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ロイシア国の公爵《プリンス》のこと
51 客が帰ったその後
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「困った客人は帰ったよ。協力してくれてありがとう」
ドアが閉まると、ヴィクトルが隣に座り直した。
譲の頬を両手で包み、キスをしようとする。
「ロマンが戻ってくる」
「来ないよ。彼は有能だ」
ヴィクトルは譲の言葉を遮って唇を重ねた。
口に残ったワインの僅かな酸味が互いの唾液と絡み合い、ヴィクトルを求めて熱がともる。
「ワインは飲んだ?」
「少しだけ・・・・・・。飲まないと失礼かと思って」
同じ席に着いているのだからとイザークに勧められ、形だけ注いでもらったものだ。そのグラス一杯のワインをちびちびと口にしていた。
「そのようだね、顔が赤い」
ヴィクトルが譲の潤んだ目を舐めるように見つめながら、ウィングカラーシャツのボタンを外す。
飲みかけのワイングラスには可愛がられることを受け入れた譲の姿が映っている。
はだけた胸元、首には蝶ネクタイだけがついたままで首輪みたいに見えた。
目を逸らすと、尖った乳首をぴんっと指で弾かれる。
「あううっ」
変態的でやらしい自身の姿に感じてしまった。
「腰が動いてるね」
「ごめんなさい・・・、だって」
「だって? ちゃんと教えなさい」
「ぅう、気持ちいいから・・・・・・っ」
数日ぶりに触って貰えて嬉しいのだ。
ヴィクトルは顔を綻ばせる。譲は疲れを滲ませた下瞼の隈に手を伸ばした。この男が抱えている苦労を見せて貰えないのが痒い。知りたいと言えないのがもどかしい。譲が外界と切り離された人形でいることがヴィクトルの望みだけれど、生きている限り譲には譲の感情がある。
伝えられない。伝わらない。
(教えてくれないから、俺は)
反発心ではなく、譲はヴィクトルの身体を心配している。吐き出せない気持ちは溜まってゆく一方だった。
「公爵、俺のカラダ使って?」
「・・・・・・君って子は、なんて最高なんだ。ありがとう可愛い譲」
「ん」
褒められて微笑むと、テーブルの上に押し倒された。
頭を打たないように譲の後頭部を包んでいた手が、髪を結いていた紐を取り払い、ほどけた髪が白いテーブルクロスに放射線状に広がる。
「髪が伸びたね。そろそろ切ってあげなければ」
「このままでもいいよ。好きなんでしょ?」
「ふふ、そうだね。譲の黒い髪は美しいよ」
ヴィクトルは束の筋を指でなぞり、肩までずり落ちていた譲のシャツを完全に脱がそうと襟に手をかける。
「公爵、お願い早く下を脱がせて」
こんな時だが、譲は手首の痕を忘れていなかった。脚首の方は靴下を履いているので隠し通せるだろう。
我慢できなくてと見上げれば、ヴィクトルは易々と誘惑にのってくれた。たちまちベルトを外され、スラックスと下着を抜き取られる。
それから膝の裏側を抱えられ、大きく脚を開かされてしまう。
屹立したペニスが中心で揺れ、食べて貰えるのを待っている。
ヴィクトルは未開封の赤ワインを備え付けの棚から取ってくると、コルク栓を抜き、譲の腹の上でボトルを逆さにした。
「ぅ・・・服が汚れる」
常温でぬるいワインが白いシャツとテーブルクロスに染み広がる。
「ああ、大惨事だね。もう使えなくなってしまったが必要ない。二度と今日のようなことをさせるつもりはないよ」
そう言うヴィクトルの声はゲームを愉しんでいるように軽快だった。元気そうな表情だ。譲も胸を撫で下ろせる。
「さっそくお尻を触ってもいい? あまりにも譲が可愛いから私も我慢ができそうにないんだ。でも久しぶりだから入念にほぐさなければね」
「前は? 自分で触ってもいい?」
「ああいいよ。好きにしてなさい」
ヴィクトルは脚の間に顔を埋め、窄まりに舌先を差し込んだ。
ワインと唾液を注がれながら孔を拡げられ、譲は瞳孔がぐるんと上を向いた。ペニスを扱くと、下腹部でぴゅると白濁が弾ける。
「あ、あ・・・、ぁ・・・・」
ぴちゃぴちゃと舐められる音が普段の三倍くらい卑猥だった。
執拗なヴィクトルの口淫で入り口はぬかるみ、柔らかくなったそこに揃えられた指がぬぷっと侵入してくる。指の付け根まで飲み込まされ、腹の中でワインがかき混ぜられる。
熱せられたしこりが痺れて辛かった。
「ひ、ぅ、公爵・・・もう・・・・・・腹が、中が・・・熱いです」
譲はぐずぐずと鼻を啜る。
「うん。挿れたら私のこれも溶けてしまいそうだ」
両手の親指を孔のふちにかけて、とろとろになった襞を覗かれ、譲はひくんと震えた。口を開けた後孔に大きく逞しい雁首が押し当てられる。
「っあ、いいね。挿れるよ」
ヴィクトルが呻いた。
その瞬間、譲の隘路は一気に拓かれていた。
「ぁあああ————!!」
ずっぽりと奥の奥に嵌め込んだまま、腰を固定され揺さぶられる。
ひと突きごとに精液が溢れ、脳裏に火花が散った。
「あっ、っ、ぅ、ううう」
「気持ちいいかい、譲」
熱のこもった声で問われ、譲はがむしゃらに頷く。
「気持ちいいっ・・・、気持ちいいっ」
「そう、嬉しいよ」
ヴィクトルが力強く腰を打ちつけながら譲をかき抱いた。上の口も塞がれて、舌で口内を征服される。
(気持ちいい。安心する。この人も同じように思えるといいのにな)
譲が切なさに胸を痛めた時、ヴィクトルのペニスが譲の中で最高超に膨張した。
「っ、締まる・・・・・・っ」
苦しげにググッと腰が打ち込まれる。
「はう・・・・・・」
これ以上繋がれないというところでドクンと脈動を感じると、捏ね上げられた粘膜に孕んでしまいそうな程のヴィクトルの種が振りかけられた。
ドアが閉まると、ヴィクトルが隣に座り直した。
譲の頬を両手で包み、キスをしようとする。
「ロマンが戻ってくる」
「来ないよ。彼は有能だ」
ヴィクトルは譲の言葉を遮って唇を重ねた。
口に残ったワインの僅かな酸味が互いの唾液と絡み合い、ヴィクトルを求めて熱がともる。
「ワインは飲んだ?」
「少しだけ・・・・・・。飲まないと失礼かと思って」
同じ席に着いているのだからとイザークに勧められ、形だけ注いでもらったものだ。そのグラス一杯のワインをちびちびと口にしていた。
「そのようだね、顔が赤い」
ヴィクトルが譲の潤んだ目を舐めるように見つめながら、ウィングカラーシャツのボタンを外す。
飲みかけのワイングラスには可愛がられることを受け入れた譲の姿が映っている。
はだけた胸元、首には蝶ネクタイだけがついたままで首輪みたいに見えた。
目を逸らすと、尖った乳首をぴんっと指で弾かれる。
「あううっ」
変態的でやらしい自身の姿に感じてしまった。
「腰が動いてるね」
「ごめんなさい・・・、だって」
「だって? ちゃんと教えなさい」
「ぅう、気持ちいいから・・・・・・っ」
数日ぶりに触って貰えて嬉しいのだ。
ヴィクトルは顔を綻ばせる。譲は疲れを滲ませた下瞼の隈に手を伸ばした。この男が抱えている苦労を見せて貰えないのが痒い。知りたいと言えないのがもどかしい。譲が外界と切り離された人形でいることがヴィクトルの望みだけれど、生きている限り譲には譲の感情がある。
伝えられない。伝わらない。
(教えてくれないから、俺は)
反発心ではなく、譲はヴィクトルの身体を心配している。吐き出せない気持ちは溜まってゆく一方だった。
「公爵、俺のカラダ使って?」
「・・・・・・君って子は、なんて最高なんだ。ありがとう可愛い譲」
「ん」
褒められて微笑むと、テーブルの上に押し倒された。
頭を打たないように譲の後頭部を包んでいた手が、髪を結いていた紐を取り払い、ほどけた髪が白いテーブルクロスに放射線状に広がる。
「髪が伸びたね。そろそろ切ってあげなければ」
「このままでもいいよ。好きなんでしょ?」
「ふふ、そうだね。譲の黒い髪は美しいよ」
ヴィクトルは束の筋を指でなぞり、肩までずり落ちていた譲のシャツを完全に脱がそうと襟に手をかける。
「公爵、お願い早く下を脱がせて」
こんな時だが、譲は手首の痕を忘れていなかった。脚首の方は靴下を履いているので隠し通せるだろう。
我慢できなくてと見上げれば、ヴィクトルは易々と誘惑にのってくれた。たちまちベルトを外され、スラックスと下着を抜き取られる。
それから膝の裏側を抱えられ、大きく脚を開かされてしまう。
屹立したペニスが中心で揺れ、食べて貰えるのを待っている。
ヴィクトルは未開封の赤ワインを備え付けの棚から取ってくると、コルク栓を抜き、譲の腹の上でボトルを逆さにした。
「ぅ・・・服が汚れる」
常温でぬるいワインが白いシャツとテーブルクロスに染み広がる。
「ああ、大惨事だね。もう使えなくなってしまったが必要ない。二度と今日のようなことをさせるつもりはないよ」
そう言うヴィクトルの声はゲームを愉しんでいるように軽快だった。元気そうな表情だ。譲も胸を撫で下ろせる。
「さっそくお尻を触ってもいい? あまりにも譲が可愛いから私も我慢ができそうにないんだ。でも久しぶりだから入念にほぐさなければね」
「前は? 自分で触ってもいい?」
「ああいいよ。好きにしてなさい」
ヴィクトルは脚の間に顔を埋め、窄まりに舌先を差し込んだ。
ワインと唾液を注がれながら孔を拡げられ、譲は瞳孔がぐるんと上を向いた。ペニスを扱くと、下腹部でぴゅると白濁が弾ける。
「あ、あ・・・、ぁ・・・・」
ぴちゃぴちゃと舐められる音が普段の三倍くらい卑猥だった。
執拗なヴィクトルの口淫で入り口はぬかるみ、柔らかくなったそこに揃えられた指がぬぷっと侵入してくる。指の付け根まで飲み込まされ、腹の中でワインがかき混ぜられる。
熱せられたしこりが痺れて辛かった。
「ひ、ぅ、公爵・・・もう・・・・・・腹が、中が・・・熱いです」
譲はぐずぐずと鼻を啜る。
「うん。挿れたら私のこれも溶けてしまいそうだ」
両手の親指を孔のふちにかけて、とろとろになった襞を覗かれ、譲はひくんと震えた。口を開けた後孔に大きく逞しい雁首が押し当てられる。
「っあ、いいね。挿れるよ」
ヴィクトルが呻いた。
その瞬間、譲の隘路は一気に拓かれていた。
「ぁあああ————!!」
ずっぽりと奥の奥に嵌め込んだまま、腰を固定され揺さぶられる。
ひと突きごとに精液が溢れ、脳裏に火花が散った。
「あっ、っ、ぅ、ううう」
「気持ちいいかい、譲」
熱のこもった声で問われ、譲はがむしゃらに頷く。
「気持ちいいっ・・・、気持ちいいっ」
「そう、嬉しいよ」
ヴィクトルが力強く腰を打ちつけながら譲をかき抱いた。上の口も塞がれて、舌で口内を征服される。
(気持ちいい。安心する。この人も同じように思えるといいのにな)
譲が切なさに胸を痛めた時、ヴィクトルのペニスが譲の中で最高超に膨張した。
「っ、締まる・・・・・・っ」
苦しげにググッと腰が打ち込まれる。
「はう・・・・・・」
これ以上繋がれないというところでドクンと脈動を感じると、捏ね上げられた粘膜に孕んでしまいそうな程のヴィクトルの種が振りかけられた。
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