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第81話 秘密の特訓(2)
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国の存亡をかけた防衛作戦会議を終えて、
賢者から秘密の特訓を受けることになった。
そしてまずはマリアと向かい合い、
心を通じ合わせるというものだった。
本人達の誤解はあったが順調?に特訓は進んでいる。
そして次のステップに進むためにクリスは、ピクシーから幻惑魔法を覚えて賢者の指示を待っている。
「これからお前達には、
次のステップに進んでもらう」
賢者の言う次のステップとは、
まず相手の仕草、癖、口調を観察しながら、真似をすることだ。
相手の会話や行動を繰り返していく。
「うーん、こういうのは、
女を真似する方が難しいだろう」
確かにクリスがマリアの真似をする方が難易度が高いように感じてしまう。
そこで賢者はクリスの特訓に時間を割こうと考えた。
「たが、その前に…
せっかく幻惑魔法を覚えたんだ。
試してみようじゃないか」
クリスは幻惑魔法でマリアへと化けた。
目の前に対象がいるとイメージがしやすい。
姿形はまさにマリアそのものへと変化した。
「す、凄い…」
マリアは衝撃を受けていた。
まさかこんなに精度高く自分を再現できるとは思いもしない。
「まあ、話さなければマリアだろ…
だがな、微かな癖や仕草でも、
分かってしまうからな」
「そんなに俺、似てるのですね」
改めて幻惑魔法の威力を痛感している。
限られた時間の中で魔力を消費し続けるわけにもいかない。
一旦マリアの姿から元の姿へ戻っていく。
「よし、幻惑魔法は問題ないな
魔力を他にも使いたいから、
幻惑なしで真似てもらう」
そして改めてお互いに向かい合う。
クリスは、真似をするのに困り果てていた。
そんな困ったクリスを見ていると小悪魔なマリアが現れてしまう。
「クリス…えへへへ」
「ちょっとマリア…」
マリアはクリスの腕を取り甘えてしまった。
いきなりの行動に出たマリアは小悪魔だ。
訓練を忘れてクリスを困らせようと考えていた。
その時、賢者はニヤリと笑った。
とんでもない事を考えたのだ。
「駄目じゃないか、クリス。
そのマリアも真似するんだ」
「え?」
賢者は甘えてきたマリアも真似するように言い出した。
「もう、こうなったらやけだ!」
クリスはマリアの腕を取り甘えだした…
その瞬間に立場は逆転したのだ。
今度はマリアが恥ずかしがる番だ。
「ちょっと、クリス…」
「えへへへへへ」
賢者は可笑しくて堪らない。
大声をあげて笑っては流石にクリスが可哀想だと思い隠れて笑っている。
対してマリアは予想外だがクリスに甘えられて心臓の鼓動が激しくなってしまった。
「や、ヤバい…
恥ずかしすぎて死にそう」
「……クリス」
マリアは、目がとろんとしている。
クリス自身は前の世界でマリアと触れ合っているが、この世界でマリアは殆どクリスと触れ合っていない。
ずっとマリアも願い続けてきたのだ。
「クリス…」
マリアは気付けばクリスの手を握ってしまう。
だが、クリスは真似しなくてはならない。
「ま、マリア」
声までオウム返しになってはいないが、
クリスが同じように真似をする。
すると小悪魔なマリアが閃いてしまった。
クリスにやって欲しいことを自分から行動しようと思ってしまったのだ。
「クリス…………好き」
「ち、ちょっと、マリア…
聞こえなかったんだけど…」
とても恥ずかしくて消え入りそうな声でマリアが告白し始めた。
そうなのだ、マリアはクリスから好きと言わせたいのである。
マリアも初めて異性に告白するのだ。
恥ずかしくて死にそうなのでクリスの耳元まで口を近づけた。
「クリス………………大好き」
「え?」
クリスは頭を鈍器で殴られたくらいに衝撃を受けた。
まさかこの場で告白されると思いもしない。
ちなみに小声のため賢者に聞こえていない。
当然だが賢者はそのまま真似をするように言う。
「何、惚けてるんだ…
早く真似しなさい」
クリスは困ったように賢者を見ているが、
事情を知らない賢者は急かしてくる。
そしてマリアの耳元まで口を近づけた。
あまりに距離が近づいたことでマリアの心臓の鼓動は今日一番に激しくなっている。
「マリア………………大好きだよ」
クリスはあまりの恥ずかしさに完全には再現出来ていない。
しかしその破壊力は凄まじかったようだ。
「………………」
マリアは機能停止してしまった。
あまりに恥ずかしすぎて赤面している。
そして心臓の鼓動が激しく鳴り響いて収まらない。
でも、その表情は幸せに満ち溢れている。
「あの、マリアさん?
おーい、大丈夫か~?」
マリアが放心しているので心配するクリス。
トドメの一言を賢者が言う。
「王子様のキスで、
目が覚めるんじゃないかい?」
「はい?」
賢者はクリスを揶揄うとその反応を見て笑い出した。
賢者はルミナスの未来を担う二人を見て微笑ましく思っていた。
自分の愛弟子と王女の恋を心から応援していたのだった。
そしてマリアが再起動したところで、
賢者は次の指示をしていく。
「今度はマリアの番だぞ」
次はマリアがクリスの真似をする番だ。
それから五日間、小悪魔なマリアと慌てるクリスの訓練が続いていった。
しかし二人の表情は幸せに満ち溢れていたのだった。
賢者から秘密の特訓を受けることになった。
そしてまずはマリアと向かい合い、
心を通じ合わせるというものだった。
本人達の誤解はあったが順調?に特訓は進んでいる。
そして次のステップに進むためにクリスは、ピクシーから幻惑魔法を覚えて賢者の指示を待っている。
「これからお前達には、
次のステップに進んでもらう」
賢者の言う次のステップとは、
まず相手の仕草、癖、口調を観察しながら、真似をすることだ。
相手の会話や行動を繰り返していく。
「うーん、こういうのは、
女を真似する方が難しいだろう」
確かにクリスがマリアの真似をする方が難易度が高いように感じてしまう。
そこで賢者はクリスの特訓に時間を割こうと考えた。
「たが、その前に…
せっかく幻惑魔法を覚えたんだ。
試してみようじゃないか」
クリスは幻惑魔法でマリアへと化けた。
目の前に対象がいるとイメージがしやすい。
姿形はまさにマリアそのものへと変化した。
「す、凄い…」
マリアは衝撃を受けていた。
まさかこんなに精度高く自分を再現できるとは思いもしない。
「まあ、話さなければマリアだろ…
だがな、微かな癖や仕草でも、
分かってしまうからな」
「そんなに俺、似てるのですね」
改めて幻惑魔法の威力を痛感している。
限られた時間の中で魔力を消費し続けるわけにもいかない。
一旦マリアの姿から元の姿へ戻っていく。
「よし、幻惑魔法は問題ないな
魔力を他にも使いたいから、
幻惑なしで真似てもらう」
そして改めてお互いに向かい合う。
クリスは、真似をするのに困り果てていた。
そんな困ったクリスを見ていると小悪魔なマリアが現れてしまう。
「クリス…えへへへ」
「ちょっとマリア…」
マリアはクリスの腕を取り甘えてしまった。
いきなりの行動に出たマリアは小悪魔だ。
訓練を忘れてクリスを困らせようと考えていた。
その時、賢者はニヤリと笑った。
とんでもない事を考えたのだ。
「駄目じゃないか、クリス。
そのマリアも真似するんだ」
「え?」
賢者は甘えてきたマリアも真似するように言い出した。
「もう、こうなったらやけだ!」
クリスはマリアの腕を取り甘えだした…
その瞬間に立場は逆転したのだ。
今度はマリアが恥ずかしがる番だ。
「ちょっと、クリス…」
「えへへへへへ」
賢者は可笑しくて堪らない。
大声をあげて笑っては流石にクリスが可哀想だと思い隠れて笑っている。
対してマリアは予想外だがクリスに甘えられて心臓の鼓動が激しくなってしまった。
「や、ヤバい…
恥ずかしすぎて死にそう」
「……クリス」
マリアは、目がとろんとしている。
クリス自身は前の世界でマリアと触れ合っているが、この世界でマリアは殆どクリスと触れ合っていない。
ずっとマリアも願い続けてきたのだ。
「クリス…」
マリアは気付けばクリスの手を握ってしまう。
だが、クリスは真似しなくてはならない。
「ま、マリア」
声までオウム返しになってはいないが、
クリスが同じように真似をする。
すると小悪魔なマリアが閃いてしまった。
クリスにやって欲しいことを自分から行動しようと思ってしまったのだ。
「クリス…………好き」
「ち、ちょっと、マリア…
聞こえなかったんだけど…」
とても恥ずかしくて消え入りそうな声でマリアが告白し始めた。
そうなのだ、マリアはクリスから好きと言わせたいのである。
マリアも初めて異性に告白するのだ。
恥ずかしくて死にそうなのでクリスの耳元まで口を近づけた。
「クリス………………大好き」
「え?」
クリスは頭を鈍器で殴られたくらいに衝撃を受けた。
まさかこの場で告白されると思いもしない。
ちなみに小声のため賢者に聞こえていない。
当然だが賢者はそのまま真似をするように言う。
「何、惚けてるんだ…
早く真似しなさい」
クリスは困ったように賢者を見ているが、
事情を知らない賢者は急かしてくる。
そしてマリアの耳元まで口を近づけた。
あまりに距離が近づいたことでマリアの心臓の鼓動は今日一番に激しくなっている。
「マリア………………大好きだよ」
クリスはあまりの恥ずかしさに完全には再現出来ていない。
しかしその破壊力は凄まじかったようだ。
「………………」
マリアは機能停止してしまった。
あまりに恥ずかしすぎて赤面している。
そして心臓の鼓動が激しく鳴り響いて収まらない。
でも、その表情は幸せに満ち溢れている。
「あの、マリアさん?
おーい、大丈夫か~?」
マリアが放心しているので心配するクリス。
トドメの一言を賢者が言う。
「王子様のキスで、
目が覚めるんじゃないかい?」
「はい?」
賢者はクリスを揶揄うとその反応を見て笑い出した。
賢者はルミナスの未来を担う二人を見て微笑ましく思っていた。
自分の愛弟子と王女の恋を心から応援していたのだった。
そしてマリアが再起動したところで、
賢者は次の指示をしていく。
「今度はマリアの番だぞ」
次はマリアがクリスの真似をする番だ。
それから五日間、小悪魔なマリアと慌てるクリスの訓練が続いていった。
しかし二人の表情は幸せに満ち溢れていたのだった。
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