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第73話 お弁当
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特別調査隊の結成から一夜明けている。
今日はシャルロットから学園のベンチに呼ばれて、
一緒にお昼を食べることになった。
マリアと仲直りをするために、
シャルロットが一肌脱ぎ、この場を設けたのだ。
「驚きなさい!
マリアがお弁当を作ってくれたのよ!」
シャルロットが腰に手を当てて宣言すると、
マリアは恥ずかしそうにしながら、
目の前に可愛らしいお弁当箱を置く。
「あの、今から逆立ちして、
ルミナス一周する程、嬉しいんですけど」
「ふふふ、クリスったら」
まさかマリアが弁当を作るとは思わず、
純粋に嬉しすぎて言葉が出た。
「ほら、早く見せてあげなさいよ!
朝早く作ったんだから」
シャルロットが急かしお弁当の中身を開けると、
そこにはおにぎりと卵焼き、ウィンナー、
そしてサラダと丁寧に作り込まれた品が並ぶ。
「え?これ朝一人で作ってくれたの?」
「うん、あまり上手じゃないけどごめんね」
「マリア、安心しなさい!
不味いって言ったら焼き殺すから」
シャルロットが俺を睨みつけると、
人差し指に火をつける仕草を見せた。
「頂きます!」
俺はひとまず大好きな卵焼きを口に入れると、
二人とも唾を飲み込みながら見つめる。
「ど、どうなのよ?」
「めっちゃ美味い!」
「ほら、見たことか!」
マリアは、ふぅっとため息を吐いて安心するが、
シャルロットはドヤ顔でマリアの自慢をしていた。
「マリアはね、小さい頃から料理が、
本当に得意だったんだから!」
「ちょっと、お姉ちゃん!」
シャルロットがマリアを褒めると、
マリアが焦り出してしまい、
何だか微笑ましくも面白くて笑ってしまう。
「ふふふ、あははは」
「な、なによー」
「いや、ごめん、ごめん
本当に仲が良いんだなってさ」
マリアは、まだ恥ずかしそうにするが、
シャルロットは更に胸を張って妹を自慢する。
「そりゃあ、妹が聖女なのよ!
自慢したくもなるでしょ!」
「お姉ちゃん、もう恥ずかしくて、
死んじゃうよ……」
本当に固い絆で結ばれてるんだなと分かる。
俺の家族も同じ様に見えるのかもしれないけれど…
「まあでも、お姉ちゃんも
カッコ良いところがあるんだよね~」
「マ、マリア、やめなさい!
その話は!」
今度はシャルロットが顔を赤くする番のようだ……
マリアは急に悪戯好きな小悪魔のような顔を見せる。
俺はこんなマリアを初めて見た。
「ねぇ、その話、もっと聞きたい!」
「でしょ!クリスも聞きたいって!」
小悪魔なマリアと、照れるシャルロットを見たくて、俺は二人の話を広げるように会話をする。
「お姉ちゃんがね……
私の騎士になってくれた話!」
「マ、マリア、それ以上は……」
まるでトマトのように真っ赤になるシャルロットを見て、意外な表情をすると驚いた。
「今日はお姉ちゃんが可哀想だから、
また今度ね!」
「ふふふ、そうしてあげましょう」
俺もマリアに合わせてシャルロットを揶揄うと、
真っ赤な顔で睨みつける。
「ア、アンタ、後で覚えておきなさいよ」
「ふふふ、そんなこと言ったら、
マリアに聞いちゃうよ」
マリアに目配せをすると、
一瞬驚いたが笑顔で返してくれた。
まさか、こんなに綺麗な笑顔をするとは思わず、
マリアに見惚れてしまった。
どれくらいだろうか……
ほんの僅かな時間二人で見つめ合った……
でもその瞬間、時が止まった気がした。
「もう、アンタ達、
これで仲直り、出来たでしょ」
「お姉ちゃん……」
俺は、まだシャルロットに敵わない。
マリアの騎士と言っていた……
悔しいけれど、まだ敵いそうもない。
でもそれは……
「マリア、俺……
マリアのことがもっと知りたい」
「え?」
「だって、今日だけでも、
沢山素敵なマリアが見れた」
「クリス……」
「だから、もっと……
マリアのことが知りたいんだ……」
きっと相手のことを知ることから始まると思うんだ……
それが相手を理解して寄り添い合うことに繋がると俺は信じたい……
今日はシャルロットから学園のベンチに呼ばれて、
一緒にお昼を食べることになった。
マリアと仲直りをするために、
シャルロットが一肌脱ぎ、この場を設けたのだ。
「驚きなさい!
マリアがお弁当を作ってくれたのよ!」
シャルロットが腰に手を当てて宣言すると、
マリアは恥ずかしそうにしながら、
目の前に可愛らしいお弁当箱を置く。
「あの、今から逆立ちして、
ルミナス一周する程、嬉しいんですけど」
「ふふふ、クリスったら」
まさかマリアが弁当を作るとは思わず、
純粋に嬉しすぎて言葉が出た。
「ほら、早く見せてあげなさいよ!
朝早く作ったんだから」
シャルロットが急かしお弁当の中身を開けると、
そこにはおにぎりと卵焼き、ウィンナー、
そしてサラダと丁寧に作り込まれた品が並ぶ。
「え?これ朝一人で作ってくれたの?」
「うん、あまり上手じゃないけどごめんね」
「マリア、安心しなさい!
不味いって言ったら焼き殺すから」
シャルロットが俺を睨みつけると、
人差し指に火をつける仕草を見せた。
「頂きます!」
俺はひとまず大好きな卵焼きを口に入れると、
二人とも唾を飲み込みながら見つめる。
「ど、どうなのよ?」
「めっちゃ美味い!」
「ほら、見たことか!」
マリアは、ふぅっとため息を吐いて安心するが、
シャルロットはドヤ顔でマリアの自慢をしていた。
「マリアはね、小さい頃から料理が、
本当に得意だったんだから!」
「ちょっと、お姉ちゃん!」
シャルロットがマリアを褒めると、
マリアが焦り出してしまい、
何だか微笑ましくも面白くて笑ってしまう。
「ふふふ、あははは」
「な、なによー」
「いや、ごめん、ごめん
本当に仲が良いんだなってさ」
マリアは、まだ恥ずかしそうにするが、
シャルロットは更に胸を張って妹を自慢する。
「そりゃあ、妹が聖女なのよ!
自慢したくもなるでしょ!」
「お姉ちゃん、もう恥ずかしくて、
死んじゃうよ……」
本当に固い絆で結ばれてるんだなと分かる。
俺の家族も同じ様に見えるのかもしれないけれど…
「まあでも、お姉ちゃんも
カッコ良いところがあるんだよね~」
「マ、マリア、やめなさい!
その話は!」
今度はシャルロットが顔を赤くする番のようだ……
マリアは急に悪戯好きな小悪魔のような顔を見せる。
俺はこんなマリアを初めて見た。
「ねぇ、その話、もっと聞きたい!」
「でしょ!クリスも聞きたいって!」
小悪魔なマリアと、照れるシャルロットを見たくて、俺は二人の話を広げるように会話をする。
「お姉ちゃんがね……
私の騎士になってくれた話!」
「マ、マリア、それ以上は……」
まるでトマトのように真っ赤になるシャルロットを見て、意外な表情をすると驚いた。
「今日はお姉ちゃんが可哀想だから、
また今度ね!」
「ふふふ、そうしてあげましょう」
俺もマリアに合わせてシャルロットを揶揄うと、
真っ赤な顔で睨みつける。
「ア、アンタ、後で覚えておきなさいよ」
「ふふふ、そんなこと言ったら、
マリアに聞いちゃうよ」
マリアに目配せをすると、
一瞬驚いたが笑顔で返してくれた。
まさか、こんなに綺麗な笑顔をするとは思わず、
マリアに見惚れてしまった。
どれくらいだろうか……
ほんの僅かな時間二人で見つめ合った……
でもその瞬間、時が止まった気がした。
「もう、アンタ達、
これで仲直り、出来たでしょ」
「お姉ちゃん……」
俺は、まだシャルロットに敵わない。
マリアの騎士と言っていた……
悔しいけれど、まだ敵いそうもない。
でもそれは……
「マリア、俺……
マリアのことがもっと知りたい」
「え?」
「だって、今日だけでも、
沢山素敵なマリアが見れた」
「クリス……」
「だから、もっと……
マリアのことが知りたいんだ……」
きっと相手のことを知ることから始まると思うんだ……
それが相手を理解して寄り添い合うことに繋がると俺は信じたい……
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