七海さん

ホットサン

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第2話

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スタジアムに入ると混み合っていた。
席に座り「じゃあビールとつまみ買ってくる」と柳川が席を立った。
今回のスタジアムは柳川の誘いだった。俺は初めてだったが柳川はよく来るみたいだ。
二人になると七海さんが「中華料理屋を出る時から、何かと柳川がボディタッチしてくるんだ」と言った。
洋に「気持ちには気付いてる」と告げたからボディタッチをしだしたのか、それまでもしてたのか?
俺は、「じゃあ柳川も洋のことは、満更でもないって事かなぁ」と言うと「そうかも知れないね、お互いが好きなら邪魔は出来ないよね」と七海さんは言った。
「それなら洋に戻れば洋次第だけど、今は戻れないから、お膳立てまで俺達でしておくしかないですね」と俺が言うと「陽斗君は洋君を取られても嫉妬しないの?」と聞かれ、少し考えてしまった。
結局、(洋が幸せなら)と応援することにした。七海さんに「そうすると陽斗君。あんたは邪魔者ね」と言われた。
売店が混んでいるのか柳川はなかなか戻ってこなかったので、作戦が色々とたてられた。
ただ、問題は洋がどのタイミングで起きてくるか?だ。
今起きれば、七海さんは引っ込んで、俺達は見守るだけだ。
最後まで起きない時は、、
「柳川と最後までしちゃうのって、七海さんとしてはどうなの?」と聞くと、「柳川に抱かれたとしても体は洋君のだから、あたし的には平気だけど、、さすがに洋君に無断ではちょっと」と言った。
「それに、洋君に戻ってから話が噛み合わなくなる!」とも言った。
それなので今日のところは2人になって良い雰囲気になるところまで。を目標とした。

柳川が席に戻り、とりあえず3人で観戦をした。
途中で俺はスマホを見ながら「なんか親戚の叔母さんが病院に運ばれたらしいんだ、すぐ帰ってこいと、親から連絡が来た」と言った。
七海さんと考え抜いたベタな話だ。
「悪いけど俺だけ先に帰るよ」と言って、一旦出口の方に向かい、柳川に見つからないように他の席で観戦を続けた。
この後の俺の行動も七海さんと確認し合っていて、バッタリと会わないように打ち合わせ済みだ。
後は七海さんに任せることにした。

俺は試合が終わるまでスタジアムにいたが、2人が気になって観戦どころではなかった。そしてそのまま人の波に乗り気になりながら1人でトボトボ帰って行った。
最寄り駅についたのは夜の12時少し前で、終電の1本前だった。
駅に降りると着信があった。
洋だ。
俺はそうっと「もしもし」と電話に出た。
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