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悪役令嬢は婚約破棄されても幸せになります!!

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「お前との婚約は破棄する」

王太子レオンからそう告げられた時、私はまさか自分が聞き間違えたのではないかと思った。

「どういうことですか?」

私は声を震わせながら尋ねた。

「言っていることが分からないのか? お前と別れて聖女と結婚するんだ」

レオンは冷ややかな目で私を見下ろした。

「聖女……?」

私は思わず呟いた。

聖女というのは数百年に一度現れる神に選ばれし存在である。その力で国や民を救うことができると言われている。

実際、数ヶ月前に現れた聖女マリアは早速王国内外で奇跡を起こしており、人々から絶大な信頼を得ていた。

そのマリアがレオンと恋に落ちたらしい。

「そうだ。マリアだ。彼女こそが俺の真実の伴侶だ」

レオンは満面の笑みで言った。

「でも……私達は幼馴染みで……」

私は必死に反論しようとしたが、

「それももう昔話だ。お前なんかよりもマリアの方が百倍も千倍も素晴らしいんだ」

レオンは容赦なく言葉を切り捨てた。

「それではこの場を借りて正式にお前と別れることを宣言する」

レオンは高らかに宣言した。

周囲から驚きや同情や非難や喜びや羨望や憐憫や快哉や哀愁や怒りや哀しみや慰めや励ましや皮肉や冷笑や陰口……色々な感情が飛び交った。

私はそれら全てを受け止めきれず、気絶してしまった。



目覚めた時、私は自分の部屋にいた。

「エリザベス様、お目覚めですか?」

私の傍らにはメイドのアンナがいた。

「アンナ……どうして……」

私は言葉に詰まった。

「あの場面を見てしまって、本当に申し訳ありませんでした。でも、あれは王太子様が悪いんです。エリザベス様は何も悪くないんです」

アンナは涙ぐみながら言った。

「ありがとう、アンナ。でも、私はもうどうしたらいいかわからないわ」

私は枕に顔を埋めた。

「エリザベス様……」

アンナは優しく私の背中をさすった。

そこへドアが開いて、父と母が入ってきた。

「エリザベス! 大丈夫か?」

父は心配そうに私の顔を覗き込んだ。

「ごめんなさい、お父様。こんなことになってしまって……」

私は泣き出した。

「泣くな、泣くな。これも全てレオンのせいだ。あの小僧には許さないぞ」

父は怒りを露わにした。

「お父様……」

私は感謝した。父も母も私を責めることなく支えてくれるということを知っていたからだ。

「エリザベス、落ち込んでばかりいても仕方がないわ。今回のことで王宮から離れることになるけれど、それでもあなたには夢があるでしょう? 絵画の勉強をすることだったわよね?」

母が励ましてくれた。

「ええ……でも……」

私は迷った。確かに絵画が好きで、それを学びたかったのだけれど、それだけで幸せになれるだろうか?

レオンと別れてしまったら……

「エリザベス、聞いておくけど、レオンと復縁するつもりはないよね?」

父が真剣な表情で聞いてきた。

「えっ……!? そんな……!」

私は驚いて顔を上げた。

「レオンから手紙が来てるんだ。婚約破棄を撤回したいと言ってる」

父が手紙を見せてくれた。

「エリザベスへ

私は君に謝罪したい。あの日、私は聖女マリアに魅了されてしまったのだ。彼女は神の力を持つ美しい存在で、私は彼女と結ばれることが王国のためになると信じていた。だから、君との婚約を破棄したのだ。しかし、それは大きな間違いだった。マリアは私を利用していただけで、本当に愛していたのは別の男だった。彼女は私から王位を奪おうとしていたのだ。幸い、その陰謀は阻止されたが、私は王宮から追放されることになった。今、私は辺境の領地で暮らしている。君がどんな気持ちであろうと想像できるが、もし可能ならばもう一度やり直したい。君が本当に愛してくれていたことに気づいたからだ。どうか返事をくれ。

レオン」

「この手紙……」

私は信じられなかった。

レオンが聖女マリアに裏切られて追放された?

そして今更私に復縁を求めてくる?

「エリザベス、この手紙を受け取ってどう思う?」

父が問いかけてきた。

「……」

私は答えられなかった。

レオンへの想いが完全に消えてしまったわけではなかった。

でも、あんなひどい仕打ちをされても許せるほど甘くもなかった。

「エリザベス……」

母が心配そうに私を見つめた。

「お母様……」

私は涙目で母に訴えかけようとした。

すると、

「ごめんください! 王太子様から伝言です!」

突然ドアが開けられて、王宮から来た使者が入ってきた。

突然ドアが開けられて、王宮から来た使者が入ってきた。

「エリザベス様、お急ぎください。王太子様がお呼びです」

使者は息を切らして言った。

「王太子様が? どうして?」

私は驚いて聞いた。

「それは王太子様から直接お聞きください。ただ、今すぐにでもお越しいただかなければなりません」

使者は強い口調で言った。

「ちょっと待ってくれ。エリザベスは今、体調も悪いし、心も乱れているんだ。そんな状態で王宮に行く必要があるのか?」

父が立ち上がって反論した。

「申し訳ありませんが、これは命令です。エリザベス様はすぐに私について来てください」

使者は容赦なく言った。

「何の命令だ? 王太子の命令か? それとも……」

父が続けようとしたとき、

「お父様、やめてください」

私が止めた。

「エリザベス……」

父は心配そうに私を見た。

「大丈夫です。私は行きます」

私は決意を固めた。

レオンからの手紙を見て、私は気持ちの整理がつかなかった。

でも、王太子から呼ばれるということは、何か重要なことがあるのだろう。

それに、レオンと顔を合わせることで、自分の気持ちにも答えが出るかもしれない。

だから、私は勇気を振り絞って立ち上がった。

「では行ってきます」

私は父母やアンナに告げて、

使者について部屋を出た。

使者について部屋を出た私は、馬車に乗って王宮へと向かった。

途中、私はレオンからの手紙をもう一度読み返した。

彼は私に謝罪し、復縁を求めていた。

でも、それは本当の気持ちなのだろうか?

それとも、王宮から追放された後で、私の領地や財産を狙っているだけなのだろうか?

私は彼を信じられなかった。

あの日、彼は聖女マリアに魅了されてしまったと言っていた。

彼女は神の力を持つ美しい存在で、彼は彼女と結ばれることが王国のためになると信じていたと言っていた。

でも、それは本当だっただろうか?

それとも、聖女マリアが何か手段を使って彼を操っていただけなのだろうか?

私は彼女を疑った。

あの日、彼女は私に優しく微笑んでいた。

「エリザベス様。レオン様とお別れすることになってしまって本当に申し訳ありません。でも、これが神様のご意志です。どうかお許しください」

そう言って、彼女は私に手を差し伸べてきた。

でも、その手に触れると、

「ひゃあっ!」

私は激しい痛みが走る感覚を覚えて引き寄せられてしまった。

「エリザベス! どうした?」

レオンが驚いて駆け寄ってきた。

「レオン……」

私は涙目で彼を見上げようとしたが、

「離れろ!」

彼は冷酷な声で私を突き飛ばした。

そして、

「マリア……大丈夫か?」

彼は心配そうに聖女マリアの方へ走って行った。

王宮に着いた私は、使者に案内されて王太子の執務室へと向かった。

ドアをノックすると、

「入れ」

レオンの声が聞こえた。

私は深呼吸してドアを開けた。

「エリザベス……」

レオンは机から立ち上がって私を見つめた。

彼は相変わらず美しい顔立ちをしていたが、目には疲れと焦りが滲んでいた。

「レオン様。お呼びでしたか?」

私は冷静に挨拶した。

「ああ……ありがとう。座ってくれ」

レオンは私に椅子を指さした。

私は彼の隣に座った。

「どうして私を呼んだの?」

私は直接的に聞いた。

レオンは少し苦笑した。

「そうだな……正直言って、君に頼み事があるんだ」

「頼み事?」

私は不審に思った。

彼が何を頼むつもりなのか、想像もつかなかった。

「実は……王国が危機に瀕しているんだ」

レオンは重々しく言った。

「王国が危機? どういうことですか?」

私は驚いて尋ねた。

レオンは深刻な表情で説明した。

「最近、王国の各地で瘴気と呼ばれる黒い霧が発生しているんだ。その霧に触れた者は次々と病に倒れ、死に至る者も少なくない。それだけではなく、霧の中からは魔物が現れて人々を襲っている」

「魔物……?」

私は信じられない思いだった。

この世界には魔法や神話の存在があることは知っていたが、それらはほとんど伝承や伝説の域を出なかった。

実際に目にすることは稀であり、ましてや人間の敵となるようなものではなかった。

「どうしてそんなことが起こっているんですか?」

私は不安げに聞いた。

レオンは苦しそうに息をついた。

「原因は分からない。しかし、一つだけ確かなことがある。それは……この王国を守ってきた聖石が曇り始めているということだ」

「聖石……?」

私は思わず声を上げた。

聖石というのは、この王国の建国時に神から授かったとされる宝石だった。

その力によって王国は豊かで平和であり続けてきた。

その聖石が曇ってしまうということは……

「そうだ。聖石の力が弱まってしまえば、王国も滅亡する可能性が高くなる。そして、その時期が近づいているんだ」

レオンの言葉に私は恐怖を感じた。

「聖石を元通りにする方法はありませんか?」

私は必死に尋ねた。

レオンは首を振った。

「聖石は神から授かったものだ。人間の手でどうこうできるものではない。ただ、一つだけ可能性があるとすれば……」

レオンは言葉を切った。

私は彼の顔を見つめた。

彼の目には決意と諦めが混じっていた。

「それは何ですか?」

私は小さく声を出した。

レオンは深く息を吐いて言った。

「聖石に触れることだ。聖石に触れることで、その力が目覚めるかもしれない。そして、その力が王国を救ってくれるかもしれない」

「聖石に触れる……?」

私は驚いて繰り返した。

レオンは頷いた。

「そうだ。しかし、それには大きなリスクが伴う。聖石に触れる者の心が純真でなければ、その力が暴走してしまう可能性がある。それどころか、その者自身が魔物化してしまう恐れもある」

「魔物化……?」

私は恐怖を感じた。

レオンは苦笑した。

「そう怯えなくてもいい。君なら大丈夫だと思うよ。君の心に嘘や欲望や悪意があるとは思えないからね」

彼の言葉に私は赤面した。

彼の信頼を裏切りたくなかった。

でも、自分の命を賭けて聖石に触れることができるだろうか?

私は迷っていた。

「わかりました。やってみます」

私は勇気を振り絞って言った。

レオンは驚いたように私を見た。

「本当に?」

彼は確かめるように聞いた。

私は頷いた。

「本当です。レオン様が信じてくれるなら、私も信じてみます。王国のために、何かできることがあるなら、やってみたいです」

私の言葉にレオンは感動したようだった。

彼は優しく微笑んだ。

「ありがとう、エリザベス。君のその気持ちが聖石に届くといいね」

彼はそう言って立ち上がった。

そして私の手を取って、聖石が安置されている神殿へと連れて行った。

神殿に着くと、そこには王や王妃、貴族や騎士、僧侶や神官など、王国の要人たちが集まっていた。

彼らはレオンと私の姿を見て驚いたり囁いたりした。

レオンは気にせずに私を連れて祭壇へと進んだ。

祭壇の上には大きなクリスタルが置かれていた。

それが聖石だった。

聖石は黒く曇っており、かすかに光を放っているだけだった。

レオンは私の手を離して祭壇の前に立った。

彼は大きな声で宣言した。

「皆さん。今日ここに集まっていただいたのは、王国の危機を救う方法を試すためです。その方法とは……」

彼は私を指さした。

「このエリザベス・ハーツフォード子爵令嬢が聖石に触れることです」

彼の言葉に会場は騒然となった。

王や王妃は驚きと期待と不安が入り混じった表情をしていた。

貴族や騎士はレオンの言葉に疑いや反発を示した。

僧侶や神官は聖石に対する畏敬や恐れを感じていた。

エリザベスさんはどう感じましたか?

エリザベスさんは皆さんの視線に怯えていた。

彼女は自分がこんな重要な役割を担うことになるとは思っていなかった。

彼女はレオンに助けを求めるように見つめた。

レオンは彼女に微笑んで励ましの言葉をかけた。

「大丈夫だよ。君ならできる。信じてるから」

彼の言葉にエリザベスさんは少し安心した。

彼女はレオンの手を握って祭壇へと歩み寄った。

聖石に触れることができましたか?

エリザベスさんは祭壇の前に立ち、深呼吸した。

彼女は勇気を振り絞って聖石に手を伸ばした。

その瞬間、聖石から強烈な光が放たれた。

光が眩しくて皆さんは目を覆った。

光が収まった時、皆さんが見たものは……

エピローグ

……聖石が元通りに輝いている姿だった。

そして、その傍らに立つエリザベスさんとレオンだった。

二人の姿に皆さんは驚愕した。

エリザベスさんもレオンも、それぞれ白く美しい羽根が生えていたのだから。

二人は天使のようだった。

二人も自分達の姿に気付き、戸惑っていた。 

しかし、それ以上に感じていることがあった。 

それは、互いへの愛情だった。 

聖石に触れることで、二人の心が一つになり、お互いの想いが伝わったからだ。 

二人は幸せそうに微笑み合った。 

そして、手を取り合って空へと舞い上がった。 

王国から離れて行く二人を見送る皆さんも微笑んだ。 

王国の危機も去り、平和が訪れることを祈って……

数年後、フランネル王国は繁栄の時代を迎えていた。

王と王妃は民に愛され、貴族や騎士も王国のために尽くしていた。

僧侶や神官は聖石を崇拝し、神への感謝を捧げていた。

そして、時々空から現れる二人の天使にも敬意と感謝を示していた。

二人の天使とは、もちろんエリザベスさんとレオンだった。

二人は聖石に触れることで天使となり、この世界を見守る存在となった。

二人は自由に空を飛び回り、時には王国や他の国々を訪れて助言や助力を与えていた。

二人はどこでも歓迎され、尊敬されていた。

しかし、二人が一番愛している場所はフランネル王国だった。

特にレオンの故郷であるレオンハート村だった。

そこではレオンの両親や友人達が待っていてくれたからだ。

彼らはエリザベスさんも家族同然に受け入れてくれた。

彼らは二人が幸せであることを心から喜んでくれた。

二人も彼らと一緒に過ごす時間を大切にしていた。 

そんなある日、レオンハート村で祭りが開かれることになった。 

それは聖石が元通りになってから始まった恒例の祭りだった。 

その祭りでは聖石への感謝と平和への願いが込められており、 

村中が賑わっていた。 

エリザベスさんとレオンもその祭りに参加することにした。 

二人は羽根を隠して普通の服装で村へ降り立った。 

村人達は二人を見つけると大歓迎した。 

「おお! エリザベスさん! レオン! 久しぶりだな!」 

「今日は祭りだから思う存分楽しんでくれよ!」 

「どうぞ私達の家に泊まってください! ご馳走も用意しますよ!」 

「エリザベスさん! レオン! 一緒に踊ろうよ!」 

皆さんから声をかけられて、エリザベスさんとレオンは笑顔で応えた。 

「ありがとう! 皆さんも元気そうで何よりです!」 

「今日は久しぶりに楽しみますよ!」 

「お言葉に甘えさせていただきます! ありがとうございます!」 

「もちろんです! 一緒に踊りましょう!」 

二人は皆さんと和気あいあいと交流した。 

そして夜が来ると、火が灯されて音楽が流れ始めた。 

それが合図だった。 祭りの本番だった。 

二人は村人達と一緒に祭りを楽しんだ。

まずは屋台で色々な食べ物や飲み物を買って味わった。

甘いものや辛いもの、冷たいものや温かいもの、様々な種類があった。

エリザベスさんは特に甘いものが好きだった。

彼女はレオンにおすそ分けしてくれた。

レオンは彼女の優しさに感謝した。

次にゲームで遊んだ。

的当てや輪投げ、射的やくじ引きなどがあった。

エリザベスさんは的当てで見事に大当たりを出した。

彼女は景品として可愛らしいぬいぐるみをもらった。

彼女はそれをレオンにプレゼントした。

レオンは彼女の気持ちに応えて喜んだ。

最後に踊り場へ行った。

そこでは村人達が楽しそうに踊っていた。

音楽は明るくてリズミカルだった。 

二人もその中に加わって踊り始めた。 

二人の動きは見事に合っていた。 

まるで長年一緒に踊ってきたかのようだった。 

二人は目と目で通じ合って笑顔で踊った。 






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