休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう

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第149話 未来(2)

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聖剣の神殿に辿り着いた俺は、
今にも殺されそうになる勇者を発見した。
黒騎士の右手には、魔王から与えられた魔剣が握られている。
即座に全ての身体強化を施して勇者の元へ駆け抜けた。


「ようやく辿り着いた……」


「お前は、まさか!」


そして黒騎士が握る魔剣を見た瞬間に、
今まで以上に強力な力を手にしていて、
苦戦を強いられるのは間違いないと理解した。


確かに俺だけでは勝てないかもしれない……
だが、俺にはマリアとユーリがいる。


願いを込めて二人と感情を共有すると、
溢れる程の温かな愛情が返ってくる……
そしてその魔力を聖剣に込めて、
俺は黒騎士とシンに宣言した。


「クリス・レガード……
 俺達の聖剣技で、黒騎士セト!
 お前を倒す者だ!」


俺の右手にはマリアとユーリからの魔力が更に流れてくる。
予想以上にガンガン流れてくるため、
二人とも無理していないのか不安になってしまう。


「ちょっと、魔力が強すぎるんですけど」


魔剣から放たれる禍々しい魔力に引けを取らないほど、神々しい光が溢れていく。
そして俺は神速スキルで死角に移動して、
聖剣技を繰り出した。


「咄嗟に思いついたけど、
 やっぱり母上は最強だな」


死角から放たれた聖剣技は、黒騎士を見事に捉えたが、寸前のところでシンの転移魔法によって魔族を間に送り込まれる。


「仲間を盾にしただと?」


いくら部下とはいえ自分達が助かるために、
仲間を犠牲にするなんて到底許せない。
駒のように捨てるやり方に怒りが込み上げてしまう。


更にシンが転移魔法のゲートから複数の魔族を呼び出して黒騎士に向かわせる。
そして次の行動を見て、俺は更に唖然としてしまった。


「この魔剣には固有スキルがあるんだよ!」


そのように声を発した黒騎士は、
魔族の心臓に魔剣を刺して力を吸収する。
仲間の心臓から直接生命エネルギーを奪っているようだ。


「やはりこの魔剣は素晴らしい!
 この力があれば、俺は永遠に強くなれる」


魔剣だけでなく、身体の周りにも禍々しい魔力が纏わり付くと同時に闇の鎧が発生した。


「認めない……」


「何?」


魔族にも仲間や家族がいるのではないのか?
合理的な種族だと聞いたが、
俺はそのやり方を許せる筈がない。


「仲間を平気で切り捨てるお前達を、
 俺は絶対に、絶対に認めない!」


今度の一撃は転移で防御されないように、
水魔法の弾丸を空中に何発か発生させて、
シンに向けて継続的に発射した。
その弾丸を回避するのに精一杯な状況を作り出し、再度俺は黒騎士に聖剣技を放った。


「面白い!戦いはこうでなくてはな!」


黒騎士も魔剣技を繰り出すと、
互いに白と黒の魔力の塊が衝突して、
双方譲らずに押し合っている。


その時、カノンが必死に戦う俺の姿を見て口を開いた。


「何故だ……
 何故お前は、ここまでする!」


「お前が死ぬと、悲しむ人がいるからだ!」


その言葉に、カノンは目を見開いている。
魔族に喰われても、悲しむ人などいないと思っていたからだ。


「私はお前達を殺そうとしたのだぞ!
 それなのに、何故だ!」


「確かに、お前が世界を滅ぼす理由も、
 女神を殺す理由も理解なんて出来ない」


でも、俺は賢者と約束した。
俺にとって賢者は既に大切な家族なんだ……
そんな家族の悲しむ顔は見たくない。


「放っておけば良い!
 私は、お前を仲間だと思っていない!」


「お前がどう思おうと関係ない!
 俺は、必ずお前を救ってみせる!
 そう既に……心に決めている!」


残っている全ての魔力を聖剣技に込めて、
魔剣の力を跳ね返す。
そして今度こそ黒騎士を捉えた。


「はぁ……はぁ」


全ての魔力を使い、子供の姿に戻ってしまう。
確かに聖剣技には手応えがあった。
絶対に倒せている筈だと煙の方向を見ると、
その煙の中から少しずつ黒騎士の姿が見えた。


「危ない……用意していた龍の生き血を、
 全て飲み干してしまったが、
 これが無ければ死んでいたな」


不敵に笑う黒騎士の鎧は、
亀裂が入りダメージも激しいのが分かる。
しかし、黒騎士本人は龍の生き血により回復してしまった。


「魔力も全回復した……
 次の魔剣技で死ね」


黒騎士の周りに暗黒魔法のオーラが溢れて、
魔剣にその力が注がれる。
そして強力な魔剣技が繰り出された。



禍々しい程の魔剣技を前に、
このままでは俺達は飲み込まれてしまう。
もう駄目かと思った瞬間……



目の前に回復魔法の防御壁と、
氷魔法の壁、更に結界魔法が生まれる。


見事に重なり合った魔法は、
俺の目前で黒騎士の魔剣技を防ぎ切った。


「これは……」


「セト、よくもクリスを痛めつけてくれたね」


その声を上げた人物の方向を見て、
黒騎士は、うんざりしたような声を出す。


「ロゼ……お前の仕業か」


「ふふふ、それだけじゃないさ!
 契約者と女神の加護を受けた者のおかげさ!」


咄嗟の頼みではあったが、ユーリは女神に、
氷魔法の壁の強化を依頼した。
その効果もあり魔剣技を防ぐのに成功したのだ。


「それと……私の前で転移魔法を、
 使わせるわけないだろう」


賢者がそう声を発した瞬間、封印の結界によって、シンの転移魔法を封じ込めた。


そしてその瞬間、賢者はニヤリと笑みを浮かべる。


「これでお前達の連携も意味が無くなった!
 ここからは……私達が叩きのめしてやるよ!」


そう声を発した途端に、
賢者はその拳を握りしめた……


クリスの危機に現れた賢者達。
賢者の結界魔法によって、
シンの転移魔法を封じ込めたが、
それでもシンは不敵な笑みを浮かべている。
黒騎士とシンの切り札は脅威的だが、
クリス達の聖剣技が全てを越えていく……
 
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