70 / 134
70 文化祭が終わって
しおりを挟む
バイトに来たら、ユキさんとアズサさんとアイリスさんと弓崎さんとマキさんが同じテーブルに居た。5人。この店からすれば、大所帯だ。
店のテーブルは最大4人用で、だからか、隣同士のテーブルをくっつけて、広めの状態になっている。
とかなんとか、他にも店内の様子を確認しながら、仕事をしていく。
文化祭から数日経った。後夜祭の、高峰、さんのハードロックは話題になっていて、また、それとは別に──ある意味関連してるけど──高峰さんが涼と話をするようになったのも、少し話題になっている。お昼も、時々一緒に食べたりしている。こちらも、私、涼、マリアちゃん、桜ちゃん、高峰さんの5人だ。
涼と高峰さんは、少しぎこちなく見える時もあるけど、それなりに普通に会話をしている。それなりに丸く収まったらしくて良かったと思う。と同時に、二人の共通の話題、中学の時の話とかになると、食らいつく様に聞いてしまう。……だって、私の知らない涼の話だし。
あと、涼に、『吊るし飾りのお返しです。写真部の展示の写真から選びました』と、届いたポストカードを渡した。
『嬉しいけど……こういうの、好きなのか?』
白い封筒から出したライオンの子供の写真を見て、涼が訝しげに聞くから。
『涼に似てるなって。私も、同じのを一枚、持ってます。部屋に飾ろうかと』
『…………』
そのあと、唇ふにふにの刑に処された。涼の部屋で渡して良かったと思った。学校で渡していたら、どうなっていたか、分からない。
仕事をしながら、そんなことを考える。アデルさんがまた接客をしてくれるようになったので、仕事に余裕があるのだ。文化祭関係で、ほぼシフトに入っていなかった分を取り戻す気持ちで、丁寧さは忘れずに、仕事をする。
そんな時。あと1時間で店が閉まる、という所で、ヴァルターさんとウェルナーさんがご来店。
私が対応していると、飲み物を持ってくるのと同時に、少し、相談に乗ってやってくれないか、と、苦笑するヴァルターさんに言われた。
「(なんのご相談ですか?)」
「(いや、ウェルナーのなんだけど……)」
ヴァルターさんが言い淀む。ウェルナーさんは心此処にあらず、を、体現していた。
「(ほら、光海は事情を知っているんだから。言えるだけでいいから、言ってみなさい)」
「(子供扱いするんじゃねぇよ。……悪い、光海。俺がただ、未練がましいってだけなんだ)」
ウェルナーさんはそう言って、コーヒーを飲む。
「(……文化祭で、マリアにさ、これだけ会った。しかも、俺にとっては偶然)」
ウェルナーさんは、親指と人差し指と、中指を立てた。……3回も会えたのか。偶然に。
「(最初の時は光海も居ただろ? で、次は2日目に、色紙を買いに行った時。で、3度目が……3日目に、あの映画を観てる時)」
3日間毎日来たんかい。というツッコミは、やめておく。
ウェルナーさんは、ため息を吐いて。
「(しかもその、マリアの……主演はマリアじゃないけど、映画を観てる時、マリア、近くに座ってさ。最後まで観て、また、最初から見始めたんだ。俺さ、マリアと一緒に最後まで観てたくて、座ってて。本当に最後まで一緒に観れた。……だけじゃなくてさぁ……)」
ウェルナーさんが、前髪をかき上げる。おっと? これは、フラレた話をしていた時の仕草ですね?
「(マリアがさ、映画の感想を聞いてきたんだ、俺に。……なんとか、良い作品だと思うって答えた。マリアさ、俺に、ありがとう、参考にするって。……これさ、どう思う?)」
「(偶然何度も会えたのはすごいことだと思いますし、お二人の距離が縮まっているように思えます)」
ウェルナーさんの話を聞く限りは。
「(そう思って良いかな。真面目に)」
涙目になっている。危ない危ない。
「(思うのは、自由だと思います。ですけど、行動するなら慎重にしたほうが、良いかと。……マリアちゃんも、ウェルナーさんとの付き合い方や距離感を、測っているところかも知れませんから)」
「(……頑張る。光海、ありがとう)」
「(いえ、こちらこそ)」
「(私からもありがとう、光海)」
「(いえ、私も相談させていただきましたから)」
で、話はおしまいで、引っ込む。少しすれば、もうすぐ閉店の時間なのでと、お会計の人たちがぽつぽつ集まってくる。
私は、アデルさんと連携してお会計と片付けをし、お客さんが全員捌けて、もうそろそろ時間だからと、店内を軽く掃除して、身支度を整え、挨拶をして、帰宅した。
◇
「光海、今いいか?」
マリアちゃんが2限と3限の間の、中休みの時間にやって来た。少し困ったような顔で。
「なに? どしたの?」
課題をしていた私は手を止め、聞く。
「いや、……場所、変えられるか?」
「うん、大丈夫」
頷いて、二人で、廊下の隅へ。あれ、マリアちゃん、封筒持ってる。シックで綺麗めなやつ。
「(これをな、……お礼なんだが。渡して貰いたいんだ。もしくは、来たら渡して欲しいと、ラファエルさんたちに伝えて欲しい)」
マリアちゃんは小声の、イタリア語でそう言って、その封筒の表を見せてきた。
『Maria Miki Abs. Herrn Werner Ahlersmeyer』。
ウェルナーさん宛てだ。しかもドイツの書き方だ。
「(聞きたいんだけど……自分で渡さないの?)」
私も小声で言ったら、マリアちゃんは、難しい顔になって。
「(……ただの、お礼だしな。期待させる行動は、避けたい)」
「(なら、それこそじゃない? 自分で、これはお礼ですって。深い意味はありませんって。言われたほうが、相手もスッキリすると思う)」
「(ん、ん……分かった。もうちょい、どう渡すか考える。時間取らせて悪い)」
「(ううん。気にしないで)」
私は、なんでもないというように手を振る。
そしてマリアちゃんと別れ、クラスへ戻り、残り数分の間に出来るだけ、課題を進めた。
その、帰りのホームルームで。
「皆さん、今年の文化祭の、出し物の順位が決まりました」
みんなが、ざわざわとし始める。
「そしてこのクラスのカフェは、5位、となりました」
「5位!」「5位?!」「マジで?!」
クラスがざわめく中、
「先生それって! コインですか?!」
耐えきれず、一人がそう聞いた。
「はい。記念コインが貰えます。出来上がりは約1ヶ月後ですから、それまでお楽しみに」
周りがわあっ、と喜びでざわめく。私も嬉しい。だって、みんなで作り上げたのもあるけど、涼の考えたスイーツが評価されたってことでもあるんだし。
「5位ですよ、5位。どう思います?」
駅までの帰り道、私は涼に、食いつく勢いで言っていた。だって。
「どう……なんかな」
涼の反応がイマイチなのだ。不服。
「カフェ全体の評価ですが、それは要するに、涼が考えたレシピのスイーツの評価でもあるんですよ?」
「まあ、頭では、理解してる。……じいちゃんたちも、……まあ、それなりに言ってくれたし」
涼のご家族が来た話は、少し前に涼から聞いた。全てのスイーツの感想を貰って、レシピを見せてほしいと言われて。涼が、レシピを見せつつ説明したら、優良箇所と改善点──十九川さんは自分なりの、と付けたみたい──を教えてくれたらしい。涼のご家族は、涼を想ってくれている。嬉しい。
「そもそもの売上だって、黒字ですよ? 胸を張って良いんですよ? 張るべきですよ」
「光海、お前、ぐいぐい来るな?」
「私はとても嬉しいので。涼にその嬉しさを分けたいくらいです」
「……なら、勉強のあとに、分けてくれや」
そ、れは、どういう意味でしょうか?
「えと、はい。分かりました。思う存分語ります」
「んー……まあ、それも」
それも……?
結局、勉強会のあと、膝に乗せられて抱きしめられつつ、フランス語で語ることになり。涼からは私のメイド服姿がどれだけ可愛いか、一緒に文化祭に参加できてどれだけ嬉しかったか、というのを、これもまた、フランス語で語られた。
涼の、フランス語に対しての理解が深まるのは良いんだけど、なんか、あの、恥ずいです。
店のテーブルは最大4人用で、だからか、隣同士のテーブルをくっつけて、広めの状態になっている。
とかなんとか、他にも店内の様子を確認しながら、仕事をしていく。
文化祭から数日経った。後夜祭の、高峰、さんのハードロックは話題になっていて、また、それとは別に──ある意味関連してるけど──高峰さんが涼と話をするようになったのも、少し話題になっている。お昼も、時々一緒に食べたりしている。こちらも、私、涼、マリアちゃん、桜ちゃん、高峰さんの5人だ。
涼と高峰さんは、少しぎこちなく見える時もあるけど、それなりに普通に会話をしている。それなりに丸く収まったらしくて良かったと思う。と同時に、二人の共通の話題、中学の時の話とかになると、食らいつく様に聞いてしまう。……だって、私の知らない涼の話だし。
あと、涼に、『吊るし飾りのお返しです。写真部の展示の写真から選びました』と、届いたポストカードを渡した。
『嬉しいけど……こういうの、好きなのか?』
白い封筒から出したライオンの子供の写真を見て、涼が訝しげに聞くから。
『涼に似てるなって。私も、同じのを一枚、持ってます。部屋に飾ろうかと』
『…………』
そのあと、唇ふにふにの刑に処された。涼の部屋で渡して良かったと思った。学校で渡していたら、どうなっていたか、分からない。
仕事をしながら、そんなことを考える。アデルさんがまた接客をしてくれるようになったので、仕事に余裕があるのだ。文化祭関係で、ほぼシフトに入っていなかった分を取り戻す気持ちで、丁寧さは忘れずに、仕事をする。
そんな時。あと1時間で店が閉まる、という所で、ヴァルターさんとウェルナーさんがご来店。
私が対応していると、飲み物を持ってくるのと同時に、少し、相談に乗ってやってくれないか、と、苦笑するヴァルターさんに言われた。
「(なんのご相談ですか?)」
「(いや、ウェルナーのなんだけど……)」
ヴァルターさんが言い淀む。ウェルナーさんは心此処にあらず、を、体現していた。
「(ほら、光海は事情を知っているんだから。言えるだけでいいから、言ってみなさい)」
「(子供扱いするんじゃねぇよ。……悪い、光海。俺がただ、未練がましいってだけなんだ)」
ウェルナーさんはそう言って、コーヒーを飲む。
「(……文化祭で、マリアにさ、これだけ会った。しかも、俺にとっては偶然)」
ウェルナーさんは、親指と人差し指と、中指を立てた。……3回も会えたのか。偶然に。
「(最初の時は光海も居ただろ? で、次は2日目に、色紙を買いに行った時。で、3度目が……3日目に、あの映画を観てる時)」
3日間毎日来たんかい。というツッコミは、やめておく。
ウェルナーさんは、ため息を吐いて。
「(しかもその、マリアの……主演はマリアじゃないけど、映画を観てる時、マリア、近くに座ってさ。最後まで観て、また、最初から見始めたんだ。俺さ、マリアと一緒に最後まで観てたくて、座ってて。本当に最後まで一緒に観れた。……だけじゃなくてさぁ……)」
ウェルナーさんが、前髪をかき上げる。おっと? これは、フラレた話をしていた時の仕草ですね?
「(マリアがさ、映画の感想を聞いてきたんだ、俺に。……なんとか、良い作品だと思うって答えた。マリアさ、俺に、ありがとう、参考にするって。……これさ、どう思う?)」
「(偶然何度も会えたのはすごいことだと思いますし、お二人の距離が縮まっているように思えます)」
ウェルナーさんの話を聞く限りは。
「(そう思って良いかな。真面目に)」
涙目になっている。危ない危ない。
「(思うのは、自由だと思います。ですけど、行動するなら慎重にしたほうが、良いかと。……マリアちゃんも、ウェルナーさんとの付き合い方や距離感を、測っているところかも知れませんから)」
「(……頑張る。光海、ありがとう)」
「(いえ、こちらこそ)」
「(私からもありがとう、光海)」
「(いえ、私も相談させていただきましたから)」
で、話はおしまいで、引っ込む。少しすれば、もうすぐ閉店の時間なのでと、お会計の人たちがぽつぽつ集まってくる。
私は、アデルさんと連携してお会計と片付けをし、お客さんが全員捌けて、もうそろそろ時間だからと、店内を軽く掃除して、身支度を整え、挨拶をして、帰宅した。
◇
「光海、今いいか?」
マリアちゃんが2限と3限の間の、中休みの時間にやって来た。少し困ったような顔で。
「なに? どしたの?」
課題をしていた私は手を止め、聞く。
「いや、……場所、変えられるか?」
「うん、大丈夫」
頷いて、二人で、廊下の隅へ。あれ、マリアちゃん、封筒持ってる。シックで綺麗めなやつ。
「(これをな、……お礼なんだが。渡して貰いたいんだ。もしくは、来たら渡して欲しいと、ラファエルさんたちに伝えて欲しい)」
マリアちゃんは小声の、イタリア語でそう言って、その封筒の表を見せてきた。
『Maria Miki Abs. Herrn Werner Ahlersmeyer』。
ウェルナーさん宛てだ。しかもドイツの書き方だ。
「(聞きたいんだけど……自分で渡さないの?)」
私も小声で言ったら、マリアちゃんは、難しい顔になって。
「(……ただの、お礼だしな。期待させる行動は、避けたい)」
「(なら、それこそじゃない? 自分で、これはお礼ですって。深い意味はありませんって。言われたほうが、相手もスッキリすると思う)」
「(ん、ん……分かった。もうちょい、どう渡すか考える。時間取らせて悪い)」
「(ううん。気にしないで)」
私は、なんでもないというように手を振る。
そしてマリアちゃんと別れ、クラスへ戻り、残り数分の間に出来るだけ、課題を進めた。
その、帰りのホームルームで。
「皆さん、今年の文化祭の、出し物の順位が決まりました」
みんなが、ざわざわとし始める。
「そしてこのクラスのカフェは、5位、となりました」
「5位!」「5位?!」「マジで?!」
クラスがざわめく中、
「先生それって! コインですか?!」
耐えきれず、一人がそう聞いた。
「はい。記念コインが貰えます。出来上がりは約1ヶ月後ですから、それまでお楽しみに」
周りがわあっ、と喜びでざわめく。私も嬉しい。だって、みんなで作り上げたのもあるけど、涼の考えたスイーツが評価されたってことでもあるんだし。
「5位ですよ、5位。どう思います?」
駅までの帰り道、私は涼に、食いつく勢いで言っていた。だって。
「どう……なんかな」
涼の反応がイマイチなのだ。不服。
「カフェ全体の評価ですが、それは要するに、涼が考えたレシピのスイーツの評価でもあるんですよ?」
「まあ、頭では、理解してる。……じいちゃんたちも、……まあ、それなりに言ってくれたし」
涼のご家族が来た話は、少し前に涼から聞いた。全てのスイーツの感想を貰って、レシピを見せてほしいと言われて。涼が、レシピを見せつつ説明したら、優良箇所と改善点──十九川さんは自分なりの、と付けたみたい──を教えてくれたらしい。涼のご家族は、涼を想ってくれている。嬉しい。
「そもそもの売上だって、黒字ですよ? 胸を張って良いんですよ? 張るべきですよ」
「光海、お前、ぐいぐい来るな?」
「私はとても嬉しいので。涼にその嬉しさを分けたいくらいです」
「……なら、勉強のあとに、分けてくれや」
そ、れは、どういう意味でしょうか?
「えと、はい。分かりました。思う存分語ります」
「んー……まあ、それも」
それも……?
結局、勉強会のあと、膝に乗せられて抱きしめられつつ、フランス語で語ることになり。涼からは私のメイド服姿がどれだけ可愛いか、一緒に文化祭に参加できてどれだけ嬉しかったか、というのを、これもまた、フランス語で語られた。
涼の、フランス語に対しての理解が深まるのは良いんだけど、なんか、あの、恥ずいです。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
My Doctor
west forest
恋愛
#病気#医者#喘息#心臓病#高校生
病気系ですので、苦手な方は引き返してください。
初めて書くので読みにくい部分、誤字脱字等あると思いますが、ささやかな目で見ていただけると嬉しいです!
主人公:篠崎 奈々 (しのざき なな)
妹:篠崎 夏愛(しのざき なつめ)
医者:斎藤 拓海 (さいとう たくみ)
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?
おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。
『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』
※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる