3 / 11
後悔 2
しおりを挟む
「マズイかもね」
ミユが言った。多分時間切れだと言うことだ。足音がこちらに近づいて来てくる。扉は完全に閉まりきって入るが、男性数人でかかれば嫌でも開くだろう。
まぁ、一応鍵の掛かった部屋はこの部屋よりも広い為もう少し掛かるだろうが、それでも油断出来ない。それにこちらには妊婦もいる。下手なことは出来ない。主を見上げる何かを覚悟した目を向けた。
「親友を守ってほしい。君にしか頼めない事だ」
ミユがそう言って僕を穴に落とすと床を戻したのだった。
主たちは家の中の構造を熟知しているが家の内部分は熟知していない。
要するに排気口や配線等の狭く細かい配置は知らない。僕は猫なので色んな場所を行き来していた。なので秘密の抜け穴の換気口は熟知している。
秘密の抜け穴の換気口から外に通じる換気口に出て隣の換気口に入り込み、今度はお祖母ちゃんの部屋の飾り棚を目指し右に左に曲がって行く。
元々僕の子がみんなで大運動会を始め運悪く換気口に入って迷子になってしまった事があった。その際、何箇所か壊れていたのを偶然見つけ内部構造を知り、これは使えると思い何度かお世話になった入口だった。
主たちのいる所まで走って行き無事着くと扉がガタガタ、ドンドンと音を鳴らしながら開きかけていた。息を潜ませ臨戦状態で待機する。
バンッと扉が開き全身黒の上下にフードを目深に被りバールや鉄パイプなどを持ち如何にもな人物が入って来た。
「◯△▶◆☓!!」
「#◉□◀!!」
「「「「「「「 ꈍ▽☆ಡ!?」」」」」」」
あまりの激昂に何を言ってるのか解りかねるし、そもそも常人なら殴り込みに来ない。
多分もう判断が付いていないのだろう。先頭の1人がは主に鉄パイプを振り上げ殴りかかって来た。
そのタイミングで僕は戸棚から飛び出て、そいつの手首の腱を切ってやった。そいつは振り上げた鉄パイプを頭に落とし気絶させた。単純な奴だ。
気絶し前のめりで倒れる瞬間、奴の後頭部に移り思いっ切り足蹴にして次の奴らに飛びかかった。
ある奴は両目を引っ掻き目を見えなくした後同じく後頭部に蹴りを入れて気絶させ。ある奴はサバイバリルナイフを持っていたので左右にフェインを入れ、わざと相手側の味方の後ろに回り込み同士討ちさせた。
家猫になったが僕は獣。鋭い爪もあるし牙もある。いつでも人ぐらい殺せる。だけどいつもは手加減しているのだ。じゃないと主たちと一緒に居れないから仕方なくだ。
戦闘は兄に叩き込まれいつの日か兄がいない時、主たちを守る剣と盾になれる様に日々精進していた。兄も「出来ればこんな日が来ないのが良いのだけど」と言っていた。
主たち(主にミユ)もゴルフクラブを持つ男を護身術の背負投て倒して行く。
人数が2人しかいなくなった時、少しだけ正気に戻ったらしい。2人は主にサバイバルナイフを向け襲い掛かったのだ。
先頭の奴に飛びかかり、同じく手の健を切り後ろ脚で奴の脚の筋を痛め付けてやった。しばらくは動けないだろう。
だけど、2人目は避け切れず刺されてしまった。最期の悪足掻きで奴の両目を切り裂いてやった。いい気味だ。
意識が遠のき始めて来た。主達がいる場所を見る。すると、主たちは先程の足を痛め付けてやった奴に刺されていた。どうやら浅かったらしい。
主たちが崩れ落ち掛けて兄が最後の主たちをやった奴に飛びかかり無力化させた。兄は僕を見て鼻を寄せて来た。兄とっての挨拶だ。そして1言だけ言ってくれた。
「お前は俺の自慢の弟だ。誇りに思う」
口下手な兄が僕を褒めてくれた。とても嬉しいけどこちらも言いたいことがある。
「遅い……けど来てくれると……思ってた」
思った以上に声が出ない事に驚いた。なんだかやたらとねむたくなってきた。
兄は頬ずりしながら「お休み。主たちは俺が見ているから」と言っていた。
「お休みなさい……大好きだよ……ラル兄」
僕は眠りに落ちながら思った。
次の人生(猫生?)があるなら主たち2人と兄であるラルフともう一度一緒に暮らしたい。出来れば僕と兄は本当の兄弟になって人間に姿が変わる事が出来て、主たちはそれぞれ体があったらとても素敵だ。
神様がいるならばこの願い叶いますように……
ミユが言った。多分時間切れだと言うことだ。足音がこちらに近づいて来てくる。扉は完全に閉まりきって入るが、男性数人でかかれば嫌でも開くだろう。
まぁ、一応鍵の掛かった部屋はこの部屋よりも広い為もう少し掛かるだろうが、それでも油断出来ない。それにこちらには妊婦もいる。下手なことは出来ない。主を見上げる何かを覚悟した目を向けた。
「親友を守ってほしい。君にしか頼めない事だ」
ミユがそう言って僕を穴に落とすと床を戻したのだった。
主たちは家の中の構造を熟知しているが家の内部分は熟知していない。
要するに排気口や配線等の狭く細かい配置は知らない。僕は猫なので色んな場所を行き来していた。なので秘密の抜け穴の換気口は熟知している。
秘密の抜け穴の換気口から外に通じる換気口に出て隣の換気口に入り込み、今度はお祖母ちゃんの部屋の飾り棚を目指し右に左に曲がって行く。
元々僕の子がみんなで大運動会を始め運悪く換気口に入って迷子になってしまった事があった。その際、何箇所か壊れていたのを偶然見つけ内部構造を知り、これは使えると思い何度かお世話になった入口だった。
主たちのいる所まで走って行き無事着くと扉がガタガタ、ドンドンと音を鳴らしながら開きかけていた。息を潜ませ臨戦状態で待機する。
バンッと扉が開き全身黒の上下にフードを目深に被りバールや鉄パイプなどを持ち如何にもな人物が入って来た。
「◯△▶◆☓!!」
「#◉□◀!!」
「「「「「「「 ꈍ▽☆ಡ!?」」」」」」」
あまりの激昂に何を言ってるのか解りかねるし、そもそも常人なら殴り込みに来ない。
多分もう判断が付いていないのだろう。先頭の1人がは主に鉄パイプを振り上げ殴りかかって来た。
そのタイミングで僕は戸棚から飛び出て、そいつの手首の腱を切ってやった。そいつは振り上げた鉄パイプを頭に落とし気絶させた。単純な奴だ。
気絶し前のめりで倒れる瞬間、奴の後頭部に移り思いっ切り足蹴にして次の奴らに飛びかかった。
ある奴は両目を引っ掻き目を見えなくした後同じく後頭部に蹴りを入れて気絶させ。ある奴はサバイバリルナイフを持っていたので左右にフェインを入れ、わざと相手側の味方の後ろに回り込み同士討ちさせた。
家猫になったが僕は獣。鋭い爪もあるし牙もある。いつでも人ぐらい殺せる。だけどいつもは手加減しているのだ。じゃないと主たちと一緒に居れないから仕方なくだ。
戦闘は兄に叩き込まれいつの日か兄がいない時、主たちを守る剣と盾になれる様に日々精進していた。兄も「出来ればこんな日が来ないのが良いのだけど」と言っていた。
主たち(主にミユ)もゴルフクラブを持つ男を護身術の背負投て倒して行く。
人数が2人しかいなくなった時、少しだけ正気に戻ったらしい。2人は主にサバイバルナイフを向け襲い掛かったのだ。
先頭の奴に飛びかかり、同じく手の健を切り後ろ脚で奴の脚の筋を痛め付けてやった。しばらくは動けないだろう。
だけど、2人目は避け切れず刺されてしまった。最期の悪足掻きで奴の両目を切り裂いてやった。いい気味だ。
意識が遠のき始めて来た。主達がいる場所を見る。すると、主たちは先程の足を痛め付けてやった奴に刺されていた。どうやら浅かったらしい。
主たちが崩れ落ち掛けて兄が最後の主たちをやった奴に飛びかかり無力化させた。兄は僕を見て鼻を寄せて来た。兄とっての挨拶だ。そして1言だけ言ってくれた。
「お前は俺の自慢の弟だ。誇りに思う」
口下手な兄が僕を褒めてくれた。とても嬉しいけどこちらも言いたいことがある。
「遅い……けど来てくれると……思ってた」
思った以上に声が出ない事に驚いた。なんだかやたらとねむたくなってきた。
兄は頬ずりしながら「お休み。主たちは俺が見ているから」と言っていた。
「お休みなさい……大好きだよ……ラル兄」
僕は眠りに落ちながら思った。
次の人生(猫生?)があるなら主たち2人と兄であるラルフともう一度一緒に暮らしたい。出来れば僕と兄は本当の兄弟になって人間に姿が変わる事が出来て、主たちはそれぞれ体があったらとても素敵だ。
神様がいるならばこの願い叶いますように……
1
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
私の愛した召喚獣
Azanasi
ファンタジー
アルメニア王国の貴族は召喚獣を従者として使うのがしきたりだった。
15歳になると召喚に必要な召喚球をもらい、召喚獣を召喚するアメリアの召喚した召喚獣はフェンリルだった。
実はそのフェンリルは現代社会で勤務中に死亡した久志と言う人間だった、久志は女神の指令を受けてアメリアの召喚獣へとさせられたのだった。
腐敗した世界を正しき方向に導けるのかはたまた破滅目と導くのか世界のカウントダウンは静かに始まるのだった。
※途中で方針転換してしまいタイトルと内容がちょっと合わなく成りつつありますがここまで来てタイトルを変えるのも何ですので、?と思われるかも知れませんがご了承下さい。
注)4章以前の文書に誤字&脱字が多数散見している模様です、現在、修正中ですので今暫くご容赦下さい。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
姫騎士様と二人旅、何も起きないはずもなく……
踊りまんぼう
ファンタジー
主人公であるセイは異世界転生者であるが、地味な生活を送っていた。 そんな中、昔パーティを組んだことのある仲間に誘われてとある依頼に参加したのだが……。 *表題の二人旅は第09話からです
(カクヨム、小説家になろうでも公開中です)
新人神様のまったり天界生活
源 玄輝
ファンタジー
死後、異世界の神に召喚された主人公、長田 壮一郎。
「異世界で勇者をやってほしい」
「お断りします」
「じゃあ代わりに神様やって。これ決定事項」
「・・・え?」
神に頼まれ異世界の勇者として生まれ変わるはずが、どういうわけか異世界の神になることに!?
新人神様ソウとして右も左もわからない神様生活が今始まる!
ソウより前に異世界転生した人達のおかげで大きな戦争が無い比較的平和な下界にはなったものの信仰が薄れてしまい、実はピンチな状態。
果たしてソウは新人神様として消滅せずに済むのでしょうか。
一方で異世界の人なので人らしい生活を望み、天使達の住む空間で住民達と交流しながら料理をしたり風呂に入ったり、時にはイチャイチャしたりそんなまったりとした天界生活を満喫します。
まったりゆるい、異世界天界スローライフ神様生活開始です!
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
とある小さな村のチートな鍛冶屋さん
夜船 紡
ファンタジー
とある田舎の村。
住人は十数人程度で、小さな事件もすぐに村中に伝わるような場所。
そんな所に彼女はいた。
13歳ぐらいの小さな少女。
そんな彼女が住むのは小さなぼろ家。
鍛えるのは、町の人の使う鍋や包丁。
みんなの役に立てて嬉しいと、彼女はにこにこ笑ってる。
彼女は伝説級の腕のいい鍛冶師。
**********
本作品が書籍化し、1章に当たる部分がレンタル化しました。応援してくださっている皆様のおかげです!
改稿前のストーリーを9月20日に全て下げさせていただきました。
改善後の新しいメリアの物語をどうかお楽しみください。
2巻が発売されることが決定致しました!!
それに伴い、2章を下げさせていただきました。
お楽しみいただいていた方々には申し訳ありません。
3巻の発売が決定いたしました。
今回は全て書き下ろしになります。今書いている部分は一部の場面を書き換えて継続して更新させていただこうと思っております。
コミカライズされました!
デイ先生による素敵なメリアの世界をどうか、お楽しみください。
おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる