異世界転生興国記

青井群青

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戦闘?VSママチャリ

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 ヒロキは携帯電話の部屋出た直後に水筒で喉を潤して一息入れた。先程は驚きのあまりパニックになったが気を取り直し先を急ぐことにする。パニックの教訓を生かし次は魔法を使うことを忘れないように心に刻んだ。腰の銃剣の確認も忘れないよう改めて確認する。歩きながら抜剣を繰り返す。切れ味は鈍いが無いよりはましである。通路を更に進むこと数分、今度は三叉路に出る。

 ヒロキはどれに進むか迷う。人間は無意識に道を左に行く傾向にあるが、ヒロキも例外ではなく左に進むことにした。ドアの前に立つとヒロキは腰の銃剣を引き抜く、ドアも慎重に開けた。部屋の中は20メートル四方で広かったがやはり生き物の気配が無い。機械オイルのような臭いがうっすら漂っていた。部屋の奥には様々な部品が置いてある。部屋の中央には何故か自転車が鎮座していた。見た目は普通のママチャリやマウンテンバイクが数台ずつあった。ただ一点だけ普通の自転車と違う点がある。自転車の前部に突起とゆうか鋭い刃物が付いている。嫌な予感がしたが遅かった。先程の携帯電話と同じ物がこの部屋にもあったようでやはり宙に浮いてアラーム音が鳴り響くとライトの部分が怪しく光ってママチャリが一台動き出した。

「誰も乗っていない自転車が自走するなんて気持ち悪いな・・・。」

 ヒロキがそう呟くと自転車がヒロキに向かって勢いよく突進してきた。ヒロキはサイドステップで何とか避けるがママチャリのくせに華麗に180度ターンしてサイド突進してくる。そこで今度はすれ違い様に銃剣を横に薙いだ。

カツンッ!ガッシャーーン!

 ヒロキはママチャリを倒した。正確には偶然だったが怪しく光っていたライトの部分を銃剣が当たり破壊した。どうやら光っている部分が自走の遠隔操作を可能にしているらしい 。ママチャリを倒した瞬間、アラームを鳴らしていた携帯電話の動きが鈍ったので火魔法で牽制して捕まえるとすぐに電話をくの字にへし折った。この作業で部屋はひとまず静かになった。恐らく携帯電話が遠隔操作の指令を送っていたのだろうと思われる。

 倒したママチャリはひしゃげていたが、その他の自転車はまだ起動前だったようで無傷で残っていた。ヒロキは遠隔操作の受信部であるライト部分を調べた。するとやはり魔法力を溜め込む石が嵌められていた。再発防止と何かに使えそうなので残りの自転車すべての石を銃剣で抉って外し背嚢に放り込む。それと今後の移動が楽そうだったのでマウンテンバイク型の自転車を頂戴することにした。

 ヒロキは乗り物を手に入れて自転車の部屋を後にした。少々怖かったが次の場所に行くことにした。
後書き編集
 今回はここまでです。相変わらず短くて申し訳ないです。次回もなるべく早く更新しますので今後ともよろしくお願いいたします。感想もどんどんお待ちしております。
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