318 / 339
第三部
六十八話 ゴーストナイトパレード 後③
しおりを挟む
「ごめんなさい。話が逸れちゃった。そういうことだから、本当に悪かったと思ってるの。私が始末しておくべきだった。悪魔が蛇主に取り憑こうとしてるんでしょう。封印するなら、私が力を貸すわ」
「サリア様が?」
どうやって?
と思い首を傾げると、彼女は薄く笑みを浮かべた。
「今地上であの悪魔を封じられるだけの精霊力を持っているのはあなたとルシアだけ。ルシアは今帝国にいないから、あなたがやるしかない」
「俺?!」
「手助けしてくれるチーリンがたくさんいるみたいだから、きっと大丈夫。一瞬なら地上に下りてもいいと女神様から許可はいただいているから、呼んでもらったら私があなたの力を使ってあのバカを封じるわ」
「えっ? サリア様が来てくれるってことですか」
「そうよ。封印の術を教えているような時間はないもの。私が直接やるわ」
「あ、それ有りなんだ……」
そんなの非常にありがたいし是非よろしくお願いしますと言いたい気持ちなんだが、それは有りなのか……? というツッコミが喉の奥に引っかかった。
女神様、それは有りなの?
「大丈夫。ちゃんと召喚された体を取るし、私が力を使うわけじゃない。あくまで精霊力は地上にあるものを使って、私はあなたを補助するだけ。あの悪魔はこの数十年、人の世を乱しすぎた。女神様も決断されたのよ」
俺の心の声を読んだかのようにサリア様が補足した。
「それでも、封じるには宝石か結晶石があると一番なんだけど。蛇主ごと封じると森の方に影響があるし……」
神官長と総帥と同じことを呟いて、聖女様は考え込む。そのとき話を聞いていたハールーン皇帝が口を挟んだ。
「なんだ。それで俺を呼んだんじゃないのか」
「そうよ。あなたのところにちょうどいいものがないかしら」
「ラムルの国内に、ということなら悪魔を封じるほどの石はない」
「そう……」
落胆したサリア様に皇帝はニヤリと笑った。
「国内には、と言っただろう。あれを使えばいい。魔の虚の扉の鍵だ」
その言葉を聞いて俺はハッと顔を上げた。
夏にあった事件で、バレンダール公爵は魔の虚の扉を開けようとした。しかし鍵だと言われていたルビーは、正しい鍵ではなかったのだ。
俺の顔を見てハールーン皇帝は得意げに笑った。
「ルビーはフェイクだ。扉を開けられると困るからな。国内に残しておくのは危険だと思って他国に出したんだ」
「その鍵は今どこにあるのよ」
サリア様の問いに、皇帝は人差し指で彼女を指差した。
「俺が死ぬ前に、君に送っただろう。俺が死んだ年の三月十日だ。鍵はデルトフィアにある」
「え?!」
思わず驚愕の声が漏れた。
もうこれ以上は驚かないと思っていたが、そんなことを聞いたら驚くしかないだろう。
デルトフィアにある……?
魔の虚の鍵が……?
まさかの答えに目を丸くしている俺の前で、サリア様は思い出すように顎に指を当てた。
「あなたが死ぬ前に……えっ、ちょっと待って。もしかしてあの宝石がそうだったの? いやだ、そんなの言っておいてくれないと困るわよ」
「言語化して遺言にしたら悪用されるだろう。さすがにあのレベルの宝石なら気軽に国外には出さないだろうと踏んで、君に送ったんだ。で、今どこにあるんだ、鍵は」
今度はハールーン皇帝の方が同じ問いをサリア様に返した。
聖女様は顎に当てた指で頬を軽く掻き、俺を見ててへっと笑う。
「ちょうどよく膨大な神聖力がこもってたから、うちの宝剣に使っちゃった」
「え???」
宝剣?
俺がぽかんとしたら、サリア様は「大丈夫、まだうちにあるわよ」と頷いた。
「王宮の封印結界を封じた宝剣よ。その剣の柄に埋め込んだの」
「あれに?!?!」
驚きが極まって魂が口から出そうになった。
王宮の封印結界の宝剣って、あれだよな。アシュタルトの額に突き刺さってて、俺が引き抜こうとして一緒に魔界に落ちたやつじゃないか?
あれどうなったっけ? 抜いたよな。俺はそれを悪魔の額から抜いて、穴の外にいたグウェンに投げた。なのにグウェンはそれを総帥に放り投げて、俺を追って魔界に落ちた。そのときの宝剣??
おい、俺が抜かなかったら魔界に落ちてたじゃねーか!!!
声にならないツッコミが顔に出たのか、サリア様とハールーン皇帝は顔を見合わせてはははと笑った。
「あの宝剣、確か彼らがあのバカの額から抜いてくれたんだろう。よかったな、魔界に落ちなくて」
「本当よね。うちの子達は本当に優秀。感謝してちょうだい。魔の虚の鍵が魔界に落ちなくてよかったでしょ」
「君は時々本当に腹立たしいな」
笑顔で話しているけど、それ落ちてたらどうなってたんだろうか。怖くて聞けない。
「ともかく、よかったわ。あの宝剣はまだ王宮にあるじゃない。帰ったら依り代の王子様に取りに行ってもらって。それであのバカは宝剣の中にドカンと封印よ」
サリア様がウインクして、人差し指でピストルの形を作り俺に向かってバンっと可愛い決めポーズをした。
俺の顔だから何も感じないし、どちらかと言うと俺の顔でそんな仕草するのやめてほしいと思った。あの宝剣の柄についていた宝石が魔の虚の鍵だったと聞かされた俺は、引き攣った顔で頷くだけである。
「じゃあ、宝剣を用意して悪魔のところに戻ったら私を呼んでちょうだい」
「呼ぶ……? サリア様はどうやって地上に出てくるんですか?」
名前を呼べばいいのか? と首を傾げた俺に大聖女様は少し考えて、俺の上着を指差した。
「あなたの時計、そこから少しルシアの聖なる力を感じる。それを媒介にしましょ。私はそれを通って地上に出られるわ」
サリア様が指し示したのは、多分エリス公爵家の懐中時計だ。上着の内ポケットから取り出すと、彼女はそれそれと頷く。
そういえば、王宮の地下でアシュタルトと戦う直前に、ルシアに『女神の加護』という特殊魔法をかけてもらった。グウェンと魔界に落ちたとき、その魔法でこの時計の魔法陣を作動させたから、ルシアの力がまだほんの僅かに残っているのかもしれない。
「私の力を受け継いでいる光の聖女とは相性がいいの。聖女の力を目印にして降臨できるわ」
「わかりました」
なんだかこれもできすぎな展開だと思ったが、できると言うんだからやってもらおうという心持ちである。
俺が頷いたら、それまでずっと黙っていたグウェンがしばらくぶりに口を開いた。
「危険ではないのか……封印の際、レイナルドがあの悪魔に近づくということだろう」
慎重な声音で疑問を呈したグウェンに、サリア様は瞬きしてから微笑んだ。
「大丈夫よ。相手が私だとわかったら、あの悪魔は警戒しないはず。きっと話し合ってお互いの合意のもとに、穏便に宝石の中に封印できるわ」
…………ほんとに?
俺はグウェンの横顔を見上げたが、彼の表情は無だった。多分、今までの会話の中で穏便に合意という道筋を想像できなかったんだろう。俺もだよ。
「あの、もし穏便に合意ってやつができなかったら、どうします?」
俺がグウェンの心の声を引き継いで尋ねると、サリア様はハールーン皇帝と顔を見合わせた。それからまた二人ではははっと笑う。
「どうするもこうするも、そんなことになる前に合意させるんだろう、今度こそ再起不能になるまで、拳でな」
「戯れ言も言えないくらいボッコボコに叩いたら、そのうち向こうから進んで合意するから大丈夫よ」
二人のセリフを聞いて俺は顔を引き攣らせた。
これが脳筋の神髄である。
自分が脳筋思考を学んだなんて偉そうに自負するには、俺の理性はまだまだ遠く及ばなかったのだと悟った。
◆
ちょうど握っていた懐中時計を見ると、もう夜明けまで一時間を切っていた。急いで狭間の道まで戻ることにして、神殿の外のボートに再び乗り込む。
「俺の子孫達にもよろしくな。呪いも解けたことだし、生き急がずに青春を謳歌しろよって伝えてくれ」
ハールーン皇帝が川岸まで見送りに出てきてくれ、ボートに乗った俺達に軽く手を上げながら言う。
「わかりました」
「ああ、それからマスルールに伝えてくれ。そのうちぶっ倒れるだろうから、そのときは蛇主に記憶を食わせろ、と」
「……記憶を食わせろ?」
意味がわからずそのままおうむ返しすると、彼は腕を組んで苦笑した。
「不幸にも俺の体質を色濃く受け継いだのはあいつみたいだからな。記憶力が良すぎるのも問題だってことだ。俺達は一度見たものは忘れられない。そのうち限界がくる」
「え??」
軽い調子でそう言ったハールーン皇帝を見上げ、俺はマスルールの顔を思い浮かべた。
彼は記憶力がいい。それはラムルの一件でもわかっていたが、忘れられない、というのはどういうことなんだろう。今聞いた言葉を噛み砕くと、まさか、彼は今まで目で見たものを全部記憶してるってことなのか。何から何まで??
「ま、とにかく困ったらデルトフィアに行けって伝えてくれ。それでわかるだろう。蛇主には五百年前に話をつけてある」
「え? ん?」
そこで蛇神が出てくる理由もわからず俺が当惑していると、皇帝は肩をすくめて手を振った。
「まぁ、大丈夫だ。最終的には万事上手くいくだろう。お前達も頑張れよ」
そう告げた直後、ボートが動き出す。
俺はまだぽかんとしていたが、もう詳しく話を聞いている時間もなかった。
戸惑ったが、マスルールに会うのは今回の事件が全部終わった後になると考えて一旦忘れることにした。今聞いた彼の謎の体質については、今度会ったときに直接話を聞けばいい。
「サリア様が?」
どうやって?
と思い首を傾げると、彼女は薄く笑みを浮かべた。
「今地上であの悪魔を封じられるだけの精霊力を持っているのはあなたとルシアだけ。ルシアは今帝国にいないから、あなたがやるしかない」
「俺?!」
「手助けしてくれるチーリンがたくさんいるみたいだから、きっと大丈夫。一瞬なら地上に下りてもいいと女神様から許可はいただいているから、呼んでもらったら私があなたの力を使ってあのバカを封じるわ」
「えっ? サリア様が来てくれるってことですか」
「そうよ。封印の術を教えているような時間はないもの。私が直接やるわ」
「あ、それ有りなんだ……」
そんなの非常にありがたいし是非よろしくお願いしますと言いたい気持ちなんだが、それは有りなのか……? というツッコミが喉の奥に引っかかった。
女神様、それは有りなの?
「大丈夫。ちゃんと召喚された体を取るし、私が力を使うわけじゃない。あくまで精霊力は地上にあるものを使って、私はあなたを補助するだけ。あの悪魔はこの数十年、人の世を乱しすぎた。女神様も決断されたのよ」
俺の心の声を読んだかのようにサリア様が補足した。
「それでも、封じるには宝石か結晶石があると一番なんだけど。蛇主ごと封じると森の方に影響があるし……」
神官長と総帥と同じことを呟いて、聖女様は考え込む。そのとき話を聞いていたハールーン皇帝が口を挟んだ。
「なんだ。それで俺を呼んだんじゃないのか」
「そうよ。あなたのところにちょうどいいものがないかしら」
「ラムルの国内に、ということなら悪魔を封じるほどの石はない」
「そう……」
落胆したサリア様に皇帝はニヤリと笑った。
「国内には、と言っただろう。あれを使えばいい。魔の虚の扉の鍵だ」
その言葉を聞いて俺はハッと顔を上げた。
夏にあった事件で、バレンダール公爵は魔の虚の扉を開けようとした。しかし鍵だと言われていたルビーは、正しい鍵ではなかったのだ。
俺の顔を見てハールーン皇帝は得意げに笑った。
「ルビーはフェイクだ。扉を開けられると困るからな。国内に残しておくのは危険だと思って他国に出したんだ」
「その鍵は今どこにあるのよ」
サリア様の問いに、皇帝は人差し指で彼女を指差した。
「俺が死ぬ前に、君に送っただろう。俺が死んだ年の三月十日だ。鍵はデルトフィアにある」
「え?!」
思わず驚愕の声が漏れた。
もうこれ以上は驚かないと思っていたが、そんなことを聞いたら驚くしかないだろう。
デルトフィアにある……?
魔の虚の鍵が……?
まさかの答えに目を丸くしている俺の前で、サリア様は思い出すように顎に指を当てた。
「あなたが死ぬ前に……えっ、ちょっと待って。もしかしてあの宝石がそうだったの? いやだ、そんなの言っておいてくれないと困るわよ」
「言語化して遺言にしたら悪用されるだろう。さすがにあのレベルの宝石なら気軽に国外には出さないだろうと踏んで、君に送ったんだ。で、今どこにあるんだ、鍵は」
今度はハールーン皇帝の方が同じ問いをサリア様に返した。
聖女様は顎に当てた指で頬を軽く掻き、俺を見ててへっと笑う。
「ちょうどよく膨大な神聖力がこもってたから、うちの宝剣に使っちゃった」
「え???」
宝剣?
俺がぽかんとしたら、サリア様は「大丈夫、まだうちにあるわよ」と頷いた。
「王宮の封印結界を封じた宝剣よ。その剣の柄に埋め込んだの」
「あれに?!?!」
驚きが極まって魂が口から出そうになった。
王宮の封印結界の宝剣って、あれだよな。アシュタルトの額に突き刺さってて、俺が引き抜こうとして一緒に魔界に落ちたやつじゃないか?
あれどうなったっけ? 抜いたよな。俺はそれを悪魔の額から抜いて、穴の外にいたグウェンに投げた。なのにグウェンはそれを総帥に放り投げて、俺を追って魔界に落ちた。そのときの宝剣??
おい、俺が抜かなかったら魔界に落ちてたじゃねーか!!!
声にならないツッコミが顔に出たのか、サリア様とハールーン皇帝は顔を見合わせてはははと笑った。
「あの宝剣、確か彼らがあのバカの額から抜いてくれたんだろう。よかったな、魔界に落ちなくて」
「本当よね。うちの子達は本当に優秀。感謝してちょうだい。魔の虚の鍵が魔界に落ちなくてよかったでしょ」
「君は時々本当に腹立たしいな」
笑顔で話しているけど、それ落ちてたらどうなってたんだろうか。怖くて聞けない。
「ともかく、よかったわ。あの宝剣はまだ王宮にあるじゃない。帰ったら依り代の王子様に取りに行ってもらって。それであのバカは宝剣の中にドカンと封印よ」
サリア様がウインクして、人差し指でピストルの形を作り俺に向かってバンっと可愛い決めポーズをした。
俺の顔だから何も感じないし、どちらかと言うと俺の顔でそんな仕草するのやめてほしいと思った。あの宝剣の柄についていた宝石が魔の虚の鍵だったと聞かされた俺は、引き攣った顔で頷くだけである。
「じゃあ、宝剣を用意して悪魔のところに戻ったら私を呼んでちょうだい」
「呼ぶ……? サリア様はどうやって地上に出てくるんですか?」
名前を呼べばいいのか? と首を傾げた俺に大聖女様は少し考えて、俺の上着を指差した。
「あなたの時計、そこから少しルシアの聖なる力を感じる。それを媒介にしましょ。私はそれを通って地上に出られるわ」
サリア様が指し示したのは、多分エリス公爵家の懐中時計だ。上着の内ポケットから取り出すと、彼女はそれそれと頷く。
そういえば、王宮の地下でアシュタルトと戦う直前に、ルシアに『女神の加護』という特殊魔法をかけてもらった。グウェンと魔界に落ちたとき、その魔法でこの時計の魔法陣を作動させたから、ルシアの力がまだほんの僅かに残っているのかもしれない。
「私の力を受け継いでいる光の聖女とは相性がいいの。聖女の力を目印にして降臨できるわ」
「わかりました」
なんだかこれもできすぎな展開だと思ったが、できると言うんだからやってもらおうという心持ちである。
俺が頷いたら、それまでずっと黙っていたグウェンがしばらくぶりに口を開いた。
「危険ではないのか……封印の際、レイナルドがあの悪魔に近づくということだろう」
慎重な声音で疑問を呈したグウェンに、サリア様は瞬きしてから微笑んだ。
「大丈夫よ。相手が私だとわかったら、あの悪魔は警戒しないはず。きっと話し合ってお互いの合意のもとに、穏便に宝石の中に封印できるわ」
…………ほんとに?
俺はグウェンの横顔を見上げたが、彼の表情は無だった。多分、今までの会話の中で穏便に合意という道筋を想像できなかったんだろう。俺もだよ。
「あの、もし穏便に合意ってやつができなかったら、どうします?」
俺がグウェンの心の声を引き継いで尋ねると、サリア様はハールーン皇帝と顔を見合わせた。それからまた二人ではははっと笑う。
「どうするもこうするも、そんなことになる前に合意させるんだろう、今度こそ再起不能になるまで、拳でな」
「戯れ言も言えないくらいボッコボコに叩いたら、そのうち向こうから進んで合意するから大丈夫よ」
二人のセリフを聞いて俺は顔を引き攣らせた。
これが脳筋の神髄である。
自分が脳筋思考を学んだなんて偉そうに自負するには、俺の理性はまだまだ遠く及ばなかったのだと悟った。
◆
ちょうど握っていた懐中時計を見ると、もう夜明けまで一時間を切っていた。急いで狭間の道まで戻ることにして、神殿の外のボートに再び乗り込む。
「俺の子孫達にもよろしくな。呪いも解けたことだし、生き急がずに青春を謳歌しろよって伝えてくれ」
ハールーン皇帝が川岸まで見送りに出てきてくれ、ボートに乗った俺達に軽く手を上げながら言う。
「わかりました」
「ああ、それからマスルールに伝えてくれ。そのうちぶっ倒れるだろうから、そのときは蛇主に記憶を食わせろ、と」
「……記憶を食わせろ?」
意味がわからずそのままおうむ返しすると、彼は腕を組んで苦笑した。
「不幸にも俺の体質を色濃く受け継いだのはあいつみたいだからな。記憶力が良すぎるのも問題だってことだ。俺達は一度見たものは忘れられない。そのうち限界がくる」
「え??」
軽い調子でそう言ったハールーン皇帝を見上げ、俺はマスルールの顔を思い浮かべた。
彼は記憶力がいい。それはラムルの一件でもわかっていたが、忘れられない、というのはどういうことなんだろう。今聞いた言葉を噛み砕くと、まさか、彼は今まで目で見たものを全部記憶してるってことなのか。何から何まで??
「ま、とにかく困ったらデルトフィアに行けって伝えてくれ。それでわかるだろう。蛇主には五百年前に話をつけてある」
「え? ん?」
そこで蛇神が出てくる理由もわからず俺が当惑していると、皇帝は肩をすくめて手を振った。
「まぁ、大丈夫だ。最終的には万事上手くいくだろう。お前達も頑張れよ」
そう告げた直後、ボートが動き出す。
俺はまだぽかんとしていたが、もう詳しく話を聞いている時間もなかった。
戸惑ったが、マスルールに会うのは今回の事件が全部終わった後になると考えて一旦忘れることにした。今聞いた彼の謎の体質については、今度会ったときに直接話を聞けばいい。
1,030
お気に入りに追加
8,079
あなたにおすすめの小説
人参のグラッセを一個
かかし
BL
※6話目と7話目がコピペミスにより同じモノになっていたと教えて頂き、3月19日に修正致しました。この場を借りてお礼申し上げますありがとうございました…
そして皆様には多大なご迷惑をおかけして申し訳ございません
見目の良い弟からは見下され、両親からはあからさまに差別された軽度の吃り持ち平凡高校生が諦めることもなく幸せを大事にしたり、ガラが悪いけど美形で溺愛体質な男に愛されたりする話。
溺愛美形×平凡です
※予告無しに暴力表現やイジメ表現があります
※吃りの表現があります
※法律も医学知識も0な人間が書いてます
※その辺の矛盾とかおかしさ感じても目を瞑って頂ければ幸いです
pixivにて連載していた話で、番外編も含めて既に完結済みです。
【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜
綺羅 メキ
BL
男同士の純愛、そこには数々のドラマがある!
事件や事故や試練に巻き込まれながら、泣いたり、笑ったり、切なかったり、ドキドキしたり、ワクワクしたり、雄介と望の波瀾万丈な心温まるような話を読んでみませんか?
ある日の夜中、吉良望(きらのぞむ)が働く病院に緊急で運ばれて来た桜井雄介(さくらいゆうすけ)。 雄介は怪我をして運ばれて来た、雄介は望の事を女医さんだと思っていたのだが、望は女医ではなく男性の外科医。しかも、まだ目覚めたばっかりの雄介は望の事を一目惚れだったようだ。 そして、一般病棟へと移されてから雄介は望に告白をするのだが……望は全くもって男性に興味がなかった人間。 だから、直ぐに答えられる訳もなく答えは待ってくれ。 と雄介に告げ、望は一人考える日々。 最初はただ雄介と付き合ってみるか……というだけで、付き合うって事を告げようとしていたのだが、これが、なかなか色々な事が起きてしまい、なかなか返事が出来ない日々。 しかも、親友である梅沢和也(うめざわかずや)からも望に告白されてしまう。 それから、色々な試練等にぶつかりながら様々な成長をしていく望達。 色々な人と出会い、仲間の絆をも深めていく。
また、あくまでこれはお話なので、現実とは違うかもしれませんが、そこは、小説の世界は想像の世界ということで、お許し下さいませ。
妹に婚約者を結婚間近に奪われ(寝取られ)ました。でも奪ってくれたおかげで私はいま幸せです。
千紫万紅
恋愛
「マリアベル、君とは結婚出来なくなった。君に悪いとは思うが私は本当に愛するリリアンと……君の妹と結婚する」
それは結婚式間近の出来事。
婚約者オズワルドにマリアベルは突然そう言い放たれた。
そんなオズワルドの隣には妹リリアンの姿。
そして妹は勝ち誇ったように、絶望する姉の姿を見て笑っていたのだった。
カクヨム様でも公開を始めました。
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
公爵令嬢ディアセーラの旦那様
cyaru
恋愛
パッと見は冴えないブロスカキ公爵家の令嬢ディアセーラ。
そんなディアセーラの事が本当は病むほどに好きな王太子のベネディクトだが、ディアセーラの気をひきたいがために執務を丸投げし「今月の恋人」と呼ばれる令嬢を月替わりで隣に侍らせる。
色事と怠慢の度が過ぎるベネディクトとディアセーラが言い争うのは日常茶飯事だった。
出来の悪い王太子に王宮で働く者達も辟易していたある日、ベネディクトはディアセーラを突き飛ばし婚約破棄を告げてしまった。
「しかと承りました」と応えたディアセーラ。
婚約破棄を告げる場面で突き飛ばされたディアセーラを受け止める形で一緒に転がってしまったペルセス。偶然居合わせ、とばっちりで巻き込まれただけのリーフ子爵家のペルセスだが婚約破棄の上、下賜するとも取れる発言をこれ幸いとブロスカキ公爵からディアセーラとの婚姻を打診されてしまう。
中央ではなく自然豊かな地方で開拓から始めたい夢を持っていたディアセーラ。当初は困惑するがペルセスもそれまで「氷の令嬢」と呼ばれ次期王妃と言われていたディアセーラの知らなかった一面に段々と惹かれていく。
一方ベネディクトは本当に登城しなくなったディアセーラに会うため公爵家に行くが門前払いされ、手紙すら受け取って貰えなくなった。焦り始めたベネディクトはペルセスを罪人として投獄してしまうが…。
シリアスっぽく見える気がしますが、コメディに近いです。
痛い記述があるのでR指定しました。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
売却魔導士のセカンドライフ
嘉野六鴉
BL
泥沼化していた魔族の国との戦争。その最中に突然魔族側から申し出た停戦協定の条件が、なぜかいち魔導士である僕、ユーリオ・ヴァロットの身柄だった。
異世界で生きていた前世の記憶をこっそり活用していたことを除けば、本当に普通のただの魔導士なのになんで?
主君のため国のために命懸けで戦ってきたのに、あっさり売り払われることになった僕はやさぐれながら凄惨な終わりを覚悟したけれど――「余のユーリオたん確保ぉお!!」「やりましたね陛下ッ!」「魔王陛下万歳!ユーリオたんこっち向いてぇぇえ!!」……なんだか思っていたのとは違うセカンドライフが、始まるらしい。
強引傲慢俺様魔王様×元不憫系少年(異世界転生者)の固定CPがお送りするファンタジーギャグ(たまにシリアスあるよ)物語。
「総受け」ではなく「総愛され」傾向(予定)です。なお主人公の前世人格は登場しません。
※R18はサブタイトルに*マーク有(残酷描写は予告なし)
※一部【無理矢理】気味な描写有
※小説家になろう「ムーンライトノベル」様でも掲載中です
離縁しようぜ旦那様
たなぱ
BL
『お前を愛することは無い』
羞恥を忍んで迎えた初夜に、旦那様となる相手が放った言葉に現実を放棄した
どこのざまぁ小説の導入台詞だよ?旦那様…おれじゃなかったら泣いてるよきっと?
これは、始まる冷遇新婚生活にため息しか出ないさっさと離縁したいおれと、何故か離縁したくない旦那様の不毛な戦いである
【完結】ヒロインであれば何をしても許される……わけがないでしょう
凛 伊緒
恋愛
シルディンス王国・王太子の婚約者である侯爵令嬢のセスアは、伯爵令嬢であるルーシアにとある名で呼ばれていた。
『悪役令嬢』……と。
セスアの婚約者である王太子に擦り寄り、次々と無礼を働くルーシア。
セスアはついに我慢出来なくなり、反撃に出る。
しかし予想外の事態が…?
ざまぁ&ハッピーエンドです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる