18 / 39
忘れられた宝
1話 冒険旅行の始まり
しおりを挟む
平和なスピネル王国の王城に、便利屋をやっている、白いシャツとズボンと白と黒のとんがり帽子をかぶった魔法使いのすぐると、そのパートナーで、茶色のミニスカのワンピースを着用し、長い赤毛を上の方でツインテールにしている魔族のリリスが呼ばれたのです。
「ラグーナ諸島の『忘れられた宝』ですか?」
「うむ、ワシの子どものころから伝え聞いた話では、
その正体は、大昔の先人たちの偉大な遺産で、
大いなる幸福を得られる、かかえきれないほどの宝と言われており、
ワシのご先祖様たちもそれを求めてきた。だからワシは、それを手にし、後世に伝えたいのだ。
こんな私用に騎士団を動かす事はできない。だから、お前たちを呼んだのだ。どうだろう?
なんとかして、ラグーナの『忘れられた宝』を手に入れてきて欲しいのだ。
報酬ははずむからよろしく頼む!」 王様は2人に、
4つの島々が描かれた古ぼけた地図を手渡します。
リリスは地図を手に取ると、口角を上げて言います。
「おお、なんだかわくわくする話じゃな!」
「わかりました。何とかしてみましょう」すぐるもいいました。
「おお!かたじけない!では、船を手配しよう!」
「すぐる、善は急げじゃ!宝探しに出発じゃぁ!」リリスはすぐるの手を引いて港へかけ出します。
「ちょっと!引っ張らないでよ!!」
帆船にゆられること1週間、まもなく船はいかりを下ろし、
南海の島々『ラグーナ諸島』に停泊すると、
すぐるとリリスは船を下りて、ラグーナ諸島の『北島』の地に降り立ちました。
「白い砂浜、透明な海、 生いしげるヤシの木、まさに南国の楽園って感じだね」
「うむ!雲一つない晴天じゃ、我らの旅を 祝福しておるようじゃの!」
所々、アロハシャツを着た観光客や、
水着を着た海水浴客などが行きかっており、
この辺りがリゾート地であることがうかがえます。
「とりあえず、ホテルのロビーで王様からもらった地図を見てみよう」
すぐるとリリスは、ホテルの中へと 入っていきます。
すぐるとリリスは、ホテルのロビーに来てみると、
そこはみがかれた石の床、清潔感のある白い壁、
まさにリゾートホテルと言った感じで、観光客から、ストライプのシャツを着た船乗り風の人など、
様々な人々がいます。2人は、すかさず共用スペースのベンチにすわって、地図を広げてみました。
「なるほど、表がラグーナ諸島の地図で、裏にはなにやら文章が書いてあるね・・・!」
「その文章は宝のありかのヒントかの?」すぐるはうなづきます。
「そう見て間違いないね」2人が地図を見ていると、どこからか、見慣れない3人組がやってきました。
それぞれ、ブタに似た種族のオーク、直立したトカゲの種族リザードマン、
そして、背丈1メートルくらいの妖精の種族ゴブリンと、
それぞれ別種族のガラの悪そうなトリオです。
「よぉ、アンタたちも宝探しかい?」ゴブリンが2人に話しかけてきます。
「な、なんですかあなたたち!?」すぐるが3人に向き直ると、オークが言います。
「おいゲーター、こいつらの地図、オラたちも持っている『忘れられた宝』の地図っすよ!?」
ゲーターと呼ばれたリザードマンも言います。
「間違いないなホッグ!こいつらもオレらと同業者のようだ・・・ラットの兄貴!」
これに、兄貴分のゴブリンが言いました。 「なぁ、よかったら、オイラたちに話を聞かせてくれねぇかな・・・?」
ガラの悪そうな3人は、すぐるとリリスを見回します。
「へっ!この男、見るからに優男って感じだな。たいしたことないぜ!」
ラットはフンと鼻をならします。
「確かに、力はそうでもなさそうだが・・・?」
ゲーターはすぐるを見て首をかしげます。
「でも兄貴、こっちの姉ちゃんはなかなかカワイイっす!スタイルもいいし・・・!」
オークのホッグが鼻の下を伸ばし、頬を赤らめて言います。
「確かに良い女だな・・・へへへ!」ゴブリンのラットがリリスの胸元をじ~っと見ます。
「なんじゃお主は・・・!?どこを見ておる・・・!」リリスは、
イヤそうな顔をしながら引いていると、ラットは にやけた表情で、
リリスの豊満な胸元に手を伸ばします。
「いい乳してるな・・・!おお!ハリがあってやわらけー!」
その瞬間、リリスは一気に目をつり上げ、
鋭い犬歯をむき出しの怒りの形相となり、
ラットの腹に右ストレートをめり込ませると、
ラットはそのまま 腹をおさえてその場にくずれ落ちます。
「何をする・・・!この不埒者ふらちものがぁ!!」
「兄貴っ!このアマ!下手に出ればつけあがりやがって!やってやるっス!」
ホッグも ナイフを抜いてリリスに襲いかかってきますが、
リリスは左手でナイフの手をはじき、 ホッグの鼻に炎の力をやどした
右ストレートをたたき込んで下します。リザードマンのゲーターも後ろから迫ってくると、
リリスは後ろ回しげりで迎えうち、ゲーターも吹っ飛ばされます。3人は起き上がると、
尻尾を巻いて逃げていきます。
「すぐる!奴らを追うぞ!」リリスはすかさず、ガラの悪いトリオを追いかけようとしますが、
すぐるが絵筆の杖を、踏切の棒みたいに
リリスの前にふり下ろします。
「なんのマネじゃすぐる!?」リリスはひるんで、足を止めます。
「待ってリリス!深追いは、やめたほうがいい!」
すぐるはリリスの手を引き、ホテルの外へとかけだします。
すぐるとリリスは安全な雑木林の中へと逃げ込みました。
「ここまでくれば大丈夫だ・・・!」
「さすが、すぐるは機転が効くのぉ!それにしても、やつらは何者じゃ!?」
「ホテルで聞いたけど、『マリンクラン』の連中だろうね、
『海のハイエナ軍団』を名乗る、この辺りを荒らしている海賊団だ。
昔から、この辺りには財宝があるというウワサが絶えないんだよ」
2人は早速、地図を見返すことにしました。 地図の裏にある文章にはこう書かれています。
『世界を支配できる力を秘めた『秘宝』は、太陽の道に最も近い島にあり』
これにリリスはハッとします。
「世界を支配する力を持った秘宝じゃと!?それこそが『忘れられた宝』なのかの?
それに、『太陽の道』とは何じゃ!?」これにすぐるは言いました。
「『太陽の道』って、恐らく『赤道』の事だと思うよ。この辺りは北半球だから、
赤道は南だね、南の火山島に行ってみよう」
「ラグーナ諸島の『忘れられた宝』ですか?」
「うむ、ワシの子どものころから伝え聞いた話では、
その正体は、大昔の先人たちの偉大な遺産で、
大いなる幸福を得られる、かかえきれないほどの宝と言われており、
ワシのご先祖様たちもそれを求めてきた。だからワシは、それを手にし、後世に伝えたいのだ。
こんな私用に騎士団を動かす事はできない。だから、お前たちを呼んだのだ。どうだろう?
なんとかして、ラグーナの『忘れられた宝』を手に入れてきて欲しいのだ。
報酬ははずむからよろしく頼む!」 王様は2人に、
4つの島々が描かれた古ぼけた地図を手渡します。
リリスは地図を手に取ると、口角を上げて言います。
「おお、なんだかわくわくする話じゃな!」
「わかりました。何とかしてみましょう」すぐるもいいました。
「おお!かたじけない!では、船を手配しよう!」
「すぐる、善は急げじゃ!宝探しに出発じゃぁ!」リリスはすぐるの手を引いて港へかけ出します。
「ちょっと!引っ張らないでよ!!」
帆船にゆられること1週間、まもなく船はいかりを下ろし、
南海の島々『ラグーナ諸島』に停泊すると、
すぐるとリリスは船を下りて、ラグーナ諸島の『北島』の地に降り立ちました。
「白い砂浜、透明な海、 生いしげるヤシの木、まさに南国の楽園って感じだね」
「うむ!雲一つない晴天じゃ、我らの旅を 祝福しておるようじゃの!」
所々、アロハシャツを着た観光客や、
水着を着た海水浴客などが行きかっており、
この辺りがリゾート地であることがうかがえます。
「とりあえず、ホテルのロビーで王様からもらった地図を見てみよう」
すぐるとリリスは、ホテルの中へと 入っていきます。
すぐるとリリスは、ホテルのロビーに来てみると、
そこはみがかれた石の床、清潔感のある白い壁、
まさにリゾートホテルと言った感じで、観光客から、ストライプのシャツを着た船乗り風の人など、
様々な人々がいます。2人は、すかさず共用スペースのベンチにすわって、地図を広げてみました。
「なるほど、表がラグーナ諸島の地図で、裏にはなにやら文章が書いてあるね・・・!」
「その文章は宝のありかのヒントかの?」すぐるはうなづきます。
「そう見て間違いないね」2人が地図を見ていると、どこからか、見慣れない3人組がやってきました。
それぞれ、ブタに似た種族のオーク、直立したトカゲの種族リザードマン、
そして、背丈1メートルくらいの妖精の種族ゴブリンと、
それぞれ別種族のガラの悪そうなトリオです。
「よぉ、アンタたちも宝探しかい?」ゴブリンが2人に話しかけてきます。
「な、なんですかあなたたち!?」すぐるが3人に向き直ると、オークが言います。
「おいゲーター、こいつらの地図、オラたちも持っている『忘れられた宝』の地図っすよ!?」
ゲーターと呼ばれたリザードマンも言います。
「間違いないなホッグ!こいつらもオレらと同業者のようだ・・・ラットの兄貴!」
これに、兄貴分のゴブリンが言いました。 「なぁ、よかったら、オイラたちに話を聞かせてくれねぇかな・・・?」
ガラの悪そうな3人は、すぐるとリリスを見回します。
「へっ!この男、見るからに優男って感じだな。たいしたことないぜ!」
ラットはフンと鼻をならします。
「確かに、力はそうでもなさそうだが・・・?」
ゲーターはすぐるを見て首をかしげます。
「でも兄貴、こっちの姉ちゃんはなかなかカワイイっす!スタイルもいいし・・・!」
オークのホッグが鼻の下を伸ばし、頬を赤らめて言います。
「確かに良い女だな・・・へへへ!」ゴブリンのラットがリリスの胸元をじ~っと見ます。
「なんじゃお主は・・・!?どこを見ておる・・・!」リリスは、
イヤそうな顔をしながら引いていると、ラットは にやけた表情で、
リリスの豊満な胸元に手を伸ばします。
「いい乳してるな・・・!おお!ハリがあってやわらけー!」
その瞬間、リリスは一気に目をつり上げ、
鋭い犬歯をむき出しの怒りの形相となり、
ラットの腹に右ストレートをめり込ませると、
ラットはそのまま 腹をおさえてその場にくずれ落ちます。
「何をする・・・!この不埒者ふらちものがぁ!!」
「兄貴っ!このアマ!下手に出ればつけあがりやがって!やってやるっス!」
ホッグも ナイフを抜いてリリスに襲いかかってきますが、
リリスは左手でナイフの手をはじき、 ホッグの鼻に炎の力をやどした
右ストレートをたたき込んで下します。リザードマンのゲーターも後ろから迫ってくると、
リリスは後ろ回しげりで迎えうち、ゲーターも吹っ飛ばされます。3人は起き上がると、
尻尾を巻いて逃げていきます。
「すぐる!奴らを追うぞ!」リリスはすかさず、ガラの悪いトリオを追いかけようとしますが、
すぐるが絵筆の杖を、踏切の棒みたいに
リリスの前にふり下ろします。
「なんのマネじゃすぐる!?」リリスはひるんで、足を止めます。
「待ってリリス!深追いは、やめたほうがいい!」
すぐるはリリスの手を引き、ホテルの外へとかけだします。
すぐるとリリスは安全な雑木林の中へと逃げ込みました。
「ここまでくれば大丈夫だ・・・!」
「さすが、すぐるは機転が効くのぉ!それにしても、やつらは何者じゃ!?」
「ホテルで聞いたけど、『マリンクラン』の連中だろうね、
『海のハイエナ軍団』を名乗る、この辺りを荒らしている海賊団だ。
昔から、この辺りには財宝があるというウワサが絶えないんだよ」
2人は早速、地図を見返すことにしました。 地図の裏にある文章にはこう書かれています。
『世界を支配できる力を秘めた『秘宝』は、太陽の道に最も近い島にあり』
これにリリスはハッとします。
「世界を支配する力を持った秘宝じゃと!?それこそが『忘れられた宝』なのかの?
それに、『太陽の道』とは何じゃ!?」これにすぐるは言いました。
「『太陽の道』って、恐らく『赤道』の事だと思うよ。この辺りは北半球だから、
赤道は南だね、南の火山島に行ってみよう」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
夫に惚れた友人がよく遊びに来るんだが、夫に「不倫するつもりはない」と言われて来なくなった。
ほったげな
恋愛
夫のカジミールはイケメンでモテる。友人のドーリスがカジミールに惚れてしまったようで、よくうちに遊びに来て「食事に行きませんか?」と夫を誘う。しかし、夫に「迷惑だ」「不倫するつもりはない」と言われてから来なくなった。
私をもう愛していないなら。
水垣するめ
恋愛
その衝撃的な場面を見たのは、何気ない日の夕方だった。
空は赤く染まって、街の建物を照らしていた。
私は実家の伯爵家からの呼び出しを受けて、その帰路についている時だった。
街中を、私の夫であるアイクが歩いていた。
見知った女性と一緒に。
私の友人である、男爵家ジェーン・バーカーと。
「え?」
思わず私は声をあげた。
なぜ二人が一緒に歩いているのだろう。
二人に接点は無いはずだ。
会ったのだって、私がジェーンをお茶会で家に呼んだ時に、一度顔を合わせただけだ。
それが、何故?
ジェーンと歩くアイクは、どこかいつもよりも楽しげな表情を浮かべてながら、ジェーンと言葉を交わしていた。
結婚してから一年経って、次第に見なくなった顔だ。
私の胸の内に不安が湧いてくる。
(駄目よ。簡単に夫を疑うなんて。きっと二人はいつの間にか友人になっただけ──)
その瞬間。
二人は手を繋いで。
キスをした。
「──」
言葉にならない声が漏れた。
胸の中の不安は確かな形となって、目の前に現れた。
──アイクは浮気していた。
さようなら、元旦那様。早く家から出ていってくださいな?
水垣するめ
恋愛
ある日、突然夫のカイル・グラントが離婚状を叩きつけてきた。
理由は「君への愛が尽きたから」だそうだ。
しかし、私は知っていた。
カイルが離婚する本当の理由は、「夫婦の財産は全て共有」という法を悪用して、私のモーガン家のお金を使い尽くしたので、逃げようとしているためだ。
当然逃がすつもりもない。
なので私はカイルの弱点を掴むことにして……。
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。
大自然の魔法師アシュト、廃れた領地でスローライフ
さとう
ファンタジー
書籍1~8巻好評発売中!
コミカライズ連載中! コミックス1~3巻発売決定!
ビッグバロッグ王国・大貴族エストレイヤ家次男の少年アシュト。
魔法適正『植物』という微妙でハズレな魔法属性で将軍一家に相応しくないとされ、両親から見放されてしまう。
そして、優秀な将軍の兄、将来を期待された魔法師の妹と比較され、将来を誓い合った幼馴染は兄の婚約者になってしまい……アシュトはもう家にいることができず、十八歳で未開の大地オーベルシュタインの領主になる。
一人、森で暮らそうとするアシュトの元に、希少な種族たちが次々と集まり、やがて大きな村となり……ハズレ属性と思われた『植物』魔法は、未開の地での生活には欠かせない魔法だった!
これは、植物魔法師アシュトが、未開の地オーベルシュタインで仲間たちと共に過ごすスローライフ物語。
理想の王妃様
青空一夏
児童書・童話
公爵令嬢イライザはフィリップ第一王子とうまれたときから婚約している。
王子は幼いときから、面倒なことはイザベルにやらせていた。
王になっても、それは変わらず‥‥側妃とわがまま遊び放題!
で、そんな二人がどーなったか?
ざまぁ?ありです。
お気楽にお読みください。
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
さようなら、家族の皆さま~不要だと捨てられた妻は、精霊王の愛し子でした~
みなと
ファンタジー
目が覚めた私は、ぼんやりする頭で考えた。
生まれた息子は乳母と義母、父親である夫には懐いている。私のことは、無関心。むしろ馬鹿にする対象でしかない。
夫は、私の実家の資産にしか興味は無い。
なら、私は何に興味を持てばいいのかしら。
きっと、私が生きているのが邪魔な人がいるんでしょうね。
お生憎様、死んでやるつもりなんてないの。
やっと、私は『私』をやり直せる。
死の淵から舞い戻った私は、遅ればせながら『自分』をやり直して楽しく生きていきましょう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる