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第三話
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それからというもの俺と紅さんは、事務所で人目を盗んでキスをするようになった。
「ん♡ んむ♡ くれないさ、んん……♡♡」
「ん~♡ ふふっ♡ チューすんの気持ちいいな♡」
「んう♡ んん♡ きもちいい♡♡ きもひいぃ……♡♡」
紅さんに優しく頭を撫でられながら、柔らかい唇を啄んでいると、すごく気持ちよくて幸せな気分になる。俺はすっかり紅さんとの「キスの練習」の虜で、ただ遠目に紅さんの姿を見かけるだけで、やらしい気持ちが湧いてくるようになっていた。
ただ、紅さんは絶対に唇を触れ合わせる以上の事はしてくれなくて、舌を入れようとすらしてこない。最初はただ触れるだけのキスだけでも死ぬ程緊張していたというのに、俺は段々とそれ以上のものが欲しくなり始めていて、あわよくば紅さんがさらなるちょっかいをかけてくれないかと心の隅で期待していた。
「はい。じゃあユキちゃん、今日はここまでな♡」
だけどそんな下心空しく、毎回紅さんは俺が悶々としてきた頃にぱっとキスを切り上げて、何事も無かったかのように日常へと戻っていく。もっと経験したい。もっと味わいたいと思う俺の欲求は放置したままで。
折角DVDや本を貸して貰ったのに、もう今までのような純粋な目線では楽しめなくて、唇の動きを、首筋を伝う汗を、舌を突き出して客席を煽るクセを、衣装から覗く腰や鎖骨を、どうしても邪な目で見てしまう。そして俺は不完全燃焼で燻る熱をどうにかしたくて、紅さんとのキスの感覚を反芻しながらオナニーに耽るのだ。
それがあの日以降、ほぼ毎晩のように続いている。
喧騒が右から左へ通り抜けていく。何かを考えているようで、何も考えられていない。まさに心ここにあらずの状態で、目の前にある机と、アイスのカップを、意味も無く瞳に映すだけの時間がしばし流れた。
「……き……ユキ! 垂れてる垂れてるって!」
「っ、へっ? うわあぁっ!」
そんな俺を、友人の鋭い声が引き上げた。はっと我に返って手元を見ると、スプーンで掬ったアイスが溶けて服に零れてしまっていた。
「どうしたんだよ今日ぼーっとしてる事多くない? やっぱレッスンとか大変なの?」
「あー……はは……そういうわけじゃないんだけど……。ごめん、折角買い物付き合ってくれたのに……」
「それは全然いいいよ。ユキが誘ってくれて嬉しかったし。でも何かあった?」
心配しながらも手際よくお手拭きで汚れを拭ってくれるのは、中学の同級生のハヤト君だ。今日は二人でショッピングモールに買い物に訪れていた。ハヤト君はオシャレでセンスもいいので、来たる高校生活で使う靴や鞄等の持ち物と、あとはついでに私服も、アドバイスを貰いながら一緒に選んで貰おうと思ったからだ。ほら、俺も一応アイドルの卵だし、人の意見も聞きながら自分の魅せ方みたいなのを勉強しようかと……。と、その事は今は置いといて。
「何かあったとかじゃないんだけど……」
ううん、嘘。めちゃくちゃ何かあった。言うまでもなく、この間の紅さんとの事だ。
「ねぇ、ハヤト君てさ……その……」
周りに聞こえないように、ぐっと身を乗り出して、手のひらで囲いを作る。
「キスした事ある?」
ハヤト君の目が、わずかに見開かれた。
「……何だよいきなり。無いけど?」
「えっ!? 無いの!?」
「無いよ。だって俺らまだ中学生……っていうか、もうじき高校か。とにかくまだ子供じゃん。あるわけないでしょ」
「いやだって、早い子はもう経験してたりするし、ハヤト君カッコイイしモテるから、普通にありそうだな~って……」
「早けりゃいいってもんでもないだろ。まぁ、その方がカッコイイみたいな風潮はあるけど……でも相手が居る事だし、見栄のために不誠実な事するのも違うと思うな、俺は」
さすがハヤト君、しっかりと持論を持っている。しかもイケメンだ。
「もしかしてユキ、誰かとキスしたの? それともキスしたい子でも居るとか?」
「えっ……そんな事言ってないじゃん」
「この流れでその質問って、そういう事以外ある?」
「……」
確かにあまりに分かりやすすぎる質問だったかもしれない。返す言葉も無かった。
「うんと……俺がチューしたっていうよりも……その、されちゃったっていうか……いや、無理矢理されたわけじゃなくて、同意したのは俺なんだけど、空気に飲まれちゃったっていうか……なんていうか……」
指をもじもじと組み合わせながら、誤解のないようしどろもどろに説明する。
「その子とは付き合ってるって事?」
「……付き合ってはなくて……お世話にはなってるんだけど、年上の人で、多分かなりモテる人だから……何で俺にキスしたのかも、イマイチよく分かんなくて……」
「ふーん……」
まさか相手が誰と言えるはずもなく、ハヤト君にとってはいまいち要領を得ない話だっただろう。だけどそれでも俺のモヤモヤした気持ちを理解しようと努めてくれているようだった。
「ユキはその人の事、好きなの?」
その質問に首を捻る。確かに紅さんの事は好きだ。ただそれはあくまで尊敬や憧憬の類であって、あんな風に親密に触れ合いたいとか、ましてキスしたいとか、そういう好きではなかったはずなのだ。だけどあの日以降紅さんの事を、邪な目で見始めている俺が居るのも事実。
どう答えていいか分からず、俺は半分以上溶けたアイスを無意味に突っついた。
「好き……なのかな……分かんない。確かに好きだし、憧れてるけど……そういう意味での好きじゃなかったはずなのに……キスしてから、変に意識しちゃって……」
整理しきれぬ心のうちをこぼしながら下を向く俺をじっと眺め、それからハヤト君は少し表情を緩めた。
「ユキってさ、なんか大人だよな。ビックリしちゃった」
「へっ!? 大人じゃない!! 全然大人じゃないよ!?」
俺よりも随分大人っぽいハヤト君にそんな事を言われると思わず、ビックリして両手を振りたくる。
「大人じゃん。だって誰も知らない間にアイドルになってたり」
「まだなってないよ!」
「かと思えば今度は年上のお姉さんとキスして悩んでたりさ」
「う……」
お姉さんではないが、そう考えるのが一般的なのは理解出来るため、余計な事は言わない。そして字面だけ見れば本当に大人っぽいように思えて来るから困る。実際はただ紅さんに振り回されてるだけなのに。
「そ、そんな事言って、ハヤト君卒業前に何人かに告白されてたの知ってるんだからね! そっちこそどうなのさ!」
俺から切り出した話ではあるが、突っつかれているのが急激に気恥ずかしくなってきて、少し無理にでも話題をすり替えた。するとハヤト君は困ったように笑ったのだった。
「まぁ否定はしないけど……誰とも付き合ってない。俺さ、ちょっと気になってる子居たから」
「えっ!? 誰誰!?」
「言うわけないじゃん。内緒だよ」
「えー!? 何それ気になるじゃん!! 告白とかしないの!?」
自分が逆の立場だとしたら出来るはずもないくせに、他人の事となると途端に告白だなんて我ながら軽々しい。ただそれを抜きにしても、ハヤト君が想いを伝えないのはやっぱり勿体ないと思った。
「……うん。しないよ。しない事にした」
でもハヤト君は少し寂しそうに目を伏せて、静かにそう言ったのだった。告白しない事にした理由は分からない。ただその表情から切ない気持ちが伝わってきてしまい、俺は一瞬乗り出した体を、ゆっくりと椅子に腰かけ直した。
「……そっかぁ……」
きっとハヤト君、その子の事、ほんとに好きだったんだろうな。そう感じた時に、脳裏にちらりと紅さんの顔が浮かんだ。
それからしばし、沈黙の時間が流れた。ハヤト君はフードコートを行き来する人波を眺め、俺は溶けたアイスを口に運ぶ作業に勤しんだ。ハヤト君は俺の事を大人だって言うけれど、なんとなくキスを受け取って悶々としている俺よりも、はっきりと自分の気持ちを自覚して、自分の意思で恋心を取り扱っていけるハヤト君の方が、やっぱりよっぽど大人に思えた。
「さっきの話に戻るけどさ」
カップが空になった頃、ぽつりと、ハヤト君が切り出した。
「俺にはその人の考えてる事は分かんないけど……ユキがその人の事好きなら、自分の気持ちに素直でいて欲しいなって思ってる」
「……うん。そうだよね」
その後ハヤト君は視線を斜め下に落とし、「ちょっと残念だけど」と呟いた。真意が読み取れず、首を傾げる。
「何が?」
「ううん、何でもない。でも本当に嫌な時はちゃんと嫌って言わなきゃダメだぜ。ユキってそういうの言えない所あるから」
「えっ、う、うん。ありがと……」
「そろそろ行こっか。あっちの店にユキに似合いそうな服あったから見てみよ」
ハヤト君はそう言うと、自分の飲んでいたジュースの紙コップと、俺のアイスのカップを回収して立ちあがった。ゴミ箱に向かっていく後姿が何だかいつもと違って見えて、俺は少し遅れてその後を追いかけた。
「ん♡ んむ♡ くれないさ、んん……♡♡」
「ん~♡ ふふっ♡ チューすんの気持ちいいな♡」
「んう♡ んん♡ きもちいい♡♡ きもひいぃ……♡♡」
紅さんに優しく頭を撫でられながら、柔らかい唇を啄んでいると、すごく気持ちよくて幸せな気分になる。俺はすっかり紅さんとの「キスの練習」の虜で、ただ遠目に紅さんの姿を見かけるだけで、やらしい気持ちが湧いてくるようになっていた。
ただ、紅さんは絶対に唇を触れ合わせる以上の事はしてくれなくて、舌を入れようとすらしてこない。最初はただ触れるだけのキスだけでも死ぬ程緊張していたというのに、俺は段々とそれ以上のものが欲しくなり始めていて、あわよくば紅さんがさらなるちょっかいをかけてくれないかと心の隅で期待していた。
「はい。じゃあユキちゃん、今日はここまでな♡」
だけどそんな下心空しく、毎回紅さんは俺が悶々としてきた頃にぱっとキスを切り上げて、何事も無かったかのように日常へと戻っていく。もっと経験したい。もっと味わいたいと思う俺の欲求は放置したままで。
折角DVDや本を貸して貰ったのに、もう今までのような純粋な目線では楽しめなくて、唇の動きを、首筋を伝う汗を、舌を突き出して客席を煽るクセを、衣装から覗く腰や鎖骨を、どうしても邪な目で見てしまう。そして俺は不完全燃焼で燻る熱をどうにかしたくて、紅さんとのキスの感覚を反芻しながらオナニーに耽るのだ。
それがあの日以降、ほぼ毎晩のように続いている。
喧騒が右から左へ通り抜けていく。何かを考えているようで、何も考えられていない。まさに心ここにあらずの状態で、目の前にある机と、アイスのカップを、意味も無く瞳に映すだけの時間がしばし流れた。
「……き……ユキ! 垂れてる垂れてるって!」
「っ、へっ? うわあぁっ!」
そんな俺を、友人の鋭い声が引き上げた。はっと我に返って手元を見ると、スプーンで掬ったアイスが溶けて服に零れてしまっていた。
「どうしたんだよ今日ぼーっとしてる事多くない? やっぱレッスンとか大変なの?」
「あー……はは……そういうわけじゃないんだけど……。ごめん、折角買い物付き合ってくれたのに……」
「それは全然いいいよ。ユキが誘ってくれて嬉しかったし。でも何かあった?」
心配しながらも手際よくお手拭きで汚れを拭ってくれるのは、中学の同級生のハヤト君だ。今日は二人でショッピングモールに買い物に訪れていた。ハヤト君はオシャレでセンスもいいので、来たる高校生活で使う靴や鞄等の持ち物と、あとはついでに私服も、アドバイスを貰いながら一緒に選んで貰おうと思ったからだ。ほら、俺も一応アイドルの卵だし、人の意見も聞きながら自分の魅せ方みたいなのを勉強しようかと……。と、その事は今は置いといて。
「何かあったとかじゃないんだけど……」
ううん、嘘。めちゃくちゃ何かあった。言うまでもなく、この間の紅さんとの事だ。
「ねぇ、ハヤト君てさ……その……」
周りに聞こえないように、ぐっと身を乗り出して、手のひらで囲いを作る。
「キスした事ある?」
ハヤト君の目が、わずかに見開かれた。
「……何だよいきなり。無いけど?」
「えっ!? 無いの!?」
「無いよ。だって俺らまだ中学生……っていうか、もうじき高校か。とにかくまだ子供じゃん。あるわけないでしょ」
「いやだって、早い子はもう経験してたりするし、ハヤト君カッコイイしモテるから、普通にありそうだな~って……」
「早けりゃいいってもんでもないだろ。まぁ、その方がカッコイイみたいな風潮はあるけど……でも相手が居る事だし、見栄のために不誠実な事するのも違うと思うな、俺は」
さすがハヤト君、しっかりと持論を持っている。しかもイケメンだ。
「もしかしてユキ、誰かとキスしたの? それともキスしたい子でも居るとか?」
「えっ……そんな事言ってないじゃん」
「この流れでその質問って、そういう事以外ある?」
「……」
確かにあまりに分かりやすすぎる質問だったかもしれない。返す言葉も無かった。
「うんと……俺がチューしたっていうよりも……その、されちゃったっていうか……いや、無理矢理されたわけじゃなくて、同意したのは俺なんだけど、空気に飲まれちゃったっていうか……なんていうか……」
指をもじもじと組み合わせながら、誤解のないようしどろもどろに説明する。
「その子とは付き合ってるって事?」
「……付き合ってはなくて……お世話にはなってるんだけど、年上の人で、多分かなりモテる人だから……何で俺にキスしたのかも、イマイチよく分かんなくて……」
「ふーん……」
まさか相手が誰と言えるはずもなく、ハヤト君にとってはいまいち要領を得ない話だっただろう。だけどそれでも俺のモヤモヤした気持ちを理解しようと努めてくれているようだった。
「ユキはその人の事、好きなの?」
その質問に首を捻る。確かに紅さんの事は好きだ。ただそれはあくまで尊敬や憧憬の類であって、あんな風に親密に触れ合いたいとか、ましてキスしたいとか、そういう好きではなかったはずなのだ。だけどあの日以降紅さんの事を、邪な目で見始めている俺が居るのも事実。
どう答えていいか分からず、俺は半分以上溶けたアイスを無意味に突っついた。
「好き……なのかな……分かんない。確かに好きだし、憧れてるけど……そういう意味での好きじゃなかったはずなのに……キスしてから、変に意識しちゃって……」
整理しきれぬ心のうちをこぼしながら下を向く俺をじっと眺め、それからハヤト君は少し表情を緩めた。
「ユキってさ、なんか大人だよな。ビックリしちゃった」
「へっ!? 大人じゃない!! 全然大人じゃないよ!?」
俺よりも随分大人っぽいハヤト君にそんな事を言われると思わず、ビックリして両手を振りたくる。
「大人じゃん。だって誰も知らない間にアイドルになってたり」
「まだなってないよ!」
「かと思えば今度は年上のお姉さんとキスして悩んでたりさ」
「う……」
お姉さんではないが、そう考えるのが一般的なのは理解出来るため、余計な事は言わない。そして字面だけ見れば本当に大人っぽいように思えて来るから困る。実際はただ紅さんに振り回されてるだけなのに。
「そ、そんな事言って、ハヤト君卒業前に何人かに告白されてたの知ってるんだからね! そっちこそどうなのさ!」
俺から切り出した話ではあるが、突っつかれているのが急激に気恥ずかしくなってきて、少し無理にでも話題をすり替えた。するとハヤト君は困ったように笑ったのだった。
「まぁ否定はしないけど……誰とも付き合ってない。俺さ、ちょっと気になってる子居たから」
「えっ!? 誰誰!?」
「言うわけないじゃん。内緒だよ」
「えー!? 何それ気になるじゃん!! 告白とかしないの!?」
自分が逆の立場だとしたら出来るはずもないくせに、他人の事となると途端に告白だなんて我ながら軽々しい。ただそれを抜きにしても、ハヤト君が想いを伝えないのはやっぱり勿体ないと思った。
「……うん。しないよ。しない事にした」
でもハヤト君は少し寂しそうに目を伏せて、静かにそう言ったのだった。告白しない事にした理由は分からない。ただその表情から切ない気持ちが伝わってきてしまい、俺は一瞬乗り出した体を、ゆっくりと椅子に腰かけ直した。
「……そっかぁ……」
きっとハヤト君、その子の事、ほんとに好きだったんだろうな。そう感じた時に、脳裏にちらりと紅さんの顔が浮かんだ。
それからしばし、沈黙の時間が流れた。ハヤト君はフードコートを行き来する人波を眺め、俺は溶けたアイスを口に運ぶ作業に勤しんだ。ハヤト君は俺の事を大人だって言うけれど、なんとなくキスを受け取って悶々としている俺よりも、はっきりと自分の気持ちを自覚して、自分の意思で恋心を取り扱っていけるハヤト君の方が、やっぱりよっぽど大人に思えた。
「さっきの話に戻るけどさ」
カップが空になった頃、ぽつりと、ハヤト君が切り出した。
「俺にはその人の考えてる事は分かんないけど……ユキがその人の事好きなら、自分の気持ちに素直でいて欲しいなって思ってる」
「……うん。そうだよね」
その後ハヤト君は視線を斜め下に落とし、「ちょっと残念だけど」と呟いた。真意が読み取れず、首を傾げる。
「何が?」
「ううん、何でもない。でも本当に嫌な時はちゃんと嫌って言わなきゃダメだぜ。ユキってそういうの言えない所あるから」
「えっ、う、うん。ありがと……」
「そろそろ行こっか。あっちの店にユキに似合いそうな服あったから見てみよ」
ハヤト君はそう言うと、自分の飲んでいたジュースの紙コップと、俺のアイスのカップを回収して立ちあがった。ゴミ箱に向かっていく後姿が何だかいつもと違って見えて、俺は少し遅れてその後を追いかけた。
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