78 / 125
第78話 会議
しおりを挟む
旧魔法学園、ルミナス港倉庫での事件を終えて、
調査隊全員は陛下に呼ばれている。
勿論、賢者も同席しての謁見だ。
「お前達、子供達の救出、
そして魔族の捕獲見事だ!」
王は、特別調査隊に賛辞を贈る。
今日呼ばれた理由は、捕獲した魔族から得た事実を共有するために呼ばれたのだ。
そして賢者は今回の召集の目的を説明する。
「お前達を呼んだのは四天王と、
その陰謀を共有するためだ」
セシルとガブの会話に出てきた四天王。
その単語を元にサリーの奴隷術から情報を探らせたのだ。
「四天王の名前はバルガス、
そこのサリーの復讐相手だよ」
バルガスという名前が出た瞬間、
サリーの顔が引き攣る。
十年間憎しみを温め続けてきた相手であり、
サリーの生きる理由となっている。
「バルガスの目的は、
前にも言った通りマリアの心臓だよ」
「バルガスは何で子供の誘拐に、
関わっていたのでしょうか?」
フィリアが疑問に思ったことを口にした。
その答えこそがサリーが最も憎しみを持つ理由となる。
「サリーの復讐の理由にも繋がるんだが、
心臓を喰うと吸収するんだよ……
その者の力、スキルを」
「な、何だって」
そして四天王バルガスのスキルを聞いた、
サリーは、瞳に涙を溜めて告げる。
「私の家族はバルガスに、
喰われたんだよ!」
その事実に俺は何と答えれば良いのか、
全く分からなくなってしまった。
気軽にサリーに復讐を止めろと言えない。
もし俺の大切な家族が喰われると考えただけで、
気がおかしくなってしまう。
「奴らの狙いはマリアだけじゃない!
誘拐した子供を喰って、
スキルを得る事だったんだよ……」
俺達は、驚愕の事実を賢者から聞いた。
幸い子供達は全員救出し親元へ帰している。
そして賢者の話を聞いて、更に一同は唖然とした。
「奴らはルミナス魔宝祭で、
大規模な作戦を決行してくる」
「な!」
気付けば5日後にルミナス魔宝祭が控えていた。
その他国からも客人が集まるタイミングで、
魔族達は作戦を決行する。
「シンも参入しマリアを狙うだろう。
これは国をかけた戦いだ!」
「お祭りは中止出来ないのですか?」
クリスの問いは誰しもが心に思っており、
その質問に国王は苦い顔をしながら答える。
「もう他国の要人はルミナスに入国した。
これから益々入るタイミングで、
今から中止は出来ないだろう」
全てが後手に回ってしまい、
相手の思い通りに事態が進んでしまう。
更に国王は話し続ける。
「勿論、祭は小規模に縮小する!
防衛に軍事力を割くためにもな」
そしてここから先は防衛に関わる話を始めるため、
宮廷魔術師や王国騎士団も加わる。
部屋に主要メンバーが入ってきた。
勿論その中にクレア、ゲイルも含まれる。
更にユーリも会議に同席すると決まった。
「ユーリ……」
ユーリはクリスと目があったのに気付いて、
軽くウインクをする。
クリスも、そんなユーリを見て微笑んだ。
そしてルミナスの未来をかけた、
防衛作戦の会議が始まる……
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
会議を終えてクリスは今でも信じられないでいた。
クリスが防衛作戦の中で重要な役割を担っているからだ。
それはセシル、バルガスの討伐だ。
そしてクレアとユーリはシンの討伐を担当して、
転移魔法を抑える。
シンの転移魔法に対して範囲攻撃を主とするクレアが適任なのだ。
「クリス!ちょっといいか……」
クリスに話しかけてきた人物がいる。
それはクリスのもう一人の師、賢者だ。
「作戦を確かなものにするために、
お前と準備がしたい」
そして賢者は、更なる極秘作戦とスキル習得をクリスへ伝えた。
その作戦内容を聞いて、クリスは衝撃を受ける。
賢者は近くにいたピクシーを呼び、
クリスの元に連れて行く。
「ピクシー、来なさい
マリアも一緒だよ」
「え?」
賢者は、クリスの惚けた顔を見て一喝する。
緊急事態を乗り越えられるかは、
殆どがクリスに関わっているからだ。
「しっかりしな、クリス……
マリアも一緒にお前と訓練するんだよ!
残りの5日間、毎日一緒だ」
クリスは、マリアと一緒に訓練すると聞いたが、
まだ心の準備が出来ていない。
「あ、あの賢者……」
「いい加減、覚悟決めな!
これが一番効率が良いのさ」
極秘作戦のために訓練を開始する。
その参加者はクリス、マリア、ピクシーだ。
ピクシーは1日のみの参加だが、
マリアとは毎日一緒に共にすることになる。
そしてついに、もう一人の主役が現れた。
「マリア……」
クリスの婚約者マリアである。
賢者から事情を聞いたマリアも頬が赤い。
「あの、クリス……」
気のせいか手を前にして落ち着かない様子だ。
クリスもマリアを見ていると、
余計に意識して恥ずかしくなってしまう。
「あの、が、頑張ろうねマリア」
「そ、そうね、私も頑張る!」
五日後に控えたルミナス魔宝祭、
その日に魔王軍は襲撃を予定していた。
今後、賢者が計画する極秘作戦を成功させる事が、
この戦いを生き抜くのに重要となる。
そしてそれは、五日間のクリスとマリアの訓練に、
全てがかかっているのであった……
調査隊全員は陛下に呼ばれている。
勿論、賢者も同席しての謁見だ。
「お前達、子供達の救出、
そして魔族の捕獲見事だ!」
王は、特別調査隊に賛辞を贈る。
今日呼ばれた理由は、捕獲した魔族から得た事実を共有するために呼ばれたのだ。
そして賢者は今回の召集の目的を説明する。
「お前達を呼んだのは四天王と、
その陰謀を共有するためだ」
セシルとガブの会話に出てきた四天王。
その単語を元にサリーの奴隷術から情報を探らせたのだ。
「四天王の名前はバルガス、
そこのサリーの復讐相手だよ」
バルガスという名前が出た瞬間、
サリーの顔が引き攣る。
十年間憎しみを温め続けてきた相手であり、
サリーの生きる理由となっている。
「バルガスの目的は、
前にも言った通りマリアの心臓だよ」
「バルガスは何で子供の誘拐に、
関わっていたのでしょうか?」
フィリアが疑問に思ったことを口にした。
その答えこそがサリーが最も憎しみを持つ理由となる。
「サリーの復讐の理由にも繋がるんだが、
心臓を喰うと吸収するんだよ……
その者の力、スキルを」
「な、何だって」
そして四天王バルガスのスキルを聞いた、
サリーは、瞳に涙を溜めて告げる。
「私の家族はバルガスに、
喰われたんだよ!」
その事実に俺は何と答えれば良いのか、
全く分からなくなってしまった。
気軽にサリーに復讐を止めろと言えない。
もし俺の大切な家族が喰われると考えただけで、
気がおかしくなってしまう。
「奴らの狙いはマリアだけじゃない!
誘拐した子供を喰って、
スキルを得る事だったんだよ……」
俺達は、驚愕の事実を賢者から聞いた。
幸い子供達は全員救出し親元へ帰している。
そして賢者の話を聞いて、更に一同は唖然とした。
「奴らはルミナス魔宝祭で、
大規模な作戦を決行してくる」
「な!」
気付けば5日後にルミナス魔宝祭が控えていた。
その他国からも客人が集まるタイミングで、
魔族達は作戦を決行する。
「シンも参入しマリアを狙うだろう。
これは国をかけた戦いだ!」
「お祭りは中止出来ないのですか?」
クリスの問いは誰しもが心に思っており、
その質問に国王は苦い顔をしながら答える。
「もう他国の要人はルミナスに入国した。
これから益々入るタイミングで、
今から中止は出来ないだろう」
全てが後手に回ってしまい、
相手の思い通りに事態が進んでしまう。
更に国王は話し続ける。
「勿論、祭は小規模に縮小する!
防衛に軍事力を割くためにもな」
そしてここから先は防衛に関わる話を始めるため、
宮廷魔術師や王国騎士団も加わる。
部屋に主要メンバーが入ってきた。
勿論その中にクレア、ゲイルも含まれる。
更にユーリも会議に同席すると決まった。
「ユーリ……」
ユーリはクリスと目があったのに気付いて、
軽くウインクをする。
クリスも、そんなユーリを見て微笑んだ。
そしてルミナスの未来をかけた、
防衛作戦の会議が始まる……
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
会議を終えてクリスは今でも信じられないでいた。
クリスが防衛作戦の中で重要な役割を担っているからだ。
それはセシル、バルガスの討伐だ。
そしてクレアとユーリはシンの討伐を担当して、
転移魔法を抑える。
シンの転移魔法に対して範囲攻撃を主とするクレアが適任なのだ。
「クリス!ちょっといいか……」
クリスに話しかけてきた人物がいる。
それはクリスのもう一人の師、賢者だ。
「作戦を確かなものにするために、
お前と準備がしたい」
そして賢者は、更なる極秘作戦とスキル習得をクリスへ伝えた。
その作戦内容を聞いて、クリスは衝撃を受ける。
賢者は近くにいたピクシーを呼び、
クリスの元に連れて行く。
「ピクシー、来なさい
マリアも一緒だよ」
「え?」
賢者は、クリスの惚けた顔を見て一喝する。
緊急事態を乗り越えられるかは、
殆どがクリスに関わっているからだ。
「しっかりしな、クリス……
マリアも一緒にお前と訓練するんだよ!
残りの5日間、毎日一緒だ」
クリスは、マリアと一緒に訓練すると聞いたが、
まだ心の準備が出来ていない。
「あ、あの賢者……」
「いい加減、覚悟決めな!
これが一番効率が良いのさ」
極秘作戦のために訓練を開始する。
その参加者はクリス、マリア、ピクシーだ。
ピクシーは1日のみの参加だが、
マリアとは毎日一緒に共にすることになる。
そしてついに、もう一人の主役が現れた。
「マリア……」
クリスの婚約者マリアである。
賢者から事情を聞いたマリアも頬が赤い。
「あの、クリス……」
気のせいか手を前にして落ち着かない様子だ。
クリスもマリアを見ていると、
余計に意識して恥ずかしくなってしまう。
「あの、が、頑張ろうねマリア」
「そ、そうね、私も頑張る!」
五日後に控えたルミナス魔宝祭、
その日に魔王軍は襲撃を予定していた。
今後、賢者が計画する極秘作戦を成功させる事が、
この戦いを生き抜くのに重要となる。
そしてそれは、五日間のクリスとマリアの訓練に、
全てがかかっているのであった……
0
お気に入りに追加
524
あなたにおすすめの小説
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
魔力吸収体質が厄介すぎて追放されたけど、創造スキルに進化したので、もふもふライフを送ることにしました
うみ
ファンタジー
魔力吸収能力を持つリヒトは、魔力が枯渇して「魔法が使えなくなる」という理由で街はずれでひっそりと暮らしていた。
そんな折、どす黒い魔力である魔素溢れる魔境が拡大してきていたため、領主から魔境へ向かえと追い出されてしまう。
魔境の入り口に差し掛かった時、全ての魔素が主人公に向けて流れ込み、魔力吸収能力がオーバーフローし覚醒する。
その結果、リヒトは有り余る魔力を使って妄想を形にする力「創造スキル」を手に入れたのだった。
魔素の無くなった魔境は元の大自然に戻り、街に戻れない彼はここでノンビリ生きていく決意をする。
手に入れた力で高さ333メートルもある建物を作りご満悦の彼の元へ、邪神と名乗る白猫にのった小動物や、獣人の少女が訪れ、更には豊富な食糧を嗅ぎつけたゴブリンの大軍が迫って来て……。
いつしかリヒトは魔物たちから魔王と呼ばるようになる。それに伴い、333メートルの建物は魔王城として畏怖されるようになっていく。
Switch jobs ~転移先で自由気ままな転職生活~
天秤兎
ファンタジー
突然、何故か異世界でチート能力と不老不死を手に入れてしまったアラフォー38歳独身ライフ満喫中だったサラリーマン 主人公 神代 紫(かみしろ ゆかり)。
現実世界と同様、異世界でも仕事をしなければ生きて行けないのは変わりなく、突然身に付いた自分の能力や異世界文化に戸惑いながら自由きままに転職しながら生活する行き当たりばったりの異世界放浪記です。
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
前世ポイントッ! ~転生して楽しく異世界生活~
霜月雹花
ファンタジー
17歳の夏、俺は強盗を捕まえようとして死んだ――そして、俺は神様と名乗った爺さんと話をしていた。話を聞けばどうやら強盗を捕まえた事で未来を改変し、転生に必要な【善行ポイント】と言う物が人より多く貰えて異世界に転生出来るらしい。多く貰った【善行ポイント】で転生時の能力も選び放題、莫大なポイントを使いチート化した俺は異世界で生きていく。
なろうでも掲載しています。
器用さんと頑張り屋さんは異世界へ 〜魔剣の正しい作り方〜
白銀六花
ファンタジー
理科室に描かれた魔法陣。
光を放つ床に目を瞑る器用さんと頑張り屋さん。
目を開いてみればそこは異世界だった!
魔法のある世界で赤ちゃん並みの魔力を持つ二人は武器を作る。
あれ?武器作りって楽しいんじゃない?
武器を作って素手で戦う器用さんと、武器を振るって無双する頑張り屋さんの異世界生活。
なろうでも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる