落書き置き場

山法師

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解き放つ

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「確認だけど」
「うん?」
「これの名前、ゴリアテ? だっけ?」
「ごめんちょっと覚えてない。てかその方面詳しくない」

 森を歩き峠を越え、たどり着いた先。高く高く天に向かって聳え立つそれを見上げながら、私達はぬぼーっとした会話をする。

「言えた方じゃないけど覚えとけ。……詳しくないのになんで一緒に来てんだよ」
「面白そうで」

 言いながらその壁面、正しくは壁面じゃないけどそれに手を突いた。
 壁は上に行けば行くほど空の青と混ざるようにして、全体像なんか窺えない。

「だってさ」

 これは、大昔からここに繋がれているとかいう、

「この巨人。これを」

 それを今から。

「逃がすんでしょ?」

 ワクワクしかないじゃん。と歯を見せて笑ったら、隣のそいつは呆れたように肩をすくめた。


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