休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう

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第102話 魔導具研究所

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賢者の同行の元、魔導具研究所に向かうことになり水の都を魔導船に乗り移動している。


「賢者様、ここに来て何なのですが、
 研究所の技術は高いのですよね?」


「ん?
 あぁ、お前達は知らなかったのか…」


古の大戦時の魔導具が研究所に集まり、
研究者は寝る間を惜しんで研究に没頭している。


「まあ、技術はともかく…
 予想外のお宝があるかもね」


賢者はそのお宝が目当てのようだ。
お宝という言葉にアリスは何故だか心が躍ってしまう。


「もし相性の合う魔導具なら、
 アリスも貰えるんですか?」


アリスはシャルロットだけでなく自分も便乗して魔導具を貰いたいと考えた。


「ふふふ、心配するな
 私を誰だと思っているんだ」


賢者はニヤリと笑みを浮かべている。
その笑みはいつもと変わらないが、
俺には良い物は何でも貰おうと賢者が言ってるように見えた。


「そしたら、俺も貰っちゃおうかな…」


俺が小さく口ずさむと、
隣のマリアが苦笑していた。
そして俺達の乗る魔導船は研究所の入り口に入って行った。


「さすが水の都…
 船のまま中に入れるのね」


本来だと船を降りて施設に入るのだろうが、
テティスは船で移動するのが主流のようだ。


「皆様、お会いできて光栄です!」


魔導具研究所の所長が笑顔で迎えてきた。
服装は白衣を身に纏っている。


「賢者だ、案内よろしく頼むぞ」


今回はとても奇抜な作戦を用意している。
賢者が言うには教皇は信用ならない相手だ。
そのため今回は幻惑の腕輪により、
賢者とアリスを入れ替えている。
そして秘密で研究していることでもあれば、
全て公にしてしまう作戦だ。


「ふふふ、大成功だな
 誰もアリスだとは気づいてないぞ」


アリスの事前の訓練により大成功だ。
裏では何度も賢者の口調を真似するように、
練習を繰り返した。
陰の努力が実っているため、
褒めてやろうと俺は考えていた。



そして所長の目を盗みアリスに声をかけた。


「凄いぞ、賢者にしか見えない」


「お、お兄様、本当ですか!」


喜んでいるときは、アリスの素の性格が前面に出てしまった。
焦って隠していたが、それが可笑しくて小さく笑ってしまう。


「この調子で頑張れよ…」


無言で嬉しそうに頷いている。
きっとこの後も上手く演じてくれるだろう。


ふと隣のマリアに目配せすると、
マリアも上手くアリスが演じていると相槌を返してくれた。
それに応えるように俺も首を縦に振り合図する。


そしてそんな俺とマリアを見て、
シャルロットが口を開いた。


「アンタ達、いつから夫婦みたいに、
 意思の疎通ができるようになったのよ?」


俺とマリアが目で会話していたのを見ていたようだ。
自然とやっていたことだけど、意識すると何故か恥ずかしくなってしまった。
ふと、マリアを見ると頬を赤くして照れた顔をしていた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



研究所は15階建ての建物で各階の移動は、
魔道エレベーターで行き来する。

今回、賢者の希望で10階より上の古代魔導具エリアの見学が許可された。
そしていよいよ賢者による調査が開始する。エレベーターに乗り10階まで向かい到着すると作戦が開始する。

まず10階に到着した途端に、アリスから所長へ質問を繰り返して注意を引いていく。
館内を上手く巡回させて賢者が居なくなっている事を悟られないようにするのだ。
勿論マリアと俺もアリスの援護射撃をする。


「何とか、注意を引けているね…」


「アリスも頑張ってるね」


そして、一瞬の隙をついて賢者は、
エレベーターに乗り込んでいった。


「き、緊張した…」


マリアも何とか賢者をエレベーターまで誘導できて安堵している。
そして、賢者が個別で行動しても全く怪しまれていない。
それは幻惑の腕輪の効果が上手く機能しているだけでなく、アリスがバレないように所長を引きつけているおかげだ。


「賢者とは、通信機で連絡取れるし、
 引き続き俺達はアリスをフォローしよう」


俺はマリアの手を引き、
アリスの元へと歩き始めた。



そして俺達は魔導具研究所の秘密に迫る。
賢者はその事実を知った時に唖然を通り越して怒りに震えてしまう。
その研究内容は到底許されるものではなかったのだ。
俺達は少しずつテティスで起こっている、
異変と陰謀に近づいていくのであった。
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