異世界転生興国記

青井群青

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人員補充&計画実行

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  マイクが戦力とされてから数日が経過していたが、ヒロキは更にアンドロイドを増やして急速に街を近代化発展させることにした。順に挙げてゆくと見た目は同じなので見分けはつけにくいが生産特化型のアンドロイドで背の低い筋肉質な体型をしたウィスキーを筆頭に、ウォッカ、バーボンの3人が追加補充された。この3人は材料さえあれば大抵の物はなんでも生産できるとのことであった。前世で存在していたものであっても多少オーバーテクノロジーでも可能であるとのことだ。なんとも頼もしい限りである。

 
  一方でマイクは公共事業であれば軍事やインフラ問わず何でもできるとのことであったので、ヒロキはビクターから提供された地形データを元に町から王都に向けて最短距離でトンネルを掘ってもらうことにした。トンネルが開通すれば王都まで徒歩で4時間程で行くことができるようになり、従来の回り道で5日の行程を大幅に短縮できる。マイクはビクターから地形データを受信すると笑顔でトンネルを掘り始めた両腕を様々な重機(ドリルや掘削機等)に変化させて凄まじい勢いで掘り進んでいる。尚、今回は試掘も兼ねているため高さや幅は2メートル程だそうだ。昼夜問わずに突貫で作業して早ければ2日後には開通予定だ。開通後は横に坑道を掘り、ついでに鉱石の試掘もする徹底ぶりだ。

 ヒロキがトンネル掘削を決めたのには理由があった。ウィスキー達を製作する前に管理者の老人からメッセージが届いており、新たにヒロキに前世で縁があった人間が2人王都に転生したとのことだった。ふたりには特にヒロキがこの世界にいることは伝えていないが、おおよその居場所をヒロキにメッセージで教えてきた。場所は王都の酒場と服屋にそれぞれいるらしい。しばらく王都に行く予定が無かったが知り合いが来ているなら話は別である。ただまともに王都に回り道をして行ったのでは時間が掛かり過ぎるのでトンネルを掘ることにしたのである。

 ヒロキがマイクにトンネル掘削依頼をした後、今後の生産物の予定を組む為にウィスキー達の作業場に向かうと先客がいた。テンが何やらウィスキーにお願いをしていた。まるでドラ〇もんに頼み込むの〇太みたいだ。ウィスキー達は困惑顔である。ヒロキは聞き耳を立ててみると・・・。

「なあ?頼むよ~。お願いだからテレビを作ってください!何か娯楽が欲しいんだよ~」

「そう言われましても儂らはマスターであるヒロキ様の指示がないと勝手に作るわけにもいかねぇです。仮に作ったとしても・・・」

「何でも作れるんだろう?いいじゃんテレビくらい一台だけでいいからチャチャっと作ってくれよ~。テレビも無い!ラジオも無い!俺こんな町いやだ~」

 ヒロキは心の中で苦笑した。テンの気持ちが理解できないわけではないが、仮にテレビを作ったとしても致命的な問題があることを言おうとウィスキーとテンの元に行こうとしたその時、ヒロキを人影が追い越して行った。鬼の形相をしたサトウさんである。何やら禍々しいオーラを放っているように見えた。サトウさんは一瞬で気配も無くjテンの後ろに立つと拳骨をテンの頭に落として一喝した。

「この野郎!こんな所で油売りやがって!何がテレビだ馬鹿!そもそも放送局も番組もねぇだろうがこのアホンダラ!」

 ヒロキとウィスキーが指摘しようとした問題点を的確にツッコミされてテンはサトウさんに首根っこを掴まれてあっという間に退場していった。



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 闘病等色々あってなかなか更新できませんでした。持ち直しましたので改めてよろしくお願いします。
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