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第115話 救う者(2)
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龍との死闘からルミナスへ戻った俺達は、
そのままガルムの家に直行している。
リルムの病は、龍の生き血で見事に完治した。
「お兄ちゃん……
もう胸が苦しくない……」
「リ、リルム……」
病に苦しんでいたリルムの調子が良くなり、
涙腺の脆いガルムは、大粒の涙を流してしまう。
よほど嬉しかったのか兄妹抱き合って喜んでいた。
「アニキ……
本当に、何とお礼を言っていいのか……」
ガルム達は、心からの感謝を口にする。
そんな2人を見ると協力して良かったと思えた。
そしてこのタイミングで、俺達の正体について、
みんなに打ち明けようと心に決める。
「実は、3人に聞いて欲しいことがあるんだ」
「へ?」
別れの直前で正体を明かして、すぐにサヨナラは、
余りにも突然で失礼な気がしていた。
今、ここで俺達が何者なのかを告白したい。
それが例え記憶の世界であったとしても、
ガルム、ユリスへの礼儀だと思うのだ。
「実は……俺と母上は、
この世界の人間じゃないんだ」
そう伝えると意外にも二人共驚いていない。
それどころか、どこか納得している表情さえ見受けられた。
「そんなことだろうと思ったわ……
だって、おかしいもの……
そんなに強くて知識も豊富で」
たしかに龍退治の時も賢者の知識とは言え、
この世界の人にとっては知り得ない情報だった。
「でも、アニキじゃなかったら、
俺達は救われなかった!
だから……」
「俺達は、アニキに会えて、
本当に良かった」
真剣な眼差しで感謝を告げられて、
俺も今までの人生が、人の役に立てたと思うと報われた気持ちになる。
「ガルム、俺だって……
みんなに出会えて良かったよ」
何だか心が温かくなる。
それはきっと信頼の温度なのかもしれない。
冷たい視線があるように、逆に信頼された時には、
温かな視線を向けられる。
今、ガルムが俺達に向けているように……
「明日、俺と母上は……
自分達の世界に帰るんだ」
ガルムは、その事実を受け入れたくない。
そんな表情をしている。
せっかく打ち解けたのに、直に別れが訪れるのだ。
時は残酷だと思う。
「アニキ……
明日は必ず俺達が力になります!」
「私達が恩返ししなくちゃね!」
ガルムとユリスも決意を新たに、
明日の戦いに向けて力になると意気込んだ。
「もし良かったら私の屋敷に泊まらないか?
突然だが最後の夜なんだ……
今日くらいは、全員もてなしたいんだ!」
急なユリスの提案だったが、
ガルム達もレガードの屋敷に泊まったことがない。
2人とも興味津々なのは表情で分かる。
そして当然だが、俺と母上もこの時代のレガードの屋敷には興味があるため、二つ返事で了承した。
レガードの屋敷では、龍退治のお祝いも兼ねて、
盛大にもてなされた。
俺と母上にとって初代剣聖との思い出になったが、
恐らく父上に話したら血涙を流しながら嫉妬するだろう。
そして一夜が明けて……
賢者へ通信機で呼びかけたが、一切返事が無い。
今まで初日を除いて連絡は取れていたが、
何度呼びかけても応答が無いため心配になる。
「賢者と連絡がつかない……
ユーリも心配だ!
早く城に向かおう」
賢者の居場所は、城の研究室と言っていた。
その場所に向かうために、
龍の素材を持って門番に報告をする。
兵士は、女子供の戯言のように扱ったが、
龍の素材を見て腰を抜かしていた。
手筈通り、賢者へ届けると伝えると、
疑いなく門を通してくれた。
「無事に入れたな……
そのまま研究室に向かおう」
探知スキルで賢者の方向を確認して、
500年前のルミナス城を歩く。
儀式に警備の人員を割いて、城内の兵士は少ない。
すれ違う人も、この後に始まる儀式の準備に忙しそうだ。
「みんな、ちょっと待ってくれ……
探知の方向が、研究室じゃないぞ!」
500年前でも城の構造は変わっていない。
探知が指す場所は、何度も訪れた事がある場所だ。
「賢者は、訓練場にいる!」
今日の夜に側近イシスに呼ばれると言っていた。
しかし、何か事情があったのか、
たった今、訓練場に呼び出された可能性が高い。
即座に俺達は訓練場まで走り始めた。
◆◇◆ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ◆◇◆
500年前のルミナス城、訓練場で賢者は側近であるイシスに呼ばれていた。
イシスはハーフエルフで、金髪長身の美女だ。
接した人物からは優しいと評判で、悪評などは一切聞かない。
「急に改まって何の用だい?」
「ふふふ、是非賢者に見てもらいたい物が」
そう言ってイシスが取り出した物は、
魔導具である宝石だった。
「お、お前、何故それを!
ルミナスの宝物庫に保管していた筈だ」
宝物庫から盗み出されたのは、魔封じの宝石。
その宝石を使うと対象となる人物の魔法を封印する。
「貴方を1人だけ呼び出したのは、
これで魔法を封印するため……」
イシスは言葉を発すると同時に、
宝石を賢者に投げつけた。
瞬く間に輝き、賢者から時空の波動が消えて、
魔法が封印されてしまう。
「当然だけど、格闘術も脅威では無くなった」
イシスは怪しく笑みを浮かべながら、
賢者に言い放つ。
「お前、一体何を企んでいる……」
「貴方の持つ、時の腕輪……
その魔法で私は未来に飛ぶ」
500年前の賢者が持つ秘宝、時の腕輪。
その効果は、一度限り未来にのみ時空を超えられる。
「未来に行って、何があるというんだ!」
「ふふふ……
仲間の預言スキルに反応があったの……
未来で回復魔法使いが沢山生まれるのよ」
そう呟きながら、イシスは邪悪な笑みを浮かべ、
賢者に急接近する。
そして固有スキルである剣技、高速剣を繰り出した。
「そして、未来で私は……
真の存在に生まれ変わるの」
魔法を封じられた賢者は、高速剣を防ぐ手段を持ち得ず、正面から斬撃を受けてしまう。
イシスは、ゆっくりと近付き、時の腕輪を奪い取った。
「………イシス、待て……」
「賢者様、今解き放ち自由にしてあげる」
まさに賢者にトドメの攻撃を繰り出そうとした刹那……
その場に神速を持つ2人の人物が現れる。
その内の1人は瞬く間に割り込み、
高速剣を聖剣で受け止めた。
「何者だ、貴様は……」
そして、その人物は決意を込めて高らかに宣言する。
「クリス、レガード……
今日ここで……
賢者を……救う者だ!」
賢者の危機に駆けつけたクリス。
イシスの裏切りに、ユリスは怒りに震えてしまう。
そして、その感情がユリスの才能を更に開花させ真の実力を呼び覚ます。
更に攻防の最中、イシスの正体が判明し、
その場に居合わせる者は言葉を失ってしまうのであった。
そのままガルムの家に直行している。
リルムの病は、龍の生き血で見事に完治した。
「お兄ちゃん……
もう胸が苦しくない……」
「リ、リルム……」
病に苦しんでいたリルムの調子が良くなり、
涙腺の脆いガルムは、大粒の涙を流してしまう。
よほど嬉しかったのか兄妹抱き合って喜んでいた。
「アニキ……
本当に、何とお礼を言っていいのか……」
ガルム達は、心からの感謝を口にする。
そんな2人を見ると協力して良かったと思えた。
そしてこのタイミングで、俺達の正体について、
みんなに打ち明けようと心に決める。
「実は、3人に聞いて欲しいことがあるんだ」
「へ?」
別れの直前で正体を明かして、すぐにサヨナラは、
余りにも突然で失礼な気がしていた。
今、ここで俺達が何者なのかを告白したい。
それが例え記憶の世界であったとしても、
ガルム、ユリスへの礼儀だと思うのだ。
「実は……俺と母上は、
この世界の人間じゃないんだ」
そう伝えると意外にも二人共驚いていない。
それどころか、どこか納得している表情さえ見受けられた。
「そんなことだろうと思ったわ……
だって、おかしいもの……
そんなに強くて知識も豊富で」
たしかに龍退治の時も賢者の知識とは言え、
この世界の人にとっては知り得ない情報だった。
「でも、アニキじゃなかったら、
俺達は救われなかった!
だから……」
「俺達は、アニキに会えて、
本当に良かった」
真剣な眼差しで感謝を告げられて、
俺も今までの人生が、人の役に立てたと思うと報われた気持ちになる。
「ガルム、俺だって……
みんなに出会えて良かったよ」
何だか心が温かくなる。
それはきっと信頼の温度なのかもしれない。
冷たい視線があるように、逆に信頼された時には、
温かな視線を向けられる。
今、ガルムが俺達に向けているように……
「明日、俺と母上は……
自分達の世界に帰るんだ」
ガルムは、その事実を受け入れたくない。
そんな表情をしている。
せっかく打ち解けたのに、直に別れが訪れるのだ。
時は残酷だと思う。
「アニキ……
明日は必ず俺達が力になります!」
「私達が恩返ししなくちゃね!」
ガルムとユリスも決意を新たに、
明日の戦いに向けて力になると意気込んだ。
「もし良かったら私の屋敷に泊まらないか?
突然だが最後の夜なんだ……
今日くらいは、全員もてなしたいんだ!」
急なユリスの提案だったが、
ガルム達もレガードの屋敷に泊まったことがない。
2人とも興味津々なのは表情で分かる。
そして当然だが、俺と母上もこの時代のレガードの屋敷には興味があるため、二つ返事で了承した。
レガードの屋敷では、龍退治のお祝いも兼ねて、
盛大にもてなされた。
俺と母上にとって初代剣聖との思い出になったが、
恐らく父上に話したら血涙を流しながら嫉妬するだろう。
そして一夜が明けて……
賢者へ通信機で呼びかけたが、一切返事が無い。
今まで初日を除いて連絡は取れていたが、
何度呼びかけても応答が無いため心配になる。
「賢者と連絡がつかない……
ユーリも心配だ!
早く城に向かおう」
賢者の居場所は、城の研究室と言っていた。
その場所に向かうために、
龍の素材を持って門番に報告をする。
兵士は、女子供の戯言のように扱ったが、
龍の素材を見て腰を抜かしていた。
手筈通り、賢者へ届けると伝えると、
疑いなく門を通してくれた。
「無事に入れたな……
そのまま研究室に向かおう」
探知スキルで賢者の方向を確認して、
500年前のルミナス城を歩く。
儀式に警備の人員を割いて、城内の兵士は少ない。
すれ違う人も、この後に始まる儀式の準備に忙しそうだ。
「みんな、ちょっと待ってくれ……
探知の方向が、研究室じゃないぞ!」
500年前でも城の構造は変わっていない。
探知が指す場所は、何度も訪れた事がある場所だ。
「賢者は、訓練場にいる!」
今日の夜に側近イシスに呼ばれると言っていた。
しかし、何か事情があったのか、
たった今、訓練場に呼び出された可能性が高い。
即座に俺達は訓練場まで走り始めた。
◆◇◆ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ◆◇◆
500年前のルミナス城、訓練場で賢者は側近であるイシスに呼ばれていた。
イシスはハーフエルフで、金髪長身の美女だ。
接した人物からは優しいと評判で、悪評などは一切聞かない。
「急に改まって何の用だい?」
「ふふふ、是非賢者に見てもらいたい物が」
そう言ってイシスが取り出した物は、
魔導具である宝石だった。
「お、お前、何故それを!
ルミナスの宝物庫に保管していた筈だ」
宝物庫から盗み出されたのは、魔封じの宝石。
その宝石を使うと対象となる人物の魔法を封印する。
「貴方を1人だけ呼び出したのは、
これで魔法を封印するため……」
イシスは言葉を発すると同時に、
宝石を賢者に投げつけた。
瞬く間に輝き、賢者から時空の波動が消えて、
魔法が封印されてしまう。
「当然だけど、格闘術も脅威では無くなった」
イシスは怪しく笑みを浮かべながら、
賢者に言い放つ。
「お前、一体何を企んでいる……」
「貴方の持つ、時の腕輪……
その魔法で私は未来に飛ぶ」
500年前の賢者が持つ秘宝、時の腕輪。
その効果は、一度限り未来にのみ時空を超えられる。
「未来に行って、何があるというんだ!」
「ふふふ……
仲間の預言スキルに反応があったの……
未来で回復魔法使いが沢山生まれるのよ」
そう呟きながら、イシスは邪悪な笑みを浮かべ、
賢者に急接近する。
そして固有スキルである剣技、高速剣を繰り出した。
「そして、未来で私は……
真の存在に生まれ変わるの」
魔法を封じられた賢者は、高速剣を防ぐ手段を持ち得ず、正面から斬撃を受けてしまう。
イシスは、ゆっくりと近付き、時の腕輪を奪い取った。
「………イシス、待て……」
「賢者様、今解き放ち自由にしてあげる」
まさに賢者にトドメの攻撃を繰り出そうとした刹那……
その場に神速を持つ2人の人物が現れる。
その内の1人は瞬く間に割り込み、
高速剣を聖剣で受け止めた。
「何者だ、貴様は……」
そして、その人物は決意を込めて高らかに宣言する。
「クリス、レガード……
今日ここで……
賢者を……救う者だ!」
賢者の危機に駆けつけたクリス。
イシスの裏切りに、ユリスは怒りに震えてしまう。
そして、その感情がユリスの才能を更に開花させ真の実力を呼び覚ます。
更に攻防の最中、イシスの正体が判明し、
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