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第48話 告白
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賢者の家に辿り着き、
いよいよ俺は全てを打ち明ける……
「賢者様、そしてみんな!
ここからは俺に少し時間を下さい。
俺の全てを打ち明けます」
「クリス、もし話したくないなら、
無理に、話さなくても良い」
クレアはクリスに秘密がある事に気づいていた。
覇王だけでなく回復魔法まで覚えている。
そんなことが王家に知られれば、
どんな手を使ってでも囲い込む。
気づけば、クリスが離れてしまうのを恐れていた。
「クレアさん……」
「あねごも言ってるし、
クリスが嫌なら……」
ユーリも絶対に聞かれたくない秘密がある。
それを無理に暴かれるのが、
どれだけ辛いことなのか身をもって知っている。
「俺達はクリスがどんな人柄なのか知っている。
例えどんな秘密があろうが、お前を信じてる」
「みんな、ありがとう……
でも、聞いてほしいんだ!」
「大丈夫、なんだな?」
クレアの問いかけに、クリスは無言で頷く。
「まずは、信じられないかもしれないけれど、
俺はこの時代の人間じゃない……
10年後の未来から来たんだ」
「な、何だと!」
クレアだけでなく、この場に居る者全員が驚く。
「賢者様が同じ席でないと、
信用してもらえない可能性があった……
でも、みんななら、信じてもらえたと思うけど」
正体を打ち明けて拒絶されるのを、
クリスは恐れていた……
しかし、それは勝手な思い込みで、
今は、温かく受け入れてくれると気付いたのだ。
「未来から来たと言ったね……
と言う事はその魔法は、
いったい誰が使ったんだい?」
「フィリアです……」
「なんだって!」
賢者は、危機的な状況下で、
大魔法が発動されたと理解した。
「そうか……
嘘を言っている訳でもなさそうだね。
フィリアのことも知っているんだろう?」
「はい、そして賢者様に、
過去の私に痛めつけて鍛えてもらえ……
そう言われました」
「あははは、そうか……
それは間違いなく私が言ったのだろう」
賢者と話しているが、
他の者は、途中から何を言っているのか分からない。
話に付いていけなくなってしまったのだ。
そのため賢者がフォローする。
「すまないね、あんた達。
間違いなくクリスは未来の人間だ。
私にしか使えない固有スキル、
時空魔法で未来から飛ばされてきた」
「な……」
クレアは賢者が言い切った事に驚愕する。
まさか時空を超える魔法が存在するとは思いもせず、全員が驚いていた。
「あの、もう一つ。
とても大事な事がありまして……」
賢者はこれから打ち明ける内容を推測した。
クレアとの関係についてだ。
クレアの反応を想像して笑みを浮かべている……
「あの、クレアさん……
実は……」
「な、なんだ!
改まって……」
何故かクレアは緊張してしまう。
愛の告白でもされるのかと思うような、
シチュエーションなのだ。
「あの、俺、実は……」
「お、おい、まて!
私は子持ちだ!
それはまず先に言っておくぞ!」
堪えられなくなった賢者は、笑い出す。
声をあげては流石に悪いだろうと、
口を手で押さえて笑いを堪えている。
「あの、子持ちなのも知ってます……」
「お、おい、お前!
それでも、だと……」
急に真っ赤になり、
クレアはしどろもどろになる。
「あの……
俺……あなたの……」
「わあああああ」
顔を真っ赤にして混乱状態に陥り、
目をぐるぐる回している……
「あねご……
落ち着いて……」
「す、すまない……
取り乱した……」
「はい……」
前に置かれている紅茶を飲み、
クレアは心を落ち着かせた。
「どうぞ……」
「あの……
俺の名前はクリス・レガード。
世界で一番愛する貴方の息子です」
「はい?」
一瞬、クリスの言っている意味が理解出来ない。
もう一度、二度、クリスの言葉を思い出す。
「あ、あ、あ……」
そして少しずつクレアは、理解し始めた。
口をぱくぱくしながら、クリスを見ている。
「母上、過去に遡って、
貴方に出逢えて俺は幸せです……」
「ええええええええ」
クレアは更に混乱状況に陥っている。
まさか自分の育てる2歳の子供が、
こんなに大きくなって現れたのだ。
「お前、本当に、
本当に、私の息子のクリスなのか?」
「そうですけど……
父上はゲイル、妹はアリス。
レガード家は剣聖の家系ですよ」
「こ、こんなに格好良くなるなんて、
思うか!」
クレアは盛大にツッコミを入れたが、
ユーリは意外に落ち着いていて、
クレアをフォローする。
「あねご、落ち着いて……
未来で不測の事態が起きて、
それを変えるためにクリスは来た、
そういうことだよね?」
「ほう、小さいのに意外と冷静だね!
そうなんだろ?、クリス……」
「はい……ここからは皆さんにとって、
辛い話になります」
ここまで黙っていたカートが口を開く。
カートは、冷静に会話の内容を整理していた。
「その未来の話を聞いたり、
変えてしまっても大丈夫なのか?」
「カートの言う事も分かる……
だが、それ以上に危険なんだろ?
何せ、私が過去に送ったんだからね」
そしてこれからクリスが、
誰も予想しない事実を打ち明ける。
「ここに居る者で、生き残っているのは
俺とカートさんだけです……」
「な、何だと!」
クレアはまさか、自分とユーリも、
更に賢者でさえも亡くなっているとは思わない。
「未来の私は、
全てをあんたに託したんだね……」
「はい……
未来に戻り、必ず黒騎士を倒します!」
「く、黒騎士だって?」
賢者は黒騎士について驚きを隠せない。
更に、未来のエルフの里で起きたこと。
そしてクレアとユーリは今年、
亡くなる運命にあることを伝えた……
「想像以上に厳しい状況だな。
後、残念だが、お前を未来に送るのに、
一つ問題がある……」
「それは何ですか?」
「それは魔力だよ……
私の10年分の魔力でも足りない。
それを補うために必要な物がある」
「賢者様、それは?」
「それはね……
エルフの里にある、
大樹ユグドラシルの枝だよ」
「な……」
クレアはこのタイミングで、
エルフの里の名前が出てきた事に落胆した。
「申し訳ないけど、今回の作戦で、
ユグドラシルの枝は、絶対に必要なんだ!」
どうしてもエルフの里を救わなければ、
未来に帰れない。
そして賢者が更に口を開く。
「大樹に魔力が集まるのには周期がある……
それがね、今から丁度一年後、
来年には必ずユグドラシルの枝を、
手に入れないといけない!」
たった一年の猶予しかない。
想像以上に時間は限られていた。
「それなら賢者様、
俺に修行をつけてください」
「勿論だよ、クリス!
お前にはこの時代も未来も救ってもらう!」
賢者の言葉に、クリスは無言で頷いた。
そして、その手をユーリが握る。
「クリス、何でも力になる!
だって私たち、友達だからね……」
ユーリは、頬を赤く染めながら、
力になると誓った。
「未来の息子の修行か。
面白いじゃないか……
私が徹底的に強くしてやる!」
クレアも微笑む。
その笑顔は優しさに満ち溢れている。
「さて、ひとまず一年間、
みっちり扱いてやる!
死ぬ気で喰らいつきな!」
そして未来を変えるために修行に取り掛かる。
四天王を倒せる力をつけなければならない。
当然だが壮絶な修行が待ち受けている。
それでも、クリスはかけがえのない仲間との時間に幸せを感じているのであった……
いよいよ俺は全てを打ち明ける……
「賢者様、そしてみんな!
ここからは俺に少し時間を下さい。
俺の全てを打ち明けます」
「クリス、もし話したくないなら、
無理に、話さなくても良い」
クレアはクリスに秘密がある事に気づいていた。
覇王だけでなく回復魔法まで覚えている。
そんなことが王家に知られれば、
どんな手を使ってでも囲い込む。
気づけば、クリスが離れてしまうのを恐れていた。
「クレアさん……」
「あねごも言ってるし、
クリスが嫌なら……」
ユーリも絶対に聞かれたくない秘密がある。
それを無理に暴かれるのが、
どれだけ辛いことなのか身をもって知っている。
「俺達はクリスがどんな人柄なのか知っている。
例えどんな秘密があろうが、お前を信じてる」
「みんな、ありがとう……
でも、聞いてほしいんだ!」
「大丈夫、なんだな?」
クレアの問いかけに、クリスは無言で頷く。
「まずは、信じられないかもしれないけれど、
俺はこの時代の人間じゃない……
10年後の未来から来たんだ」
「な、何だと!」
クレアだけでなく、この場に居る者全員が驚く。
「賢者様が同じ席でないと、
信用してもらえない可能性があった……
でも、みんななら、信じてもらえたと思うけど」
正体を打ち明けて拒絶されるのを、
クリスは恐れていた……
しかし、それは勝手な思い込みで、
今は、温かく受け入れてくれると気付いたのだ。
「未来から来たと言ったね……
と言う事はその魔法は、
いったい誰が使ったんだい?」
「フィリアです……」
「なんだって!」
賢者は、危機的な状況下で、
大魔法が発動されたと理解した。
「そうか……
嘘を言っている訳でもなさそうだね。
フィリアのことも知っているんだろう?」
「はい、そして賢者様に、
過去の私に痛めつけて鍛えてもらえ……
そう言われました」
「あははは、そうか……
それは間違いなく私が言ったのだろう」
賢者と話しているが、
他の者は、途中から何を言っているのか分からない。
話に付いていけなくなってしまったのだ。
そのため賢者がフォローする。
「すまないね、あんた達。
間違いなくクリスは未来の人間だ。
私にしか使えない固有スキル、
時空魔法で未来から飛ばされてきた」
「な……」
クレアは賢者が言い切った事に驚愕する。
まさか時空を超える魔法が存在するとは思いもせず、全員が驚いていた。
「あの、もう一つ。
とても大事な事がありまして……」
賢者はこれから打ち明ける内容を推測した。
クレアとの関係についてだ。
クレアの反応を想像して笑みを浮かべている……
「あの、クレアさん……
実は……」
「な、なんだ!
改まって……」
何故かクレアは緊張してしまう。
愛の告白でもされるのかと思うような、
シチュエーションなのだ。
「あの、俺、実は……」
「お、おい、まて!
私は子持ちだ!
それはまず先に言っておくぞ!」
堪えられなくなった賢者は、笑い出す。
声をあげては流石に悪いだろうと、
口を手で押さえて笑いを堪えている。
「あの、子持ちなのも知ってます……」
「お、おい、お前!
それでも、だと……」
急に真っ赤になり、
クレアはしどろもどろになる。
「あの……
俺……あなたの……」
「わあああああ」
顔を真っ赤にして混乱状態に陥り、
目をぐるぐる回している……
「あねご……
落ち着いて……」
「す、すまない……
取り乱した……」
「はい……」
前に置かれている紅茶を飲み、
クレアは心を落ち着かせた。
「どうぞ……」
「あの……
俺の名前はクリス・レガード。
世界で一番愛する貴方の息子です」
「はい?」
一瞬、クリスの言っている意味が理解出来ない。
もう一度、二度、クリスの言葉を思い出す。
「あ、あ、あ……」
そして少しずつクレアは、理解し始めた。
口をぱくぱくしながら、クリスを見ている。
「母上、過去に遡って、
貴方に出逢えて俺は幸せです……」
「ええええええええ」
クレアは更に混乱状況に陥っている。
まさか自分の育てる2歳の子供が、
こんなに大きくなって現れたのだ。
「お前、本当に、
本当に、私の息子のクリスなのか?」
「そうですけど……
父上はゲイル、妹はアリス。
レガード家は剣聖の家系ですよ」
「こ、こんなに格好良くなるなんて、
思うか!」
クレアは盛大にツッコミを入れたが、
ユーリは意外に落ち着いていて、
クレアをフォローする。
「あねご、落ち着いて……
未来で不測の事態が起きて、
それを変えるためにクリスは来た、
そういうことだよね?」
「ほう、小さいのに意外と冷静だね!
そうなんだろ?、クリス……」
「はい……ここからは皆さんにとって、
辛い話になります」
ここまで黙っていたカートが口を開く。
カートは、冷静に会話の内容を整理していた。
「その未来の話を聞いたり、
変えてしまっても大丈夫なのか?」
「カートの言う事も分かる……
だが、それ以上に危険なんだろ?
何せ、私が過去に送ったんだからね」
そしてこれからクリスが、
誰も予想しない事実を打ち明ける。
「ここに居る者で、生き残っているのは
俺とカートさんだけです……」
「な、何だと!」
クレアはまさか、自分とユーリも、
更に賢者でさえも亡くなっているとは思わない。
「未来の私は、
全てをあんたに託したんだね……」
「はい……
未来に戻り、必ず黒騎士を倒します!」
「く、黒騎士だって?」
賢者は黒騎士について驚きを隠せない。
更に、未来のエルフの里で起きたこと。
そしてクレアとユーリは今年、
亡くなる運命にあることを伝えた……
「想像以上に厳しい状況だな。
後、残念だが、お前を未来に送るのに、
一つ問題がある……」
「それは何ですか?」
「それは魔力だよ……
私の10年分の魔力でも足りない。
それを補うために必要な物がある」
「賢者様、それは?」
「それはね……
エルフの里にある、
大樹ユグドラシルの枝だよ」
「な……」
クレアはこのタイミングで、
エルフの里の名前が出てきた事に落胆した。
「申し訳ないけど、今回の作戦で、
ユグドラシルの枝は、絶対に必要なんだ!」
どうしてもエルフの里を救わなければ、
未来に帰れない。
そして賢者が更に口を開く。
「大樹に魔力が集まるのには周期がある……
それがね、今から丁度一年後、
来年には必ずユグドラシルの枝を、
手に入れないといけない!」
たった一年の猶予しかない。
想像以上に時間は限られていた。
「それなら賢者様、
俺に修行をつけてください」
「勿論だよ、クリス!
お前にはこの時代も未来も救ってもらう!」
賢者の言葉に、クリスは無言で頷いた。
そして、その手をユーリが握る。
「クリス、何でも力になる!
だって私たち、友達だからね……」
ユーリは、頬を赤く染めながら、
力になると誓った。
「未来の息子の修行か。
面白いじゃないか……
私が徹底的に強くしてやる!」
クレアも微笑む。
その笑顔は優しさに満ち溢れている。
「さて、ひとまず一年間、
みっちり扱いてやる!
死ぬ気で喰らいつきな!」
そして未来を変えるために修行に取り掛かる。
四天王を倒せる力をつけなければならない。
当然だが壮絶な修行が待ち受けている。
それでも、クリスはかけがえのない仲間との時間に幸せを感じているのであった……
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