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第一章

俺の日常の始まり

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クーヴァリアは国の辺境にあり、常に他国に対して守るべく配置された領地として俺の父が辺境伯としての地位におり家族や領民に尊敬されるだけの自愛の持ち主だ。

俺が生まれると末っ子もあって甘やかしてくる両親ではあるけれど、生まれる前世は両親からの愛情はもらった覚えがなくて戸惑いもあったんだよな。
兄姉からも可愛いがられるしさ。

なんで前世とか言ってるかって、別に厨二病じゃねえぞ!
れっきとした前世持ちだからな。
ここテストに出るので注意な!

「コロクおぼっちゃま、何を空中で喋っていらっしゃるんです?」
「.......ははは、ただの現実逃避してただけだよ。」

メイドで側係の女性のアンナに苦笑気味に言うと、何故かハアーと溜息をつかれてから頬に手を当てる。

「まあー確かに現実逃避したくはなりますわよね、まだ10歳の少年であらせられるコロクおぼっちゃまが、お庭にあのような物を放置してらっしゃるのですから。」

チラッと庭に視線を向け俺を見てくるものだから顔を背ける。
しょうがないじゃんな、まさか魔法の訓練で能力上がったかなーって試し打ちしたらさあーリザードマンとかゴブリンの集合体とか命中して倒しちゃってんだぜ。

そのまま遊び場に放置してたら魔物が寄ってきて危ないと鬼のように父上から言われているから、アイテムボックスに入れて持ってかえってきちゃったんだから。
まあ庭には庭師の爺さんがいるから、戻ってくる前に処理しなくちゃだけど、その前にきっと.......。

「おい!!!コロク!!!何処にいる!」

ほら、やっぱり父上が激おこプンプン丸になって俺を探してるし.......部屋抜け出そうかなー面倒くさいんだよなー説教。

よし、逃げ.......。

「あのーアンナさん、その手を離しては下さりませんか?」

窓枠から外への脱走に対し、それを見逃さんと腕と服をガシッと拉致られて逃がさないと言わんばかりにアンナの目がギラギラと怒っている。

「離しませんことよ、おぼっちゃま。今回は私めも怒っていますので!」

威圧的に睨んでくるアンナに、本気で心配されているんだと思うと良心が痛みグググと心が揺らぐも、ここで脱走せねば。きっとアンナも付け加わった状態で父上の説教が絶対に伸びてしまうのは確実である。

どうする......俺!!

そう考えている間に足音は部屋の前に止まりバンッと勢いよく開け放たれ俺を見るなり眉間と皺が縦に三つ刻み込み、怒涛の如く詰め寄るなりゲンコが落ちるのであった。

「いってーー!」
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