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5.英雄アスギリオ
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5.英雄アスギリオ
パンジュがお抱えの魔術師に用意させた部屋は術石によって魔力圧が一定に保たれ、床に送り出しの門陣が描かれていた。個人を目当てに飛ぶのはどうあっても不安定だ。しかも今回は人数も多い。やりすぎるということはなかろうと言ってパンジュが笑うのへ、クズミが肩をすくめてみせた。
「まさかお前さんも来るとは思わなかったよ」
「邪魔はせぬよ。マニハーイーの総代としてでなく、わし個人として見届けたいのでな」
今いる守人の中で魔術師の真似事ができるのはパンジュだけだ。どのようにことが運ぶかわからぬとはいえ、確かに同席できるのは彼だけだろう。そこに異論はない。だがそう身軽な立場でもあるまいと言えば男は薄く笑った。
「全てを獣に丸投げするのは幾らなんでも無責任であろ」
床に青い炎が走る。光は六人を一度に転移させるために常よりも大きく円を描く。スノウは目を閉じた。
「細かいことは考えなくていい。イチカを探せ。それだけでいい」
クズミの声がする。ゆっくりとスノウは意識を拡散させていった。
閉じられた瞼の裏を凄まじい速度で風景がよぎる。心臓が徐々に熱を帯びてくる。呼ばれているような、呼びかけているような、曖昧な意思の指向性に覚えがある。イチカをサイスタで見つけたときと同じ感覚だ。漠然と慕わしい方向へ意識を向け、目当てに向けて収束させる。
海。船。草の原。暮れる空。葡萄畑。鰯雲。渡り鳥。雪の山。いくつもの景色のその先に、金色。
「見つけた……!」
全身を揺さぶる浮遊感が六人を運ぶ。恣意的に歪められた空間の先、ベーメンドーサ上空のアスギリオのもとへ。
碧空に青い光が門陣を描く。足場のない中空へ、六人が光の中から吐き出された。間髪入れずにヴィーユールの影が揺らいで、本性をあらわにする。そして身をくねらせて空を駆け、パンジュをその背で受け止めた。暮れ始めの陽光に紫鱗がきらめく。
「全員無事か」
声を上げたのはクズミだった。足の裏に魔力を集め、空中にたたずむようだ。他の三人の獣も同様にして空に立っていた。空の端が色を替え始めた頃合いだが頭上の空はまだ青い。レムリィリがパンジュを見て小さく笑った。
「そうしていると、物語の登場人物みたいですね」
「勇ましかろ?」
紫竜に乗り、腰に螺鈿の黒太刀を佩いた砂漠の王子は、夕映えの中にあっていっそ見事な造作であった。
「お願いだから無茶だけはしないでね。──下、来てるよ」
本性に戻ったヴィーユールの声は常の声とは違う。確かに空気を震わせてはいるのだが、なかば頭の中に直接響くようにして届く。一同は足下に視線を落とした。
「あら、全員集合って感じじゃない」
尋常ではない数の魔術師と歩兵とおぼしき兵士たちがそこに整列していた。場所は五門機関本部まで馬で三日と言ったところの、開けた平原である。
「あちらもかなり正確に座標を割り出したようですね」
数を数えながらレムリィリが言う。魔術師たちは皆、五角形に二本鍵の紋章が入った揃いの長衣を纏い、歩兵たちの胸元には銀杯とトネリコの意匠。数はざっと二千近い。手には長剣と槍。後方に見慣れぬ台車が連ねてあった。
「あれ、ベーメンドーサの正規軍ですよ」
「なりふり構ってられない、って感じね」
五門機関と国としてのベーメンドーサは表向き全くの無関係のはずだが、これが現実だ。何としてでもアスギリオをここで留めるのだという強い意志を感じる。
「よく考えたらここにいて平気なの? 顔見られたら外交問題に発展しかねないわよ」
ティーレがパンジュに尋ねた。
「なに、国を相手にするわけではないからな。あとからどうとでも言い逃れられる」
そうは言いながらも男は頭の布を巻き直し、目元以外を覆う。今日は黒い布の上に白を重ね、衣服は濃淡を描く青だ。精緻な刺繍を施した金色のリボンで縁取られている。術石を無造作に連ねたものをいくつも体にかけていた。よく見れば手指に指甲花でいくつも魔術の文様が描かれており、装飾品も常のものとは意匠が違うようだ。その意味を獣たちは感覚で知る。
「それだけ知覚錯誤の魔術で固めておいてよく言うぜ」
「備えだけはしておかんとな。あとでうるさく言われてはかなわぬ」
やれやれといった様子でわざとらしくため息をついたパンジュを、ヴィーユールが揺さぶって抗議をした。
「何回でも言うけど無茶しないでよ?」
「案ずるな。己の分はわきまえておるさ」
眼下では空に浮かぶ人影に気づいたらしい歩兵たちが騒ぎ始めていた。空を指さし、周囲の人間と顔を見合わせ、声を上げる。それでも統制を失わずにいるのは魔術国家の兵士ゆえのことだろうか。
「あそこの、深緑の旗印のところが本陣ですよ」
レムリィリの白い指が風にはためく大旗を指さす。ベーメンドーサの旗と五門機関の旗が並び、指揮官の階級に合わせた色の細い旗が一緒に立てられている。
「どうして、こんなにたくさん……」
スノウがつぶやいた。見たことのない風景に圧倒される。歩兵の数をそろえたところで魔術師の代用にはならない。それでもこれだけの人数を集めるということは何が考えがあるのだろう。
「恐らくですが、魔術砲の類いでしょう。兵の投擲槍にも術石が組み込んであります」
レムリィリの声が平坦だ。その金色の双眸は軍勢の後方にある台車を見つめている。
「アッシュは魔術の英雄といったところで戦争屋じゃないからな」
物量で押しきればあるいはと考えたのだろう。実際、獣であっても二千の投擲槍をさばけるかと言われて確たる答えは出せない。クズミは平原全体に意識を巡らせる。五門機関とベーメンドーサが本気になったにしてはこれでも魔術師の数が足りない。伏兵がいるはずだった。
「スノウ。お前はイチカを連れ戻すことだけ考えろ。下は俺たちが何とかする」
五門機関の目的は世界を維持することだ。ソルレアルの死によって黒の守人が欠けている今、彼らとてスノウを殺すのは最終手段にしたいはずだった。ならば火力を集中させてアスギリオを、イチカを殺して封印を維持しようとするだろう。
「何か、現実じゃないみたい」
異国の空で軍勢を足下に見ながら、記憶の彼方の英雄を待っている。心は凪いでいるが神経は高揚しているのか、全身が総毛立つような緊張がびりびりと全身を巡っていた。
「はは、ここからさ」
クズミが笑う。それは奇妙な笑いだった。暮れ時の空に響く声に惜別に似た色を読み取ってスノウは口をつぐんだ。彼はこの先を知っているのだ。
そうして、西の空。鮮やかな赤がとろけるように暮れていく。そのかなたから航跡を引いて何かが来る。スノウは拳を握りしめた。
「来たぞ」
スノウはイチカのいる場所を全身で感知している。けれどそれはイチカの姿ではない。金色の巻き毛の、美しい白皙に夕映え色の長衣。瞳は暮れゆく空の紫。昔ながらの魔術師の杖に腰を下ろし、下界を楽しんでいる風情は夕焼けの中にあってただただ美しい。
眼下の兵士たちの間に緊張が走ったのがわかる。スノウはあえてそこから意識をそらし、まっすぐにアスギリオを見た。
「おそろいだな」
いっそ優雅さを纏って、女は笑う。スノウは何と声をかけて良いかわからない。アスギリオは組んだ膝に肘を乗せ、手のひらに顎を預けている。
「……杖、どうしたの」
「これか? 古道具屋の親父にもらった。例の、ほら、術石。あれのせいで魔術師が杖を持たなくなったらしいな。どうしてもと言ったら見つけてくれたよ」
「お金は?」
我ながら場違いな問いかけだと思う。だがスノウはまだどうしていいのかがわからないのだ。
「今時欲しがるやつもいないからと、ただでくれたぞ。旅の途中だと言ったら弁当までくれてなぁ。いや、ああいう親父はいいな」
おかしそうにアスギリオは目を細め、笑う。その表情には確かに人を愛おしむ色があって、スノウの胸に鈍い痛みが走る。アスギリオは中空に留まる獣たちを見渡し、そしてその姿にぱっと表情を華やがせた。
「パンジュ。久しいな。お前が来るとは思わなかったよ」
旧知の仲のような言葉だ。緊張が走った。ヴィーユールが警戒をあらわに身構える。ちり、と尾の先の魔力が青く揺らいだ。それを手のひらで制し、パンジュが口を開く。
「獣に全てを丸投げしてのうのうとしているのは無責任であろ。何もできずともせめて見届けるのが誠意というものだ」
アスギリオがくつくつと笑う。
「見届ける、か。少し見ない間にずいぶんと大人になったものだ。お家騒動は終わったか?」
「パンジュ……?」
ヴィーユールが低くパンジュの名を呼ぶのへ、男は静かに紫竜の首を叩いた。
「母上の謀反の頃だ」
男は実母と弟が引き起こした跡目争いのさなかに契約の話を持ち込まれ、次期総領の足場を確かにするために守人となった。術石の採掘と交易を基幹産業として育てていこうとしていた頃だ。強大な魔力の後ろ盾は何ものにも代えがたい説得力があった。
「ちょっと体を貸してくれと言っただけなんだが、まぁ強固に断られてなぁ」
残念だったとアスギリオがため息をついて、ヴィーユールのそれよりも明るい紫の瞳が笑みを引く。
「ふふ、大きくなった」
まるで遠縁の親戚のような英雄の物言いに紫の獣がうなるように声を上げた。
「……言ってくれればよかったのに」
初耳だとぼやく声には怒りよりも失望の色が濃い。
「今のわしなら言えるがな。十七の子供には無理な話だ」
何もかもが敵だったとパンジュが笑う。父の名で、生まれた順番で、あるいはその手中にある魔力でしか人は少年を評価しなかったし、少年もまたそれが当たり前だと思っていた。それは契約したばかりの獣も同じだ。自分にかしずくものが一人増えたところで彼の人格に向き合うものなどいないのだと達観し、摩耗した精神はアスギリオの声を拾い上げたのだ。
「だが踏みとどまったのだから、よくよく褒めておくれ」
「ええ……評価しにくい……」
飾るところのないヴィーユールの声音が心地よかった。
どうして踏みとどまったのが自分でも覚えていない。だが、彼はアスギリオの侵入を拒絶した。拒絶することができた。
「イチカは、そなたの言葉に応えたのか」
目をそらすことなく、まっすぐにアスギリオを見る。五門機関で会った青年は踏みとどまる力を持っているように見えた。それこそ黒の守人の方がよほど体を明け渡す危うさを秘めていると思っていたし、あるいは赤の守人が周囲との軋轢に心折れる可能性を案じていた。それなのに、英雄に絡め取られたのは白だった。その理由を問う。紫色の瞳が笑んだ。
「いや。この体には魔力が通っていない。力押しで入らせてもらった」
そもそもアスギリオをはねのける力を持っていなかった。弱った隙に後ろから殴りかかったようなものでイチカと対話はしていない。そう言われてスノウは拳を握りしめた。大きく息を吸う。イチカが折れたわけではないのだ。
「まぁ、経緯はどうあれ久しぶりの体だ。もう少し遊ばせてもらおう」
そう言って陶然と笑うアスギリオの周囲に、突如青い炎が走った。地上と同じように中空を走り、三重の六角形を描く。軌跡から立ち上る光が鎖の形に編み上げられていく。同時に、周囲に忽然と人が現れた。その数、十二。皆が皆、揃いの深い緑色の長衣を纏っている。上空の風にぴくりとも動くことなくその場に静止し、言霊を紡いでいく。ヴィーユールが気色ばむのをクズミが止めた。
「無駄だ」
十二の音階が段階的に魔術をつむいでいくのを、アスギリオは無表情に眺めていたが、やがてため息をつく。
「邪魔をするなと、いつも言っているだろう」
その手がひらめいた瞬間、巨大な硝子を落としたような音とともに十二人の魔術師が吹き飛ばされる。描かれていた精緻な魔術陣は砕かれ、きらきらとした欠片をまき散らして消えていった。
「私とイァーマの時間だ。横から茶々を入れるな」
眉間にしわを寄せ、杖に座したままアスギリオは不愉快げに魔術師たちを見る。
「そうはいきません。魔術の英雄」
答えたのは十二人の中で最も早く体勢を立て直した壮年の男だった。その全身は術石と絹のリボンとで編み上げた術具に飾られており、飛行の術式がその周囲を浮遊する。
「その二つ名は嫌いなんだ。呼ぶな」
「事実でしょう。あなたの存在が魔術を何百年分も先に進めたのだから」
「……今も後悔しているよ。無責任に世に送り出したことをな」
アスギリオは不機嫌を丸出しにし、取り繕いもしない。余裕のある笑みを浮かべていた顔が、今は嫌悪感に彩られている。
「帰れ。お前たちも、下の連中もだ」
眼下に控える歩兵たちはいつの間にか面覆を下ろし、槍を手にこちらを見上げていた。その穂先に、術石の光が明滅する。その意味がわからぬアスギリオではない。小さく舌打ちをして面倒なものをとつぶやいた。
「お前たちの王の尻拭いをしたのは誰だと思っている」
ゆっくりとアスギリオの指が魔術師たちに向かう。反応したのはスノウだった。足下に集めた魔力を瞬間的に爆発させ、魔術師たちとアスギリオの間に飛び込み、自らの体でもってアスギリオの視界をふさぐ。そしてそのまま二人の姿は、青い炎に包まれて消えた。魔力の残滓が真円を描いて揺らめいて、沈黙だけが横たわる。一瞬の出来事に誰も動けなかった。
その沈黙を破ったのはクズミだった。
「パゼル師。お前さん、フェウフの王立学院に出向中のはずだろう」
世間話をするような気安い口調とともに、赤い瞳がパゼルと呼ばれた壮年の男を見る。クズミの知る一級魔術師だ。五門機関内での地位も悪くない。
「緊急事態ですから」
短く言って、男は心臓の上に手をやる。アスギリオが何をしようとしたのか、理解しているらしい。
「そっちの算段を聞いていいか」
大方の予想はできているが念のため、とクズミが言うのへパゼルは恐らくその通りですよと静かに答えた。
「五門を死守します。そのためならイチカ・ラムダットファン・ローを殺すこともやむなし、との結論です」
「結論も何も。いきなり臨戦態勢じゃないか。話し合いの余地はなしか?」
「……話し合えるとお思いですか」
パゼルの表情がゆがんで、心臓の上で拳を握りしめた。パゼルは魔術師として才能に恵まれ、自己研鑽も怠らなかったと自負している。その結果としての一級の肩書きだ。にも関わらず、アスギリオを前に何もできなかった。何かができるとも思えなかった。白の獣が飛び出さなければ対抗術式をつむぐ間もなく心臓を止められて墜落していたことだろう。その本能的な恐怖を押しのけてまで話し合いを持とうというのは、あまりにも難しい。
「同じ場所に立てもしない相手と話をするのは不可能です。まして世界の命運がかかっている以上、その選択肢を優先することはできません」
パゼルの声は固い。彼の立場における裏表のない言葉なのだろうと知って、やはり実直な男だと思った。
「うん、俺たちも最初はそのつもりだった。スノウを殺す選択ができない以上、イチカを殺してしまうのがどう考えても早い」
そして確実だ。世界を守る最善の手だとクズミも思っていた。
「でも少しだけ待ってくれないか」
言葉で彼女に語りかけるだけの時間が欲しい。そう口にすれば他の魔術師たちが気色ばむようだった。
「スノウが説得に失敗したときはそっちの邪魔はしない。状況によっては手助けもする。だが今、スノウが戻ってくるまでは追尾しないで待ってくれ」
クズミの言葉にパゼルが眉根を寄せる。
「あなたらしくないですね」
二百年前のアスギリオ復活以来、五門死守を掲げてきたのはクズミ自身だというのに。
「別にそっちの選択を捨てるってわけじゃない。状況が逼迫してるのは同じだ。それでも少しだけ、誠意を示したいんだ」
英雄と、末弟に。
「誠意があるとかないとか、そういう抽象的な話ではなく、我々には世界を守る責務がある」
パゼルの隣に立つ男が声を上げた。アスギリオが五門を開放しこの世界を焦土と化す可能性があるのなら、それを未然に防ぎ対処するのが五門機関の義務だと声を荒げる。クズミは答える言葉を見つけられない。全く同じ言葉をスノウにぶつけたのは他ならぬ己だ。代わりに鷹揚に笑ったのはパンジュだった。
「知っておるよ。そなたらの考えもよくわかる」
だが大義名分は人を盲目にする。強大に過ぎる力は人を狂わせる。五門機関はその双方を持つ組織なのだと自覚しなければ、それはすぐさま暴力に姿を変えると言って首を振った。
「英雄が求めているのは、そういうことではなかろ。ごくごく普通の人間が持つ、甘えのようなものだ。そこに軍勢をぶつけたとて何一つ解決はせぬよ」
ふっと琥珀の瞳に郷愁めいた色がよぎる。
「獣だろうが英雄だろうが守人だろうが、意思を持って眼前に立つならばその存在を尊重せねばならぬ。それを全てすっ飛ばして世界を語るな」
男の指がヴィーユールの鱗をなぞり、獣はぱたりと尾を振った。小さく笑う。そしてふいに声音を変えて眼前の魔術師たちを睥睨した。
「さて、あの二人が戻るまで少しわしと話をしようか。五門機関」
びくりと長衣の肩が跳ね、男たちは突然圧を増した砂漠の王子にたじろいだようだった。
「そなたら、契約を急いでイチカを国に売ったな?」
自分のときと同じように。
パンジュの言葉には確かな怒りがあった。
「一応言っとくと、イチカがアッシュに乗っ取られた直接の原因は完全にそれだぜ。親友を人質にとられて傷つかないやつがいるもんか」
クズミもまた口を開く。泣き出しそうな顔のスノウがラズバスカをダジューに連れてきたのだ。つまり回り回ってこの事態を引き起こしたのは五門機関の不面目だと暗になじる。パンジュはクズミと目配せを交わし、大仰なため息をついて見せた。
「とりあえず世界を守る前提で、あの二人が戻るまで少しわしと話をしようか」
彼らはこの先も生きねばならぬのだから。
パンジュがお抱えの魔術師に用意させた部屋は術石によって魔力圧が一定に保たれ、床に送り出しの門陣が描かれていた。個人を目当てに飛ぶのはどうあっても不安定だ。しかも今回は人数も多い。やりすぎるということはなかろうと言ってパンジュが笑うのへ、クズミが肩をすくめてみせた。
「まさかお前さんも来るとは思わなかったよ」
「邪魔はせぬよ。マニハーイーの総代としてでなく、わし個人として見届けたいのでな」
今いる守人の中で魔術師の真似事ができるのはパンジュだけだ。どのようにことが運ぶかわからぬとはいえ、確かに同席できるのは彼だけだろう。そこに異論はない。だがそう身軽な立場でもあるまいと言えば男は薄く笑った。
「全てを獣に丸投げするのは幾らなんでも無責任であろ」
床に青い炎が走る。光は六人を一度に転移させるために常よりも大きく円を描く。スノウは目を閉じた。
「細かいことは考えなくていい。イチカを探せ。それだけでいい」
クズミの声がする。ゆっくりとスノウは意識を拡散させていった。
閉じられた瞼の裏を凄まじい速度で風景がよぎる。心臓が徐々に熱を帯びてくる。呼ばれているような、呼びかけているような、曖昧な意思の指向性に覚えがある。イチカをサイスタで見つけたときと同じ感覚だ。漠然と慕わしい方向へ意識を向け、目当てに向けて収束させる。
海。船。草の原。暮れる空。葡萄畑。鰯雲。渡り鳥。雪の山。いくつもの景色のその先に、金色。
「見つけた……!」
全身を揺さぶる浮遊感が六人を運ぶ。恣意的に歪められた空間の先、ベーメンドーサ上空のアスギリオのもとへ。
碧空に青い光が門陣を描く。足場のない中空へ、六人が光の中から吐き出された。間髪入れずにヴィーユールの影が揺らいで、本性をあらわにする。そして身をくねらせて空を駆け、パンジュをその背で受け止めた。暮れ始めの陽光に紫鱗がきらめく。
「全員無事か」
声を上げたのはクズミだった。足の裏に魔力を集め、空中にたたずむようだ。他の三人の獣も同様にして空に立っていた。空の端が色を替え始めた頃合いだが頭上の空はまだ青い。レムリィリがパンジュを見て小さく笑った。
「そうしていると、物語の登場人物みたいですね」
「勇ましかろ?」
紫竜に乗り、腰に螺鈿の黒太刀を佩いた砂漠の王子は、夕映えの中にあっていっそ見事な造作であった。
「お願いだから無茶だけはしないでね。──下、来てるよ」
本性に戻ったヴィーユールの声は常の声とは違う。確かに空気を震わせてはいるのだが、なかば頭の中に直接響くようにして届く。一同は足下に視線を落とした。
「あら、全員集合って感じじゃない」
尋常ではない数の魔術師と歩兵とおぼしき兵士たちがそこに整列していた。場所は五門機関本部まで馬で三日と言ったところの、開けた平原である。
「あちらもかなり正確に座標を割り出したようですね」
数を数えながらレムリィリが言う。魔術師たちは皆、五角形に二本鍵の紋章が入った揃いの長衣を纏い、歩兵たちの胸元には銀杯とトネリコの意匠。数はざっと二千近い。手には長剣と槍。後方に見慣れぬ台車が連ねてあった。
「あれ、ベーメンドーサの正規軍ですよ」
「なりふり構ってられない、って感じね」
五門機関と国としてのベーメンドーサは表向き全くの無関係のはずだが、これが現実だ。何としてでもアスギリオをここで留めるのだという強い意志を感じる。
「よく考えたらここにいて平気なの? 顔見られたら外交問題に発展しかねないわよ」
ティーレがパンジュに尋ねた。
「なに、国を相手にするわけではないからな。あとからどうとでも言い逃れられる」
そうは言いながらも男は頭の布を巻き直し、目元以外を覆う。今日は黒い布の上に白を重ね、衣服は濃淡を描く青だ。精緻な刺繍を施した金色のリボンで縁取られている。術石を無造作に連ねたものをいくつも体にかけていた。よく見れば手指に指甲花でいくつも魔術の文様が描かれており、装飾品も常のものとは意匠が違うようだ。その意味を獣たちは感覚で知る。
「それだけ知覚錯誤の魔術で固めておいてよく言うぜ」
「備えだけはしておかんとな。あとでうるさく言われてはかなわぬ」
やれやれといった様子でわざとらしくため息をついたパンジュを、ヴィーユールが揺さぶって抗議をした。
「何回でも言うけど無茶しないでよ?」
「案ずるな。己の分はわきまえておるさ」
眼下では空に浮かぶ人影に気づいたらしい歩兵たちが騒ぎ始めていた。空を指さし、周囲の人間と顔を見合わせ、声を上げる。それでも統制を失わずにいるのは魔術国家の兵士ゆえのことだろうか。
「あそこの、深緑の旗印のところが本陣ですよ」
レムリィリの白い指が風にはためく大旗を指さす。ベーメンドーサの旗と五門機関の旗が並び、指揮官の階級に合わせた色の細い旗が一緒に立てられている。
「どうして、こんなにたくさん……」
スノウがつぶやいた。見たことのない風景に圧倒される。歩兵の数をそろえたところで魔術師の代用にはならない。それでもこれだけの人数を集めるということは何が考えがあるのだろう。
「恐らくですが、魔術砲の類いでしょう。兵の投擲槍にも術石が組み込んであります」
レムリィリの声が平坦だ。その金色の双眸は軍勢の後方にある台車を見つめている。
「アッシュは魔術の英雄といったところで戦争屋じゃないからな」
物量で押しきればあるいはと考えたのだろう。実際、獣であっても二千の投擲槍をさばけるかと言われて確たる答えは出せない。クズミは平原全体に意識を巡らせる。五門機関とベーメンドーサが本気になったにしてはこれでも魔術師の数が足りない。伏兵がいるはずだった。
「スノウ。お前はイチカを連れ戻すことだけ考えろ。下は俺たちが何とかする」
五門機関の目的は世界を維持することだ。ソルレアルの死によって黒の守人が欠けている今、彼らとてスノウを殺すのは最終手段にしたいはずだった。ならば火力を集中させてアスギリオを、イチカを殺して封印を維持しようとするだろう。
「何か、現実じゃないみたい」
異国の空で軍勢を足下に見ながら、記憶の彼方の英雄を待っている。心は凪いでいるが神経は高揚しているのか、全身が総毛立つような緊張がびりびりと全身を巡っていた。
「はは、ここからさ」
クズミが笑う。それは奇妙な笑いだった。暮れ時の空に響く声に惜別に似た色を読み取ってスノウは口をつぐんだ。彼はこの先を知っているのだ。
そうして、西の空。鮮やかな赤がとろけるように暮れていく。そのかなたから航跡を引いて何かが来る。スノウは拳を握りしめた。
「来たぞ」
スノウはイチカのいる場所を全身で感知している。けれどそれはイチカの姿ではない。金色の巻き毛の、美しい白皙に夕映え色の長衣。瞳は暮れゆく空の紫。昔ながらの魔術師の杖に腰を下ろし、下界を楽しんでいる風情は夕焼けの中にあってただただ美しい。
眼下の兵士たちの間に緊張が走ったのがわかる。スノウはあえてそこから意識をそらし、まっすぐにアスギリオを見た。
「おそろいだな」
いっそ優雅さを纏って、女は笑う。スノウは何と声をかけて良いかわからない。アスギリオは組んだ膝に肘を乗せ、手のひらに顎を預けている。
「……杖、どうしたの」
「これか? 古道具屋の親父にもらった。例の、ほら、術石。あれのせいで魔術師が杖を持たなくなったらしいな。どうしてもと言ったら見つけてくれたよ」
「お金は?」
我ながら場違いな問いかけだと思う。だがスノウはまだどうしていいのかがわからないのだ。
「今時欲しがるやつもいないからと、ただでくれたぞ。旅の途中だと言ったら弁当までくれてなぁ。いや、ああいう親父はいいな」
おかしそうにアスギリオは目を細め、笑う。その表情には確かに人を愛おしむ色があって、スノウの胸に鈍い痛みが走る。アスギリオは中空に留まる獣たちを見渡し、そしてその姿にぱっと表情を華やがせた。
「パンジュ。久しいな。お前が来るとは思わなかったよ」
旧知の仲のような言葉だ。緊張が走った。ヴィーユールが警戒をあらわに身構える。ちり、と尾の先の魔力が青く揺らいだ。それを手のひらで制し、パンジュが口を開く。
「獣に全てを丸投げしてのうのうとしているのは無責任であろ。何もできずともせめて見届けるのが誠意というものだ」
アスギリオがくつくつと笑う。
「見届ける、か。少し見ない間にずいぶんと大人になったものだ。お家騒動は終わったか?」
「パンジュ……?」
ヴィーユールが低くパンジュの名を呼ぶのへ、男は静かに紫竜の首を叩いた。
「母上の謀反の頃だ」
男は実母と弟が引き起こした跡目争いのさなかに契約の話を持ち込まれ、次期総領の足場を確かにするために守人となった。術石の採掘と交易を基幹産業として育てていこうとしていた頃だ。強大な魔力の後ろ盾は何ものにも代えがたい説得力があった。
「ちょっと体を貸してくれと言っただけなんだが、まぁ強固に断られてなぁ」
残念だったとアスギリオがため息をついて、ヴィーユールのそれよりも明るい紫の瞳が笑みを引く。
「ふふ、大きくなった」
まるで遠縁の親戚のような英雄の物言いに紫の獣がうなるように声を上げた。
「……言ってくれればよかったのに」
初耳だとぼやく声には怒りよりも失望の色が濃い。
「今のわしなら言えるがな。十七の子供には無理な話だ」
何もかもが敵だったとパンジュが笑う。父の名で、生まれた順番で、あるいはその手中にある魔力でしか人は少年を評価しなかったし、少年もまたそれが当たり前だと思っていた。それは契約したばかりの獣も同じだ。自分にかしずくものが一人増えたところで彼の人格に向き合うものなどいないのだと達観し、摩耗した精神はアスギリオの声を拾い上げたのだ。
「だが踏みとどまったのだから、よくよく褒めておくれ」
「ええ……評価しにくい……」
飾るところのないヴィーユールの声音が心地よかった。
どうして踏みとどまったのが自分でも覚えていない。だが、彼はアスギリオの侵入を拒絶した。拒絶することができた。
「イチカは、そなたの言葉に応えたのか」
目をそらすことなく、まっすぐにアスギリオを見る。五門機関で会った青年は踏みとどまる力を持っているように見えた。それこそ黒の守人の方がよほど体を明け渡す危うさを秘めていると思っていたし、あるいは赤の守人が周囲との軋轢に心折れる可能性を案じていた。それなのに、英雄に絡め取られたのは白だった。その理由を問う。紫色の瞳が笑んだ。
「いや。この体には魔力が通っていない。力押しで入らせてもらった」
そもそもアスギリオをはねのける力を持っていなかった。弱った隙に後ろから殴りかかったようなものでイチカと対話はしていない。そう言われてスノウは拳を握りしめた。大きく息を吸う。イチカが折れたわけではないのだ。
「まぁ、経緯はどうあれ久しぶりの体だ。もう少し遊ばせてもらおう」
そう言って陶然と笑うアスギリオの周囲に、突如青い炎が走った。地上と同じように中空を走り、三重の六角形を描く。軌跡から立ち上る光が鎖の形に編み上げられていく。同時に、周囲に忽然と人が現れた。その数、十二。皆が皆、揃いの深い緑色の長衣を纏っている。上空の風にぴくりとも動くことなくその場に静止し、言霊を紡いでいく。ヴィーユールが気色ばむのをクズミが止めた。
「無駄だ」
十二の音階が段階的に魔術をつむいでいくのを、アスギリオは無表情に眺めていたが、やがてため息をつく。
「邪魔をするなと、いつも言っているだろう」
その手がひらめいた瞬間、巨大な硝子を落としたような音とともに十二人の魔術師が吹き飛ばされる。描かれていた精緻な魔術陣は砕かれ、きらきらとした欠片をまき散らして消えていった。
「私とイァーマの時間だ。横から茶々を入れるな」
眉間にしわを寄せ、杖に座したままアスギリオは不愉快げに魔術師たちを見る。
「そうはいきません。魔術の英雄」
答えたのは十二人の中で最も早く体勢を立て直した壮年の男だった。その全身は術石と絹のリボンとで編み上げた術具に飾られており、飛行の術式がその周囲を浮遊する。
「その二つ名は嫌いなんだ。呼ぶな」
「事実でしょう。あなたの存在が魔術を何百年分も先に進めたのだから」
「……今も後悔しているよ。無責任に世に送り出したことをな」
アスギリオは不機嫌を丸出しにし、取り繕いもしない。余裕のある笑みを浮かべていた顔が、今は嫌悪感に彩られている。
「帰れ。お前たちも、下の連中もだ」
眼下に控える歩兵たちはいつの間にか面覆を下ろし、槍を手にこちらを見上げていた。その穂先に、術石の光が明滅する。その意味がわからぬアスギリオではない。小さく舌打ちをして面倒なものをとつぶやいた。
「お前たちの王の尻拭いをしたのは誰だと思っている」
ゆっくりとアスギリオの指が魔術師たちに向かう。反応したのはスノウだった。足下に集めた魔力を瞬間的に爆発させ、魔術師たちとアスギリオの間に飛び込み、自らの体でもってアスギリオの視界をふさぐ。そしてそのまま二人の姿は、青い炎に包まれて消えた。魔力の残滓が真円を描いて揺らめいて、沈黙だけが横たわる。一瞬の出来事に誰も動けなかった。
その沈黙を破ったのはクズミだった。
「パゼル師。お前さん、フェウフの王立学院に出向中のはずだろう」
世間話をするような気安い口調とともに、赤い瞳がパゼルと呼ばれた壮年の男を見る。クズミの知る一級魔術師だ。五門機関内での地位も悪くない。
「緊急事態ですから」
短く言って、男は心臓の上に手をやる。アスギリオが何をしようとしたのか、理解しているらしい。
「そっちの算段を聞いていいか」
大方の予想はできているが念のため、とクズミが言うのへパゼルは恐らくその通りですよと静かに答えた。
「五門を死守します。そのためならイチカ・ラムダットファン・ローを殺すこともやむなし、との結論です」
「結論も何も。いきなり臨戦態勢じゃないか。話し合いの余地はなしか?」
「……話し合えるとお思いですか」
パゼルの表情がゆがんで、心臓の上で拳を握りしめた。パゼルは魔術師として才能に恵まれ、自己研鑽も怠らなかったと自負している。その結果としての一級の肩書きだ。にも関わらず、アスギリオを前に何もできなかった。何かができるとも思えなかった。白の獣が飛び出さなければ対抗術式をつむぐ間もなく心臓を止められて墜落していたことだろう。その本能的な恐怖を押しのけてまで話し合いを持とうというのは、あまりにも難しい。
「同じ場所に立てもしない相手と話をするのは不可能です。まして世界の命運がかかっている以上、その選択肢を優先することはできません」
パゼルの声は固い。彼の立場における裏表のない言葉なのだろうと知って、やはり実直な男だと思った。
「うん、俺たちも最初はそのつもりだった。スノウを殺す選択ができない以上、イチカを殺してしまうのがどう考えても早い」
そして確実だ。世界を守る最善の手だとクズミも思っていた。
「でも少しだけ待ってくれないか」
言葉で彼女に語りかけるだけの時間が欲しい。そう口にすれば他の魔術師たちが気色ばむようだった。
「スノウが説得に失敗したときはそっちの邪魔はしない。状況によっては手助けもする。だが今、スノウが戻ってくるまでは追尾しないで待ってくれ」
クズミの言葉にパゼルが眉根を寄せる。
「あなたらしくないですね」
二百年前のアスギリオ復活以来、五門死守を掲げてきたのはクズミ自身だというのに。
「別にそっちの選択を捨てるってわけじゃない。状況が逼迫してるのは同じだ。それでも少しだけ、誠意を示したいんだ」
英雄と、末弟に。
「誠意があるとかないとか、そういう抽象的な話ではなく、我々には世界を守る責務がある」
パゼルの隣に立つ男が声を上げた。アスギリオが五門を開放しこの世界を焦土と化す可能性があるのなら、それを未然に防ぎ対処するのが五門機関の義務だと声を荒げる。クズミは答える言葉を見つけられない。全く同じ言葉をスノウにぶつけたのは他ならぬ己だ。代わりに鷹揚に笑ったのはパンジュだった。
「知っておるよ。そなたらの考えもよくわかる」
だが大義名分は人を盲目にする。強大に過ぎる力は人を狂わせる。五門機関はその双方を持つ組織なのだと自覚しなければ、それはすぐさま暴力に姿を変えると言って首を振った。
「英雄が求めているのは、そういうことではなかろ。ごくごく普通の人間が持つ、甘えのようなものだ。そこに軍勢をぶつけたとて何一つ解決はせぬよ」
ふっと琥珀の瞳に郷愁めいた色がよぎる。
「獣だろうが英雄だろうが守人だろうが、意思を持って眼前に立つならばその存在を尊重せねばならぬ。それを全てすっ飛ばして世界を語るな」
男の指がヴィーユールの鱗をなぞり、獣はぱたりと尾を振った。小さく笑う。そしてふいに声音を変えて眼前の魔術師たちを睥睨した。
「さて、あの二人が戻るまで少しわしと話をしようか。五門機関」
びくりと長衣の肩が跳ね、男たちは突然圧を増した砂漠の王子にたじろいだようだった。
「そなたら、契約を急いでイチカを国に売ったな?」
自分のときと同じように。
パンジュの言葉には確かな怒りがあった。
「一応言っとくと、イチカがアッシュに乗っ取られた直接の原因は完全にそれだぜ。親友を人質にとられて傷つかないやつがいるもんか」
クズミもまた口を開く。泣き出しそうな顔のスノウがラズバスカをダジューに連れてきたのだ。つまり回り回ってこの事態を引き起こしたのは五門機関の不面目だと暗になじる。パンジュはクズミと目配せを交わし、大仰なため息をついて見せた。
「とりあえず世界を守る前提で、あの二人が戻るまで少しわしと話をしようか」
彼らはこの先も生きねばならぬのだから。
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