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1章
すぐる編1-12 VIPルーム陥落
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「行くぜ!」ボブは剣を抜いて、アスモに切りかかりますが、アスモは瞬時に姿を消しました。
「な・・・!どこへ消えた!?」
「ここだ!」背後からアスモの声がすると、ボブが振り向くよりも早く、闇の魔力で覆われたアスモの手刀は、ボブの剣をへし折り、ボブを吹っ飛ばしてしまいました。
「・・・なんて強大な魔力だ・・・!」すぐるがボブの元へ行き、回復の魔法を使っている間に、エルニスが短剣を抜いておどり出ました。
「喰らうがいい!」リリスが口から炎を吐きだすと、マリスも口から白く輝く冷気を吐き出し、リリスの炎を打ち消します。
「ぬ・・・!アイス種のデビルか・・・!」
「ファイア種のデビル・・・!やはり分家クリムゾン家の姫リリス・マルコシアス・クリムゾンね!」
「ぬ!お主!妾の名を・・・!?」
「ブレスじゃ互角でも、魔力ではどうかしら!?」マリスは自分の前に氷の壁を作りました。
「なんじゃ!こんな氷の壁など!」リリスは拳を何度も突き出しますが、氷の壁は傷一つつきません。
「そんな力じゃ私の氷は砕けなくってよ!」しかし、リリスは慌てません。
「ならば、これならどうじゃ!」リリスの全身を、燃え盛るオーラが包み込みます。
「・・・これは・・・!」リリスは炎のオーラをまとった拳を氷の壁にたたきつけると、氷の壁にひびが入り、二発目で粉々に砕け散りました。
「そんな!私の魔力の氷が・・・!ハッ!」驚くマリスにリリスは間髪入れずに腹にワンツーとパンチを決め、マリスが腹をおさえているスキに、側頭部に爆炎をまとった回し蹴りを叩きこんで倒しました。
「これぞ、妾の奥義『バーサクブレイズ』!炎のオーラの鎧よ!」
「・・・そんな!魔力の弱い下級魔族なんかに・・・私が負けるなんて・・・!」必死に立とうとしているマリスに対し、リリスが仁王立ちで言いました。
「うむ!確かに妾は生まれつき魔力が弱い!亡き両親からも魔力に関しては望みがうすいとまで言われた。
だが、鬼種族(鬼の仲間)としての腕っぷしや体力には自信があった!だから、無理に魔力を伸ばそうとせず、肉体や闘気を鍛え、この町の道場で、実戦的な武術を習得したのじゃ!」それを聞いたマリスは驚きました。
「・・・そんな!私たちよりも非力な人間なんかに戦い方を教わったの・・・!?」
「・・・非力であったがゆえに、少ない力を生かす技が発達したのだろうな」
「そんな・・・バカな・・・ガクッ」マリスは力なく倒れました。
「そんな!マリスがやられただと・・・!?ハッ!」エルニスの電撃を帯びた短剣を、アスモは間一髪でかわしますが、電気の火花で少しダメージを受けました。
「思ったより速いな・・・!なら、これはどうだ!」アスモが目の前から消えたかと思うと、背後に現れたり、再び目の前に現れたりと、出たり消えたりを繰り返します。
「どうだ!?オレの位置がわかるかな!?」
「なら、クリアーキュア!」すぐるが幻惑を解除する魔法を使うと、アスモは戸惑いました。
「バカな!オレの魔力を打ち破るだと!」そのスキに、エルニスが電撃の短剣でアスモを斬りつけます。
「ぐぁあああああっ!」アスモも膝をつき、立とうとしても立てませんでした。
「・・・これでどうなるか分かっているだろうな?エルニスとキャンベルはおろか、あの女子生徒たちもこの学校にいられなくなるぞ・・・!」
「それを決めるのはあなたじゃありません!」アスモがハッとして声のしたほうを見ると、キャンベルと茶色のスーツを着込んだ中年の男性が立っていました。
「・・・と、父さん・・・!?」
「アスモ、これまで大目に見てきたが、もうこれっきりだ!お前のしてきたことは目に余る!かくなる上は、お前を退学処分とし、我が学校法人から永久追放する!」
それを聞いたアスモは何も言わず、頭をうなだれるしかありませんでした。
「リリスお姉さまぁ~!」アスモの魔術から解放されたシェリーはリリスと抱き合いました。
「うむ、シェリー、ケガはないかの!?」
「ええ!」
ボブは、何もできなかった自分に歯噛みしていました。間もなく、キーパーたちがやって来て、アスモを連行していったのです。すぐるはハッとして、床に落ちている物を見つけました。
「この水色の四角形のメダルは・・・!」それを見たキャンベルは叫びました。
「間違いありません、それは七つのメダルの一つ、『勇者のメダル』ですよ!」
「やった、一つ目のメダルをゲットしたぞ!」しかし、リリスはハッとして辺りを見回します。
「ぬ!?あのマリスの姿が見えぬぞ!?」
空がオレンジ色に染まっている町中を、マリスが足を引きずるように歩いています。
「・・・おのれ・・・リリス!この屈辱は必ず!よく考えたらアスモなんて、私よりも魔力が弱いし、あいつの言った通り、七光りだけの男だったわね・・・
でも、リリスのパートナーの魔法使い、アスモの魔力をいとも簡単に破るなんて・・・!そうだわ、彼を手に入れられれば・・・フフフ・・・!」
「な・・・!どこへ消えた!?」
「ここだ!」背後からアスモの声がすると、ボブが振り向くよりも早く、闇の魔力で覆われたアスモの手刀は、ボブの剣をへし折り、ボブを吹っ飛ばしてしまいました。
「・・・なんて強大な魔力だ・・・!」すぐるがボブの元へ行き、回復の魔法を使っている間に、エルニスが短剣を抜いておどり出ました。
「喰らうがいい!」リリスが口から炎を吐きだすと、マリスも口から白く輝く冷気を吐き出し、リリスの炎を打ち消します。
「ぬ・・・!アイス種のデビルか・・・!」
「ファイア種のデビル・・・!やはり分家クリムゾン家の姫リリス・マルコシアス・クリムゾンね!」
「ぬ!お主!妾の名を・・・!?」
「ブレスじゃ互角でも、魔力ではどうかしら!?」マリスは自分の前に氷の壁を作りました。
「なんじゃ!こんな氷の壁など!」リリスは拳を何度も突き出しますが、氷の壁は傷一つつきません。
「そんな力じゃ私の氷は砕けなくってよ!」しかし、リリスは慌てません。
「ならば、これならどうじゃ!」リリスの全身を、燃え盛るオーラが包み込みます。
「・・・これは・・・!」リリスは炎のオーラをまとった拳を氷の壁にたたきつけると、氷の壁にひびが入り、二発目で粉々に砕け散りました。
「そんな!私の魔力の氷が・・・!ハッ!」驚くマリスにリリスは間髪入れずに腹にワンツーとパンチを決め、マリスが腹をおさえているスキに、側頭部に爆炎をまとった回し蹴りを叩きこんで倒しました。
「これぞ、妾の奥義『バーサクブレイズ』!炎のオーラの鎧よ!」
「・・・そんな!魔力の弱い下級魔族なんかに・・・私が負けるなんて・・・!」必死に立とうとしているマリスに対し、リリスが仁王立ちで言いました。
「うむ!確かに妾は生まれつき魔力が弱い!亡き両親からも魔力に関しては望みがうすいとまで言われた。
だが、鬼種族(鬼の仲間)としての腕っぷしや体力には自信があった!だから、無理に魔力を伸ばそうとせず、肉体や闘気を鍛え、この町の道場で、実戦的な武術を習得したのじゃ!」それを聞いたマリスは驚きました。
「・・・そんな!私たちよりも非力な人間なんかに戦い方を教わったの・・・!?」
「・・・非力であったがゆえに、少ない力を生かす技が発達したのだろうな」
「そんな・・・バカな・・・ガクッ」マリスは力なく倒れました。
「そんな!マリスがやられただと・・・!?ハッ!」エルニスの電撃を帯びた短剣を、アスモは間一髪でかわしますが、電気の火花で少しダメージを受けました。
「思ったより速いな・・・!なら、これはどうだ!」アスモが目の前から消えたかと思うと、背後に現れたり、再び目の前に現れたりと、出たり消えたりを繰り返します。
「どうだ!?オレの位置がわかるかな!?」
「なら、クリアーキュア!」すぐるが幻惑を解除する魔法を使うと、アスモは戸惑いました。
「バカな!オレの魔力を打ち破るだと!」そのスキに、エルニスが電撃の短剣でアスモを斬りつけます。
「ぐぁあああああっ!」アスモも膝をつき、立とうとしても立てませんでした。
「・・・これでどうなるか分かっているだろうな?エルニスとキャンベルはおろか、あの女子生徒たちもこの学校にいられなくなるぞ・・・!」
「それを決めるのはあなたじゃありません!」アスモがハッとして声のしたほうを見ると、キャンベルと茶色のスーツを着込んだ中年の男性が立っていました。
「・・・と、父さん・・・!?」
「アスモ、これまで大目に見てきたが、もうこれっきりだ!お前のしてきたことは目に余る!かくなる上は、お前を退学処分とし、我が学校法人から永久追放する!」
それを聞いたアスモは何も言わず、頭をうなだれるしかありませんでした。
「リリスお姉さまぁ~!」アスモの魔術から解放されたシェリーはリリスと抱き合いました。
「うむ、シェリー、ケガはないかの!?」
「ええ!」
ボブは、何もできなかった自分に歯噛みしていました。間もなく、キーパーたちがやって来て、アスモを連行していったのです。すぐるはハッとして、床に落ちている物を見つけました。
「この水色の四角形のメダルは・・・!」それを見たキャンベルは叫びました。
「間違いありません、それは七つのメダルの一つ、『勇者のメダル』ですよ!」
「やった、一つ目のメダルをゲットしたぞ!」しかし、リリスはハッとして辺りを見回します。
「ぬ!?あのマリスの姿が見えぬぞ!?」
空がオレンジ色に染まっている町中を、マリスが足を引きずるように歩いています。
「・・・おのれ・・・リリス!この屈辱は必ず!よく考えたらアスモなんて、私よりも魔力が弱いし、あいつの言った通り、七光りだけの男だったわね・・・
でも、リリスのパートナーの魔法使い、アスモの魔力をいとも簡単に破るなんて・・・!そうだわ、彼を手に入れられれば・・・フフフ・・・!」
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