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8章 魔王軍との決戦

8-3 騎士の決闘

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 エントランスを抜けて、白い壁と柱に支えられ、レッドカーペットがかれた大広間にたどり着くと、そこには三本の角が特徴とくちょうのトリケラトプスの頭を持つよろい騎士きしが、三又みつまたやりを持ってかまえていました。その姿にメガロはハッとします。

「お前は・・・トリケロイド!無事だったのか・・・!?」
「ひさしいなメガロ、見ての通りだ」
「・・・よかった!」メガロはあんどの表情を見せました。

「お前が託してくれた船のおかげで、多くの捕虜ほりょを逃がすことができ、こうして魔王を倒すための体勢たいせいを立て直すことができた・・・!できるなら、お前も協力してくれないか・・・!」メガロがこう言うと、トリケロイドは首を横に振ります。

「残念だが、お前と共に魔王と戦うことはできん!」
「なぜだ!?」

それがしは魔王軍の親衛しんえい隊長たいちょう!アガレス様の命には逆らえない・・・!それに今、玉座の間にいるのは強大な力を得た魔王だ!それに立ち向かうと言うのなら、ここでそれがしとお前、一対一の勝負をしろ!」

トリケロイドの意思をさっしたメガロは、聖者の杖をかまえ、亀の怪物の姿になりました。
「いいだろう!」

 間もなく、騎士の決闘けっとうが始まりました。鋭い槍の一突きを、杖で受けて流したかと思うと、氷の杖で下から上へなぎ払い、続いて、電撃の槍による乱れ突きを受け切れずに、傷を受けてしまったり、両者の間では、杖と槍のぶつかり合いが続きます。

「あのメガロと互角ごかくだ・・・!」ロレンスが刮目かつもくして両者の激闘を見守ります。

「それに、あの竜人りゅうじん騎士きしの目には、並々なみなみならぬ覚悟が見える!」レミオンも感心しています。

 そして、お互いに距離を取り、武器をぶつけ合うとかと思いきや、メガロは杖のでトリケロイドの槍の穂先ほさきをいなし、氷で作った杖の穂先をトリケロイドの顔に向けたのです。

「見事なり、冬将軍メガロ・・・!我が主の事はお前に・・・たくす!」
「やはり、そういう事か・・・!」
「どういう事?」エルニスがたずねると、メガロが言いました。

「こいつは、あえておれに決闘けっとうを申し込み、おれに勝ったら自分が魔王を止める気でいたんだ!」
「そんな・・・!」

「そういう事だ・・・!確かに、アガレス王が魔王に変わられていたことはわかっていた・・・だが、某は王国の盾、親衛隊の隊長・・・!アガレス王の命令には逆らえん・・・!だから、あえて決闘をもうし込み、勝った方に我が主の事を託そうと思ったまでだ・・・!」

「相変わらずの忠誠心ちゅうせいしんだ、食わせ物の多い魔王軍において、お前は尊敬そんけいあたいすると思っていたが、思い違いではなかったようだ、わかった!お前の思いは受け取った!魔王の事はおれたちに任せるがいい!」

「かたじけない・・・!だが、気を付けるのだ!あの魔王には何かがある!」トリケロイドは上の玉座の間の扉を開けました。
「さぁ、行かれよ!」

「では!」メガロたちは、玉座の間への階段を上っていきました。
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