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第80話 秘密の特訓(2)
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国の存亡をかけた作戦会議を終えて、
賢者から秘密の特訓を受けることになった。
そしてまずはマリアと向かい合い、
お互いを観察するというものだった。
本人達の誤解はあったが順調?に特訓は進んでいる。
そして次のステップに進むために、
クリスは、ピクシーから幻惑魔法を覚えて、
賢者の指示を待っていた。
「これからお前達には、
次のステップに進んでもらう」
賢者の言う次のステップとは、まず相手の仕草、
癖、口調を観察しながら真似をすることだ。
相手の会話や行動を繰り返していく。
「うーん、こういうのは、
女を真似する方が難しいだろう」
確かにクリスがマリアの真似をする方が、
難易度が高いように感じてしまう。
そこで賢者はクリスの特訓に時間を割こうと考えた。
「たが、その前に……
せっかく幻惑魔法を覚えたんだ。
試してみようじゃないか」
クリスは幻惑魔法でマリアに化けた。
目の前に対象がいるとイメージがしやすい。
姿形はまさにマリアそのものへ変化した。
「す、凄い……」
マリアは衝撃を受けていた。
まさかこんなに精度高く自分を再現できるとは思いもしない。
「まあ、話さなければマリアだろ……
だが、正確に微かな癖や仕草を演じなければ、
違和感を感じてしまうからな」
「そんなに俺、似てるのですね……」
「よし、幻惑魔法は問題ないな!
魔力を他にも使いたいから、
幻惑なしで真似てもらう」
そして改めてお互いに向かい合うが、
クリスは、真似をするのに困り果てていた。
そんな困ったクリスを見ていると、
小悪魔なマリアが現れてしまう。
「クリス……えへへへ」
「ちょっとマリア……」
マリアはクリスの腕を取り甘えてしまった。
いきなりの行動に出たマリアは小悪魔だ。
訓練を忘れてクリスを困らせようと考えていた。
その時、賢者はニヤリと笑った。
マリアの仕草を見て、
とんでもない事を考えたのだ。
「駄目じゃないか、クリス……
そのマリアも真似するんだ」
「え?」
なんと賢者は甘えるマリアも、
真似するように言い出した。
「もう、こうなったらやけだ!」
クリスはマリアの腕を取り甘えだした。
その瞬間に立場は逆転して、
今度はマリアが恥ずかしがる番だ。
「ちょっと、クリス……」
「えへへへへへ」
賢者は可笑しくて堪らない。
大声をあげて笑うのは流石にクリスが可哀想だと、
手を口に当てて静かに笑った。
それに対してマリアは、クリスに甘えられて、
心臓の鼓動が激しくなってしまった。
「や、ヤバい……
恥ずかしすぎて死にそう……」
「……クリス」
マリアは、訓練の場ではあるが、
クリスに触れることができて嬉しく思っていた。
この世界でマリアは殆どクリスに触れていない。
ずっとマリアも願い続けていたのだ。
「クリス……」
気付けばマリアは、クリスの手を握るが、
その行動も、クリスは真似をしなければならない。
「ま、マリア」
声までオウム返しになってはいないが、
クリスは、同じように真似をした。
すると小悪魔なマリアは、閃いてしまう。
これからクリスにやって欲しいことを、
自分から行動しようと決めたのだ。
「クリス…………好き」
「ち、ちょっと、マリア……
聞こえなかったんだけど……」
消え入りそうな声で、マリアは告白し始めた。
クリスから好きと言わせたいのである。
しかし死ぬほど恥ずかしくなってしまい、
クリスの耳元まで口を近づけた。
「クリス…………大好き」
「え?」
クリスは、まさかこの場で告白されるとは、
全く想像もしていなかった。
ちなみに小声のため賢者に聞こえていない。
当然だが賢者はそのまま真似をするよう指示する。
「何、惚けてるんだ……
早く真似しなさい」
クリスは困ったように賢者を見つめるが、
事情を知らない賢者は、急かしてきた。
そしてマリアの耳元まで口を近づけて、
先程の言葉を真似しようと試みる。
「マリア…………….大好きだよ」
あまりの恥ずかしさに正確に再現出来ていないが、
その破壊力は凄まじかったようだ。
「…………」
あまりに恥ずかしすぎて赤面して、
マリアは機能停止してしまった。
そして心臓の鼓動が激しく鳴り響いて収まらない。
でも、その表情は幸せに満ち溢れている。
「あの、マリアさん?
おーい、大丈夫か~?」
マリアが放心してしまい、クリスが心配すると、
賢者が追い打ちをかけるように口を開く。
「王子様のキスで、
目が覚めるんじゃないかい?」
「はい?」
賢者はクリスを揶揄うと、その反応を見て笑う。
ルミナスの未来を担う二人を見て、
賢者は、微笑ましく思っていた。
愛弟子と王女の恋を心から応援しているのだ。
そしてマリアが再起動したところで、
賢者は次の指示を出す。
「今度はマリアの番だぞ」
次はマリアがクリスの真似をする番だ。
それから五日間、小悪魔なマリアと慌てるクリスの訓練が続く。
しかし二人の表情は幸せに満ち溢れていたのだった……
賢者から秘密の特訓を受けることになった。
そしてまずはマリアと向かい合い、
お互いを観察するというものだった。
本人達の誤解はあったが順調?に特訓は進んでいる。
そして次のステップに進むために、
クリスは、ピクシーから幻惑魔法を覚えて、
賢者の指示を待っていた。
「これからお前達には、
次のステップに進んでもらう」
賢者の言う次のステップとは、まず相手の仕草、
癖、口調を観察しながら真似をすることだ。
相手の会話や行動を繰り返していく。
「うーん、こういうのは、
女を真似する方が難しいだろう」
確かにクリスがマリアの真似をする方が、
難易度が高いように感じてしまう。
そこで賢者はクリスの特訓に時間を割こうと考えた。
「たが、その前に……
せっかく幻惑魔法を覚えたんだ。
試してみようじゃないか」
クリスは幻惑魔法でマリアに化けた。
目の前に対象がいるとイメージがしやすい。
姿形はまさにマリアそのものへ変化した。
「す、凄い……」
マリアは衝撃を受けていた。
まさかこんなに精度高く自分を再現できるとは思いもしない。
「まあ、話さなければマリアだろ……
だが、正確に微かな癖や仕草を演じなければ、
違和感を感じてしまうからな」
「そんなに俺、似てるのですね……」
「よし、幻惑魔法は問題ないな!
魔力を他にも使いたいから、
幻惑なしで真似てもらう」
そして改めてお互いに向かい合うが、
クリスは、真似をするのに困り果てていた。
そんな困ったクリスを見ていると、
小悪魔なマリアが現れてしまう。
「クリス……えへへへ」
「ちょっとマリア……」
マリアはクリスの腕を取り甘えてしまった。
いきなりの行動に出たマリアは小悪魔だ。
訓練を忘れてクリスを困らせようと考えていた。
その時、賢者はニヤリと笑った。
マリアの仕草を見て、
とんでもない事を考えたのだ。
「駄目じゃないか、クリス……
そのマリアも真似するんだ」
「え?」
なんと賢者は甘えるマリアも、
真似するように言い出した。
「もう、こうなったらやけだ!」
クリスはマリアの腕を取り甘えだした。
その瞬間に立場は逆転して、
今度はマリアが恥ずかしがる番だ。
「ちょっと、クリス……」
「えへへへへへ」
賢者は可笑しくて堪らない。
大声をあげて笑うのは流石にクリスが可哀想だと、
手を口に当てて静かに笑った。
それに対してマリアは、クリスに甘えられて、
心臓の鼓動が激しくなってしまった。
「や、ヤバい……
恥ずかしすぎて死にそう……」
「……クリス」
マリアは、訓練の場ではあるが、
クリスに触れることができて嬉しく思っていた。
この世界でマリアは殆どクリスに触れていない。
ずっとマリアも願い続けていたのだ。
「クリス……」
気付けばマリアは、クリスの手を握るが、
その行動も、クリスは真似をしなければならない。
「ま、マリア」
声までオウム返しになってはいないが、
クリスは、同じように真似をした。
すると小悪魔なマリアは、閃いてしまう。
これからクリスにやって欲しいことを、
自分から行動しようと決めたのだ。
「クリス…………好き」
「ち、ちょっと、マリア……
聞こえなかったんだけど……」
消え入りそうな声で、マリアは告白し始めた。
クリスから好きと言わせたいのである。
しかし死ぬほど恥ずかしくなってしまい、
クリスの耳元まで口を近づけた。
「クリス…………大好き」
「え?」
クリスは、まさかこの場で告白されるとは、
全く想像もしていなかった。
ちなみに小声のため賢者に聞こえていない。
当然だが賢者はそのまま真似をするよう指示する。
「何、惚けてるんだ……
早く真似しなさい」
クリスは困ったように賢者を見つめるが、
事情を知らない賢者は、急かしてきた。
そしてマリアの耳元まで口を近づけて、
先程の言葉を真似しようと試みる。
「マリア…………….大好きだよ」
あまりの恥ずかしさに正確に再現出来ていないが、
その破壊力は凄まじかったようだ。
「…………」
あまりに恥ずかしすぎて赤面して、
マリアは機能停止してしまった。
そして心臓の鼓動が激しく鳴り響いて収まらない。
でも、その表情は幸せに満ち溢れている。
「あの、マリアさん?
おーい、大丈夫か~?」
マリアが放心してしまい、クリスが心配すると、
賢者が追い打ちをかけるように口を開く。
「王子様のキスで、
目が覚めるんじゃないかい?」
「はい?」
賢者はクリスを揶揄うと、その反応を見て笑う。
ルミナスの未来を担う二人を見て、
賢者は、微笑ましく思っていた。
愛弟子と王女の恋を心から応援しているのだ。
そしてマリアが再起動したところで、
賢者は次の指示を出す。
「今度はマリアの番だぞ」
次はマリアがクリスの真似をする番だ。
それから五日間、小悪魔なマリアと慌てるクリスの訓練が続く。
しかし二人の表情は幸せに満ち溢れていたのだった……
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