112 / 134
112 サインと取材
しおりを挟む
ド緊張してるエイプリルさんのその言葉で、三人でホールへ向かうことに。
……あの方々、見覚えあるな。前に来てくれた女性三人組のお客様だ。その中の一人がかけてるファッショングラスも、同じだし。
休業日だけど明るい店内の、テーブルを2つくっつけて、その三人の方々とラファエルさんが、対面で座ってる。
そして皆さんが、こっちへ顔を向ける。
「光海も来てたから、二人ともに来てもらっちゃった」
アデルさんの言葉に、
「ああ、そうだったのか。光海、すまないね。確認出来てなかったよ」
ラファエルさんが、席を立ちながら言う。
「いえ、何も問題ないです。それで、どうすれば良いでしょう?」
エイプリルさん、一言も話せてないけど、大丈夫かな。見た目、ガチガチだし。
ラファエルさんが三人の方々に、どういう形にしましょう? と、聞いて。
「なら、最初はお二人共に軽くお話を聞いて、それから個別、という形で大丈夫ですか?」
向かって右側に居た人がそう言ったので、私とエイプリルさんは、二人並んで、そのテーブルへ。ラファエルさんも座り直す。
その女性方は、立ち上がってくれて、それぞれ自己紹介して、名刺をくれた。
左側の人が担当の一人、小芝和葉さん。真ん中のファッショングラスの人が袋小路先生。右側の人が、補助担当の中野夕さん、だという。
「はじめまして。成川光海と言います。今日はよろしくお願いします」
私が言って、軽くお辞儀をすると、
「……エイプリル・オールドリッチ、です。今日は、よろしくお願いします……」
エイプリルさんも、ぎこちないけど、なんとか言葉を話せた。良かった。
そこから軽く、普段どういうふうに接客してるか、店の印象などを主に先生に聞かれて、答えて。
「あと、サイン、ですよね。今、出来ますけど、どうしますか?」
「お願いしたいです」
「私も、お願いします……」
分かりましたと言ってくれて、私から、ということになって。
「すみません、こういうの、初めてで。一応の用意はしてきたんですが……」
と、前置いてから、色紙諸々を出していく。
「この、三人に、サインをお願いしたいんです」
先生に、3枚のメモを見せる。
1枚は、桜ちゃん。もう1枚は涼、もう1枚は──日向子さん。
桜ちゃんと涼に、それぞれ、自分の──涼にはは日向子さんのも──好きなキャラを聞いて、それもメモしてある。
「はい。大丈夫です。ここにあるキャラも描く感じですか?」
「出来れば……差し出がましくてすみません」
「いえ、大丈夫です。それでは、失礼しますね」
先生は、サラサラと色紙にサインを書いてくれて、ペンも3本ともを使って、ほぼ、漫画そのものの形でキャラを描いてくれた。……3本持ってきて良かった。こんな形で役立つとは。
出来上がった3枚の色紙を受け取って、
「ありがとうございます」
と、頭を下げる。と、横から。
「(あの、光海さん。ペン、貸してくれませんか。1本しか持ってなくて……)」
エイプリルさんに小声で言われたので、軽く頷いて、ペンを残して他のを仕舞う。
そしてエイプリルさんの番だ。エイプリルさんは、自分のだ。
「名前、どう書きますか? スペルを教えてもらえば、それで書きますよ」
先生の言葉に、エイプリルさんは「是非! それでお願いします!」と頷いて。
「エイプリルさん、紙、要ります?」
私がカバンから出したメモ用紙に、「(ありがとうございます)」と細いペンで『April Aldrich』と書いた。
先生はまた、サラサラとサインを書いてくれて、エイプリルさんの好きなキャラも、またペン3本で丁寧に描いてくれた。
袋小路先生、めっちゃ良い人。漫画家さんって、みんな、こんななの? 花梨さんも良い人だし。
「あと、何か、ありますか?」
先生に聞かれて、私もエイプリルさんも、大丈夫です、ありがとうございました。と、頭を下げた。なので、こっちへの取材再開。
「成川さんからで良いですか?」
先生に聞かれて、「はい、大丈夫です」と頷く。
そこから、どうしてここで働いているか、いつから働いているか、などを聞かれて、それに答えていって。
「あのですね、実は……ラファエルさんにもお話したんですが、漫画のシーンに合うお店を探していて、久留美さん……百合根花梨さんから、このお店を教えてもらったんです。その時に、成川さんのことも、少し、聞いたんです。さっきのサインの時も少し思ったんですが、百合根さんとは、お知り合いですか?」
「はい。花梨さんにはお世話になってます」
久留美さん、とは、花梨さんの漫画家としての名前だ。久留美鏡花、が、漫画家としての、フルネーム。
「さっきの百合根桜さんは、花梨さんの親戚で。私の友人なんです」
「そうなんですね……あの、成川さんはマルチリンガル、何ヵ国語も話せると聞いたんですけど、どのくらい話せるんでしょう?」
「そうですね……主にはフランス語ですが──」
あと、アメリカ英語、イギリス英語、ドイツ語、イタリア語、オーストラリア英語、中国語、広東語、上海語、韓国語、台湾語、朝鮮語、モンゴル語、スペイン語、ポルトガル語、スウェーデン語、フィンランド語、ロシア語、ウクライナ語、チェコ語、オランダ語、ノルウェー語、ベトナム語、タイ語、タガログ語、インドネシア語、アラビア語、ペルシャ語、ギリシャ語、トルコ語、ヒンディー語、スワヒリ語、
「それとあと、それほどではないですが、ロマ語、サーミ語、エストニア語、カレリア語、チベット語、ラオス語、ミャンマー語、グルジア語、も、軽くなら話せます」
「……凄いですね……まだ、17歳なんですよね……」
先生方が目を丸くしてらっしゃる。
「ありがとうございます。仕事のためというのもありますけど、やっていて楽しいので、苦ではないですね」
そしてまた、詳しい仕事内容についてや、苦労話などを話して。
「成川さん、ありがとうございました。とても勉強になりました。──では、オールドリッチさん、エイプリルさん? ですかね。お話、良いですか?」
「は、はい……」
エイプリルさんも私と同じようなことを聞かれて、エイプリルさんは、緊張しながらも、なんとか答えていって。
「──ありがとうございました。とても勉強になりました」
「いえ、こちらこそ、ありがとうございました……貴重な体験でした……お仕事、応援してます……」
先生は、それを聞いて、
「ありがとうございます」
と、笑顔を返して下さった。……エイプリルさんが、昇天しそう。
そんなこんなで、事前承諾していた資料用の写真をパシャパシャ撮ったりして、取材終了。先生方は改めてお礼を言って下さって、お店をあとにした。
「(……夢みたいです……)」
帰りの支度を終えたエイプリルさんが、色紙を見ながら言う。
「(そうですよね。それと、ガシャクロにこの店が出てきたら、私たちも店員として載るんですかね?)」
「(現実味が湧かないです……ですけど、仕事、頑張ります)」
あ、エイプリルさんがシャキッとした。
「(私も頑張ります。一緒に頑張りましょう、エイプリルさん)」
「(はい。お願いします、光海さん)」
心新たに、みたいな感じで、帰宅。
完成したイースターエッグも渡せたし。ラファエルさんと、シャルルくんを抱いて見送りに下りてきてくれたアデルさんは3つのそれを、素敵だって言ってくれたし。
さてあとは、色紙を二人に──三人に、渡すだけだ。
……あの方々、見覚えあるな。前に来てくれた女性三人組のお客様だ。その中の一人がかけてるファッショングラスも、同じだし。
休業日だけど明るい店内の、テーブルを2つくっつけて、その三人の方々とラファエルさんが、対面で座ってる。
そして皆さんが、こっちへ顔を向ける。
「光海も来てたから、二人ともに来てもらっちゃった」
アデルさんの言葉に、
「ああ、そうだったのか。光海、すまないね。確認出来てなかったよ」
ラファエルさんが、席を立ちながら言う。
「いえ、何も問題ないです。それで、どうすれば良いでしょう?」
エイプリルさん、一言も話せてないけど、大丈夫かな。見た目、ガチガチだし。
ラファエルさんが三人の方々に、どういう形にしましょう? と、聞いて。
「なら、最初はお二人共に軽くお話を聞いて、それから個別、という形で大丈夫ですか?」
向かって右側に居た人がそう言ったので、私とエイプリルさんは、二人並んで、そのテーブルへ。ラファエルさんも座り直す。
その女性方は、立ち上がってくれて、それぞれ自己紹介して、名刺をくれた。
左側の人が担当の一人、小芝和葉さん。真ん中のファッショングラスの人が袋小路先生。右側の人が、補助担当の中野夕さん、だという。
「はじめまして。成川光海と言います。今日はよろしくお願いします」
私が言って、軽くお辞儀をすると、
「……エイプリル・オールドリッチ、です。今日は、よろしくお願いします……」
エイプリルさんも、ぎこちないけど、なんとか言葉を話せた。良かった。
そこから軽く、普段どういうふうに接客してるか、店の印象などを主に先生に聞かれて、答えて。
「あと、サイン、ですよね。今、出来ますけど、どうしますか?」
「お願いしたいです」
「私も、お願いします……」
分かりましたと言ってくれて、私から、ということになって。
「すみません、こういうの、初めてで。一応の用意はしてきたんですが……」
と、前置いてから、色紙諸々を出していく。
「この、三人に、サインをお願いしたいんです」
先生に、3枚のメモを見せる。
1枚は、桜ちゃん。もう1枚は涼、もう1枚は──日向子さん。
桜ちゃんと涼に、それぞれ、自分の──涼にはは日向子さんのも──好きなキャラを聞いて、それもメモしてある。
「はい。大丈夫です。ここにあるキャラも描く感じですか?」
「出来れば……差し出がましくてすみません」
「いえ、大丈夫です。それでは、失礼しますね」
先生は、サラサラと色紙にサインを書いてくれて、ペンも3本ともを使って、ほぼ、漫画そのものの形でキャラを描いてくれた。……3本持ってきて良かった。こんな形で役立つとは。
出来上がった3枚の色紙を受け取って、
「ありがとうございます」
と、頭を下げる。と、横から。
「(あの、光海さん。ペン、貸してくれませんか。1本しか持ってなくて……)」
エイプリルさんに小声で言われたので、軽く頷いて、ペンを残して他のを仕舞う。
そしてエイプリルさんの番だ。エイプリルさんは、自分のだ。
「名前、どう書きますか? スペルを教えてもらえば、それで書きますよ」
先生の言葉に、エイプリルさんは「是非! それでお願いします!」と頷いて。
「エイプリルさん、紙、要ります?」
私がカバンから出したメモ用紙に、「(ありがとうございます)」と細いペンで『April Aldrich』と書いた。
先生はまた、サラサラとサインを書いてくれて、エイプリルさんの好きなキャラも、またペン3本で丁寧に描いてくれた。
袋小路先生、めっちゃ良い人。漫画家さんって、みんな、こんななの? 花梨さんも良い人だし。
「あと、何か、ありますか?」
先生に聞かれて、私もエイプリルさんも、大丈夫です、ありがとうございました。と、頭を下げた。なので、こっちへの取材再開。
「成川さんからで良いですか?」
先生に聞かれて、「はい、大丈夫です」と頷く。
そこから、どうしてここで働いているか、いつから働いているか、などを聞かれて、それに答えていって。
「あのですね、実は……ラファエルさんにもお話したんですが、漫画のシーンに合うお店を探していて、久留美さん……百合根花梨さんから、このお店を教えてもらったんです。その時に、成川さんのことも、少し、聞いたんです。さっきのサインの時も少し思ったんですが、百合根さんとは、お知り合いですか?」
「はい。花梨さんにはお世話になってます」
久留美さん、とは、花梨さんの漫画家としての名前だ。久留美鏡花、が、漫画家としての、フルネーム。
「さっきの百合根桜さんは、花梨さんの親戚で。私の友人なんです」
「そうなんですね……あの、成川さんはマルチリンガル、何ヵ国語も話せると聞いたんですけど、どのくらい話せるんでしょう?」
「そうですね……主にはフランス語ですが──」
あと、アメリカ英語、イギリス英語、ドイツ語、イタリア語、オーストラリア英語、中国語、広東語、上海語、韓国語、台湾語、朝鮮語、モンゴル語、スペイン語、ポルトガル語、スウェーデン語、フィンランド語、ロシア語、ウクライナ語、チェコ語、オランダ語、ノルウェー語、ベトナム語、タイ語、タガログ語、インドネシア語、アラビア語、ペルシャ語、ギリシャ語、トルコ語、ヒンディー語、スワヒリ語、
「それとあと、それほどではないですが、ロマ語、サーミ語、エストニア語、カレリア語、チベット語、ラオス語、ミャンマー語、グルジア語、も、軽くなら話せます」
「……凄いですね……まだ、17歳なんですよね……」
先生方が目を丸くしてらっしゃる。
「ありがとうございます。仕事のためというのもありますけど、やっていて楽しいので、苦ではないですね」
そしてまた、詳しい仕事内容についてや、苦労話などを話して。
「成川さん、ありがとうございました。とても勉強になりました。──では、オールドリッチさん、エイプリルさん? ですかね。お話、良いですか?」
「は、はい……」
エイプリルさんも私と同じようなことを聞かれて、エイプリルさんは、緊張しながらも、なんとか答えていって。
「──ありがとうございました。とても勉強になりました」
「いえ、こちらこそ、ありがとうございました……貴重な体験でした……お仕事、応援してます……」
先生は、それを聞いて、
「ありがとうございます」
と、笑顔を返して下さった。……エイプリルさんが、昇天しそう。
そんなこんなで、事前承諾していた資料用の写真をパシャパシャ撮ったりして、取材終了。先生方は改めてお礼を言って下さって、お店をあとにした。
「(……夢みたいです……)」
帰りの支度を終えたエイプリルさんが、色紙を見ながら言う。
「(そうですよね。それと、ガシャクロにこの店が出てきたら、私たちも店員として載るんですかね?)」
「(現実味が湧かないです……ですけど、仕事、頑張ります)」
あ、エイプリルさんがシャキッとした。
「(私も頑張ります。一緒に頑張りましょう、エイプリルさん)」
「(はい。お願いします、光海さん)」
心新たに、みたいな感じで、帰宅。
完成したイースターエッグも渡せたし。ラファエルさんと、シャルルくんを抱いて見送りに下りてきてくれたアデルさんは3つのそれを、素敵だって言ってくれたし。
さてあとは、色紙を二人に──三人に、渡すだけだ。
1
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―
小春かぜね
恋愛
俺ではフツメンだと感じているが、スクールカースト底辺の生活を過ごしている。
俺の学園は恋愛行為に厳しい縛りは無いので、陽キャラたちは楽しい学園生活を過ごしているが、俺には女性の親友すらいない……
異性との関係を強く望む学園(高校生)生活。
俺は彼女を作る為に、学年の女子生徒たちに好意の声掛けをするが、全く相手にされない上、余りにも声掛けをし過ぎたので、俺は要注意人物扱いされてしまう。
当然、幼なじみなんて俺には居ない……
俺の身近な女性と言えば妹(虹心)はいるが、その妹からも俺は毛嫌いされている!
妹が俺を毛嫌いし始めたのは、有る日突然からで有ったが、俺にはその理由がとある出来事まで分からなかった……
20年かけた恋が実ったって言うけど結局は略奪でしょ?
ヘロディア
恋愛
偶然にも夫が、知らない女性に告白されるのを目撃してしまった主人公。
彼女はショックを受けたが、更に夫がその女性を抱きしめ、その関係性を理解してしまう。
その女性は、20年かけた恋が実った、とまるで物語のヒロインのように言い、訳がわからなくなる主人公。
数日が経ち、夫から今夜は帰れないから先に寝て、とメールが届いて、主人公の不安は確信に変わる。夫を追った先でみたものとは…
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
風紀委員 藤堂正道 -最愛の選択-
Keitetsu003
恋愛
終わりが失恋だとしても、彼らは愛し続けるだろう。愚かなまでに……。
不良の楽園と呼ばれる町、青島で『不良狩り』と呼ばれる風紀委員がいた。
その名は、藤堂正道。
不良達の起こす理不尽な行動が許せなくて、今日も自分の信念に基づいて不良と真っ向からぶつかっていた。
そんな正道の前に、青島高等学校最大の問題児があらわれる。
予想もしなかった、予測すらできなかった問題児に、正道はどう立ち向かっていくのか。
*この物語は様々な恋愛がテーマとなっています。
第一部……ハーレム
第三部……同性愛
第四部……失恋
番外編……友情
第五部~……家族愛
『アルファポリス』様のサイトで番外編『藤堂正道のおしゃべり』を投稿しています。もし、よろしければ読んでみてください。
『小説家になろう』様で投稿しています。
尚、『第七部 俺達の家族 -団結編-』の『兄さんなんて大嫌いです! 藤堂正道SIDE』は小説家になろう様のみ投稿していますので、そちらもぜひ寄ってみてください。
養子の妹が、私の許嫁を横取りしようとしてきます
ヘロディア
恋愛
養子である妹と折り合いが悪い貴族の娘。
彼女には許嫁がいた。彼とは何度かデートし、次第に、でも確実に惹かれていった彼女だったが、妹の野心はそれを許さない。
着実に彼に近づいていく妹に、圧倒される彼女はとうとう行き過ぎた二人の関係を見てしまう。
そこで、自分の全てをかけた挑戦をするのだった。
完)嫁いだつもりでしたがメイドに間違われています
オリハルコン陸
恋愛
嫁いだはずなのに、格好のせいか本気でメイドと勘違いされた貧乏令嬢。そのままうっかりメイドとして馴染んで、その生活を楽しみ始めてしまいます。
◇◇◇◇◇◇◇
「オマケのようでオマケじゃない〜」では、本編の小話や後日談というかたちでまだ語られてない部分を補完しています。
14回恋愛大賞奨励賞受賞しました!
これも読んでくださったり投票してくださった皆様のおかげです。
ありがとうございました!
ざっくりと見直し終わりました。完璧じゃないけど、とりあえずこれで。
この後本格的に手直し予定。(多分時間がかかります)
婚約者すらいない私に、離縁状が届いたのですが・・・・・・。
夢草 蝶
恋愛
侯爵家の末姫で、人付き合いが好きではないシェーラは、邸の敷地から出ることなく過ごしていた。
そのため、当然婚約者もいない。
なのにある日、何故かシェーラ宛に離縁状が届く。
差出人の名前に覚えのなかったシェーラは、間違いだろうとその離縁状を燃やしてしまう。
すると後日、見知らぬ男が怒りの形相で邸に押し掛けてきて──?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる