一本の桜 ➤ 記憶

藤原 向夏

文字の大きさ
上 下
1 / 4

記憶 の 底へ

しおりを挟む
 私は、雷 。 私は ある 桜の木が 好きだ  。
今日も その桜の木を 友達の 秋雷と 見に行く  。
「  秋雷  ~   .ᐟ.ᐟ  」私は秋雷に声を掛けた  。
「  何 ?  雷ちゃん」私は秋雷と昔からの知り合いでいつも一緒に居た 。 でもある日を境に私達の友情は壊れた 。
 秋雷が不登校になった。クラスの人に虐められて誰も信じられなくなってしまったらしい。私は心配で秋雷にメールをした。「 大丈夫?」。返事は 「あんたには関係ない。」そこから 暫く口論が続いた結果  私達は 縁を切る事になった 。仕方のない事だった。お互い無理をしていたんだ。私は馬鹿みたいに笑って秋雷も私のノリに付き合っていただけ、演技なんてする必要なかった。私の心配は無意味なんだ。私は泣き崩れた 。

  次の日になった。学校に行かないといけない、めんどくさい。
「秋雷の為に行かないと...」あれ、私今なんて言った 。 秋雷? 秋雷とはもう縁を切ったはずなのになんで 佐野さんの名前が...。考えていても仕方ないし、学校に間に合わないから行こう 。

  チャイムが鳴り ギリギリ間に合った 。佐野さんはいない。なんで私、こんな佐野さんの事を心配しているんだろう。友達でもないのに、それに私の友達は陸だしね。
「 陸  ~  .ᐟ.ᐟ 」私は陸に話しかけた。
「 なんだよ、雷 」少し忙しそうにしている。
「 忙しかった?」私は首を傾げて聞いた 。
「 まぁ ちょっとな」彼はそう答えた 。
「ねぇ、桜の木見に行かない?」私は首を傾げて彼にそう聞いた。
「 いいぜ 」笑顔で了承してくれた。
私と彼は仲がよくて同級生達には付き合ってるとか謎の説を立てられている。別に彼は私の事恋愛の意味で好きとは思ってないだろうし、私だって彼のことあまり知らない。でももしよかったら付き合いたいとも心の 何処かで思っている自分がいる。何考えているんだろう。私の馬鹿.ᐟ.ᐟ
「何やってんだ?」彼が首を傾げながら私に聞いてきた。
「別に.ᐟ.ᐟ」私は驚いて動揺を隠せなかった。
「ふーん」彼は知らないようなフリをしてまた歩き出した。彼は私の気持ちなんて分かってない。まるで秋雷みたい。あれ、なんでまた佐野さんの名前が …。
最近なんか佐野さんの事考えてばっかだな~。どうしちゃったんだろう。私の友達は陸だけなのに、なんで佐野さんの名前が出てきてばっかなのかな。わからないや、こんなに考えていても理由が分からない。
「雷~ついたぞ~」彼がそう言った。
「此処に来るの久しぶりだね~」私が微笑みながら彼にそう言った。
「そうだな」彼も微笑みながら私にそう答えた。
私の心臓がもたないよ。なんで陸はこんなにイケメンなの~.ᐟ.ᐟもう顔赤くなるじゃん。
「雷?顔赤いけど」彼が私にそう言ってきた。
えっ、私いつの間に顔を赤くして…。
「なんでもないよ」私は動揺しながら彼にそう言った。すると彼は「心配させんなよ」と言ってきた。
心配?何処かでした気がする誰だっけ…。思い出せない。陸なら知ってるのかな。でもいきなりこんな事聞くのもアレだしもうちょっと自分で考えてみよう。でもそこからまた、何か大切なことを忘れていく。
「雷。帰るぞー。」彼が私にそう言った。私は、あれここ何処だっけ?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

悪役令嬢にざまぁされた王子のその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。 その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。 そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。 マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。 人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

処理中です...