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垣間見える公爵家の奥
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乳首を摘まれる。耳たぶを食み生々しいリップ音を聞かせながら、ヴィクトルは尖りをクニクニと弄ぶ。
大きな快感を得るには足りない、もどかしい触り方だ。
譲は焦ったいと声に出しあぐねて苦悩し、口をぱくぱくと動かす。
「うん?」
ヴィクトルは微笑し、譲の唇に耳を寄せた。
「欲しい時は求めなさいと教えたね」
「・・・・・・もっと触って下さい」
「うん、こうかな?」
素直にお願いを口にすると、ヴィクトルは具合を確かめながら乳頭を押し潰した。固さを持った小さな粒を、指の下で転がされる。
甘い痛み。女でもないのに、譲の身体は乳首の気持ち良さを覚えてしまった。下腹部がきゅぅと熱くなり、股間のものが爛れたようにジクジクした。
「んぁ・・・ん、あ、ぅう」
譲は唇を噛んで啜り泣く。
「私の可愛い譲、気持ちが良い時は辛そうな顔をしてはいけない」
ヴィクトルは譲にキスを与え、上唇の下に覗いた切歯を舌で叩いて叱咤した。やがて薄く開いた隙間に舌をぬるりと差し込み、大人しいまま怖気づいている譲の舌に絡めて甘やかし溶かす。
「は・・・・・・んん」
唾液が垂れていくのがわかるが、拭う自由はなく、拭えたとしてもしなかったかもしれない。
見失わないように、一心にヴィクトルを感じたい。
与えられる愛撫を取りこぼさぬように、キスの終わりを告げられる頃には自ら舌を伸ばして追い縋っていた。
「っ、ぁ、まだ・・・」
「愉しみはこれからだよ。譲に新しい贈り物だ」
カチャ、ガサ、と道具を漁っている音がした。
目隠しをされた譲のそばで、ヴィクトルは箱を手にしていた。鍵なしの簡易ロックを外し、上蓋を開く音は譲にも聞き取れた。
ヴィクトルは大丈夫だと譲の頭に触れる。内股を撫でられると、ペニスを握られて鈴口を左右に開かれた。
「ひっ」
悲鳴が反射的に出てしまった。
「怯えるな。克服しよう」
「待って。見えない。怖い!」
激痛がよぎり、譲は腰をよじった。
これだけは苦手だ。
しかしヴィクトルは自分が施した手技以外で譲が感じ入り、または恐怖することを我慢ならないと言っている。
「譲がカウパー液でたくさん濡らしてくれたから、穴の中も外もぬるぬるだよ。痛くない。ブジーといって、れっきとした医療器具だからね」
亀頭の先を優しくゆっくりとマッサージされ、ぬるついた感触を教えられる。悲鳴の代わりに喉が震え、吐息が漏れた。
そこに上から潤滑油が注がれていく。
「ひぁ、あっ、」
開かれた穴の内側を体液以外の液体で満たされて鳥肌が立った。気持ち悪くて腰を突っ張ると、ペニスを扱かれる。しとどに濡らされたペニスは、ヴィクトルの指遣いに合わせ、内部でぬちゃぬちゃと音を響かせた。
「さあ、トロトロになった」
「や・・・、ぅぅ・・・電流は・・・」
「欲しかったかな? 今回のは無しだ。次に期待して」
いらない。なくて良かった。譲は弱々しい唸り声を上げ、歯を食いしばる。
譲はせめてどうなっているのか目で確認できたらと思ったが、鈴口を拡げられ息を止めた。瞬間、器具を中に埋められる。
とても細い棒に感じるけれど、内部はさらに細い管だ。ミチミチと路を逆流して侵入する異物の悍ましさに、声が上擦って震えた。
「・・・っ・・・・・・く・・・・・・あ」
罪深い棒は躊躇いなく尿道を掘り進む。
「ぁ、ふ・・・ぅ」
「痛くないだろう?」
「は、い、でも・・・これは嫌。外し・・・てぇ」
「じきに慣れる」
ヴィクトルの応えは非情だ。
ずぶずぶと侵入してくる棒は止まらず、譲は「根本まで挿ったよ」と教えられるまで、生きた心地がしないまま耐えた。
いきり勃った性器がジンジンと熱い。股間がべっとりと生温い感じがするのは気のせいか。
「血が」
と譲が口走ると、ヴィクトルが落ち着き払った声で笑い裏筋をなぞった。
譲の爪先がビクンと強張ってそり返る。
「出ていないよ」
「・・・ぐちゃぐちゃに」
「もなっていない。喚かなくても譲のペニスは無事だ。固く勃起してブジーを咥え込んでる」
ヴィクトルは譲に更なる責めを加えた。窄まりにぬるつきを馴染ませ、指を滑り込ませてくる。
前立腺を刺激されると、譲は一息二息経たないうちに高みに到達する。
「気持ち良いのかな?」
「は・・・い、もう、出そうです・・・・・・っ」
涙ながらに訴えたが、譲は腹を震えさせたまま首を傾げた。
(射精ができない?)
陰嚢から上がってきた精液がブジーのせいでつっかえ、出口に迎えないのだ。
射精ぎりぎりの状態を堰き止められ、頭の中が精液を放出することだけで占められる。自分の手でペニスを扱きたくて仕方がない。あと少しなのに、射精感は溜まっていく一方で、脳が焼き切れてしまいそうだった。
「・・・はぁっ・・・ぁあ」
譲は腰を浮かすようにへこへこと上下させる。
思い切り出したくて堪らなくて、前立腺に触れているヴィクトルの指を締めつけた。中で指が動き、良い場所を捏ねてくれる。
(イきたいっ、出したいっ)
アイマスクの下で眉間に皺が寄っていただろう。険しい顔つきで必死に腰を揺らしていると、ヴィクトルがおもむろに譲のペニスを握った。
「あ・・・?!」
たった一度扱かれただけで、ビクビクと全身に焼けつきそうな痺れが走った。
「ふぁああ・・・・・・っ!」
子種袋を空っぽにさせられた後に後ろで果てるのとはワケが違う。射精できる状態を押さえつけられ、女の絶頂を引きずり出されようとしている。
屈服する瞬間は一瞬だった。
射精を禁じられた譲は呼吸を乱しながら達した。
「んくっ、あう・・・はあっ」
腹の奥で強すぎる快感が弾ける。甘い汁が飛散して、腐った果実を潰されたように熱を保って引いていかない。ヒクヒクと誘う後孔から指が抜かれ、凶悪的な程に猛った象徴が充てがわれた。
「ま・・・っ、先に前を抜いてっ」
「私のもので擦りながらね」
窄まりの上をゴツゴツした男根がぬるぬると滑る。
位置を定めてぐっと圧をかけられたが、ヴィクトルが急に挿入を止め砲身を引いた。
遅れて、軋んだ音が譲の耳に届いた。
大きな快感を得るには足りない、もどかしい触り方だ。
譲は焦ったいと声に出しあぐねて苦悩し、口をぱくぱくと動かす。
「うん?」
ヴィクトルは微笑し、譲の唇に耳を寄せた。
「欲しい時は求めなさいと教えたね」
「・・・・・・もっと触って下さい」
「うん、こうかな?」
素直にお願いを口にすると、ヴィクトルは具合を確かめながら乳頭を押し潰した。固さを持った小さな粒を、指の下で転がされる。
甘い痛み。女でもないのに、譲の身体は乳首の気持ち良さを覚えてしまった。下腹部がきゅぅと熱くなり、股間のものが爛れたようにジクジクした。
「んぁ・・・ん、あ、ぅう」
譲は唇を噛んで啜り泣く。
「私の可愛い譲、気持ちが良い時は辛そうな顔をしてはいけない」
ヴィクトルは譲にキスを与え、上唇の下に覗いた切歯を舌で叩いて叱咤した。やがて薄く開いた隙間に舌をぬるりと差し込み、大人しいまま怖気づいている譲の舌に絡めて甘やかし溶かす。
「は・・・・・・んん」
唾液が垂れていくのがわかるが、拭う自由はなく、拭えたとしてもしなかったかもしれない。
見失わないように、一心にヴィクトルを感じたい。
与えられる愛撫を取りこぼさぬように、キスの終わりを告げられる頃には自ら舌を伸ばして追い縋っていた。
「っ、ぁ、まだ・・・」
「愉しみはこれからだよ。譲に新しい贈り物だ」
カチャ、ガサ、と道具を漁っている音がした。
目隠しをされた譲のそばで、ヴィクトルは箱を手にしていた。鍵なしの簡易ロックを外し、上蓋を開く音は譲にも聞き取れた。
ヴィクトルは大丈夫だと譲の頭に触れる。内股を撫でられると、ペニスを握られて鈴口を左右に開かれた。
「ひっ」
悲鳴が反射的に出てしまった。
「怯えるな。克服しよう」
「待って。見えない。怖い!」
激痛がよぎり、譲は腰をよじった。
これだけは苦手だ。
しかしヴィクトルは自分が施した手技以外で譲が感じ入り、または恐怖することを我慢ならないと言っている。
「譲がカウパー液でたくさん濡らしてくれたから、穴の中も外もぬるぬるだよ。痛くない。ブジーといって、れっきとした医療器具だからね」
亀頭の先を優しくゆっくりとマッサージされ、ぬるついた感触を教えられる。悲鳴の代わりに喉が震え、吐息が漏れた。
そこに上から潤滑油が注がれていく。
「ひぁ、あっ、」
開かれた穴の内側を体液以外の液体で満たされて鳥肌が立った。気持ち悪くて腰を突っ張ると、ペニスを扱かれる。しとどに濡らされたペニスは、ヴィクトルの指遣いに合わせ、内部でぬちゃぬちゃと音を響かせた。
「さあ、トロトロになった」
「や・・・、ぅぅ・・・電流は・・・」
「欲しかったかな? 今回のは無しだ。次に期待して」
いらない。なくて良かった。譲は弱々しい唸り声を上げ、歯を食いしばる。
譲はせめてどうなっているのか目で確認できたらと思ったが、鈴口を拡げられ息を止めた。瞬間、器具を中に埋められる。
とても細い棒に感じるけれど、内部はさらに細い管だ。ミチミチと路を逆流して侵入する異物の悍ましさに、声が上擦って震えた。
「・・・っ・・・・・・く・・・・・・あ」
罪深い棒は躊躇いなく尿道を掘り進む。
「ぁ、ふ・・・ぅ」
「痛くないだろう?」
「は、い、でも・・・これは嫌。外し・・・てぇ」
「じきに慣れる」
ヴィクトルの応えは非情だ。
ずぶずぶと侵入してくる棒は止まらず、譲は「根本まで挿ったよ」と教えられるまで、生きた心地がしないまま耐えた。
いきり勃った性器がジンジンと熱い。股間がべっとりと生温い感じがするのは気のせいか。
「血が」
と譲が口走ると、ヴィクトルが落ち着き払った声で笑い裏筋をなぞった。
譲の爪先がビクンと強張ってそり返る。
「出ていないよ」
「・・・ぐちゃぐちゃに」
「もなっていない。喚かなくても譲のペニスは無事だ。固く勃起してブジーを咥え込んでる」
ヴィクトルは譲に更なる責めを加えた。窄まりにぬるつきを馴染ませ、指を滑り込ませてくる。
前立腺を刺激されると、譲は一息二息経たないうちに高みに到達する。
「気持ち良いのかな?」
「は・・・い、もう、出そうです・・・・・・っ」
涙ながらに訴えたが、譲は腹を震えさせたまま首を傾げた。
(射精ができない?)
陰嚢から上がってきた精液がブジーのせいでつっかえ、出口に迎えないのだ。
射精ぎりぎりの状態を堰き止められ、頭の中が精液を放出することだけで占められる。自分の手でペニスを扱きたくて仕方がない。あと少しなのに、射精感は溜まっていく一方で、脳が焼き切れてしまいそうだった。
「・・・はぁっ・・・ぁあ」
譲は腰を浮かすようにへこへこと上下させる。
思い切り出したくて堪らなくて、前立腺に触れているヴィクトルの指を締めつけた。中で指が動き、良い場所を捏ねてくれる。
(イきたいっ、出したいっ)
アイマスクの下で眉間に皺が寄っていただろう。険しい顔つきで必死に腰を揺らしていると、ヴィクトルがおもむろに譲のペニスを握った。
「あ・・・?!」
たった一度扱かれただけで、ビクビクと全身に焼けつきそうな痺れが走った。
「ふぁああ・・・・・・っ!」
子種袋を空っぽにさせられた後に後ろで果てるのとはワケが違う。射精できる状態を押さえつけられ、女の絶頂を引きずり出されようとしている。
屈服する瞬間は一瞬だった。
射精を禁じられた譲は呼吸を乱しながら達した。
「んくっ、あう・・・はあっ」
腹の奥で強すぎる快感が弾ける。甘い汁が飛散して、腐った果実を潰されたように熱を保って引いていかない。ヒクヒクと誘う後孔から指が抜かれ、凶悪的な程に猛った象徴が充てがわれた。
「ま・・・っ、先に前を抜いてっ」
「私のもので擦りながらね」
窄まりの上をゴツゴツした男根がぬるぬると滑る。
位置を定めてぐっと圧をかけられたが、ヴィクトルが急に挿入を止め砲身を引いた。
遅れて、軋んだ音が譲の耳に届いた。
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