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2、テンプレなんていりません その1
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「む、ガキがこんな所に親もなしになんのようだ?」
「はぐれたのか?」
凪は困り果てていた。今凪の目の前には冒険者らしき厳つい男が道を塞いでいる。言葉だけ 聞くといい人風だが、その顔は嫌な笑い方をしている。ハッキリいえばイヤラシイ。
凪がこのように絡まれたのには訳がある。事の発端は数時間前に遡る。
凪は詰所からどこに行くわけでもなくフラフラと街を歩いていた。賑やかな街の様子をただの景色のようにぼーっと眺めながら。
(街まで来たけどどうしよう。お金もないからご飯や宿も取れないし…)
この世界のお金はもちろん手ぶらできていた凪は価値のあるものさえ持っていなかった。
(やっぱり冒険者かな?)
しかし、どうしようと悩んで終わる女ではなかった。異世界ものの小説を友人から借りてそれなりの知識を持っている凪は当然〝冒険者〟も知っていた。そのため彼女は冒険者登録をするために冒険者ギルドに来ているのだが…
「あ?どうした?」
「言葉話せねぇんじゃねぇのか?ははっ」
そこで話の冒頭に戻るがこの二人に絡まれたのだ。
(どうしたらいいんだろう。やっぱり子どもがこんなところに来たら絡まれるんだ。でも、こんなテンプレいらないよ)
呆れとともにため息をついた。しかしそのため息が聞こえたのか…
「何ため息ついてるんだ?」
「そんなフード被ってねぇでこっち見ろや」
イラついた様子の二人。
「すいません。間違えて入ってしまったみたいです。ごめんなさい」
凪はこのままではまずいと思い、冒険者登録を諦めギルドを出たあと再び街を歩き始めた。
(本当に、どこを見ても男男男……)
男ばかりの現実に意識が遠のきそうになった。トボトボと歩いていると、突風が吹いた。
ビュォォォー……
(あっ)
あまりの風の勢いにフードが取れてしまった。舞い上がる髪。
咄嗟に前髪だけは押さえた凪だがフードの中に入れていた腰近くまである髪は全て出てしまった。
途端に視線が集まる。ザワザワと周囲が騒ぎだす。
慌てて髪をフードの中にしまい深くかぶった。それでも周りの視線が痛い。このままではダメだと考えた凪はとりあえず別の場所へ走って移動した。
「はぁはぁ、っふ、こ、ここまで来たら平気…だよ、ね?」
近くにあった掲示板に手をついて一息をつく。息を整え前を見ると掲示板に貼られている紙に書かれている内容が目にはいった。
「宮廷魔術師大募集、力のあるもの求む……?」
でかでかと書かれたその言葉、そしてその後には…
「給料は月に金貨5枚(働きによっては増える)…!?衣食住付き…!?」
驚きの言葉が並んでいた。私の知っている知識なら金貨一枚=日本円で10万だったはずだ。そう考えると、月50万で衣食住付きは破格の労働環境だ。
(これなら私もなれるかな?適応属性8つしかないけど)
この時、凪は知らなかった。自分がいかに規格外な存在なのかを。ただただ、働き口が見つかったかもしれないとルンルン気分で紙に記された場所に向かったのだった。
「はぐれたのか?」
凪は困り果てていた。今凪の目の前には冒険者らしき厳つい男が道を塞いでいる。言葉だけ 聞くといい人風だが、その顔は嫌な笑い方をしている。ハッキリいえばイヤラシイ。
凪がこのように絡まれたのには訳がある。事の発端は数時間前に遡る。
凪は詰所からどこに行くわけでもなくフラフラと街を歩いていた。賑やかな街の様子をただの景色のようにぼーっと眺めながら。
(街まで来たけどどうしよう。お金もないからご飯や宿も取れないし…)
この世界のお金はもちろん手ぶらできていた凪は価値のあるものさえ持っていなかった。
(やっぱり冒険者かな?)
しかし、どうしようと悩んで終わる女ではなかった。異世界ものの小説を友人から借りてそれなりの知識を持っている凪は当然〝冒険者〟も知っていた。そのため彼女は冒険者登録をするために冒険者ギルドに来ているのだが…
「あ?どうした?」
「言葉話せねぇんじゃねぇのか?ははっ」
そこで話の冒頭に戻るがこの二人に絡まれたのだ。
(どうしたらいいんだろう。やっぱり子どもがこんなところに来たら絡まれるんだ。でも、こんなテンプレいらないよ)
呆れとともにため息をついた。しかしそのため息が聞こえたのか…
「何ため息ついてるんだ?」
「そんなフード被ってねぇでこっち見ろや」
イラついた様子の二人。
「すいません。間違えて入ってしまったみたいです。ごめんなさい」
凪はこのままではまずいと思い、冒険者登録を諦めギルドを出たあと再び街を歩き始めた。
(本当に、どこを見ても男男男……)
男ばかりの現実に意識が遠のきそうになった。トボトボと歩いていると、突風が吹いた。
ビュォォォー……
(あっ)
あまりの風の勢いにフードが取れてしまった。舞い上がる髪。
咄嗟に前髪だけは押さえた凪だがフードの中に入れていた腰近くまである髪は全て出てしまった。
途端に視線が集まる。ザワザワと周囲が騒ぎだす。
慌てて髪をフードの中にしまい深くかぶった。それでも周りの視線が痛い。このままではダメだと考えた凪はとりあえず別の場所へ走って移動した。
「はぁはぁ、っふ、こ、ここまで来たら平気…だよ、ね?」
近くにあった掲示板に手をついて一息をつく。息を整え前を見ると掲示板に貼られている紙に書かれている内容が目にはいった。
「宮廷魔術師大募集、力のあるもの求む……?」
でかでかと書かれたその言葉、そしてその後には…
「給料は月に金貨5枚(働きによっては増える)…!?衣食住付き…!?」
驚きの言葉が並んでいた。私の知っている知識なら金貨一枚=日本円で10万だったはずだ。そう考えると、月50万で衣食住付きは破格の労働環境だ。
(これなら私もなれるかな?適応属性8つしかないけど)
この時、凪は知らなかった。自分がいかに規格外な存在なのかを。ただただ、働き口が見つかったかもしれないとルンルン気分で紙に記された場所に向かったのだった。
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