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第一章 幼少期

初めてのお使いと出会い1

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散策の名目のもと街へと繰り出す私やライナリア、ゲルフィンさんとフォーカス先生はまず、魔道具店へと行くことになった。

だが、しかし初めての街を徒歩で歩くと目移りするもので、私がふらふらしそうになることが多く。
ライナリアに注意されたり、ゲルフィンさんに呆れられたりして最終的に抱っこして移動してもとか、とんでもない提案されておてて繋ぐ羽目になる。

ライナリアなんかその状態にウンウンと頷き安心されるしまつ。

ぐぬー同じ年なのに何でそんな落ち着いてるんだよ!
ライナリアもお出かけするの初めてのはずなのにーー!!

むうーっと不貞腐れてたら、横にいるフォーカス先生が私の頭をぽんぽんしてくるから見上げると、優しい笑顔が向けられる。

「アルセイヌ嬢は好奇心が旺盛なとこあるようですね。」
「うん。屋敷から出たことなんて儀式があった制定式だけだったし、その後街行ったことないんです。」

制定式後はぶっ倒れたんだよね。
色々事件もあったみたいだけど。

ズキっと頭が痛みだし、つい頭を抑えながら言うとフォーカス先生が少し足を止め私の肩に触れてくると頭痛が
治った。

何がおこったんだろうと首を傾げる私をよそに、フォーカス先生はゲルフィンさんに耳打ちしている。
おおー美男子の接種美味しいです♪

そんなくだらない鑑賞をしているがゲルフィンさんはフォーカス先生の言葉に驚き。

「......まさか、あの時にあったわけか。」
「おそらく。」
「フォーカス、今後のためにも頼む。」
「うんうん、相当時間はかかると思うが俺様に不可能はないさ。」

とか2人しか、わからない会話をしている。
ライナリアなんて呆れてるような表情してるしね。
それにしても街の中なのに今日は人多いような。
キョロキョロして眺めてると

「お二人さんそろそろ散策を再開しませんか? アルが暇そうにしてますわよ。」

ライナリアが私がキョロキョロして暇してると告げ口するもんだから、2人とも苦笑してフォーカス先生が私のもう一個空いている手をにぎりしめて捕獲される。

例えるなら囚われた宇宙人っぽい感じだ。

「何故に両手を塞がれているのでしょうか?」
「「それはアルセイヌ(嬢)がすり抜ける予感がしたからですよ。」」

などと2人から笑顔付きで言われた。
いやーそんなー好奇心が強いからって抜け出したりしないのにーー。

お姉ちゃん助けてーー!!

私に自由は大切だと思うとライナリアに無言のヘルプを出したのだが、私の気持ちとは裏腹にサムズアップを2人にしていた。

くそーーライナリアの裏切り者ーー。

****

とか不貞腐れてたときもありましたよ、うん。
でもーなんだろうー。
街ブラしてると妙に楽しくなってくるもので、2人から手を繋がれているのさえ面白く、食べ歩きしたりとか目的行く前に堪能していた。

串焼きとか果物とか後ちょっとしたアクセサリーとか出店みたいにあるから楽しくて精神ごと童心に変える気分だった。

まあー実際まだ子供ですけど、何か?

ワクワクとしてはいたものの、不意に気づく。

「今日って何かお祭りでもしてるの?」

制定式の日は街並みを見ていた時は人はいたけれど、ここまで賑やかではなかった気がしたのだ。
ゲルフィンさんとフォーカス先生は少し考えてたあとに説明してくれた。

「まあー今回は祭りといえば祭りかもしれませんね。本来なら時期的に早いのですが国の収穫祭が始まってたみたいです。」
「今回は魔術師のレイオンに研究が収穫の手助けとなり収穫量の備蓄などが上手く働いてくれたようですね、なのでこのように祭りとして開催されたみたいですよ。」

収穫量と研究せいか......なーんか聞いたことあるような、それにレイオンって誰か攻略対象者の父君だった気がする。

2人の説明について考えてたら、ライナリアがハアーとため息を吐き、思いっきり2人を睨んでいる。
およーライナリアお姉ちゃんがご機嫌斜めなのだが。

「フォーカス先生、ゲルフィン様! 私達子供なのでもう少し噛み砕いて発言してくださいますか?!」

片方を腰に当てて人差し指を立てて文句的な抗議をするライナリアにフォーカス先生とゲルフィンさんがハッと気づいたような表情を浮かべ、そうでしたねと納得している。

「すみません、アルセイヌ嬢があまりにも納得しているので...わかってるものかと早とちりをしてしまったようです。」
「確かにアルセイヌお嬢様はウンウンと頷くんだもんな、こちとら納得しているもんだと勘違いするさ。」
「ぐぬー確かに納得して理解しちゃってたけど、2人とも楽しそうなのが解せぬ。」

むうーと不貞腐れてるも2人ともクスクス笑うもんだからライナリアが近づいてヨシヨシ頭を撫でる。

「アルは頭いいのかもね、いいこいいこ。」
「お姉ちゃんそれ、いま言われるとクリティカルヒット的にダメージ受けるんだけど!」
「あらー実際可愛いんだもんしょうがないね。」

ううううーー同い年なのにーー。
でもニコニコ笑顔のライナリアはご褒美何で何も言えぬ。

などとみんなで和気藹々としていると、どんっと誰かがライナリアにぶつかった。

「きゃあ!」

コテンとこけそうになるもフォーカス先生が私の手を離し素早くライナリアを受け止める。

「大丈夫ですか?」
「え? はい大丈夫...。」

少々恥ずかしいようで体勢を整えてお礼を言うライナリアにフォーカス先生は無事なら良かったと笑顔を向けている。
ライナリアはそれを見てなんだか悔しげだったものの耳まで赤い。

ふむ、普段毅然としてるから助けられるの慣れてないもんねライナリアは。

「アルセイヌ、観察してるとこ悪いがライナリア嬢に持ち物が取られていないか確認してくれないか?」

不意に真剣な声が上から降ってきたものだから、一瞬何がと思ったものの、そばにゲルフィンさんがいることを思い出して上を向けば警戒しているような仕事モードのゲルフィンさんがいた。

その状況にすぐにライナリア持ち物が取られていないか確認するように聞くと身の回りや持ち物などを確認してくれて。
数秒後に「な.......ない!!」と声がして私を向くなり涙目になっていた。


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