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第90話 契約
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マリアと共鳴するように聖剣の輝きが溢れて、
瞬く間に二人を覆い結界となった。
「な、なんだ、
一体何が起きている……」
シャルロットも突如の出来事に動揺を隠せない。
しかし二人を包む結界から神聖な光を感じており、
きっと悪い状況には陥っていないと認識した。
「クソが!」
バルガスは、殺したはずのクリスが再度復活して、
更に邪魔されたのが許せず、怒りに満ちていた。
しかしバルガスは、この瞬間に閃いてしまう。
クリス達が戦えないのであれば、
その隙にサリーを喰ってしまおうと考えた。
「し、しまった!」
シャルロットから距離が離れていて間に合わず、
このままではサリーを喰われてしまう。
この場にいる全ての者は、
サリーの最後が脳裏をよぎった。
しかし城の中でもう一人、
必死に守ろうと敵の襲撃を阻止していた者がいる。
それは、カートである。
騎士団と共に城の入り口を守りながら、
訓練場が襲撃されたのを知り駆けつけた。
カートはバルガスのクローを大楯で弾く。
そしてカートに訓練場襲撃を伝えた人物も、
圧倒的なスピードで攻撃を仕掛ける。
その攻撃は、死角から放たれた。
攻撃を放った人物は、アリス・レガードだ。
アリスの魔法剣が再度バルガスを襲った。
魔力が残り少ないクレアから魔力を託され、
更に賢者からこの場所を知らされた。
再度バルガスは重度の麻痺を受けている。
「ま、また麻痺だと……
必ず殺す、殺してやる!」
アリスは神速を身体強化で再現できる。
クリスを救うために高速で移動して、
訓練場に駆けつけてみせた。
「アリス様……」
ベルもアリスを守るべきだと判断して、
その姿を変えてアリスの元へ駆けつける。
半年の訓練で魔力量も増えたのだ。
「お前ら、全員皆殺しにする!」
バルガスは何度も邪魔された事に、
怒り狂い、目が血走っていた。
封印魔法もクリスに相殺されて発動できない。
「何としても……
二人が戻るまで持ち堪えるぞ!」
シャルロットはここが正念場だと理解する。
クリスとマリアが戻るまで必ず死人を出さないと、
ルミナスの戦士達を鼓舞した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
気づけば二人を神聖な光の結界が覆う。
目の前にはマリアしかいない。
そしてクリスが生きていると分かったマリアは、
喜びが溢れ出てしまい、クリスの胸に飛び込んだ。
「クリス、良かった……
クリスが生きてる……」
クリスの胸に顔をうずめて泣いている。
決して死を受け入れることは出来なかった。
生きていると分かった瞬間、
喜びのあまり、感情が爆発している。
抱きしめ合う二人。
このまま二人の唇は、自然と求め合うかと思われた。
「おい、クリス聞こえるか?」
突如、通信機から賢者の声が聞こえる。
結界の中でも通信の機能は働いているようだ。
「け、賢者!
無事なのか?」
クリスも旧魔法学園で賢者が倒れたのを、
通信機から把握していた。
それだけに心から心配していたのだ。
「リーナに回復魔法をかけてもらったのさ!
それに今はクレア達と共に、城に向かっている」
賢者の無事を知り安堵する。
生死を彷徨っていたが、一命は取り留めたようだ。
そして俺達の状況を事細かく伝えると、
賢者は口を開く。
「まさかお前達が聖剣に認められるとはね……
この結界は、契約の結界だよ」
「契約?」
その瞬間、賢者はニヤリと笑みを浮かべた。
「契約結界さ!
聖剣が二人を認めたんだよ……
これからお前達二人を、
聖剣の使い手として契約する」
そして賢者がそのように伝えると、
辺りの景色が少しずつ変わる。
二人とも城にいた筈だが、気付けば岬の上に立ち、
前方に教会が建っている。
「賢者、俺たちに何が……」
予想外の事態に、二人とも驚愕している。
辺りの景色が変わり世界が変わったのだ。
二人は、その世界を見たことも訪れたこともない。
「契約の教会……
古の時代の教会を再現している。
まずは、その礼拝堂に行くんだ」
そしてクリスとマリアは教会の入り口に到着する。
外観は古の教会と思えないほどに美しい。
更に上部には黄金に輝く鐘が取り付けられており、
白を基調とする建物は、前世で見た教会を連想した。
「マリア、行こう!」
マリアと手を繋ぎ、教会の奥に足を踏み入れる。
その中の様子を見ると驚きに目を見開いてしまった。
「中央に聖剣が刺さっている」
礼拝堂、中央の台座に剣が突き刺さっている。
そしてそれは、賢者から預かった聖剣に間違いない。
「賢者、これは?」
通信機越しに賢者に礼拝堂まで到着したのを伝え、
台座に突き刺さる聖剣について問う。
すると賢者はその答えを口にした。
「契約の聖剣だよ」
そもそも契約とは何なのか、
それが二人には分からない。
その疑問を賢者に聞いてみる。
「契約とはね……」
聖剣の持ち主として認められた場合、
男女の二人は契約して、聖剣の契約者となる。
その後は、契約の証として手の甲に刻印が刻まれ、
刻印を持った者が聖剣の力を発動すると、
その力は強さを増していく。
500年前に行われた儀式だが、
現代では契約できる者が現れなかった。
「覇王持ちが現れなかったから、
契約できなかったんだよ……」
「賢者、これから何をすれば?」
賢者は、契約の儀式について説明をする。
そしてそれが二人にとって忘れられない出来事となった。
「台座の前で誓いの言葉を口にするのさ!
その後に、誓いの儀式をして、
聖剣がそれを認めると契約は完了する」
「あの、誓いの言葉と儀式って何?」
賢者は通信機越しにため息を吐いた。
まるで呆れているような雰囲気が伝わり、
クリスは、その声に焦ってしまう。
「馬鹿者!
教会で誓いの言葉と儀式と言ったら、
愛の言葉と口付けに決まっているだろう!」
「はい?」
賢者から誓いの儀式について説明を受けた。
ここからマリアとの契約の儀式が始まる。
その儀式により二人の絆は更に強固になるだろう。
そして、その儀式を聖剣は優しく見つめるのであった。
瞬く間に二人を覆い結界となった。
「な、なんだ、
一体何が起きている……」
シャルロットも突如の出来事に動揺を隠せない。
しかし二人を包む結界から神聖な光を感じており、
きっと悪い状況には陥っていないと認識した。
「クソが!」
バルガスは、殺したはずのクリスが再度復活して、
更に邪魔されたのが許せず、怒りに満ちていた。
しかしバルガスは、この瞬間に閃いてしまう。
クリス達が戦えないのであれば、
その隙にサリーを喰ってしまおうと考えた。
「し、しまった!」
シャルロットから距離が離れていて間に合わず、
このままではサリーを喰われてしまう。
この場にいる全ての者は、
サリーの最後が脳裏をよぎった。
しかし城の中でもう一人、
必死に守ろうと敵の襲撃を阻止していた者がいる。
それは、カートである。
騎士団と共に城の入り口を守りながら、
訓練場が襲撃されたのを知り駆けつけた。
カートはバルガスのクローを大楯で弾く。
そしてカートに訓練場襲撃を伝えた人物も、
圧倒的なスピードで攻撃を仕掛ける。
その攻撃は、死角から放たれた。
攻撃を放った人物は、アリス・レガードだ。
アリスの魔法剣が再度バルガスを襲った。
魔力が残り少ないクレアから魔力を託され、
更に賢者からこの場所を知らされた。
再度バルガスは重度の麻痺を受けている。
「ま、また麻痺だと……
必ず殺す、殺してやる!」
アリスは神速を身体強化で再現できる。
クリスを救うために高速で移動して、
訓練場に駆けつけてみせた。
「アリス様……」
ベルもアリスを守るべきだと判断して、
その姿を変えてアリスの元へ駆けつける。
半年の訓練で魔力量も増えたのだ。
「お前ら、全員皆殺しにする!」
バルガスは何度も邪魔された事に、
怒り狂い、目が血走っていた。
封印魔法もクリスに相殺されて発動できない。
「何としても……
二人が戻るまで持ち堪えるぞ!」
シャルロットはここが正念場だと理解する。
クリスとマリアが戻るまで必ず死人を出さないと、
ルミナスの戦士達を鼓舞した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
気づけば二人を神聖な光の結界が覆う。
目の前にはマリアしかいない。
そしてクリスが生きていると分かったマリアは、
喜びが溢れ出てしまい、クリスの胸に飛び込んだ。
「クリス、良かった……
クリスが生きてる……」
クリスの胸に顔をうずめて泣いている。
決して死を受け入れることは出来なかった。
生きていると分かった瞬間、
喜びのあまり、感情が爆発している。
抱きしめ合う二人。
このまま二人の唇は、自然と求め合うかと思われた。
「おい、クリス聞こえるか?」
突如、通信機から賢者の声が聞こえる。
結界の中でも通信の機能は働いているようだ。
「け、賢者!
無事なのか?」
クリスも旧魔法学園で賢者が倒れたのを、
通信機から把握していた。
それだけに心から心配していたのだ。
「リーナに回復魔法をかけてもらったのさ!
それに今はクレア達と共に、城に向かっている」
賢者の無事を知り安堵する。
生死を彷徨っていたが、一命は取り留めたようだ。
そして俺達の状況を事細かく伝えると、
賢者は口を開く。
「まさかお前達が聖剣に認められるとはね……
この結界は、契約の結界だよ」
「契約?」
その瞬間、賢者はニヤリと笑みを浮かべた。
「契約結界さ!
聖剣が二人を認めたんだよ……
これからお前達二人を、
聖剣の使い手として契約する」
そして賢者がそのように伝えると、
辺りの景色が少しずつ変わる。
二人とも城にいた筈だが、気付けば岬の上に立ち、
前方に教会が建っている。
「賢者、俺たちに何が……」
予想外の事態に、二人とも驚愕している。
辺りの景色が変わり世界が変わったのだ。
二人は、その世界を見たことも訪れたこともない。
「契約の教会……
古の時代の教会を再現している。
まずは、その礼拝堂に行くんだ」
そしてクリスとマリアは教会の入り口に到着する。
外観は古の教会と思えないほどに美しい。
更に上部には黄金に輝く鐘が取り付けられており、
白を基調とする建物は、前世で見た教会を連想した。
「マリア、行こう!」
マリアと手を繋ぎ、教会の奥に足を踏み入れる。
その中の様子を見ると驚きに目を見開いてしまった。
「中央に聖剣が刺さっている」
礼拝堂、中央の台座に剣が突き刺さっている。
そしてそれは、賢者から預かった聖剣に間違いない。
「賢者、これは?」
通信機越しに賢者に礼拝堂まで到着したのを伝え、
台座に突き刺さる聖剣について問う。
すると賢者はその答えを口にした。
「契約の聖剣だよ」
そもそも契約とは何なのか、
それが二人には分からない。
その疑問を賢者に聞いてみる。
「契約とはね……」
聖剣の持ち主として認められた場合、
男女の二人は契約して、聖剣の契約者となる。
その後は、契約の証として手の甲に刻印が刻まれ、
刻印を持った者が聖剣の力を発動すると、
その力は強さを増していく。
500年前に行われた儀式だが、
現代では契約できる者が現れなかった。
「覇王持ちが現れなかったから、
契約できなかったんだよ……」
「賢者、これから何をすれば?」
賢者は、契約の儀式について説明をする。
そしてそれが二人にとって忘れられない出来事となった。
「台座の前で誓いの言葉を口にするのさ!
その後に、誓いの儀式をして、
聖剣がそれを認めると契約は完了する」
「あの、誓いの言葉と儀式って何?」
賢者は通信機越しにため息を吐いた。
まるで呆れているような雰囲気が伝わり、
クリスは、その声に焦ってしまう。
「馬鹿者!
教会で誓いの言葉と儀式と言ったら、
愛の言葉と口付けに決まっているだろう!」
「はい?」
賢者から誓いの儀式について説明を受けた。
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その儀式により二人の絆は更に強固になるだろう。
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