生になっても彼と同じクラスになれたことを奇跡だと思って、毎日彼に話しかけたり笑顔を見せたりした。

でも彼は私に対して特別な反応を示さなかった。

他の女の子と同じように優しく接してくれるだけだった。

それでも私は諦めなかった。

私は彼に告白することを決めた。

勇気を出して手紙を書いて渡そうとした。

でもその前に私は衝撃的な光景を目撃してしまった。

彼が別の女の子と手を繋いで歩いている姿だった。

その女の子は学校一可愛くて優しくて成績も良くて部活も頑張っている委員長だった。

二人は仲良く笑って話していた。

私は信じられなかった。

彼が好きなのは私じゃなくて、あの女の子だったのか。

私は涙が溢れてくるのを感じた。

手紙を握りしめて、その場から逃げるように走った。

どこに行けばいいのかわからなかった。

学校中に彼らの噂が広まっているかもしれなかった。

私は屋上に向かった。

屋上は誰もいない静かな場所だった。

私はそこで泣き崩れた。

彼のことを思い出した。

幼い頃から一緒に遊んだり勉強したりしたこと。

中学生になってからも一緒に帰ったり映画を見に行ったりしたこと。

高校生になってからも一緒に勉強会をしたりお弁当を分け合ったりしたこと。

それらは全部、私にとっては特別な思い出だった。

でも彼にとっては、ただの日常だったのだろうか。

私は彼にどう思われているのだろうか。

友達?家族?それともただの知り合い?

私は彼に何も伝えられなかった。

告白するチャンスを逃してしまった。

もう二度と戻れない。

私はそう思って、悲しみに暮れていた。

「おーい、誰かいるー?」

突然、明るい声が聞こえてきた。

私は驚いて顔を上げた。

そこには、隣のクラスの男の子が立っていた。

彼は私とは正反対の性格で、明るくてお調子者で、女の子にもてない。

彼はよく授業中に寝ていたり、先生に突っ込まれたり、友達とバカ騒ぎしていたりしている。

私は彼と話したこともなかったし、興味もなかった。

でも彼は私に気づいて、ニコニコしながら近づいてきた。

「あれ?君、隣のクラスの……」

彼は私の名前を言おうとしたが、途中で止まった。

私は涙でぐしゃぐしゃになった顔をしていることに気づいて、慌てて手で隠した。

「ごめんなさい。邪魔して」

私はそう言って立ち上がろうとしたが、彼は私の手を掴んだ。





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