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第86話 覇者の聖剣
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以前よりもセシルは、更に力を付けてしまった。
黒騎士の闇の鎧まで使えるようになっていたのだ。
そして悩むクリスに応えるかのように、
鞘に収めていた剣が呼びかける。
「剣が俺を呼んでいる?」
賢者から授かった剣に覇王の光を集めると、
共鳴するように剣が覇王の力を増幅させる。
「な、何だ、この魔力は……」
セシルは自らを超える魔力をクリスから感じて、
何かの間違いではないかと受け入れられない。
そしてクリスは賢者から聞いた言葉を思い出す。
「覇王の光を剣に注いだ時、
剣の名前を叫べ……
その時、剣は真実の姿へ変わるだろう」
今こそ目覚める剣へ命を注ぐ時が来た。
クリスは、覚悟を決めて、その剣の名前を呼ぶ。
「初代国王の剣……
頼む、応えてくれ……」
「覇者の聖剣、レーヴァテイン」
名前を言葉にした瞬間、
最初はただの長剣だったが、真実の姿へ変わる。
神々しいほどの装飾が施され、剣と柄の間に嵌め込まれた核が覇王の力を更に増幅させた。
そしてクリスの身体にも力が溢れる。
スキルがレベルアップしました。
覇王Lv.7 →覇王Lv.8
シャルロットは夢を見ているのかと錯覚する。
初代国王のおとぎ話の中で覇者の聖剣の話があったが、魔王との戦いの中で失ったと伝えられていた。
しかし、目の前で光り輝く剣は、
まさに初代国王の聖剣だ。
「力が溢れる……」
セシルは契約の腕輪の痛みに耐えて力を得たが、
目の前のクリスから自らを超える魔力反応を感じ取っている。
その事実を到底受け入れられない。
「な、なんだと
これではまるで……」
シャルロットは、聖剣を見た瞬間、
クリスの勝利を確信した。
おとぎ話が真実であれば聖剣と唯一戦えるのは、
魔剣とその使い手、魔王である。
目の前にはその例外的存在もいない。
クリスは、何故か目の前にいる剣聖に、
全く恐怖を感じなくなっていた。
「大丈夫だ、これならセシルに勝てる」
「私に勝てる?
その言葉、訂正させてあげるわ」
突如セシルの空気が変わった……
その瞬間、暗黒魔法の波動が溢れ急加速する。
「何度でも、何度でも言ってやる!」
聖剣に覇王の力を込めると、それに応えるように、
クリスの身体強化は強くなる。
「今日ここでルミナスの剣聖を倒す!」
聖剣によって強化された覇王の一撃は、
螺旋の炎を一瞬でかき消して、更に闇の鎧を打ち砕く。
セシルは肩から流れる血に驚愕している。
まさか契約の腕輪で強くなったにも関わらず、
追い込まれるとは思いもしない。
「わ、私が恐怖しているだと?」
セシルはここに来て自分の存在意義と、
新たに芽生えた感情に気付いた。
そして再度セシルの周りに螺旋の炎が発生する。
「今、分かったわ……
私の生まれてきた意味が……」
この時、クリスへの愛情に気づいた瞬間だった。
更にクリスと闘い合うためだけに自分は生まれてきたのだと理解した。
「ふふふ、クリス……
一緒に殺し合えるって最高ね……」
「出来れば、
遠慮したいんだけど……」
丁重に断りたかったがセシルも譲るつもりは無く、
剣同士で鍔迫り合いになる。
衝突の度に剣術スキルが上のセシルが有利だが、
クリスは圧倒的な身体能力とスキルで上手く立ち回った。
そしてクリスは次の瞬間、勝負に出ようと考える。
「あまりしつこくされるのも、
好きじゃないんでね……」
螺旋の炎を直接セシルの炎に衝突させて、
両者の炎は再度消滅した。
「これなら闇の鎧ごと打ち抜ける」
その瞬間にクリスは聖剣での一撃に全てを懸ける。
聖剣が覇王を強めると、
更に高密度の光となりセシルへ向かった。
「素晴らしいわ……
クリス……」
闇の鎧をかき消して覇王の一撃が直撃すると、
セシルはゆっくりと倒れる。
「はぁ……はぁ……」
クリスは肩で息をしている。
まだ魔力は残っているが、
聖剣を使った反動が思った以上に大きい。
「あ、アンタ、信じられないわ
まさかセシルを倒すだなんて……」
「結構ギリギリでしたけど……」
シャルロットは今でも信じられない。
国の最高戦力として君臨していたセシルを退けたことに歓喜していた。
「色々聞きたいことはあるけど、
マリアはどこにいるのよ?」
「俺の家でベルが見張ってます」
クリスに化けたマリアをレガード家の屋敷に隠すことで安全に襲撃をやり過ごす作戦だった。
そしてセシルを倒して城を救えたと安堵していると、通信機器から賢者側の異常事態を知る。
「お、俺に魔力を貸してくれ!」
「早く!!」
即座にシャルロットがクリスへ魔力を送ると目前に巨大なゲートが発生した。
「ふはは、ようやく城に到着できた」
四天王バルガスが、ルミナス城の訓練場に転移した。
そしてセシルを倒して休む暇もなく、
四天王バルガスと闘うことになる。
聖剣の力を得たがまさか瀕死の状態まで追い込まれるとは誰も予測できなかった。
黒騎士の闇の鎧まで使えるようになっていたのだ。
そして悩むクリスに応えるかのように、
鞘に収めていた剣が呼びかける。
「剣が俺を呼んでいる?」
賢者から授かった剣に覇王の光を集めると、
共鳴するように剣が覇王の力を増幅させる。
「な、何だ、この魔力は……」
セシルは自らを超える魔力をクリスから感じて、
何かの間違いではないかと受け入れられない。
そしてクリスは賢者から聞いた言葉を思い出す。
「覇王の光を剣に注いだ時、
剣の名前を叫べ……
その時、剣は真実の姿へ変わるだろう」
今こそ目覚める剣へ命を注ぐ時が来た。
クリスは、覚悟を決めて、その剣の名前を呼ぶ。
「初代国王の剣……
頼む、応えてくれ……」
「覇者の聖剣、レーヴァテイン」
名前を言葉にした瞬間、
最初はただの長剣だったが、真実の姿へ変わる。
神々しいほどの装飾が施され、剣と柄の間に嵌め込まれた核が覇王の力を更に増幅させた。
そしてクリスの身体にも力が溢れる。
スキルがレベルアップしました。
覇王Lv.7 →覇王Lv.8
シャルロットは夢を見ているのかと錯覚する。
初代国王のおとぎ話の中で覇者の聖剣の話があったが、魔王との戦いの中で失ったと伝えられていた。
しかし、目の前で光り輝く剣は、
まさに初代国王の聖剣だ。
「力が溢れる……」
セシルは契約の腕輪の痛みに耐えて力を得たが、
目の前のクリスから自らを超える魔力反応を感じ取っている。
その事実を到底受け入れられない。
「な、なんだと
これではまるで……」
シャルロットは、聖剣を見た瞬間、
クリスの勝利を確信した。
おとぎ話が真実であれば聖剣と唯一戦えるのは、
魔剣とその使い手、魔王である。
目の前にはその例外的存在もいない。
クリスは、何故か目の前にいる剣聖に、
全く恐怖を感じなくなっていた。
「大丈夫だ、これならセシルに勝てる」
「私に勝てる?
その言葉、訂正させてあげるわ」
突如セシルの空気が変わった……
その瞬間、暗黒魔法の波動が溢れ急加速する。
「何度でも、何度でも言ってやる!」
聖剣に覇王の力を込めると、それに応えるように、
クリスの身体強化は強くなる。
「今日ここでルミナスの剣聖を倒す!」
聖剣によって強化された覇王の一撃は、
螺旋の炎を一瞬でかき消して、更に闇の鎧を打ち砕く。
セシルは肩から流れる血に驚愕している。
まさか契約の腕輪で強くなったにも関わらず、
追い込まれるとは思いもしない。
「わ、私が恐怖しているだと?」
セシルはここに来て自分の存在意義と、
新たに芽生えた感情に気付いた。
そして再度セシルの周りに螺旋の炎が発生する。
「今、分かったわ……
私の生まれてきた意味が……」
この時、クリスへの愛情に気づいた瞬間だった。
更にクリスと闘い合うためだけに自分は生まれてきたのだと理解した。
「ふふふ、クリス……
一緒に殺し合えるって最高ね……」
「出来れば、
遠慮したいんだけど……」
丁重に断りたかったがセシルも譲るつもりは無く、
剣同士で鍔迫り合いになる。
衝突の度に剣術スキルが上のセシルが有利だが、
クリスは圧倒的な身体能力とスキルで上手く立ち回った。
そしてクリスは次の瞬間、勝負に出ようと考える。
「あまりしつこくされるのも、
好きじゃないんでね……」
螺旋の炎を直接セシルの炎に衝突させて、
両者の炎は再度消滅した。
「これなら闇の鎧ごと打ち抜ける」
その瞬間にクリスは聖剣での一撃に全てを懸ける。
聖剣が覇王を強めると、
更に高密度の光となりセシルへ向かった。
「素晴らしいわ……
クリス……」
闇の鎧をかき消して覇王の一撃が直撃すると、
セシルはゆっくりと倒れる。
「はぁ……はぁ……」
クリスは肩で息をしている。
まだ魔力は残っているが、
聖剣を使った反動が思った以上に大きい。
「あ、アンタ、信じられないわ
まさかセシルを倒すだなんて……」
「結構ギリギリでしたけど……」
シャルロットは今でも信じられない。
国の最高戦力として君臨していたセシルを退けたことに歓喜していた。
「色々聞きたいことはあるけど、
マリアはどこにいるのよ?」
「俺の家でベルが見張ってます」
クリスに化けたマリアをレガード家の屋敷に隠すことで安全に襲撃をやり過ごす作戦だった。
そしてセシルを倒して城を救えたと安堵していると、通信機器から賢者側の異常事態を知る。
「お、俺に魔力を貸してくれ!」
「早く!!」
即座にシャルロットがクリスへ魔力を送ると目前に巨大なゲートが発生した。
「ふはは、ようやく城に到着できた」
四天王バルガスが、ルミナス城の訓練場に転移した。
そしてセシルを倒して休む暇もなく、
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