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1章
キャンベル編1-4 パラグリラマシン
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「おお!よく連れて帰ってきました!ありがとうございます!」ゴールド団長はキャンベルたちにお礼を言うと、マチエールもキャンベルに会釈しました。
「どういたしまして、ところで『パラグリラマシン』とは何ですか?」その瞬間、ゴールド団長の目つきが真剣になりました。
「・・・我々がこの地に降り立ったのも、あなた方を招待したのも、全てはその『パラグリラマシン』のためなのです。私についてきてください」
ゴールド団長は、キャンベルたち三人を連れて、テントの中の広場から、さらに通路の奥へと進んでいきます。突き当たったところに小部屋があり、四人が入ると、ゴールド団長がレバーを下へと下げます。すると、部屋の格子戸が閉まり、部屋が下へと降りていきます。
「これはエレベーターですね、テントの下の王冠の部分の中です」エレベーターが下まで降り切ると、格子戸が開き、薄暗く大きな空間に着きました。ゴールド団長が壁のレバーを上にあげると、空間が一気に明るくなり、キャンベルたちの目の前に大きな装置がありました。
「なんだろうね・・・これ・・・?」
「まるで、教会にあるパイプオルガンですね・・・!」
「もしかして・・・この大きなオルガンが・・・!?」ゴールド団長がうなずきます。
「そう、この機械こそ、外ならぬ『パラグリラマシン』なのです!」空間の端を埋め尽くすような巨大なパラグリラマシンは、三段の鍵盤からなるパイプオルガンの本体に、上部にトランペットのような吹き出し口のある柱が左右に二本ずつ立ち、ところどころ歯車が出ています。
「ところで、ゴールド団長はこれをどうする気なのですか?」キャンベルがたずねます。
「それは、このマシンを完成させるのが、私たちの目的であり、師匠から託された使命なのです」
「師匠から託された使命ですか・・・?詳しく聞かせてください」ゴールド団長は咳払いしました。
「元々、私と弟のシルバーは、スピネル王国の貴族でした。魔法の才能があった私たち兄弟は、魔法結社『バラ十字団』の賢者マーリン様の元で修業を重ね、共に一級魔導士の資格を得て卒業しました。
しかし、私の弟シルバーは修行で得た魔法や、持ち前の地位や財産を、己の欲を満たすために使うようになり、考えの違いから、私たち兄弟はそれぞれ別の道を行くことにしました。
ある時、『幻想界平和連盟』の新代表となったわが師マーリン様は、かつての連盟が使おうとした『心理操作装置』を改造し、本当の世界平和の役に立つ物を造ろうとおっしゃいました」それを聞いたキャンベルはハッとします。
「もしかして、パラグリラマシンを完成させると言うのは・・・!?」ゴールド団長はうなずきます。
「そう!この『心理操作装置』を、『真の世界平和のための装置』に作り変えることなのです。聞いた人々の正の心に働きかけて活力を与える装置に・・・!」これに、レミオンが言いました。
「なるほど、元々、人々の心を操る装置なら、あのグーラたちも欲しがるわけだ・・・!」
「そうです、悪しきものの手に渡れば、人々は支配されてしまうでしょう。我々が世界各地を周り、ゲリラ興行を続けるのには、マシン完成の資金かせぎや団員たちを養うためでもありますが、師匠から託されたこのマシンを、悪者たちから守るためでもあるのです」キャンベルたちはうなずきました。
「なるほどですね、それで、わたしたちを招待したのは・・・!?」これにゴールド団長もうなずきます。
「そう、あなた方便利屋に、私たちの手伝いを依頼したいのです。なんとか頑張っているのですが、まだまだ完成には程遠いのです」
「わかりました、何とかやってみましょう」キャンベルたちはうなずきました。
「ありがとうございます!サーカス団を代表して感謝の意を表します!」
「どういたしまして、ところで『パラグリラマシン』とは何ですか?」その瞬間、ゴールド団長の目つきが真剣になりました。
「・・・我々がこの地に降り立ったのも、あなた方を招待したのも、全てはその『パラグリラマシン』のためなのです。私についてきてください」
ゴールド団長は、キャンベルたち三人を連れて、テントの中の広場から、さらに通路の奥へと進んでいきます。突き当たったところに小部屋があり、四人が入ると、ゴールド団長がレバーを下へと下げます。すると、部屋の格子戸が閉まり、部屋が下へと降りていきます。
「これはエレベーターですね、テントの下の王冠の部分の中です」エレベーターが下まで降り切ると、格子戸が開き、薄暗く大きな空間に着きました。ゴールド団長が壁のレバーを上にあげると、空間が一気に明るくなり、キャンベルたちの目の前に大きな装置がありました。
「なんだろうね・・・これ・・・?」
「まるで、教会にあるパイプオルガンですね・・・!」
「もしかして・・・この大きなオルガンが・・・!?」ゴールド団長がうなずきます。
「そう、この機械こそ、外ならぬ『パラグリラマシン』なのです!」空間の端を埋め尽くすような巨大なパラグリラマシンは、三段の鍵盤からなるパイプオルガンの本体に、上部にトランペットのような吹き出し口のある柱が左右に二本ずつ立ち、ところどころ歯車が出ています。
「ところで、ゴールド団長はこれをどうする気なのですか?」キャンベルがたずねます。
「それは、このマシンを完成させるのが、私たちの目的であり、師匠から託された使命なのです」
「師匠から託された使命ですか・・・?詳しく聞かせてください」ゴールド団長は咳払いしました。
「元々、私と弟のシルバーは、スピネル王国の貴族でした。魔法の才能があった私たち兄弟は、魔法結社『バラ十字団』の賢者マーリン様の元で修業を重ね、共に一級魔導士の資格を得て卒業しました。
しかし、私の弟シルバーは修行で得た魔法や、持ち前の地位や財産を、己の欲を満たすために使うようになり、考えの違いから、私たち兄弟はそれぞれ別の道を行くことにしました。
ある時、『幻想界平和連盟』の新代表となったわが師マーリン様は、かつての連盟が使おうとした『心理操作装置』を改造し、本当の世界平和の役に立つ物を造ろうとおっしゃいました」それを聞いたキャンベルはハッとします。
「もしかして、パラグリラマシンを完成させると言うのは・・・!?」ゴールド団長はうなずきます。
「そう!この『心理操作装置』を、『真の世界平和のための装置』に作り変えることなのです。聞いた人々の正の心に働きかけて活力を与える装置に・・・!」これに、レミオンが言いました。
「なるほど、元々、人々の心を操る装置なら、あのグーラたちも欲しがるわけだ・・・!」
「そうです、悪しきものの手に渡れば、人々は支配されてしまうでしょう。我々が世界各地を周り、ゲリラ興行を続けるのには、マシン完成の資金かせぎや団員たちを養うためでもありますが、師匠から託されたこのマシンを、悪者たちから守るためでもあるのです」キャンベルたちはうなずきました。
「なるほどですね、それで、わたしたちを招待したのは・・・!?」これにゴールド団長もうなずきます。
「そう、あなた方便利屋に、私たちの手伝いを依頼したいのです。なんとか頑張っているのですが、まだまだ完成には程遠いのです」
「わかりました、何とかやってみましょう」キャンベルたちはうなずきました。
「ありがとうございます!サーカス団を代表して感謝の意を表します!」
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