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第70話 感謝
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レガードの屋敷の部屋数は多い。
前の世界では部屋数に対して人が住んでいなかったため、俺とアリスは小さい時によく隠れて遊んでいた。
夕飯を済ませた後、俺は使用人達に挨拶をしている。
過去に遡る体験をしてから関わる人を大切にしなければと強く意識するようになった。
「リーナ、
もう仕事は終わったのか?」
「ええ…今、終わりました…」
「そしたら、
ちょっとお茶でもしない?」
リーナは快く笑顔で了承してくれた。
久しぶりにリーナと話したかった…
「長い間…
家を開けてて申し訳なかったね…」
「ふふふ、本当ですよ…
心配したんですから…」
俺はリーナが職を追われそうになってでも俺達を守ったのを覚えている。
聖者の盾を持たせてくれなければ間違いなくアリスが死んでいた…
リーナには感謝しても仕切れない。
「リーナ、あの時はレガードの宝を
持たせてくれてありがとう…」
「ふふふ、私も感極まってしまって…
でも良かったです…」
「罰とかはどうなったんだ?」
そうだ…
リーナはクビになる筈だったのだ。
俺はリーナがまだ屋敷にいるため父上に赦されたのかと思っていた。
「クリス様が身を挺して守ってくださったじゃないですか…」
リーナは微笑みながら言っている。
俺にはその記憶がない…
上書きされる前の自分が守ったのだろうか…
「クリス様…
感謝をするのは私の方です…」
そう言ってリーナは深々と頭を下げる。
そんなリーナを見て俺は居た堪れなくなってしまう…
「や、やめてくれ…リーナ…
じゃあ、お互い様ってことで!」
自分がやっていない事へ感謝されてしまい何だか申し訳なくなってしまった…
「ふふふ、謙遜しないでくださいな…
でもまたお会いできて嬉しいです」
リーナの笑顔に癒される…
そして紅茶も飲み終えてお茶会はお開きとなった。
リーナと別れて自室の布団で眠ることにする…
「さて…ようやく…
ゆっくりベッドで寝れる…」
前世で死んで転生してから休む暇もなく走り続けてきたかもしれない…
女神が俺を憐れんで転生させた気がしたんだけど…
まあ今更会えない女神に文句を言っても仕方ない…
そして俺は深い眠りについていった…
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
朝起きると何故だか身体が痛い…
全く動けない…
これが俗に言う金縛りか?
「誰か…助けて…」
そして俺はふと目を開けると…
そこには上から俺に抱きつき眠るアリスがいた…
強く締め付けられている…
「うわああああ」
「何ですの?お兄様…」
「や、やめてくれ…
驚かせないでくれ…」
こ、怖かった…
霊とか何かかと思った…
「お兄様に怖がられるとか…
地味に殴られるより傷つきます…」
「ご、ごめん…」
「…謝られると余計に…うっ…うっ」
俺はジト目でアリスを見ている…
コイツ…嘘泣きしてやがるな…
「はいはい、嘘泣きするな…」
そして俺は頑張っていたアリスへ褒美も込めて頭を撫でてやった…
「ここは天国でしょうか…
アリス…幸せの絶頂迎えます…」
「そりゃあ、良かったな…」
アリス、口が緩み過ぎ…って…
人の布団の上で涎を垂らすの止めろよな…
「き、汚いだろ…」
「汚くないですわ!
妹なんですから血が繋がってます!」
「いや、関係ないだろ…」
ジト目でアリスを見過ぎて俺の目は、直線になりそうだ…
「ところでさ…
アリスもありがとうな…」
「何がです?」
「ほら、一緒にマリアを助けに行っただろ?」
アリスは指を口元に押さえつけて考える素振りを見せるが、少しおちゃらけて話す。
「天才剣士アリスちゃんの事ですね?」
「あ~そんな事言ってたっけ…」
そしてアリスはその会話から更に思いついたかのように要求してくる。
「さぁお兄様、感謝は口だけでなく、
行動で示さなければ…」
調子に乗り出してきたので頭をチョップした…
でも、久しぶりに帰ってきた俺と話したかったのだろう…
そろそろ俺も支度しないといけないと伝えるとアリスは渋々部屋に戻っていった。
時計を見ると、そろそろ時間だ…
いよいよ王宮に向かわなければならない…
ベルにも挨拶したかったが仕方ない。
今度一言、感謝を告げよう…
そして支度を終えて家の扉を開ける…
「じゃあ、行ってきます!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
騎士団のカートさんを訪ねたが今日は留守だった…
挨拶したかったが仕方ない。
そして、俺はついに…
ルミナス国王陛下の前で跪いている。
俺の中では二年ぶりくらいの謁見になる。
「久しいな…クリス
良い、楽にしろ…」
そして俺は形式的な挨拶を行い、
顔をあげる…
「クリス…エルフの救出、
そして四天王黒騎士の撃退、見事だ」
「滅相もございません…」
「まさか、四天王を撃退するとはな」
陛下も嬉しそうだ…
口元が緩んでいる気がする。
それもそうか…
人間の中で戦力となり得るのは限られている。
「クリス…これからの魔王軍対策だが…
後日纏まり次第、呼び出そう」
賢者と話し合うことが残っているのだろうか。
まだ作戦会議中のようだ…
「今日はな…
マリアのことだ…」
俺はついにこの時が来たと感じた。
母上から貰った言葉を思い出していた…
『誠実に対応しろ』
俺は、この言葉だけを意識していた。
「クレアから過去に遡ったことは聞いた
最初は信じられなかったが、
時の賢者まで言い出したからな…
信じるしかあるまい…」
ルミナス国王陛下が俺を直視する。
そしてその後、陛下の目は鋭くなってきた。
「では、マリア以外の女に、
惚れたのは本当か?」
「はい……」
「ほう、私の前で…
良い度胸だ…」
俺は初めて王の威圧をこれでもかと言う程に体感している…
それでも屈するわけにはいかない…
「言い訳は致しません…
全て事実にございます…」
「クレアから聞いていた…
私もユーリを知っているからな」
「はい…」
王の様子が少し変化する…
威圧感が薄れた気がした。
「マリアのことは愛しているか?」
「はい…」
当たり前だ…
忘れたことなんて無い…
母上を救う時も…
回復魔法を使うたびに俺はマリアを思い出していた…
「その言葉に嘘と偽りは無いな?」
「決してありません…」
王はため息を吐き、一言告げる…
「よい、では処刑は止めてやろう」
処刑って…
俺は生きるか死ぬかの選択をしていたのか…
「お許しいただき、感謝申し上げます…」
俺は地面に頭を擦り付けて感謝する。
「勘違いするな…
マリアへは自分で伝えるんだな…
許してくれるかはお前次第だ」
それからは俺は王と何を話したのか覚えていない。
あまりにも死を回避した事で頭が一杯になってしまった…
そして、いよいよマリアに会うことになった。
場所は二人の思い出の場所である訓練所だ。
そこにマリアが待っている。
受け入れられるか分からない。
でも、最善を尽くしたいんだ…
前の世界では部屋数に対して人が住んでいなかったため、俺とアリスは小さい時によく隠れて遊んでいた。
夕飯を済ませた後、俺は使用人達に挨拶をしている。
過去に遡る体験をしてから関わる人を大切にしなければと強く意識するようになった。
「リーナ、
もう仕事は終わったのか?」
「ええ…今、終わりました…」
「そしたら、
ちょっとお茶でもしない?」
リーナは快く笑顔で了承してくれた。
久しぶりにリーナと話したかった…
「長い間…
家を開けてて申し訳なかったね…」
「ふふふ、本当ですよ…
心配したんですから…」
俺はリーナが職を追われそうになってでも俺達を守ったのを覚えている。
聖者の盾を持たせてくれなければ間違いなくアリスが死んでいた…
リーナには感謝しても仕切れない。
「リーナ、あの時はレガードの宝を
持たせてくれてありがとう…」
「ふふふ、私も感極まってしまって…
でも良かったです…」
「罰とかはどうなったんだ?」
そうだ…
リーナはクビになる筈だったのだ。
俺はリーナがまだ屋敷にいるため父上に赦されたのかと思っていた。
「クリス様が身を挺して守ってくださったじゃないですか…」
リーナは微笑みながら言っている。
俺にはその記憶がない…
上書きされる前の自分が守ったのだろうか…
「クリス様…
感謝をするのは私の方です…」
そう言ってリーナは深々と頭を下げる。
そんなリーナを見て俺は居た堪れなくなってしまう…
「や、やめてくれ…リーナ…
じゃあ、お互い様ってことで!」
自分がやっていない事へ感謝されてしまい何だか申し訳なくなってしまった…
「ふふふ、謙遜しないでくださいな…
でもまたお会いできて嬉しいです」
リーナの笑顔に癒される…
そして紅茶も飲み終えてお茶会はお開きとなった。
リーナと別れて自室の布団で眠ることにする…
「さて…ようやく…
ゆっくりベッドで寝れる…」
前世で死んで転生してから休む暇もなく走り続けてきたかもしれない…
女神が俺を憐れんで転生させた気がしたんだけど…
まあ今更会えない女神に文句を言っても仕方ない…
そして俺は深い眠りについていった…
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
朝起きると何故だか身体が痛い…
全く動けない…
これが俗に言う金縛りか?
「誰か…助けて…」
そして俺はふと目を開けると…
そこには上から俺に抱きつき眠るアリスがいた…
強く締め付けられている…
「うわああああ」
「何ですの?お兄様…」
「や、やめてくれ…
驚かせないでくれ…」
こ、怖かった…
霊とか何かかと思った…
「お兄様に怖がられるとか…
地味に殴られるより傷つきます…」
「ご、ごめん…」
「…謝られると余計に…うっ…うっ」
俺はジト目でアリスを見ている…
コイツ…嘘泣きしてやがるな…
「はいはい、嘘泣きするな…」
そして俺は頑張っていたアリスへ褒美も込めて頭を撫でてやった…
「ここは天国でしょうか…
アリス…幸せの絶頂迎えます…」
「そりゃあ、良かったな…」
アリス、口が緩み過ぎ…って…
人の布団の上で涎を垂らすの止めろよな…
「き、汚いだろ…」
「汚くないですわ!
妹なんですから血が繋がってます!」
「いや、関係ないだろ…」
ジト目でアリスを見過ぎて俺の目は、直線になりそうだ…
「ところでさ…
アリスもありがとうな…」
「何がです?」
「ほら、一緒にマリアを助けに行っただろ?」
アリスは指を口元に押さえつけて考える素振りを見せるが、少しおちゃらけて話す。
「天才剣士アリスちゃんの事ですね?」
「あ~そんな事言ってたっけ…」
そしてアリスはその会話から更に思いついたかのように要求してくる。
「さぁお兄様、感謝は口だけでなく、
行動で示さなければ…」
調子に乗り出してきたので頭をチョップした…
でも、久しぶりに帰ってきた俺と話したかったのだろう…
そろそろ俺も支度しないといけないと伝えるとアリスは渋々部屋に戻っていった。
時計を見ると、そろそろ時間だ…
いよいよ王宮に向かわなければならない…
ベルにも挨拶したかったが仕方ない。
今度一言、感謝を告げよう…
そして支度を終えて家の扉を開ける…
「じゃあ、行ってきます!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
騎士団のカートさんを訪ねたが今日は留守だった…
挨拶したかったが仕方ない。
そして、俺はついに…
ルミナス国王陛下の前で跪いている。
俺の中では二年ぶりくらいの謁見になる。
「久しいな…クリス
良い、楽にしろ…」
そして俺は形式的な挨拶を行い、
顔をあげる…
「クリス…エルフの救出、
そして四天王黒騎士の撃退、見事だ」
「滅相もございません…」
「まさか、四天王を撃退するとはな」
陛下も嬉しそうだ…
口元が緩んでいる気がする。
それもそうか…
人間の中で戦力となり得るのは限られている。
「クリス…これからの魔王軍対策だが…
後日纏まり次第、呼び出そう」
賢者と話し合うことが残っているのだろうか。
まだ作戦会議中のようだ…
「今日はな…
マリアのことだ…」
俺はついにこの時が来たと感じた。
母上から貰った言葉を思い出していた…
『誠実に対応しろ』
俺は、この言葉だけを意識していた。
「クレアから過去に遡ったことは聞いた
最初は信じられなかったが、
時の賢者まで言い出したからな…
信じるしかあるまい…」
ルミナス国王陛下が俺を直視する。
そしてその後、陛下の目は鋭くなってきた。
「では、マリア以外の女に、
惚れたのは本当か?」
「はい……」
「ほう、私の前で…
良い度胸だ…」
俺は初めて王の威圧をこれでもかと言う程に体感している…
それでも屈するわけにはいかない…
「言い訳は致しません…
全て事実にございます…」
「クレアから聞いていた…
私もユーリを知っているからな」
「はい…」
王の様子が少し変化する…
威圧感が薄れた気がした。
「マリアのことは愛しているか?」
「はい…」
当たり前だ…
忘れたことなんて無い…
母上を救う時も…
回復魔法を使うたびに俺はマリアを思い出していた…
「その言葉に嘘と偽りは無いな?」
「決してありません…」
王はため息を吐き、一言告げる…
「よい、では処刑は止めてやろう」
処刑って…
俺は生きるか死ぬかの選択をしていたのか…
「お許しいただき、感謝申し上げます…」
俺は地面に頭を擦り付けて感謝する。
「勘違いするな…
マリアへは自分で伝えるんだな…
許してくれるかはお前次第だ」
それからは俺は王と何を話したのか覚えていない。
あまりにも死を回避した事で頭が一杯になってしまった…
そして、いよいよマリアに会うことになった。
場所は二人の思い出の場所である訓練所だ。
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