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仰せのままに、マイダーリン♡
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目の前で黙々と箸を進める武蔵を、月影は不思議そうな表情で眺めていた。
「もうオトンいい加減出てけや!! 月影さんにべたべたすんな!!」と武蔵が叫び、対応時間外にも関わらず配膳してくれた千尋を追い返したのは、つい今しがたの事である。
ちなみに言っておくが、千尋は月影にべたべたなど全くしていない。そりゃあ場に居合わせている以上、話を振られたりリアクションを求められたりはするのだが、ごくごく一般的な範囲内である。というより、月影から見ればむしろ、千尋は武蔵の事を構いたがっているように見えた。当然だ。たまにしか会えない息子と話をしたくない訳がない。もし酒を酌み交わせようものなら、父親としては最高だろう。むしろ自分は、部外者として少々の申し訳なさを感じていた程なのだ。
「武蔵君て……」
「?」
声をかけられ、椀を持ち上げつつ視線を寄こしてくる武蔵。
「何でそんなに千尋さんの事を敵対視するんですか?」
最初に実家に遊びに来た時を始め、こうやって事あるごとに、武蔵が千尋に対して謎の牽制を仕掛けている気がするのだ。月影が他の男と楽しそうにするのが気に食わない、と言ってはいたが、それにしたって相手はよりによって自分の父親。いささか度が過ぎているようにも思う。
責めるでもなく、からかうでもなく、ただただ純粋な疑問を浮かべながらの月影の指摘を受けて、武蔵の表情が複雑そうに歪んだ。痛いところを突かれた、という顔だ。どうやら自分でも過敏になっている自覚はあるらしい。
「……別に敵対視はしてませんけど……」
武蔵は少々言い訳がましい声音で絞り出してから、ことりと箸を置いた。
「小学生の頃、気になってた女の子が居たんすよ」
「え? あぁ、はい」
そして突如始まる昔話。いきなりどうしたと思いはしたのだが、何か関係があるのだろう。とりあえず耳を傾けてみる事にした。
「で、課外学習か何かでね、その子含めた何人かがウチに見学に来る事になって、俺はすげー楽しみにしてたわけですよ」
ふむふむ。相槌を打つ。
「旅館の中見せて、オトンとオカンの話聞いて、オトンが作ったメシ食って帰る程度の感じだったと思うんですけど、俺、めっちゃ張り切って旅館の中案内したんですよ。カッコイイ所見せたくてね。……でもその子、帰りしな俺になんて言うたと思います? 武蔵君のお父さんカッコイイね~って!!」
「……ぷふっ」
「しかもその次のバレンタインにな! 俺にチョコくれたからすっげぇ喜んでたら、「お父さんに渡しといて♡」って言われて……あの時の俺の気持ち分かります!? なぁ!! 月影さんも男やったらさすがに分かるやろ!?」
必死に訴えかけてくる武蔵に対し、月影は笑いを噛み殺しながらも「心中お察しします」とだけ返した。
「で、俺は真面目やから? オトンにちゃんとプレゼント渡したんすよ! もう悔しくって泣きながら! したらいつもは「男がめそめそすんな」って怒られる所なのに、その時だけ何故かめっちゃオトンに気遣われて慰められてん!! その優しさ逆に辛いわ!! もうその一連の流れで俺のプライドズタボロっすよ!?」
そこまで言うと、エキサイトしかけた呼吸をふうと落ち着ける武蔵。
「……それ以来俺の中に『油断してたらオトンに女取られるんやないか』っていう危機感があるんすよね。……あんのジジイ愛想無しのクセしてしなーっと女の懐入り込むさかいマジ油断ならん……!!」
当時の事を思い出してしまったのか、若干傷心した様子の武蔵が面白くて仕方ないのだが、ひとまず笑いを飲み込んだ月影が武蔵に向き直った。
「まぁでも、それくらいの女の子ってマセてますから。同級生よりも親戚のお兄さんとか、他所のお父さんとかが格好良く見えちゃうのなんて、よく聞く話じゃないですか」
「ちゃうねん!! そういう理屈はもはやどうでもエエねん!! その一連の流れのせいでトラウマが植え付けられてるから、条件反射でオトンに対して毛ェ逆立ててしまうねん!! 理屈は分かる!! ただもう条件反射!! 条件反射やから脚気みたいなモンやと思っといて!?」
「脚気!!」
言葉のチョイスに再度月影の笑いがぶり返す。声も出せずに肩を震わせる様子に、武蔵は「笑いすぎです」と一言。だがその実悪い気はしていなさそうな表情で、食べかけの吸い物を口へと運んだ。どうやら、普段あまり爆笑する事のない月影の笑いのツボを押せた事が嬉しいらしい。
「……でも少し心外だなぁ」
そして呼吸が落ち着き始めた頃、月影がぽつりとそう零し、向かい側に座る武蔵へと歩み寄って行った。机に向かって胡坐をかく膝を、トントン、と叩いてから、にこりと笑みを一つ。それだけで意図が伝わったらしい。嬉しそうに目元を細めた武蔵は、月影へと体を向き直らせた。
「私は武蔵君の事が大好きなのに……♡」
しなりと膝を跨いだ月影は、肩から項へと腕を巻き付けて、愛しいパートナーに鼻先を摺り寄せながらそう言った。ストレートな愛情表現と、うっとりとした表情、そして二人きりの時でもあまりしないような行動とで一気に気分が良くなったのか、武蔵の顔がさらに分かりやすく綻んでいく。こちらも負けじと手のひらを腰に回し、不躾な動きであたりを撫で回し始めた。勿論、すぐそこにある唇を軽いタッチで啄みながら。
「ええ~ホントっすか~?」
「ん」
「どれくらい?」
わざわざ口で言わせたがる武蔵の調子づいた様子も、祭りの名残が残っているからだろうか。満更悪い気はしなかった。下半身の浴衣の合わせを武蔵につまませて、「めくってみて?」と、首を傾げると、目の前の口角がむずむずと嬉しそうに動いた。どうやら上手い具合にスケベゴコロをそそる事が出来ているらしい。そっと、合わせが左右に開かれていく。
「……よっぽど好きじゃないと、こんな事しないと思いませんか?」
布が捲られると、面積の少ない女性物の下着が顔を覗かせた。全体に繊細なレース編みがあしらわれていて、サイドが紐のように細くなっている。クロッチ部分は辛うじて布が重なっているものの他は挑発的なシースルー生地で、色はいかにもな艶のある黒。ちなみに今は見えていないのだが、臀部も紐が割れ目に食い込むだけのエッチな下着である。以前武蔵が「月影さんこういうの絶対似合うんで履いて下さい!」なんて豪語しながら、冗談半分買い与えて来たものだった。その時は当然ながら履かずに放置された訳だが……。
武蔵の目が、興奮よりも早く驚きに見開かれた。
「……はぁッ!? こんなエロいの履いたままあの人混みウロウロしてたって事ですか!? ふざけてるんすか!!??」
「落ち着いて下さい!! 帰ってきてからです!! 武蔵君がお手洗いに行った時に、こそっと……」
「それでもオトンが居る時は履いてたって事ですよね!?」
「もうそれはいいじゃないですか別に!」
口では咎める風な事を言いつつも、両手はめちゃくちゃ本能に忠実に尻を鷲掴みにしてしまっている武蔵。手のひらにしっとりと吸い付く生尻の感触が実にえっちだ。
「いや、良くないっすよこれは。ダメですって。マジでよろしくない。ほんっまけしからん……!!」
「武蔵君ほんとおじさんになりましたよねぇ……」
「いやこんな恥ずかしい下着履いてるオッサンにだけは言われたくないんで」
「っ♡」
武蔵の指が尻の割れ目から紐を引っ張り上げると、必然下着全体も敏感な部分に食い込む事になる。今は辛うじて隠れているペニスの形が透けた布の中でより際立って、収まり切っていない陰嚢が持ち上げられ、会陰部が刺激されてその内側がきゅんと息衝いた。
「くふっ♡ 頑張って隠れてんのかーあいい♡」
「ん、ちょっ……んん……!♡」
そのまま何度か左右に揺さぶって性感を刺激して、一瞬力を抜いたかと思うと、また引っ張り上げて食い込ませる。下着に悪戯をしていない方の指は割れ目の奥からふっくらとした肉縁を探し出し、皺の一本一本を確かめるようなタッチで撫で始めた。
「月影さん、自分でおっぱい出して?」
「……」
「俺両手忙しいから。お願い♡」
舌を見せつけ、挑発的に目を細めながらのオネダリ。その先を予想出来てしまった月影が恥じらいを見せつつ襟ぐりを開くと、既に芯を持ち始めているぷっくり乳首が顔を覗かせた。
「あー……エッロ……♡」
素直な感嘆と共に舌先を触れ合わせ、下から上へ、ぴんっと弾き上げると、奥の窄まりが指先に痙攣を伝えてきた。分かりやすい反応に笑みを零し、今度は先端に舌先を当てたまま、優しくじっくりと捏ね回す。突き出た乳頭を押し戻しながら唾液を塗し、触れるか触れないかのタッチで擽って、円を描くようにクリクリと押し倒して甘やかしてやった。そうやって乳首をコネコネされるだけで疼いてしまう会陰部を、下着を引っ張られながら意地悪く悪戯されて、さらに中へと続く入り口まで焦れったく撫でられて、繊細なレースの中でペニスがみるみる自己主張をし始める。
「あっ♡ それ、よわいからぁ……♡ っふうぅ♡ 乳首、ゆっくりされるの、だめぇ……!♡」
「ちょっとちょっと。折角こんな可愛いの履いてんのにちんぽ勃てないで下さいよ~」
布を押し上げる不格好な膨らみを叱咤するように、食い込ませた生地を擦り付けて悪戯する武蔵。上下にゴシゴシ♡ 左右にゴシゴシ♡ 逃げそうになる腰を捕まえて、先走り汁で滑った先端も、つるつるの生地でゴシゴシ♡ 適度な滑りを伴ったシースルー生地に、竿から雁首、そして一際敏感な先端をいたぶられる刺激は、今までに経験した事のないものだった。堪らずカクカクと膝が笑ってしまう。
「んっ♡ んんっ♡♡ んくうぅう♡♡」
「頑張れ頑張れ♡ ちんぽ勃起すんの我慢して♡ 可愛い下着から不釣り合いなモンが見えちゃいますよー?♡」
「や、だぁ♡ そんなの、むり♡ むりいぃ……ッ♡♡」
飛び出しそうになる亀頭に布を被せ直して、勃起を宥めるように上下に優しく扱きたてる。だがそんな事をされた所で性感が落ち着くはずもなく、逆に情欲に拍車がかかるだけだ。カウパ―液がどんどん竿と布とに塗り広げられ、無理矢理被せられたヌルヌル下着がぺったり張り付いて、薄布の中で浅ましく立ち上がるペニスの形を浮かび上がらせた。
「ほらがーまーん♡ 女の子下着履いてるのにちんぽ見せちゃダーメ♡ コッチ穿ってやるから、まんこいっぱい濡らしながらちんぽ我慢しよーな♡」
「ひっ、く♡ うぅ♡ ぁっ♡ あぁっ……~~~~ッ♡♡」
ぬくうぅぅっ……♡ 入り口で遊んでいた中指が、窄まりを押し広げながらゆっくりと内部に侵入していく。ちゅうちゅう吸い付く肉縁を中に入れ込んだり、外側に引っ張ったり。まずは浅い部分で様子を見ながら、一層嬉しそうにヒクつくペニスに布を被せつつ慰めて、尖った乳首への愛撫も忘れない。
「月影さん、昔はこんなの頼んでも絶対やってくれなかったのに」
「っく、うぅぅ♡ ふっ♡ んん……♡♡」
「今じゃ自主的に、どんどん俺好みの事やってくれるようになっちゃって」
「んっ♡ んん♡ んうぅ♡♡」
「あー好き♡ 堪らん好き♡ ほんっと最高♡」
「もぉっ♡ そこで、しゃべらないでぇ♡♡」
ぬっちゅくっちゅくっちゅにっちゅ♡ くぷっくぷっくぷっ♡♡ 緩慢な手コキと手マンが、卑猥な音を股座から響かせる。ねっとりとした乳首責めの合間に紡がれる言葉のせいで、不規則に当たる呼吸と掠める歯の刺激が堪らない。思わず武蔵の頭を抱え込みながら身悶えると、さらに嬉しそうに乳首を吸いあげられ、狙いすましたように前立腺をノックされた。膣内に快感が駆け抜けて、月影の腰がびくんと跳ね上がる。その反応を皮切りに、コリコリニチュニチュと弱い部分を揉み込むマッサージまで開始された。
(気持ちいい♡ きもちいぃっ♡ 女の子の下着履いたまま、武蔵君の好きにされちゃってる♡ これ意地悪されてるっ♡♡ もう、前にも後ろにも、腰逃がせないぃ……!♡♡)
快感にヒクついたり濡れたりする度に、そんないやらしい様子を咎めるようにヌトヌトの生地で丁寧に包み直されて、窮屈な布に閉じ込められたまま延々と優しくてもどかしい手コキを与えられ続ける。自身の勃起のせいで、細くよれたクロッチが会陰に食い込んで、もじもじと股をくゆらせる度に弱い部分を擦り上げてくる。さらに胎内に埋められた指が、裏側からもペニスと会陰をきゅんきゅん疼かせるスイッチを押してきて、快感を受け止めきれずに尻が勝手に揺れ動いてしまう。でも身を捩らせるとさらに下着が食い込んで……♡ 結局ただ武蔵の膝の上で無防備に股を開きながら、されるがままで愛撫を受け入れる事しか出来ないのだ。
そのうちに、指が二本三本と増やされて、ピストンも徐々に熱の籠ったものへと変化していった。
「あー……指じゃ一番気持ちいい所触ってやれねぇなぁ……」
「んっ!♡ ンっ!♡ んんッ!!♡♡」
ぱちゅっ!♡ ぱちゅっ!♡ ぱちゅっ!♡ 何度か激しくノックして、それからジンジン疼く内壁を優しく撫で摩り、肉筒を広げるように円を描いて感じさせてから、再度手のひらが打ち付けられる程深く抽挿を繰り返す。しかしいくら指で穿られようとも、最奥まで届くことはない。気持ち良くももどかしいその動きが、月影のさらに奥まった部分を燻らせて、深い快感を知ってしまっている体を切なく焦らした。
「むさしくっ♡ むさし、くんっ♡ もおっ♡」
「ん? なーに?♡」
「もお、からだ切ないのっ♡ ちゃんとシてほしいぃ……!♡♡」
「ちゃんとって……ああ、こう?」
「んひィっ!?♡♡」
ずりゅんっ!!♡♡ ペニスを包んでいたヌルヌルの下着が、勢いをつけてずり下ろされた。しつこい布越し手コキでいじめられていた亀頭が引っかかり、大きく下に引っ張られ、それから反動でぶるんと跳ね上がる。完勃ちの敏感竿がしなる快感に耐えられるはずもなく、痙攣する尿道口から先走り汁がぴゅっぴゅと噴きこぼれた。
「はーっ♡ あぁぁっ……♡ は、あぁぁっ……!♡♡」
「はは……♡ イき損ねてんのエッロ……♡」
背を仰け反らせる月影の、前立腺をニュチニュチと揉み込むと、震えるペニスの先端で鈴口がくぱくぱと粘膜を見せつけた。絶頂に届かずもどかしさに蝕まれている裏筋を、つうっと人差し指で撫で上げて、淫らな割れ目をトントンとタップ。それから亀頭でぬるぬる円を描いてたっぷり我慢汁を溢れさせた後、輪っかを作ってコキ下ろす。女性用ランジェリーから剥き出しになった肉棒が、びくびくと打ち震えながら手管に翻弄される様は、何とも倒錯的でいやらしかった。思わず舌なめずりを一つ。
はっはと息を弾ませた月影が、甘えるように武蔵の唇を食んだ。
「も、いじめ、らいれえぇ……♡ おちんぽいじめられるの、やだぁ♡♡ むさしくんが欲しのにぃ……♡♡」
「ん♡ ごめんて♡ 月影さんが可愛いの履いてくれたから、ついいじめたくなっちゃったんだって。ちょ……んん……キスはげしっ……♡」
「ん、んん……♡ んむぅ……♡♡ 口きもちいぃ♡ むさしくん♡ むさしくん、ひゅきぃ……♡♡」
「ん~♡ なにそのデレッデレ♡ 今日どうしたん?」
「らっ、てぇ♡ はぁ♡ 今日のむさしくん、かっこよすぎるからあっ♡♡ もう、どうしたらいいか、わかんなくてぇっ♡♡」
「ッあ゛~~~~~!! 俺の嫁可愛すぎてつれえぇ~~~~~ッ!!♡ 今抱いてやるからなぁっ!!♡♡ 覚悟しときやあっ!!♡♡」
だいしゅきの嵐に大喜びの武蔵が身を捩り、すぐそこにあったカバンからゴムを取り出した。それから月影の膝裏に手を差し込んで、ひょいと横抱きに抱き上げてしまう。自分よりタッパがある成人男性を苦も無くお姫様抱っこ出来てしまう辺り、伊達に人を守って飯を食っていないといった所か。いやそれにしたって無駄に筋力ありすぎだけれども。
「月影さん、今日バックでしていい?」
「へ……?」
布団へ誘った月影をうつぶせに寝かせつつ、武蔵が問いかけた。
「折角こんなエロいの履いてくれてんだから、お尻見ながらずらし挿入したい」
質問のテイをとりつつも実質やる気満々で、腰を持ち上げさせてすぐソコにきた丸みを撫で摩る。突き出された尻肉の中心に、申し訳程度の細い紐がぺったりと張り付いていて、それを親指でついとずらせば、ヒクヒクと空気を食む窄まりが丸出しになった。普通よりも肉縁の盛り上がりが大きくて、敏感そうに色づいていて、少し縦に割れているようにも見えて……。自分と寝続けたせいでこうなった。自分のペニスを咥えるための穴。そんな事を考えながらソコを眺めていると、独占欲と征服欲が刺激され、ぞくぞくと背筋がざわめいた。先程から硬くなっていたペニスも痛いくらいに存在を主張して、早くこの中に入らせろとせっついてくる。ああもう、何も考えずに一気に奥までぶち込みたい。芽生えた衝動を、鋭く息を吐く事で宥めすかし、性急にコンドームの封を切った。
「じゃ、じゃあ……」
しかしそこで、月影の手がゴムを持つ手に伸びてくる。
「代わりに、今日はこれナシで……ね? 今日は、赤ちゃん欲しい気分だから……♡」
ちらりとこちらを振り返りつつ、潤んだ視線を絡めての情感たっぷりなお誘い。追い打ちのようなやり方に、武蔵は腹の奥から激情が込み上げてくるのを感じた。もはや怒りにも似た興奮のやり場が分からなくて、でもこのまま進めてしまうとそれこそ自分本位に腰を打ち付けてしまいそうで、せめて月影の腰を強く抱きしめながら言葉にならない唸り声を漏らした。
「ほんっ……とにさぁ……。頼むからやめてマジで! 俺好きな子の前では優しくてカッコイイ彼氏で居たいんだって!!」
「っ、ふふ……♡ しってる……ん……でも、武蔵君が余裕なくなるの、私結構好きなんだよなぁ、ッ♡ あっ♡ あっ♡ だいすきなのきたあぁ……ッ!!♡♡」
言葉途中で粘膜同士が触れ合い、熱い質量が入り口を押し広げ始めた。ガチガチに張り詰めたカリ首がゆっくりと入り込んできたと思いきや、前立腺を掠めるか掠めないかの所で一転、勢いよく奥まで突き立てられる事となる。
「あっが―――!!♡♡」
「あーもうッ!! 言っとくけど煽ったの月影さんだからな!? そんなに言うなら好きにやらせて貰うけどいいんすよねッ!?」
興奮を剥き出しにした声色を背に受けて、強かに打ち付けられた腹奥がきゅうぅっ♡ と収縮した。
とにかく今は武蔵の事を満たしたくて堪らなかった。自分の体で思う存分気持ちよくなって貰いたかった。一緒に過ごせば過ごす程武蔵に惚れ直してしまって、愛おしさは増すばかりで、このまま行くと自分は一体どうなってしまうのだろうとすら思う。
弱弱しく頷いた月影が、頭を枕に伏せ、左手で自身の尻たぶを掴んだ。
「……むさしくんの、すきにして……すきに、されたいの……♡」
そして、割れ目を開きながら、一言。
今度こそ、理性の糸が切れる音がした。
「んお゛ッ!?♡」
どちゅんっ!!♡♡ いきなり結腸口を引っ叩くようなピストンをお見舞いされ、月影の尻が大きく跳ね上がる。しかしそんな反応にはもう構わずに、最奥をごりゅんごりゅんと亀頭で捏ね回し、前立腺を引っかけて、再び奥を穿つ武蔵。どちゅんッ♡ どちゅんッ♡ どちゅんッ!♡♡ 肉棒が胎内を蹂躙する水音に、獣じみた呼吸音が重なった。
「お゛ッ♡♡ おォ゛ッ♡♡ んおお゛ッ♡♡ んひい゛ぃいっ!♡♡」
「あ~~~やっば……この眺めとウッセェ喘ぎ声だけでもうイきそ……ッ♡ って月影さーん♡ な~に猿みたいなピストンで即イキ決めてんすかぁ?♡」
「ッ!!♡♡ だめだめらめえぇ♡♡ それキきすぎるからあぁ゛ぁ……!!♡♡」
布団に吐き出されている白濁液に気づいた武蔵が、ここぞとばかりに紐を引っ張り上げた。左右に揺さぶると、射精途中のペニスもぶるんぶるんと揺さぶられ、精液が卑猥に撒き散らされていく。
「むひゃひくんの、おちんぽっ♡ お゛ッ♡♡ いきなりっ♡ いきなりおくまできへるのっ、きもちよひゅぎるうぅッ♡♡ ひゅきっ♡♡ むさしくんひゅきっ♡♡ ゴリゴリされるのきもひぃのお゛ッ♡♡ あ゛っ♡♡ あぁあッ♡♡ はいっちゃ♡ っ、これえ゛ッ♡♡ はいっひゃうう゛ぅ゛ッ……!!♡♡♡」
「はあッ♡ マジで速攻奥ヌけそうなんだけどっ!♡♡ クッソこのエロまんこどうなってんだよっ!! このスケベ穴で俺以外のちんぽ咥えたりしてねぇだろうなあッ!?」
「しなっ♡ そんなの、ひまへんっ♡♡ むさしくんっ、せんよう穴れひゅッ!♡♡ あっ!!♡♡ そんなにしたらっ、おぉ゛ッ♡♡ ほんとにはいるからあ゛ぁ゛ッ♡♡」
じゅっぱじゅっぱじゅっぱじゅっぱじゅっぱ♡♡♡ ピストンのリズムに合わせて、月影の下腹部から鈴口をしゃぶり上げる音が聞こえてくる。
(エッチな音すごい♡♡ すっごいやらしい音しちゃってるっ♡♡ お腹の奥で武蔵君欲しがってるのバレちゃってるっ♡♡ 恥ずかしい♡ はずかしい、のにぃ♡♡ 武蔵君のおちんちん好きすぎてえっ♡♡ もぉ、奥っ……開いちゃううぅう……!!♡♡)
「ひッ、おぉお゛ッ―――~~~~!!♡♡♡」
おちんぽ大歓迎の結腸口が、ぶちゅんっ!♡ と亀頭を迎え入れた。そして間髪入れずに弁をこそぎながらカリ首が引き抜かれ、またすぐに中へと突き立てられる。あまりの衝撃に、月影の瞼裏にはチカチカと火花が飛び散った。結腸口の締め付けで亀頭をしゃぶらせる、雄が気持ちよくなるためだけの動き。だけどその余裕のなさが愛おしくて、自分に興奮してくれている事実をまざまざと感じられて、心と体が昂って仕方なかった。精一杯尻を突き出して、奥へ奥へと食い荒らすようにハメ込まれるペニスを健気に締め付けて、強烈な快感に身をくねらせる。
弓なりになった腰を伝う汗、ピストンの度に不格好に形が変わる双丘、そして雄に媚びるようにくねくねと悶え続ける尻の動き。その光景は背後から見下ろしている武蔵にとって実に壮観だった。性欲が掻き立てられ、ピストン運動がさらに熱烈なものになっていく。
ばちゅっばちゅっばちゅっばちゅっばちゅっばちゅっばちゅんっっ!!♡♡♡
「お゛ぉっ♡♡ こんらっ♡ ひっ♡♡ だいひゅきなおちんちんで、ッ♡ しきゅうじゅぱじゅぱされたらあ゛ッ♡♡ れったい、んぉ゛ッ♡♡ ぜったいあかひゃんできひゃうっ!!♡♡ むさしくんのおちんちんれっ、おなかおんなのこにされひゃうう゛ぅうッ!!♡♡」
「う゛っあ……それヤッバ……ッ!♡♡ なぁッ、一発目出していいっ!? もう出したい!♡ もう出るっ!♡♡ 月影さんの事孕ませるッ!!♡ 月影さんっ♡ 月影さんッ!♡♡ 孕んでっ! 孕めッ!♡ 孕めよオラァッ!!♡♡」
本能剥き出しで大きく腰を打ち付けた武蔵がぎちりと歯を食いしばる。その瞬間、最奥にはまった亀頭が痙攣し、勢いよく奔流が打ち付けられ始めた。
「あ゛っ♡♡ ア゛ッ♡♡ ああ゛ぁあ゛あッ!♡♡ あついのキへるッ!!♡♡ おなかのおくまでキてるうぅぅ゛っ!!♡♡ ああぁぁっ♡♡ たねつけうれひぃ♡♡ むさしくんひゅきいぃぃ……!!♡♡♡ もっと赤ちゃん仕込んでえぇえっ……!!♡♡♡」
大好きな人の精液を零さず啜り上げようと、結腸口がきゅうきゅうと引き絞られ、腸壁も全力で肉棒を包み込む。幸せそうに中出しアクメを味わう胎内に、さらにしっかりと精液を擦り付けるような押し込みピストンが刻まれた。
「っふ♡ あ、んんんっ……♡♡ ふくうぅ゛……~~~~~っ♡♡」
ぬろろろろぉ~~~~……♡♡ ヒクつく肉ヒダを扱き上げながら、ねっとりと竿が抜けていく。アクメ直後の膣道を、ヌルヌルおちんぽで擦られる刺激が堪らなくて、月影は足の指を丸め込みながら身悶えた。この後ぽっかりとちんぽ型に開いたお尻の穴に、すうすうと空気が入り込んできて、それからごぷりと精液が逆流するのだ。その官能を予感して身構えていたのだが……
次にきたのは、思いっきり結腸口を突き上げられる快感だった。
「ッ~~~~~!?♡♡♡ ア゛ッ♡♡ あ゛ッ!♡♡ んおぉ゛お゛おッ!!♡♡♡ イクイクいぐう゛ぅう゛ッ―――~~~~~ッッ!!♡♡♡」
不意打ちピストンでいとも簡単に絶頂する月影に構う事無く、アツアツザーメンたっぷりの胎内をぐっちゃぐちゃに攪拌し始める武蔵。もはや人間らしい言葉はなく、口角からはフーフーと荒い呼吸音が零れ、結合部からは肉がぶつかり合う音のみが響き渡る。
(武蔵君、すっごく興奮してくれてるっ♡♡ イったばっかりのおまんこガツガツ突き回されるのツラいぃ♡♡ これっ、武蔵君のおちんちん空っぽになるまで終わらないヤツだあ♡ ずっとおちんぽ穴にされちゃうヤツだあぁ……!♡♡)
武蔵の様子から、交尾のようなセックスの予感を感じ取って身震いする月影。甘い被虐心に体の芯を疼かせて、きゅっと枕を握りしめた。
◆
それから体位を変えながら、何度も何度もイかされて、漏れなく中に注がれた。既に興奮のピークは過ぎており、後戯のようなまったりピストンが延々と続いている。
「ぁっ、あっ♡ ゆっくり、きもひぃ……♡♡ あっ♡ あんっ……♡♡ イっへ♡ ずっと、イっへるうぅ……!♡♡」
散々イキ続けて敏感になり過ぎたトロトロフワフワおまんこを、大好きな恋人おちんぽでじっくりヌコヌコ舐め回される。すっかり出来上がり切った体を、さらに弱火で炙り続けられるような快楽を与えられ、月影はもはや小刻みに甘イキが訪れて止まらないような状態になっていた。
視線を持ち上げれば、目を閉じて眉根を寄せ、快感を噛み締めている武蔵の表情があった。首まで真っ赤に染め上げて、髪がぐっしょり濡れる程汗だくになっている様子が、色っぽくて雄っぽくて、あぁ、やっぱり武蔵君は格好いいなぁ、なんて、場違いな事を考えた。
「あっ……やばッ……!♡♡ つきかげさん、イく♡ イくっ♡♡ また月影さんに種付けするっ……!!♡♡」
もう何度目か分からない絶頂を訴えた武蔵が、重たそうに瞼を持ち上げた。睫毛の間からうるりと濡れた萌黄色の瞳が月影を捕らえ、当初より随分甘ったれた視線が絡みついてくる。
(あぁ……目、きれい……一生懸命で可愛い……ッ♡♡)
情欲と、自分に対しての愛おしさが詰め込まれたような目を向けられながら、腹奥で精を受け止める充足感。もう嬌声は出て来なくて、月影は全身を突っ張らせながらガクガクと震える事で悦びを味わった。
「ッはー……♡♡ はーっ……♡ も、むり……♡ ぜんっぶ月影さんに出したぁ……♡」
やがて萎え切ったペニスが抜けていくと同時に、武蔵が背中を丸めて弱弱しく覆いかぶさってきた。その瞬間、むせ返るような汗の匂いと武蔵の匂いが感じられて、生々しいその匂いに、疼きっぱなしの下腹部がまたもきゅんっと脈動する。月影の意思とは無関係に、アナルから精液がぴゅっと逆流した。
「はぁっ……むさし、くん……すっごく、かわいかった……♡♡」
「……え? 感想おかしくないっすか……? 俺尻で抱かれてたの……?」
「ふふ……♡ ね、キス……」
表を寄せる月影に、武蔵がふわりとキスを落とす。互いの唇を押し付けて、しばしまったりと舌を絡め合った後、それ以上深くなる事もなく気だるげに離れていく。
ごろん。いよいよ脱力した武蔵が、月影の隣に身を投げ出した。
「あー……このまま寝ちまいてぇなぁ……」
「ね」
「でもシャワー行かねぇと……」
「……セックスした後……なんか、こう……カプセルみたいなのに入って、シュンッて、一瞬で後始末済んだらいいのになぁって、思いません……?」
ふわふわとした声で紡がれる空想に、小さく噴き出す武蔵。
「あったま悪ィ考え方」
「ええ?」
「でもすっげぇ思う」
「ほらぁ」
「そしたら月影さんともっと気軽にセックス出来るし」
「……もう、エッチ」
「そんな嬉しそうな声で言われてもなぁ」
セックスの余韻に包まれながら、意味のない事でくすくすと笑い合い、怠惰な時間を満喫する。そうするうちに、籠った熱がエアコンの冷気にあてられて、徐々に霧散していった。
仰向けにしな垂れていた月影が、重たい腰を動かして、武蔵の方へと体を横たえた。
「……私が、武蔵君の事大好きなの、伝わりました?」
一瞬ぽかんとした表情を見せた武蔵であるが、少しの間の後、そもそもこのセックスが始まったキッカケを思い出したらしい。すぐにはにかみ笑いが返ってくる。
「うん。ありがと」
「訛って?」
「ぷっは……おーきに♡」
「良くできました」
月影の手のひらが、武蔵の両頬を撫で上げて、耳を擽り、項まで回っていく。それからこつんと額を触れ合わせ、睫毛が触れそうな位置で色目を一つ。
「じゃあ武蔵君……優しくてカッコイイ彼氏として、シャワールームに連れて行って貰えますか? ……武蔵君がいっぱい出してくれたから、お腹重くて動けないの……♡」
武蔵はこういう、ちょっと手を煩わせるような、でも甘ったるいワガママが大好きなのを月影は知っている。案の定、幸せそうに口角が持ち上がっていく。
「っはぁ~~~♡ もう手がかかる彼女っすね~~~♡」
「こういうの好きなクセに」
「うっわ。その言い方とふてぶてしさ、影縫の系譜を感じるわー」
「親子ですからね。それで、連れて行ってくれないの?」
答えを知っているような表情で問いかけると、返事が返されるより早く、ふわりと体が浮き上がった。
「はいはい。仰せのままに、マイダーリン♡」
「もうオトンいい加減出てけや!! 月影さんにべたべたすんな!!」と武蔵が叫び、対応時間外にも関わらず配膳してくれた千尋を追い返したのは、つい今しがたの事である。
ちなみに言っておくが、千尋は月影にべたべたなど全くしていない。そりゃあ場に居合わせている以上、話を振られたりリアクションを求められたりはするのだが、ごくごく一般的な範囲内である。というより、月影から見ればむしろ、千尋は武蔵の事を構いたがっているように見えた。当然だ。たまにしか会えない息子と話をしたくない訳がない。もし酒を酌み交わせようものなら、父親としては最高だろう。むしろ自分は、部外者として少々の申し訳なさを感じていた程なのだ。
「武蔵君て……」
「?」
声をかけられ、椀を持ち上げつつ視線を寄こしてくる武蔵。
「何でそんなに千尋さんの事を敵対視するんですか?」
最初に実家に遊びに来た時を始め、こうやって事あるごとに、武蔵が千尋に対して謎の牽制を仕掛けている気がするのだ。月影が他の男と楽しそうにするのが気に食わない、と言ってはいたが、それにしたって相手はよりによって自分の父親。いささか度が過ぎているようにも思う。
責めるでもなく、からかうでもなく、ただただ純粋な疑問を浮かべながらの月影の指摘を受けて、武蔵の表情が複雑そうに歪んだ。痛いところを突かれた、という顔だ。どうやら自分でも過敏になっている自覚はあるらしい。
「……別に敵対視はしてませんけど……」
武蔵は少々言い訳がましい声音で絞り出してから、ことりと箸を置いた。
「小学生の頃、気になってた女の子が居たんすよ」
「え? あぁ、はい」
そして突如始まる昔話。いきなりどうしたと思いはしたのだが、何か関係があるのだろう。とりあえず耳を傾けてみる事にした。
「で、課外学習か何かでね、その子含めた何人かがウチに見学に来る事になって、俺はすげー楽しみにしてたわけですよ」
ふむふむ。相槌を打つ。
「旅館の中見せて、オトンとオカンの話聞いて、オトンが作ったメシ食って帰る程度の感じだったと思うんですけど、俺、めっちゃ張り切って旅館の中案内したんですよ。カッコイイ所見せたくてね。……でもその子、帰りしな俺になんて言うたと思います? 武蔵君のお父さんカッコイイね~って!!」
「……ぷふっ」
「しかもその次のバレンタインにな! 俺にチョコくれたからすっげぇ喜んでたら、「お父さんに渡しといて♡」って言われて……あの時の俺の気持ち分かります!? なぁ!! 月影さんも男やったらさすがに分かるやろ!?」
必死に訴えかけてくる武蔵に対し、月影は笑いを噛み殺しながらも「心中お察しします」とだけ返した。
「で、俺は真面目やから? オトンにちゃんとプレゼント渡したんすよ! もう悔しくって泣きながら! したらいつもは「男がめそめそすんな」って怒られる所なのに、その時だけ何故かめっちゃオトンに気遣われて慰められてん!! その優しさ逆に辛いわ!! もうその一連の流れで俺のプライドズタボロっすよ!?」
そこまで言うと、エキサイトしかけた呼吸をふうと落ち着ける武蔵。
「……それ以来俺の中に『油断してたらオトンに女取られるんやないか』っていう危機感があるんすよね。……あんのジジイ愛想無しのクセしてしなーっと女の懐入り込むさかいマジ油断ならん……!!」
当時の事を思い出してしまったのか、若干傷心した様子の武蔵が面白くて仕方ないのだが、ひとまず笑いを飲み込んだ月影が武蔵に向き直った。
「まぁでも、それくらいの女の子ってマセてますから。同級生よりも親戚のお兄さんとか、他所のお父さんとかが格好良く見えちゃうのなんて、よく聞く話じゃないですか」
「ちゃうねん!! そういう理屈はもはやどうでもエエねん!! その一連の流れのせいでトラウマが植え付けられてるから、条件反射でオトンに対して毛ェ逆立ててしまうねん!! 理屈は分かる!! ただもう条件反射!! 条件反射やから脚気みたいなモンやと思っといて!?」
「脚気!!」
言葉のチョイスに再度月影の笑いがぶり返す。声も出せずに肩を震わせる様子に、武蔵は「笑いすぎです」と一言。だがその実悪い気はしていなさそうな表情で、食べかけの吸い物を口へと運んだ。どうやら、普段あまり爆笑する事のない月影の笑いのツボを押せた事が嬉しいらしい。
「……でも少し心外だなぁ」
そして呼吸が落ち着き始めた頃、月影がぽつりとそう零し、向かい側に座る武蔵へと歩み寄って行った。机に向かって胡坐をかく膝を、トントン、と叩いてから、にこりと笑みを一つ。それだけで意図が伝わったらしい。嬉しそうに目元を細めた武蔵は、月影へと体を向き直らせた。
「私は武蔵君の事が大好きなのに……♡」
しなりと膝を跨いだ月影は、肩から項へと腕を巻き付けて、愛しいパートナーに鼻先を摺り寄せながらそう言った。ストレートな愛情表現と、うっとりとした表情、そして二人きりの時でもあまりしないような行動とで一気に気分が良くなったのか、武蔵の顔がさらに分かりやすく綻んでいく。こちらも負けじと手のひらを腰に回し、不躾な動きであたりを撫で回し始めた。勿論、すぐそこにある唇を軽いタッチで啄みながら。
「ええ~ホントっすか~?」
「ん」
「どれくらい?」
わざわざ口で言わせたがる武蔵の調子づいた様子も、祭りの名残が残っているからだろうか。満更悪い気はしなかった。下半身の浴衣の合わせを武蔵につまませて、「めくってみて?」と、首を傾げると、目の前の口角がむずむずと嬉しそうに動いた。どうやら上手い具合にスケベゴコロをそそる事が出来ているらしい。そっと、合わせが左右に開かれていく。
「……よっぽど好きじゃないと、こんな事しないと思いませんか?」
布が捲られると、面積の少ない女性物の下着が顔を覗かせた。全体に繊細なレース編みがあしらわれていて、サイドが紐のように細くなっている。クロッチ部分は辛うじて布が重なっているものの他は挑発的なシースルー生地で、色はいかにもな艶のある黒。ちなみに今は見えていないのだが、臀部も紐が割れ目に食い込むだけのエッチな下着である。以前武蔵が「月影さんこういうの絶対似合うんで履いて下さい!」なんて豪語しながら、冗談半分買い与えて来たものだった。その時は当然ながら履かずに放置された訳だが……。
武蔵の目が、興奮よりも早く驚きに見開かれた。
「……はぁッ!? こんなエロいの履いたままあの人混みウロウロしてたって事ですか!? ふざけてるんすか!!??」
「落ち着いて下さい!! 帰ってきてからです!! 武蔵君がお手洗いに行った時に、こそっと……」
「それでもオトンが居る時は履いてたって事ですよね!?」
「もうそれはいいじゃないですか別に!」
口では咎める風な事を言いつつも、両手はめちゃくちゃ本能に忠実に尻を鷲掴みにしてしまっている武蔵。手のひらにしっとりと吸い付く生尻の感触が実にえっちだ。
「いや、良くないっすよこれは。ダメですって。マジでよろしくない。ほんっまけしからん……!!」
「武蔵君ほんとおじさんになりましたよねぇ……」
「いやこんな恥ずかしい下着履いてるオッサンにだけは言われたくないんで」
「っ♡」
武蔵の指が尻の割れ目から紐を引っ張り上げると、必然下着全体も敏感な部分に食い込む事になる。今は辛うじて隠れているペニスの形が透けた布の中でより際立って、収まり切っていない陰嚢が持ち上げられ、会陰部が刺激されてその内側がきゅんと息衝いた。
「くふっ♡ 頑張って隠れてんのかーあいい♡」
「ん、ちょっ……んん……!♡」
そのまま何度か左右に揺さぶって性感を刺激して、一瞬力を抜いたかと思うと、また引っ張り上げて食い込ませる。下着に悪戯をしていない方の指は割れ目の奥からふっくらとした肉縁を探し出し、皺の一本一本を確かめるようなタッチで撫で始めた。
「月影さん、自分でおっぱい出して?」
「……」
「俺両手忙しいから。お願い♡」
舌を見せつけ、挑発的に目を細めながらのオネダリ。その先を予想出来てしまった月影が恥じらいを見せつつ襟ぐりを開くと、既に芯を持ち始めているぷっくり乳首が顔を覗かせた。
「あー……エッロ……♡」
素直な感嘆と共に舌先を触れ合わせ、下から上へ、ぴんっと弾き上げると、奥の窄まりが指先に痙攣を伝えてきた。分かりやすい反応に笑みを零し、今度は先端に舌先を当てたまま、優しくじっくりと捏ね回す。突き出た乳頭を押し戻しながら唾液を塗し、触れるか触れないかのタッチで擽って、円を描くようにクリクリと押し倒して甘やかしてやった。そうやって乳首をコネコネされるだけで疼いてしまう会陰部を、下着を引っ張られながら意地悪く悪戯されて、さらに中へと続く入り口まで焦れったく撫でられて、繊細なレースの中でペニスがみるみる自己主張をし始める。
「あっ♡ それ、よわいからぁ……♡ っふうぅ♡ 乳首、ゆっくりされるの、だめぇ……!♡」
「ちょっとちょっと。折角こんな可愛いの履いてんのにちんぽ勃てないで下さいよ~」
布を押し上げる不格好な膨らみを叱咤するように、食い込ませた生地を擦り付けて悪戯する武蔵。上下にゴシゴシ♡ 左右にゴシゴシ♡ 逃げそうになる腰を捕まえて、先走り汁で滑った先端も、つるつるの生地でゴシゴシ♡ 適度な滑りを伴ったシースルー生地に、竿から雁首、そして一際敏感な先端をいたぶられる刺激は、今までに経験した事のないものだった。堪らずカクカクと膝が笑ってしまう。
「んっ♡ んんっ♡♡ んくうぅう♡♡」
「頑張れ頑張れ♡ ちんぽ勃起すんの我慢して♡ 可愛い下着から不釣り合いなモンが見えちゃいますよー?♡」
「や、だぁ♡ そんなの、むり♡ むりいぃ……ッ♡♡」
飛び出しそうになる亀頭に布を被せ直して、勃起を宥めるように上下に優しく扱きたてる。だがそんな事をされた所で性感が落ち着くはずもなく、逆に情欲に拍車がかかるだけだ。カウパ―液がどんどん竿と布とに塗り広げられ、無理矢理被せられたヌルヌル下着がぺったり張り付いて、薄布の中で浅ましく立ち上がるペニスの形を浮かび上がらせた。
「ほらがーまーん♡ 女の子下着履いてるのにちんぽ見せちゃダーメ♡ コッチ穿ってやるから、まんこいっぱい濡らしながらちんぽ我慢しよーな♡」
「ひっ、く♡ うぅ♡ ぁっ♡ あぁっ……~~~~ッ♡♡」
ぬくうぅぅっ……♡ 入り口で遊んでいた中指が、窄まりを押し広げながらゆっくりと内部に侵入していく。ちゅうちゅう吸い付く肉縁を中に入れ込んだり、外側に引っ張ったり。まずは浅い部分で様子を見ながら、一層嬉しそうにヒクつくペニスに布を被せつつ慰めて、尖った乳首への愛撫も忘れない。
「月影さん、昔はこんなの頼んでも絶対やってくれなかったのに」
「っく、うぅぅ♡ ふっ♡ んん……♡♡」
「今じゃ自主的に、どんどん俺好みの事やってくれるようになっちゃって」
「んっ♡ んん♡ んうぅ♡♡」
「あー好き♡ 堪らん好き♡ ほんっと最高♡」
「もぉっ♡ そこで、しゃべらないでぇ♡♡」
ぬっちゅくっちゅくっちゅにっちゅ♡ くぷっくぷっくぷっ♡♡ 緩慢な手コキと手マンが、卑猥な音を股座から響かせる。ねっとりとした乳首責めの合間に紡がれる言葉のせいで、不規則に当たる呼吸と掠める歯の刺激が堪らない。思わず武蔵の頭を抱え込みながら身悶えると、さらに嬉しそうに乳首を吸いあげられ、狙いすましたように前立腺をノックされた。膣内に快感が駆け抜けて、月影の腰がびくんと跳ね上がる。その反応を皮切りに、コリコリニチュニチュと弱い部分を揉み込むマッサージまで開始された。
(気持ちいい♡ きもちいぃっ♡ 女の子の下着履いたまま、武蔵君の好きにされちゃってる♡ これ意地悪されてるっ♡♡ もう、前にも後ろにも、腰逃がせないぃ……!♡♡)
快感にヒクついたり濡れたりする度に、そんないやらしい様子を咎めるようにヌトヌトの生地で丁寧に包み直されて、窮屈な布に閉じ込められたまま延々と優しくてもどかしい手コキを与えられ続ける。自身の勃起のせいで、細くよれたクロッチが会陰に食い込んで、もじもじと股をくゆらせる度に弱い部分を擦り上げてくる。さらに胎内に埋められた指が、裏側からもペニスと会陰をきゅんきゅん疼かせるスイッチを押してきて、快感を受け止めきれずに尻が勝手に揺れ動いてしまう。でも身を捩らせるとさらに下着が食い込んで……♡ 結局ただ武蔵の膝の上で無防備に股を開きながら、されるがままで愛撫を受け入れる事しか出来ないのだ。
そのうちに、指が二本三本と増やされて、ピストンも徐々に熱の籠ったものへと変化していった。
「あー……指じゃ一番気持ちいい所触ってやれねぇなぁ……」
「んっ!♡ ンっ!♡ んんッ!!♡♡」
ぱちゅっ!♡ ぱちゅっ!♡ ぱちゅっ!♡ 何度か激しくノックして、それからジンジン疼く内壁を優しく撫で摩り、肉筒を広げるように円を描いて感じさせてから、再度手のひらが打ち付けられる程深く抽挿を繰り返す。しかしいくら指で穿られようとも、最奥まで届くことはない。気持ち良くももどかしいその動きが、月影のさらに奥まった部分を燻らせて、深い快感を知ってしまっている体を切なく焦らした。
「むさしくっ♡ むさし、くんっ♡ もおっ♡」
「ん? なーに?♡」
「もお、からだ切ないのっ♡ ちゃんとシてほしいぃ……!♡♡」
「ちゃんとって……ああ、こう?」
「んひィっ!?♡♡」
ずりゅんっ!!♡♡ ペニスを包んでいたヌルヌルの下着が、勢いをつけてずり下ろされた。しつこい布越し手コキでいじめられていた亀頭が引っかかり、大きく下に引っ張られ、それから反動でぶるんと跳ね上がる。完勃ちの敏感竿がしなる快感に耐えられるはずもなく、痙攣する尿道口から先走り汁がぴゅっぴゅと噴きこぼれた。
「はーっ♡ あぁぁっ……♡ は、あぁぁっ……!♡♡」
「はは……♡ イき損ねてんのエッロ……♡」
背を仰け反らせる月影の、前立腺をニュチニュチと揉み込むと、震えるペニスの先端で鈴口がくぱくぱと粘膜を見せつけた。絶頂に届かずもどかしさに蝕まれている裏筋を、つうっと人差し指で撫で上げて、淫らな割れ目をトントンとタップ。それから亀頭でぬるぬる円を描いてたっぷり我慢汁を溢れさせた後、輪っかを作ってコキ下ろす。女性用ランジェリーから剥き出しになった肉棒が、びくびくと打ち震えながら手管に翻弄される様は、何とも倒錯的でいやらしかった。思わず舌なめずりを一つ。
はっはと息を弾ませた月影が、甘えるように武蔵の唇を食んだ。
「も、いじめ、らいれえぇ……♡ おちんぽいじめられるの、やだぁ♡♡ むさしくんが欲しのにぃ……♡♡」
「ん♡ ごめんて♡ 月影さんが可愛いの履いてくれたから、ついいじめたくなっちゃったんだって。ちょ……んん……キスはげしっ……♡」
「ん、んん……♡ んむぅ……♡♡ 口きもちいぃ♡ むさしくん♡ むさしくん、ひゅきぃ……♡♡」
「ん~♡ なにそのデレッデレ♡ 今日どうしたん?」
「らっ、てぇ♡ はぁ♡ 今日のむさしくん、かっこよすぎるからあっ♡♡ もう、どうしたらいいか、わかんなくてぇっ♡♡」
「ッあ゛~~~~~!! 俺の嫁可愛すぎてつれえぇ~~~~~ッ!!♡ 今抱いてやるからなぁっ!!♡♡ 覚悟しときやあっ!!♡♡」
だいしゅきの嵐に大喜びの武蔵が身を捩り、すぐそこにあったカバンからゴムを取り出した。それから月影の膝裏に手を差し込んで、ひょいと横抱きに抱き上げてしまう。自分よりタッパがある成人男性を苦も無くお姫様抱っこ出来てしまう辺り、伊達に人を守って飯を食っていないといった所か。いやそれにしたって無駄に筋力ありすぎだけれども。
「月影さん、今日バックでしていい?」
「へ……?」
布団へ誘った月影をうつぶせに寝かせつつ、武蔵が問いかけた。
「折角こんなエロいの履いてくれてんだから、お尻見ながらずらし挿入したい」
質問のテイをとりつつも実質やる気満々で、腰を持ち上げさせてすぐソコにきた丸みを撫で摩る。突き出された尻肉の中心に、申し訳程度の細い紐がぺったりと張り付いていて、それを親指でついとずらせば、ヒクヒクと空気を食む窄まりが丸出しになった。普通よりも肉縁の盛り上がりが大きくて、敏感そうに色づいていて、少し縦に割れているようにも見えて……。自分と寝続けたせいでこうなった。自分のペニスを咥えるための穴。そんな事を考えながらソコを眺めていると、独占欲と征服欲が刺激され、ぞくぞくと背筋がざわめいた。先程から硬くなっていたペニスも痛いくらいに存在を主張して、早くこの中に入らせろとせっついてくる。ああもう、何も考えずに一気に奥までぶち込みたい。芽生えた衝動を、鋭く息を吐く事で宥めすかし、性急にコンドームの封を切った。
「じゃ、じゃあ……」
しかしそこで、月影の手がゴムを持つ手に伸びてくる。
「代わりに、今日はこれナシで……ね? 今日は、赤ちゃん欲しい気分だから……♡」
ちらりとこちらを振り返りつつ、潤んだ視線を絡めての情感たっぷりなお誘い。追い打ちのようなやり方に、武蔵は腹の奥から激情が込み上げてくるのを感じた。もはや怒りにも似た興奮のやり場が分からなくて、でもこのまま進めてしまうとそれこそ自分本位に腰を打ち付けてしまいそうで、せめて月影の腰を強く抱きしめながら言葉にならない唸り声を漏らした。
「ほんっ……とにさぁ……。頼むからやめてマジで! 俺好きな子の前では優しくてカッコイイ彼氏で居たいんだって!!」
「っ、ふふ……♡ しってる……ん……でも、武蔵君が余裕なくなるの、私結構好きなんだよなぁ、ッ♡ あっ♡ あっ♡ だいすきなのきたあぁ……ッ!!♡♡」
言葉途中で粘膜同士が触れ合い、熱い質量が入り口を押し広げ始めた。ガチガチに張り詰めたカリ首がゆっくりと入り込んできたと思いきや、前立腺を掠めるか掠めないかの所で一転、勢いよく奥まで突き立てられる事となる。
「あっが―――!!♡♡」
「あーもうッ!! 言っとくけど煽ったの月影さんだからな!? そんなに言うなら好きにやらせて貰うけどいいんすよねッ!?」
興奮を剥き出しにした声色を背に受けて、強かに打ち付けられた腹奥がきゅうぅっ♡ と収縮した。
とにかく今は武蔵の事を満たしたくて堪らなかった。自分の体で思う存分気持ちよくなって貰いたかった。一緒に過ごせば過ごす程武蔵に惚れ直してしまって、愛おしさは増すばかりで、このまま行くと自分は一体どうなってしまうのだろうとすら思う。
弱弱しく頷いた月影が、頭を枕に伏せ、左手で自身の尻たぶを掴んだ。
「……むさしくんの、すきにして……すきに、されたいの……♡」
そして、割れ目を開きながら、一言。
今度こそ、理性の糸が切れる音がした。
「んお゛ッ!?♡」
どちゅんっ!!♡♡ いきなり結腸口を引っ叩くようなピストンをお見舞いされ、月影の尻が大きく跳ね上がる。しかしそんな反応にはもう構わずに、最奥をごりゅんごりゅんと亀頭で捏ね回し、前立腺を引っかけて、再び奥を穿つ武蔵。どちゅんッ♡ どちゅんッ♡ どちゅんッ!♡♡ 肉棒が胎内を蹂躙する水音に、獣じみた呼吸音が重なった。
「お゛ッ♡♡ おォ゛ッ♡♡ んおお゛ッ♡♡ んひい゛ぃいっ!♡♡」
「あ~~~やっば……この眺めとウッセェ喘ぎ声だけでもうイきそ……ッ♡ って月影さーん♡ な~に猿みたいなピストンで即イキ決めてんすかぁ?♡」
「ッ!!♡♡ だめだめらめえぇ♡♡ それキきすぎるからあぁ゛ぁ……!!♡♡」
布団に吐き出されている白濁液に気づいた武蔵が、ここぞとばかりに紐を引っ張り上げた。左右に揺さぶると、射精途中のペニスもぶるんぶるんと揺さぶられ、精液が卑猥に撒き散らされていく。
「むひゃひくんの、おちんぽっ♡ お゛ッ♡♡ いきなりっ♡ いきなりおくまできへるのっ、きもちよひゅぎるうぅッ♡♡ ひゅきっ♡♡ むさしくんひゅきっ♡♡ ゴリゴリされるのきもひぃのお゛ッ♡♡ あ゛っ♡♡ あぁあッ♡♡ はいっちゃ♡ っ、これえ゛ッ♡♡ はいっひゃうう゛ぅ゛ッ……!!♡♡♡」
「はあッ♡ マジで速攻奥ヌけそうなんだけどっ!♡♡ クッソこのエロまんこどうなってんだよっ!! このスケベ穴で俺以外のちんぽ咥えたりしてねぇだろうなあッ!?」
「しなっ♡ そんなの、ひまへんっ♡♡ むさしくんっ、せんよう穴れひゅッ!♡♡ あっ!!♡♡ そんなにしたらっ、おぉ゛ッ♡♡ ほんとにはいるからあ゛ぁ゛ッ♡♡」
じゅっぱじゅっぱじゅっぱじゅっぱじゅっぱ♡♡♡ ピストンのリズムに合わせて、月影の下腹部から鈴口をしゃぶり上げる音が聞こえてくる。
(エッチな音すごい♡♡ すっごいやらしい音しちゃってるっ♡♡ お腹の奥で武蔵君欲しがってるのバレちゃってるっ♡♡ 恥ずかしい♡ はずかしい、のにぃ♡♡ 武蔵君のおちんちん好きすぎてえっ♡♡ もぉ、奥っ……開いちゃううぅう……!!♡♡)
「ひッ、おぉお゛ッ―――~~~~!!♡♡♡」
おちんぽ大歓迎の結腸口が、ぶちゅんっ!♡ と亀頭を迎え入れた。そして間髪入れずに弁をこそぎながらカリ首が引き抜かれ、またすぐに中へと突き立てられる。あまりの衝撃に、月影の瞼裏にはチカチカと火花が飛び散った。結腸口の締め付けで亀頭をしゃぶらせる、雄が気持ちよくなるためだけの動き。だけどその余裕のなさが愛おしくて、自分に興奮してくれている事実をまざまざと感じられて、心と体が昂って仕方なかった。精一杯尻を突き出して、奥へ奥へと食い荒らすようにハメ込まれるペニスを健気に締め付けて、強烈な快感に身をくねらせる。
弓なりになった腰を伝う汗、ピストンの度に不格好に形が変わる双丘、そして雄に媚びるようにくねくねと悶え続ける尻の動き。その光景は背後から見下ろしている武蔵にとって実に壮観だった。性欲が掻き立てられ、ピストン運動がさらに熱烈なものになっていく。
ばちゅっばちゅっばちゅっばちゅっばちゅっばちゅっばちゅんっっ!!♡♡♡
「お゛ぉっ♡♡ こんらっ♡ ひっ♡♡ だいひゅきなおちんちんで、ッ♡ しきゅうじゅぱじゅぱされたらあ゛ッ♡♡ れったい、んぉ゛ッ♡♡ ぜったいあかひゃんできひゃうっ!!♡♡ むさしくんのおちんちんれっ、おなかおんなのこにされひゃうう゛ぅうッ!!♡♡」
「う゛っあ……それヤッバ……ッ!♡♡ なぁッ、一発目出していいっ!? もう出したい!♡ もう出るっ!♡♡ 月影さんの事孕ませるッ!!♡ 月影さんっ♡ 月影さんッ!♡♡ 孕んでっ! 孕めッ!♡ 孕めよオラァッ!!♡♡」
本能剥き出しで大きく腰を打ち付けた武蔵がぎちりと歯を食いしばる。その瞬間、最奥にはまった亀頭が痙攣し、勢いよく奔流が打ち付けられ始めた。
「あ゛っ♡♡ ア゛ッ♡♡ ああ゛ぁあ゛あッ!♡♡ あついのキへるッ!!♡♡ おなかのおくまでキてるうぅぅ゛っ!!♡♡ ああぁぁっ♡♡ たねつけうれひぃ♡♡ むさしくんひゅきいぃぃ……!!♡♡♡ もっと赤ちゃん仕込んでえぇえっ……!!♡♡♡」
大好きな人の精液を零さず啜り上げようと、結腸口がきゅうきゅうと引き絞られ、腸壁も全力で肉棒を包み込む。幸せそうに中出しアクメを味わう胎内に、さらにしっかりと精液を擦り付けるような押し込みピストンが刻まれた。
「っふ♡ あ、んんんっ……♡♡ ふくうぅ゛……~~~~~っ♡♡」
ぬろろろろぉ~~~~……♡♡ ヒクつく肉ヒダを扱き上げながら、ねっとりと竿が抜けていく。アクメ直後の膣道を、ヌルヌルおちんぽで擦られる刺激が堪らなくて、月影は足の指を丸め込みながら身悶えた。この後ぽっかりとちんぽ型に開いたお尻の穴に、すうすうと空気が入り込んできて、それからごぷりと精液が逆流するのだ。その官能を予感して身構えていたのだが……
次にきたのは、思いっきり結腸口を突き上げられる快感だった。
「ッ~~~~~!?♡♡♡ ア゛ッ♡♡ あ゛ッ!♡♡ んおぉ゛お゛おッ!!♡♡♡ イクイクいぐう゛ぅう゛ッ―――~~~~~ッッ!!♡♡♡」
不意打ちピストンでいとも簡単に絶頂する月影に構う事無く、アツアツザーメンたっぷりの胎内をぐっちゃぐちゃに攪拌し始める武蔵。もはや人間らしい言葉はなく、口角からはフーフーと荒い呼吸音が零れ、結合部からは肉がぶつかり合う音のみが響き渡る。
(武蔵君、すっごく興奮してくれてるっ♡♡ イったばっかりのおまんこガツガツ突き回されるのツラいぃ♡♡ これっ、武蔵君のおちんちん空っぽになるまで終わらないヤツだあ♡ ずっとおちんぽ穴にされちゃうヤツだあぁ……!♡♡)
武蔵の様子から、交尾のようなセックスの予感を感じ取って身震いする月影。甘い被虐心に体の芯を疼かせて、きゅっと枕を握りしめた。
◆
それから体位を変えながら、何度も何度もイかされて、漏れなく中に注がれた。既に興奮のピークは過ぎており、後戯のようなまったりピストンが延々と続いている。
「ぁっ、あっ♡ ゆっくり、きもひぃ……♡♡ あっ♡ あんっ……♡♡ イっへ♡ ずっと、イっへるうぅ……!♡♡」
散々イキ続けて敏感になり過ぎたトロトロフワフワおまんこを、大好きな恋人おちんぽでじっくりヌコヌコ舐め回される。すっかり出来上がり切った体を、さらに弱火で炙り続けられるような快楽を与えられ、月影はもはや小刻みに甘イキが訪れて止まらないような状態になっていた。
視線を持ち上げれば、目を閉じて眉根を寄せ、快感を噛み締めている武蔵の表情があった。首まで真っ赤に染め上げて、髪がぐっしょり濡れる程汗だくになっている様子が、色っぽくて雄っぽくて、あぁ、やっぱり武蔵君は格好いいなぁ、なんて、場違いな事を考えた。
「あっ……やばッ……!♡♡ つきかげさん、イく♡ イくっ♡♡ また月影さんに種付けするっ……!!♡♡」
もう何度目か分からない絶頂を訴えた武蔵が、重たそうに瞼を持ち上げた。睫毛の間からうるりと濡れた萌黄色の瞳が月影を捕らえ、当初より随分甘ったれた視線が絡みついてくる。
(あぁ……目、きれい……一生懸命で可愛い……ッ♡♡)
情欲と、自分に対しての愛おしさが詰め込まれたような目を向けられながら、腹奥で精を受け止める充足感。もう嬌声は出て来なくて、月影は全身を突っ張らせながらガクガクと震える事で悦びを味わった。
「ッはー……♡♡ はーっ……♡ も、むり……♡ ぜんっぶ月影さんに出したぁ……♡」
やがて萎え切ったペニスが抜けていくと同時に、武蔵が背中を丸めて弱弱しく覆いかぶさってきた。その瞬間、むせ返るような汗の匂いと武蔵の匂いが感じられて、生々しいその匂いに、疼きっぱなしの下腹部がまたもきゅんっと脈動する。月影の意思とは無関係に、アナルから精液がぴゅっと逆流した。
「はぁっ……むさし、くん……すっごく、かわいかった……♡♡」
「……え? 感想おかしくないっすか……? 俺尻で抱かれてたの……?」
「ふふ……♡ ね、キス……」
表を寄せる月影に、武蔵がふわりとキスを落とす。互いの唇を押し付けて、しばしまったりと舌を絡め合った後、それ以上深くなる事もなく気だるげに離れていく。
ごろん。いよいよ脱力した武蔵が、月影の隣に身を投げ出した。
「あー……このまま寝ちまいてぇなぁ……」
「ね」
「でもシャワー行かねぇと……」
「……セックスした後……なんか、こう……カプセルみたいなのに入って、シュンッて、一瞬で後始末済んだらいいのになぁって、思いません……?」
ふわふわとした声で紡がれる空想に、小さく噴き出す武蔵。
「あったま悪ィ考え方」
「ええ?」
「でもすっげぇ思う」
「ほらぁ」
「そしたら月影さんともっと気軽にセックス出来るし」
「……もう、エッチ」
「そんな嬉しそうな声で言われてもなぁ」
セックスの余韻に包まれながら、意味のない事でくすくすと笑い合い、怠惰な時間を満喫する。そうするうちに、籠った熱がエアコンの冷気にあてられて、徐々に霧散していった。
仰向けにしな垂れていた月影が、重たい腰を動かして、武蔵の方へと体を横たえた。
「……私が、武蔵君の事大好きなの、伝わりました?」
一瞬ぽかんとした表情を見せた武蔵であるが、少しの間の後、そもそもこのセックスが始まったキッカケを思い出したらしい。すぐにはにかみ笑いが返ってくる。
「うん。ありがと」
「訛って?」
「ぷっは……おーきに♡」
「良くできました」
月影の手のひらが、武蔵の両頬を撫で上げて、耳を擽り、項まで回っていく。それからこつんと額を触れ合わせ、睫毛が触れそうな位置で色目を一つ。
「じゃあ武蔵君……優しくてカッコイイ彼氏として、シャワールームに連れて行って貰えますか? ……武蔵君がいっぱい出してくれたから、お腹重くて動けないの……♡」
武蔵はこういう、ちょっと手を煩わせるような、でも甘ったるいワガママが大好きなのを月影は知っている。案の定、幸せそうに口角が持ち上がっていく。
「っはぁ~~~♡ もう手がかかる彼女っすね~~~♡」
「こういうの好きなクセに」
「うっわ。その言い方とふてぶてしさ、影縫の系譜を感じるわー」
「親子ですからね。それで、連れて行ってくれないの?」
答えを知っているような表情で問いかけると、返事が返されるより早く、ふわりと体が浮き上がった。
「はいはい。仰せのままに、マイダーリン♡」
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魔王討伐後に勇者の子を身篭ったので、逃げたけど結局勇者に捕まった。
柴傘
BL
勇者パーティーに属していた魔術師が勇者との子を身篭ったので逃走を図り失敗に終わるお話。
頭よわよわハッピーエンド、執着溺愛勇者×気弱臆病魔術師。
誰もが妊娠できる世界、勇者パーティーは皆仲良し。
さくっと読める短編です。
ストレスを感じすぎた社畜くんが、急におもらししちゃう話
こじらせた処女
BL
社会人になってから一年が経った健斗(けんと)は、住んでいた部屋が火事で焼けてしまい、大家に突然退去命令を出されてしまう。家具やら引越し費用やらを捻出できず、大学の同期であった祐樹(ゆうき)の家に転がり込むこととなった。
家賃は折半。しかし毎日終電ギリギリまで仕事がある健斗は洗濯も炊事も祐樹に任せっきりになりがちだった。罪悪感に駆られるも、疲弊しきってボロボロの体では家事をすることができない日々。社会人として自立できていない焦燥感、日々の疲れ。体にも心にも余裕がなくなった健斗はある日おねしょをしてしまう。手伝おうとした祐樹に当たり散らしてしまい、喧嘩になってしまい、それが張り詰めていた糸を切るきっかけになったのか、その日の夜、帰宅した健斗は玄関から動けなくなってしまい…?
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