上 下
12 / 39
虹色市誕生

12話 ジーモンの悪だくみ

しおりを挟む
 翌朝、町の中央広場では集まった人々が、壇上に上がったジーモン氏に注目していて、ジーモン氏が右手をあげると、場は静かになりました。

「親愛なる虹色市民たち、昨日、魔族の少女がこの広場で少年たちを暴行した!少女はなんだかんだで言いがかりをして、一方的に暴力ぼうりょくを振るったのである!」これに、ジーモン氏の支持者たちは口々にさけびます。

「やっぱり悪魔はタチが悪い!」
「なんて乱暴らんぼうなのかしら!」
「弱い者いじめ反対!」群衆ぐんしゅうの中にいたリリスはジーモンに食ってかかろうとしますが、すぐるが止めます。

「はなせすぐる!全部でっち上げじゃ!」
「だめだよ!何を言っても利用されるだけだ!」ジーモン氏が再び手をあげると、群衆は静まります。

「皆さまのいう事はもっともです!そういう異種族たちを野放しにしておくことは好ましくない!私が市長になったあかつきには、悪魔たちをこの島から追い出し、秩序ある社会を取り戻して見せます!」
「そうだ!やろう!」
「ジーモンさん万歳ばんざい!」
「やい、聞いているか悪魔の女め!ざまみろ!」
「スクルージの野郎やろうは市長選を降りろ!こき下ろせ!」

「・・・やっぱり、こうなったか・・・」すぐるは力なくその場を後にしました。これにリリスも続きます。
「なんじゃ!すぐるは、あの時見て見ぬふりをしていればよかったと言うのか!?」
「・・・いいや、そうじゃない、リリスは間違ったことはしていない!悪いのはあの悪ガキどもだ!」


 ジーモン氏の館では、ジーモン氏が机で不敵な笑みを浮かべています。
「くっくっく・・・!あのガキどもよくやったな!こうも早く運が向いてくるとは・・・!よし、我々も子供に負けてはおれん!いいかお前たち!できるだけ異種族たちに問題を起こさせろ!」ジーモン氏が部下の二人組に命じました。

「お任せ下さい、ジーモン様!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

『完結』夜の姫君 シャノン

マイマイン
児童書・童話
 日本と東欧の国が共に勧めている新しい政策により、日本にも、人間以外の異種族が少しずつ見かけるようになりましたが、種族間の事件や犯罪も起きるようになったのです。 日本の某所にある、山に囲まれた町『かぼちゃ町』に住むシャノンは、昼は女子高生、夜は人間と異種族のために戦うヒロインです。  シャノンの正体や、甘い誘いや『種族』としての本能に抗い、正しいことをする事の大切さなどを感じていただければ幸いです。(この作品はフィクションです。実際の人物や団体、事件などには一切、関係はありません。)

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

処理中です...