6 / 18
機械
しおりを挟む
耳に入ってくる雑音は、まるで機械音のようだ。
特に、早口でどうでもいいことを話してくる奴。
そんな機械語くっちゃべってる暇があるなら手を動かせ、仕事しろと思う。
自分は真面目に仕事してるんだから邪魔しないでほしいなぁ。
しかし数年続けているが便利な仕事だ。
ただ、体力があれば出来る仕事。
近隣の村を周ってごみ回収。重たいそれを集めて馬鹿でかい焼却炉にぽいぽい投げ込むだけの機械的作業。
しかも、仕事着は顔まですっぽり覆った防護服。
仕事仲間にも顔割れしないっていう気楽さ。
というか、それぞれ持ち場や区画が決まってるから、ごみ回収は一人で行うのだ。
焼却炉も持ち場によって与えられるので、まるで自分専用。
だから、それに混じって自分の不用品も一緒に捨てれる便利さ。
そう、食べきれない死体を細かく刻んでここまで持ってきて捨てちゃえるんだ。あと、壊れて使えなくなった凶器とか、色々捨てれる。
焼却炉の中に大量のバラバラになった人間を放り込むと、毎度なんとも言えない匂いが広がる。それがまた、イイ。
この中に生きた人間を放り込んだらもっと最高だろうなぁ。
って、もう誰を入れるか決めてるけど。
ほらまた来た。
同じ防護服を着て仕事仲間だからと話し掛けてくる奴等。
うるさい近づいてくんなキモい。
お前らいつかこの中に入るんだから、せいぜい今を楽しく生きてなよ。
あっ、ごめん手が滑っちゃった。
もう今を楽しく生きれなくなっちゃったねー?
逃げられないように焼却炉の蓋を閉めても良かったが、中身を見るのは楽しい。重たいごみをぎゅうぎゅう詰め込んで、これで逃げ出せない。
髪の毛がぢりぢりと焼け、どろどろ皮膚が溶けていく様、剥き出しになる目、骨。悲鳴にもならない悲鳴。
うわぁ、ごみと一緒に燃えてるとか、かわいそー。
しかし、人間をまるごと焼くのは初めてだが、悪臭?腐敗臭?
料理する時は調味料で誤魔化すけど、生ってなかなか臭いな。
まあ、焼く前から見た目がすでにグロテスクな人間だったしマッチしてていいか。
ようやく骨だけになったそれを、作業用のトングで小突いた。
骨は簡単に粉々に崩れていく、脆い。
なんか、虚無感。
あっけない、意外とつまらない。
ただ、人間をまるごと焼くのは自分の趣味ではなかったみたいだ。燃えている様を見るのは楽しかったが、それだけだもんなぁ‥‥
次はもっと段取り考えよ。
あっ、これも消去しとくか。男の荷物を拾い上げ、中身を覗く。
金目のものに興味はない。だって、充分稼いでるし。
一枚の写真を見つけた。
幸せそうな夫婦と子供が写っていた。
ああーー‥‥この女子供にこの男の死因を伝えるのは楽しそうだなぁー。
機械語だったが、確か自分はどこどこに住んでるとかしきりに話してきたし、行けってことだな!
いやぁ、こっちのがだんっぜん、楽しそー!
特に、早口でどうでもいいことを話してくる奴。
そんな機械語くっちゃべってる暇があるなら手を動かせ、仕事しろと思う。
自分は真面目に仕事してるんだから邪魔しないでほしいなぁ。
しかし数年続けているが便利な仕事だ。
ただ、体力があれば出来る仕事。
近隣の村を周ってごみ回収。重たいそれを集めて馬鹿でかい焼却炉にぽいぽい投げ込むだけの機械的作業。
しかも、仕事着は顔まですっぽり覆った防護服。
仕事仲間にも顔割れしないっていう気楽さ。
というか、それぞれ持ち場や区画が決まってるから、ごみ回収は一人で行うのだ。
焼却炉も持ち場によって与えられるので、まるで自分専用。
だから、それに混じって自分の不用品も一緒に捨てれる便利さ。
そう、食べきれない死体を細かく刻んでここまで持ってきて捨てちゃえるんだ。あと、壊れて使えなくなった凶器とか、色々捨てれる。
焼却炉の中に大量のバラバラになった人間を放り込むと、毎度なんとも言えない匂いが広がる。それがまた、イイ。
この中に生きた人間を放り込んだらもっと最高だろうなぁ。
って、もう誰を入れるか決めてるけど。
ほらまた来た。
同じ防護服を着て仕事仲間だからと話し掛けてくる奴等。
うるさい近づいてくんなキモい。
お前らいつかこの中に入るんだから、せいぜい今を楽しく生きてなよ。
あっ、ごめん手が滑っちゃった。
もう今を楽しく生きれなくなっちゃったねー?
逃げられないように焼却炉の蓋を閉めても良かったが、中身を見るのは楽しい。重たいごみをぎゅうぎゅう詰め込んで、これで逃げ出せない。
髪の毛がぢりぢりと焼け、どろどろ皮膚が溶けていく様、剥き出しになる目、骨。悲鳴にもならない悲鳴。
うわぁ、ごみと一緒に燃えてるとか、かわいそー。
しかし、人間をまるごと焼くのは初めてだが、悪臭?腐敗臭?
料理する時は調味料で誤魔化すけど、生ってなかなか臭いな。
まあ、焼く前から見た目がすでにグロテスクな人間だったしマッチしてていいか。
ようやく骨だけになったそれを、作業用のトングで小突いた。
骨は簡単に粉々に崩れていく、脆い。
なんか、虚無感。
あっけない、意外とつまらない。
ただ、人間をまるごと焼くのは自分の趣味ではなかったみたいだ。燃えている様を見るのは楽しかったが、それだけだもんなぁ‥‥
次はもっと段取り考えよ。
あっ、これも消去しとくか。男の荷物を拾い上げ、中身を覗く。
金目のものに興味はない。だって、充分稼いでるし。
一枚の写真を見つけた。
幸せそうな夫婦と子供が写っていた。
ああーー‥‥この女子供にこの男の死因を伝えるのは楽しそうだなぁー。
機械語だったが、確か自分はどこどこに住んでるとかしきりに話してきたし、行けってことだな!
いやぁ、こっちのがだんっぜん、楽しそー!
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる