15 / 123
15 イタリア語のお客様は
しおりを挟む
仏壇を掃除して、物を並べ直し、仏飯と水を変える。線香を上げ、手を合わせ、目を閉じる。
橋本涼は、自分なりの決意表明を、心の中で先祖と母に伝えた。
「……」
ロウソクの火を消し、立ち上がる。
「涼」
集中していたからか、その声に肩が跳ねた。振り返れば声の通り、祖父だった。
「私も、上げていいか」
「……仕事は」
「休憩だよ」
祖父と場所を代わり、消したばかりのロウソクに、祖父が火を点けるのを、眺める。祖父は線香を上げ、手を合わせ、目を閉じる。
「……さて」
幾らかして目を開けた祖父は、ロウソクの火を消した。
「休憩は、終了だ」
「じいちゃん」
声をかければ、祖父はゆっくりこちらを向いた。
「聞いて欲しい、ことがある。出来れば父さんと、伯母さんにも。どっかで時間くれ……ませんか」
「分かった。仕事が終わったらで、良いか?」
「うん」
「隆と歩にも伝えておくよ」
「分かった。ありがとう」
軽くでも、頭を下げる。上げたら、それを見ていた祖父は一度頷いて、
「では、戻るか」
と、居間をあとにした。
◇
今日は、バイトである。久しぶりに、午前10時ちょい前から午後8時ちょいまでのフルである。
マリアちゃんから連絡を貰っていたので、私はそれを先に、ラファエルさんとアデルさんへ伝えた。マリアちゃんが、ユキさんとアズサさんを連れて、昼頃に来る、と。合わせて、桜ちゃんも少し遅れて合流するだろうと。
あの日、話を聞いた桜ちゃんは、自分も一緒に行っていいかと私たちに聞いた。選択権はマリアちゃんたちにあるので、と言えば、じゃあそれも伝えとく、とマリアちゃんは言った。で、OKが来たそうだ。
新規の人は、落ち着いてきている。そのまま見なくなった人もいれば、また何度か、来てくれている人もいる。
カランと鳴り、顔を向ければ。
「(いらっしゃいませ)」
「(どうも)」
その、何度か来てくれている人の一人である、イタリア語の人、アレッシオさんが、ご来店だ。
「(ああ、今日も一人だよ。カウンターでいいかな)」
「(かしこまりました。お水、お持ちしますね)」
厨房へ引っ込み、伝達、水、それをアレッシオさんの所へ。
「(注文、いいかな)」
「(はい。どれでしょう?)」
メモとペンを出す。
「(今日は、これを)」
と、示されたのは、ラタトゥイユだ。
「(あと、コーヒーを頼むよ。コーヒーは先で)」
「(かしこまりました。少々お待ち下さい)」
メモ取って、厨房へ。伝達し、コーヒーを用意し、アレッシオさんの所へ。
おまたせしました、とコーヒーを置き、隅に寄る。会計に呼ばれ、終わらせ、テーブルを片付けようかと思ったらラファエルさんに呼ばれ、アレッシオさんへラタトゥイユを運び、そのあとにテーブルを片付けて。
そろそろ昼だな、と壁の時計に目を向けた、時。
カラン、と鳴った。顔を向ける。マリアちゃんたちだった。
「いらっしゃいませ。……どうかした?」
マリアちゃんが、珍しく驚いた顔してる。私を見てる訳じゃない。カウンターのほう──
「(……マリア?)」
アレッシオさんが、マリアちゃんに顔を向けて、少し驚いた顔で言った。
「どした?」
と、ユキさんが言う。アズサさんも、よく分からないといった顔をしている。
私はあえて、マリアちゃんとアレッシオさん、その二人の視線を遮るように立った。
「席、どうする? 案内する?」
マリアちゃんの顔を見て聞く。
「……あー……お願いするよ」
「了解」
私は奥の席に、三人を案内して、小声で。
「なんかある? 人呼ぶ?」
「や、いい。大丈夫。いつも通りで頼むよ。あの人も知り合いなだけ」
「分かった。じゃ、お水、お持ちしますね」
厨房へ引っ込み、伝達、水、持って行く、の流れ。
「おまたせしました」
言って、水を置いていく。
「ご注文はどうしますか?」
三人共、少し考えると言うので、引っ込む。
と、マリアちゃんが二人に断りを入れて、立ち上がった。向かう先は、アレッシオさん。
「(姉に、連絡しますか)」
真剣な顔をして、イタリア語で聞く。私は常連さんと、マリアちゃんからイタリア語を教わった。
「(してくれるのは有り難いけど、マリア、君は怒られない?)」
「(では、連絡します。どうなるかは、姉次第ですが)」
「(……そうだね)」
アレッシオさんは困ったような顔をして、それを見たマリアちゃんは、くるりと席に戻った。
カラン、と音がする。見れば、桜ちゃんが居た。
「いらっしゃい。もう来てるから、案内するね」
「ヤッホ。ありがたい」
と、桜ちゃんを、マリアちゃんたちの席へ。
「どうもー、みつみんとマリアちゃんの友達の、百合根桜です。はじめまして」
「あ、柳原ユキって言います。インフルエンサーしてます」
「アズサ、です。モデルしてます」
三人は軽く会釈して、それを見ていたマリアちゃんは、
「桜、悪い。ちょっと待っててくれ」
言いながら、スマホを操作している。
「じゃ、桜ちゃん、水持ってくるね。メニューはどうする?」
「ん、もう皆さん決めました?」
桜ちゃんの問いに、三人ともまだだと答えた。
「じゃ、一緒に決める」
「分かった」
厨房、伝達、水。
「おまたせしました」
持ってくれば、マリアちゃんは席を立ち、アレッシオさんにスマホを見せていた。
「(うん、分かった。ありがとう)」
アレッシオさんが頷く。のを見て、マリアちゃんはキビキビと、戻ってきた。
「光海、光海も今、時間あるか?」
マリアちゃんに聞かれ、
「ん、そうだね……」
店内を見回す。すぐ動くことはなさそうだ。
「今は大丈夫」
「じゃ、ちょっと軽く説明する。ユキ、アズサ、突然で悪い」
「や、いい、いい」
アズサさんもこくこくと頷く。
「光海と桜には少し話したことあるけど、私は小さい頃、家族でイタリアで暮らしてた。その時の、……知り合いが、あの人」
あの人、とスマホで示すのは、アレッシオさん。
「で、まあまあ仲が良かった。んで、詳細省くけど、こっち、日本に来る……戻る時、まあ、家族ともども、盛大に名残惜しんだ訳だ。で、居るから、家族に連絡した。以上。答えられる質問なら、答える」
「あ、じゃあ1つ」
私は確認のための質問をした。
「(アレッシオさんが日本語を話せるのは、知ってる?)」
「(……今知った)」
マリアちゃんは、ため息を吐きながら言う。
「日本語、通じる訳だ?」
マリアちゃんのそれに、通い慣れている桜ちゃんも、一度来てくれたユキさんとアズサさんも、それだけで、分かったらしい。
「逆に、何を口にしていいか分からない」
ユキさんが小声で言う。
マリアちゃんはスマホを操作し、テーブルに置いた。
『じゃ、文字で』
と、そのスマホが、通知を受け取った。
「悪い。待って」
マリアちゃんはスマホを操作し、
「(悪い、光海。アレッシオに伝言頼む)」
小声で言ってきた。
「(分かった。なんて?)」
メモとペンを取り出す。
「(着くまで早くて3時間。それまでに帰るなら、電話番号を伝える)で、頼む」
「了解」
メモったそれを、私はアレッシオさんに伝えた。
「(ありがとう。待たせてもらっていいかな?)」
「(はい。問題ありません。伝えますね)」
「(よろしく頼むよ)」
で、マリアちゃんに伝えた。ところで、会計に呼ばれる。
「ごめん、行くね」
「いや、ありがとう」
会計を済ませ、テーブルを片付けていると、カラン、と音がした。
明宏さんたちだった。
「いらっしゃいませ」
片付けを中断して、向き直る。
「ああ、いつもの席、空いてるかな」
「はい。空いてます」
「じゃ、行ってるよ。……いいか?」
「ああ、うん」
楓さんが頷いたのを見て。
「では、お水をお持ちしますね」
水を持ってきて、
「ありがとう光海。注文いいかな」
「はい」
メモとペンを出す。
「僕はカスレ」
と、明宏さん。
「俺はキッシュで」
と楓さん。
「かしこまりました。お飲み物はどうしますか?」
「いや、まだいい」
「あ、俺も、大丈夫」
「かしこまりました。少々お待ち下さい」
厨房へ伝え、テーブルの片付けを再開。……終了。
念のため、マリアちゃんたちの所へ行く。
「どう? 私、何か、することある?」
スマホで会話していたらしい4人へ、声を掛ける。
「あ、じゃ、……見せて良いか?」
マリアちゃんの問いかけに、
「おう」
「うん」
「大丈夫」
ユキさん、桜ちゃん、アズサさんが答えた。
マリアちゃんが見せてくれたのは、急遽作ったらしい、4人のグループラインだった。
橋本涼は、自分なりの決意表明を、心の中で先祖と母に伝えた。
「……」
ロウソクの火を消し、立ち上がる。
「涼」
集中していたからか、その声に肩が跳ねた。振り返れば声の通り、祖父だった。
「私も、上げていいか」
「……仕事は」
「休憩だよ」
祖父と場所を代わり、消したばかりのロウソクに、祖父が火を点けるのを、眺める。祖父は線香を上げ、手を合わせ、目を閉じる。
「……さて」
幾らかして目を開けた祖父は、ロウソクの火を消した。
「休憩は、終了だ」
「じいちゃん」
声をかければ、祖父はゆっくりこちらを向いた。
「聞いて欲しい、ことがある。出来れば父さんと、伯母さんにも。どっかで時間くれ……ませんか」
「分かった。仕事が終わったらで、良いか?」
「うん」
「隆と歩にも伝えておくよ」
「分かった。ありがとう」
軽くでも、頭を下げる。上げたら、それを見ていた祖父は一度頷いて、
「では、戻るか」
と、居間をあとにした。
◇
今日は、バイトである。久しぶりに、午前10時ちょい前から午後8時ちょいまでのフルである。
マリアちゃんから連絡を貰っていたので、私はそれを先に、ラファエルさんとアデルさんへ伝えた。マリアちゃんが、ユキさんとアズサさんを連れて、昼頃に来る、と。合わせて、桜ちゃんも少し遅れて合流するだろうと。
あの日、話を聞いた桜ちゃんは、自分も一緒に行っていいかと私たちに聞いた。選択権はマリアちゃんたちにあるので、と言えば、じゃあそれも伝えとく、とマリアちゃんは言った。で、OKが来たそうだ。
新規の人は、落ち着いてきている。そのまま見なくなった人もいれば、また何度か、来てくれている人もいる。
カランと鳴り、顔を向ければ。
「(いらっしゃいませ)」
「(どうも)」
その、何度か来てくれている人の一人である、イタリア語の人、アレッシオさんが、ご来店だ。
「(ああ、今日も一人だよ。カウンターでいいかな)」
「(かしこまりました。お水、お持ちしますね)」
厨房へ引っ込み、伝達、水、それをアレッシオさんの所へ。
「(注文、いいかな)」
「(はい。どれでしょう?)」
メモとペンを出す。
「(今日は、これを)」
と、示されたのは、ラタトゥイユだ。
「(あと、コーヒーを頼むよ。コーヒーは先で)」
「(かしこまりました。少々お待ち下さい)」
メモ取って、厨房へ。伝達し、コーヒーを用意し、アレッシオさんの所へ。
おまたせしました、とコーヒーを置き、隅に寄る。会計に呼ばれ、終わらせ、テーブルを片付けようかと思ったらラファエルさんに呼ばれ、アレッシオさんへラタトゥイユを運び、そのあとにテーブルを片付けて。
そろそろ昼だな、と壁の時計に目を向けた、時。
カラン、と鳴った。顔を向ける。マリアちゃんたちだった。
「いらっしゃいませ。……どうかした?」
マリアちゃんが、珍しく驚いた顔してる。私を見てる訳じゃない。カウンターのほう──
「(……マリア?)」
アレッシオさんが、マリアちゃんに顔を向けて、少し驚いた顔で言った。
「どした?」
と、ユキさんが言う。アズサさんも、よく分からないといった顔をしている。
私はあえて、マリアちゃんとアレッシオさん、その二人の視線を遮るように立った。
「席、どうする? 案内する?」
マリアちゃんの顔を見て聞く。
「……あー……お願いするよ」
「了解」
私は奥の席に、三人を案内して、小声で。
「なんかある? 人呼ぶ?」
「や、いい。大丈夫。いつも通りで頼むよ。あの人も知り合いなだけ」
「分かった。じゃ、お水、お持ちしますね」
厨房へ引っ込み、伝達、水、持って行く、の流れ。
「おまたせしました」
言って、水を置いていく。
「ご注文はどうしますか?」
三人共、少し考えると言うので、引っ込む。
と、マリアちゃんが二人に断りを入れて、立ち上がった。向かう先は、アレッシオさん。
「(姉に、連絡しますか)」
真剣な顔をして、イタリア語で聞く。私は常連さんと、マリアちゃんからイタリア語を教わった。
「(してくれるのは有り難いけど、マリア、君は怒られない?)」
「(では、連絡します。どうなるかは、姉次第ですが)」
「(……そうだね)」
アレッシオさんは困ったような顔をして、それを見たマリアちゃんは、くるりと席に戻った。
カラン、と音がする。見れば、桜ちゃんが居た。
「いらっしゃい。もう来てるから、案内するね」
「ヤッホ。ありがたい」
と、桜ちゃんを、マリアちゃんたちの席へ。
「どうもー、みつみんとマリアちゃんの友達の、百合根桜です。はじめまして」
「あ、柳原ユキって言います。インフルエンサーしてます」
「アズサ、です。モデルしてます」
三人は軽く会釈して、それを見ていたマリアちゃんは、
「桜、悪い。ちょっと待っててくれ」
言いながら、スマホを操作している。
「じゃ、桜ちゃん、水持ってくるね。メニューはどうする?」
「ん、もう皆さん決めました?」
桜ちゃんの問いに、三人ともまだだと答えた。
「じゃ、一緒に決める」
「分かった」
厨房、伝達、水。
「おまたせしました」
持ってくれば、マリアちゃんは席を立ち、アレッシオさんにスマホを見せていた。
「(うん、分かった。ありがとう)」
アレッシオさんが頷く。のを見て、マリアちゃんはキビキビと、戻ってきた。
「光海、光海も今、時間あるか?」
マリアちゃんに聞かれ、
「ん、そうだね……」
店内を見回す。すぐ動くことはなさそうだ。
「今は大丈夫」
「じゃ、ちょっと軽く説明する。ユキ、アズサ、突然で悪い」
「や、いい、いい」
アズサさんもこくこくと頷く。
「光海と桜には少し話したことあるけど、私は小さい頃、家族でイタリアで暮らしてた。その時の、……知り合いが、あの人」
あの人、とスマホで示すのは、アレッシオさん。
「で、まあまあ仲が良かった。んで、詳細省くけど、こっち、日本に来る……戻る時、まあ、家族ともども、盛大に名残惜しんだ訳だ。で、居るから、家族に連絡した。以上。答えられる質問なら、答える」
「あ、じゃあ1つ」
私は確認のための質問をした。
「(アレッシオさんが日本語を話せるのは、知ってる?)」
「(……今知った)」
マリアちゃんは、ため息を吐きながら言う。
「日本語、通じる訳だ?」
マリアちゃんのそれに、通い慣れている桜ちゃんも、一度来てくれたユキさんとアズサさんも、それだけで、分かったらしい。
「逆に、何を口にしていいか分からない」
ユキさんが小声で言う。
マリアちゃんはスマホを操作し、テーブルに置いた。
『じゃ、文字で』
と、そのスマホが、通知を受け取った。
「悪い。待って」
マリアちゃんはスマホを操作し、
「(悪い、光海。アレッシオに伝言頼む)」
小声で言ってきた。
「(分かった。なんて?)」
メモとペンを取り出す。
「(着くまで早くて3時間。それまでに帰るなら、電話番号を伝える)で、頼む」
「了解」
メモったそれを、私はアレッシオさんに伝えた。
「(ありがとう。待たせてもらっていいかな?)」
「(はい。問題ありません。伝えますね)」
「(よろしく頼むよ)」
で、マリアちゃんに伝えた。ところで、会計に呼ばれる。
「ごめん、行くね」
「いや、ありがとう」
会計を済ませ、テーブルを片付けていると、カラン、と音がした。
明宏さんたちだった。
「いらっしゃいませ」
片付けを中断して、向き直る。
「ああ、いつもの席、空いてるかな」
「はい。空いてます」
「じゃ、行ってるよ。……いいか?」
「ああ、うん」
楓さんが頷いたのを見て。
「では、お水をお持ちしますね」
水を持ってきて、
「ありがとう光海。注文いいかな」
「はい」
メモとペンを出す。
「僕はカスレ」
と、明宏さん。
「俺はキッシュで」
と楓さん。
「かしこまりました。お飲み物はどうしますか?」
「いや、まだいい」
「あ、俺も、大丈夫」
「かしこまりました。少々お待ち下さい」
厨房へ伝え、テーブルの片付けを再開。……終了。
念のため、マリアちゃんたちの所へ行く。
「どう? 私、何か、することある?」
スマホで会話していたらしい4人へ、声を掛ける。
「あ、じゃ、……見せて良いか?」
マリアちゃんの問いかけに、
「おう」
「うん」
「大丈夫」
ユキさん、桜ちゃん、アズサさんが答えた。
マリアちゃんが見せてくれたのは、急遽作ったらしい、4人のグループラインだった。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
初恋
ももん
恋愛
全ての変化を嫌う女の子高橋玲香(たかはしれいか)と、いつもみんなに囲まれる人気者の水野春樹(みずのはるき)の物語です。
水野春樹により様々な変化をもたらされていく高橋玲香の様子や、水野春樹の抱える問題を細かく掘り下げて、キャラクターがどんな思考、どんな性格をしているかを細かく表現しています。
少し長いですが、「変化」を楽しんで読んでいただけると嬉しいです。
まだ完結していないので、楽しみに待っていただけると幸いです。
婚約破棄された竜好き令嬢は黒竜様に溺愛される。残念ですが、守護竜を捨てたこの国は滅亡するようですよ
水無瀬
ファンタジー
竜が好きで、三度のご飯より竜研究に没頭していた侯爵令嬢の私は、婚約者の王太子から婚約破棄を突きつけられる。
それだけでなく、この国をずっと守護してきた黒竜様を捨てると言うの。
黒竜様のことをずっと研究してきた私も、見せしめとして処刑されてしまうらしいです。
叶うなら、死ぬ前に一度でいいから黒竜様に会ってみたかったな。
ですが、私は知らなかった。
黒竜様はずっと私のそばで、私を見守ってくれていたのだ。
残念ですが、守護竜を捨てたこの国は滅亡するようですよ?
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
お隣さんは陰陽師
タニマリ
恋愛
小さな時から幽霊が見える私。周りには変な子だと思われ、いつしか見えることを隠すようになっていった。
高校生となったある日、母の生まれ故郷に引っ越すこととなり海辺の街へとやってきた。
今日から住む母の実家の隣には、立派な庭のある大きなお屋敷が建っていて……
様々な幽霊たちと繰り広げられる、恋愛色強めの現代版陰陽師のお話です。
悪役令嬢は断罪回避のためにお兄様と契約結婚をすることにしました
狭山ひびき@バカふり160万部突破
恋愛
☆おしらせ☆
8/25の週から更新頻度を変更し、週に2回程度の更新ペースになります。どうぞよろしくお願いいたします。
☆あらすじ☆
わたし、マリア・アラトルソワは、乙女ゲーム「ブルーメ」の中の悪役令嬢である。
十七歳の春。
前世の記憶を思い出し、その事実に気が付いたわたしは焦った。
乙女ゲームの悪役令嬢マリアは、すべての攻略対象のルートにおいて、ヒロインの恋路を邪魔する役割として登場する。
わたしの活躍(?)によって、ヒロインと攻略対象は愛を深め合うのだ。
そんな陰の立役者(?)であるわたしは、どの攻略対象ルートでも悲しいほどあっけなく断罪されて、国外追放されたり修道院送りにされたりする。一番ひどいのはこの国の第一王子ルートで、刺客を使ってヒロインを殺そうとしたわたしを、第一王子が正当防衛とばかりに斬り殺すというものだ。
ピンチだわ。人生どころか前世の人生も含めた中での最大のピンチ‼
このままではまずいと、わたしはあまり賢くない頭をフル回転させて考えた。
まだゲームははじまっていない。ゲームのはじまりは来年の春だ。つまり一年あるが…はっきり言おう、去年の一年間で、もうすでにいろいろやらかしていた。このままでは悪役令嬢まっしぐらだ。
うぐぐぐぐ……。
この状況を打破するためには、どうすればいいのか。
一生懸命考えたわたしは、そこでピコンと名案ならぬ迷案を思いついた。
悪役令嬢は、当て馬である。
ヒロインの恋のライバルだ。
では、物理的にヒロインのライバルになり得ない立場になっておけば、わたしは晴れて当て馬的な役割からは解放され、悪役令嬢にはならないのではあるまいか!
そしておバカなわたしは、ここで一つ、大きな間違いを犯す。
「おほほほほほほ~」と高笑いをしながらわたしが向かった先は、お兄様の部屋。
お兄様は、実はわたしの従兄で、本当の兄ではない。
そこに目を付けたわたしは、何も考えずにこう宣った。
「お兄様、わたしと(契約)結婚してくださいませ‼」
このときわたしは、失念していたのだ。
そう、お兄様が、この上なく厄介で意地悪で、それでいて粘着質な男だったと言うことを‼
そして、わたしを嫌っていたはずの攻略対象たちの様子も、なにやら変わってきてーー
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる