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年齢とは?
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現在、女の戦場で一人、気配を消して隠れている。
今日はドレス選びの日なのだが、メイドと母親が目の色を変えていたのだ。
あれは、一種の恐怖である。その彼女達から逃げている。
まあ、優秀な使用人達と警備兵の人達が動いたので、捕まるのは時間の問題だけど。
「お嬢様、隠れんぼは終了ですよ。」
1番見つかりたくなかった人物に見つかった。
「そうよね。」
私の背後にいたのは、ベレンテだった。
この男は執事長の次に強い。私を見つける事など造作もないのだ。
「ドレス選びに姿を消されるなど、いけませんよ?」
「ええ。少し怖くて逃げたの。」
「そうですか。なら、戻りましょう?」
笑顔は爽やかだが、言葉に拒否はさせないと圧を感じるよ。
私は大人しく戻り、ドレス選びを開始した。
だけど、ベレンテが口出ししてくれて、前より手加減してくれたメイド達。
ベレンテに感謝である。痩せた為、母親とメイド達はドレス選びをとても楽しんでいる。
そこで今回、私のドレスは髪と瞳の色で、1番似合うのを選んだらしい。
鏡を見ると、ホワイトゴールドの髪にスフェーンの瞳をしている。
私の瞳は角度を変えて見ると、金色や緑色と色が変わるのだ。
髪と瞳に合わせたのは、薄い黄緑色に銀の小さな宝石が散りばめられたドレス。
上には金色の糸で葉の刺繍がされた、緑色のカーデガンを羽織る美少女がいた。
「可愛いらしいわ!」
母親が頬に手を当て、絶賛する。
「森の妖精の様です!」
「このお姿、お美しい!」
メイド達も頬を染めて、絶賛中である。気になるのは母親がこれで一泡吹かせられると、呟いている事。
何をする気なのだろう。いや、考えない。忘れよう。
「後は髪飾りと髪型ですね。」
「どれにしましょう!」
まだ終わりではないのか。私は限界を過ぎている。
体力が保たない・・・。違う、これも訓練。ここで音を上げてたら駄目。
母親とメイド達の目付きを見る。
・・・私、明日生きてるかな?ふふふ・・・
私は夜、気絶する様に眠りへついた。
ーー等々、パーティーの日が来た。
私はドレスとカーデガンを羽織った。
髪型はホワイトゴールドの髪をハーフアップにした。上半分は少し小さなお団子。
お団子に桃色の蝶々の髪飾りをつけている。
この姿を見た父親はこう言った。
「可愛い過ぎる!今日は不参加にしよう。」
駄目に決まってる。使用人達が慌てて止めている。
「セシリア。もしもまた、傷つく言葉を言われたら遠慮せず言いなさい。」
「分かりました。」
馬車に乗る。
馬車から外を眺めていると、大きなお屋敷が見えた。ここが大公家の屋敷・・・。
私はしっかりと学んでいた礼儀作法を、意識しながら歩く。
パーティー会場には皆が揃っている様だ。
「久しぶりではないか!」
そう父親に言って歩いて来た男性と女性。男性はミントの瞳に黒の髪をした美形。
女性は薄茶色の髪にシャンパンの瞳をした美女。どちらも30代に見える。
「父上、母上。お元気でしたか。」
「うむ。お前もな。」
「義お父様、義お母様。お久しぶりです。」
「元気そうで、何よりよ。所で・・・」
2人がこちらを見る。私は姿勢を正し、礼をとる。
「お爺様、お婆様。初めまして、私はセシリアと申します。」
お爺様こと、ガイラン・メルファーナ。お婆様はアリエル・メルファーナ。
「赤ちゃんの時以来ね。可愛いわ!」
「そうだな。元気そうで何よりだ。」
祖父母だとは思わなかった。と言うか、凄く可愛がられてる私・・・
「ハインズじゃないか。久しぶりだな!」
ぞろぞろと人が集まり出した。白金の髪にロードナイトの瞳をして美形の男性。
もう一人はレッドスピネルの髪にカイヤナイトの瞳をした美女。
「ルギア様、ユリア様。お久しぶりにございます。」
このお二人は前国王と前王妃。こちらも孫がいるとは思えない程、若く感じる。
ルギア・アルファード様とユリア・アルファード様。
年齢なんて信用ならないね。私は挨拶をする為に礼をとった。
「お初にお目にかかります。セシリア・メルファーナと申します。」
「賢い子じゃないか。」
「可愛い子ね。」
「その子が、セシリア嬢ですか・・・」
私の目の前に現れた男の子。
ラピスラズリの瞳にクリーム色の髪をした美少年グランテスカ大公家の次男エジス・グランテスカ。
前のセシリアを傷つけた男の子であり、乙女ゲームの攻略対象者の一人。
未来に私を、不幸のどん底に突き落とすかもしれない一人だ。
「初めまして、セシリア・メルファーナと申します。この度、お招き頂き、ありがとうございます。」
今の私は我儘なセシリアではない。不幸な運命を変える為に動く、セシリアなのだ。
「!?初めまして、セシリア嬢。僕はエジス・グランテスカと言います。」
エジスはこの前6歳となった。学院に通う時は、先輩となる。
「この前の謝罪をしたいのです。酷い言葉をすいません。」
「構いませんよ。」
これ以上会話は続かない。
「セシリア嬢」
先程、父親と会話していた人。
白金の髪にブルージルコンの瞳をした美形の男性。ギル・アルファード様。この国の現国王。
その隣にいる方は現王妃の、ルージュ・アルファード様。銀の髪にトリフェーンの瞳をした美女。
「お初にお目にかかります。陛下、王妃様。」
「固いのはなしだ。」
「そうよ。仲良くしましょう。エレインとハインズの娘は私達の子も同然よ。」
「分かりました。」
「セシリア。私達の息子を紹介しよう。」
ギル陛下に呼ばれて来たのは・・・。
白金の髪にウォーターオパールの瞳をした美少年。
名をシスイ・アルファード。第1王子であり、攻略対象者の一人。
「セシリア嬢、初めまして。シスイ・アルファードと申します。」
「お初にお目にかかります。殿下。セシリア・メルファーナと申します。」
今日はドレス選びの日なのだが、メイドと母親が目の色を変えていたのだ。
あれは、一種の恐怖である。その彼女達から逃げている。
まあ、優秀な使用人達と警備兵の人達が動いたので、捕まるのは時間の問題だけど。
「お嬢様、隠れんぼは終了ですよ。」
1番見つかりたくなかった人物に見つかった。
「そうよね。」
私の背後にいたのは、ベレンテだった。
この男は執事長の次に強い。私を見つける事など造作もないのだ。
「ドレス選びに姿を消されるなど、いけませんよ?」
「ええ。少し怖くて逃げたの。」
「そうですか。なら、戻りましょう?」
笑顔は爽やかだが、言葉に拒否はさせないと圧を感じるよ。
私は大人しく戻り、ドレス選びを開始した。
だけど、ベレンテが口出ししてくれて、前より手加減してくれたメイド達。
ベレンテに感謝である。痩せた為、母親とメイド達はドレス選びをとても楽しんでいる。
そこで今回、私のドレスは髪と瞳の色で、1番似合うのを選んだらしい。
鏡を見ると、ホワイトゴールドの髪にスフェーンの瞳をしている。
私の瞳は角度を変えて見ると、金色や緑色と色が変わるのだ。
髪と瞳に合わせたのは、薄い黄緑色に銀の小さな宝石が散りばめられたドレス。
上には金色の糸で葉の刺繍がされた、緑色のカーデガンを羽織る美少女がいた。
「可愛いらしいわ!」
母親が頬に手を当て、絶賛する。
「森の妖精の様です!」
「このお姿、お美しい!」
メイド達も頬を染めて、絶賛中である。気になるのは母親がこれで一泡吹かせられると、呟いている事。
何をする気なのだろう。いや、考えない。忘れよう。
「後は髪飾りと髪型ですね。」
「どれにしましょう!」
まだ終わりではないのか。私は限界を過ぎている。
体力が保たない・・・。違う、これも訓練。ここで音を上げてたら駄目。
母親とメイド達の目付きを見る。
・・・私、明日生きてるかな?ふふふ・・・
私は夜、気絶する様に眠りへついた。
ーー等々、パーティーの日が来た。
私はドレスとカーデガンを羽織った。
髪型はホワイトゴールドの髪をハーフアップにした。上半分は少し小さなお団子。
お団子に桃色の蝶々の髪飾りをつけている。
この姿を見た父親はこう言った。
「可愛い過ぎる!今日は不参加にしよう。」
駄目に決まってる。使用人達が慌てて止めている。
「セシリア。もしもまた、傷つく言葉を言われたら遠慮せず言いなさい。」
「分かりました。」
馬車に乗る。
馬車から外を眺めていると、大きなお屋敷が見えた。ここが大公家の屋敷・・・。
私はしっかりと学んでいた礼儀作法を、意識しながら歩く。
パーティー会場には皆が揃っている様だ。
「久しぶりではないか!」
そう父親に言って歩いて来た男性と女性。男性はミントの瞳に黒の髪をした美形。
女性は薄茶色の髪にシャンパンの瞳をした美女。どちらも30代に見える。
「父上、母上。お元気でしたか。」
「うむ。お前もな。」
「義お父様、義お母様。お久しぶりです。」
「元気そうで、何よりよ。所で・・・」
2人がこちらを見る。私は姿勢を正し、礼をとる。
「お爺様、お婆様。初めまして、私はセシリアと申します。」
お爺様こと、ガイラン・メルファーナ。お婆様はアリエル・メルファーナ。
「赤ちゃんの時以来ね。可愛いわ!」
「そうだな。元気そうで何よりだ。」
祖父母だとは思わなかった。と言うか、凄く可愛がられてる私・・・
「ハインズじゃないか。久しぶりだな!」
ぞろぞろと人が集まり出した。白金の髪にロードナイトの瞳をして美形の男性。
もう一人はレッドスピネルの髪にカイヤナイトの瞳をした美女。
「ルギア様、ユリア様。お久しぶりにございます。」
このお二人は前国王と前王妃。こちらも孫がいるとは思えない程、若く感じる。
ルギア・アルファード様とユリア・アルファード様。
年齢なんて信用ならないね。私は挨拶をする為に礼をとった。
「お初にお目にかかります。セシリア・メルファーナと申します。」
「賢い子じゃないか。」
「可愛い子ね。」
「その子が、セシリア嬢ですか・・・」
私の目の前に現れた男の子。
ラピスラズリの瞳にクリーム色の髪をした美少年グランテスカ大公家の次男エジス・グランテスカ。
前のセシリアを傷つけた男の子であり、乙女ゲームの攻略対象者の一人。
未来に私を、不幸のどん底に突き落とすかもしれない一人だ。
「初めまして、セシリア・メルファーナと申します。この度、お招き頂き、ありがとうございます。」
今の私は我儘なセシリアではない。不幸な運命を変える為に動く、セシリアなのだ。
「!?初めまして、セシリア嬢。僕はエジス・グランテスカと言います。」
エジスはこの前6歳となった。学院に通う時は、先輩となる。
「この前の謝罪をしたいのです。酷い言葉をすいません。」
「構いませんよ。」
これ以上会話は続かない。
「セシリア嬢」
先程、父親と会話していた人。
白金の髪にブルージルコンの瞳をした美形の男性。ギル・アルファード様。この国の現国王。
その隣にいる方は現王妃の、ルージュ・アルファード様。銀の髪にトリフェーンの瞳をした美女。
「お初にお目にかかります。陛下、王妃様。」
「固いのはなしだ。」
「そうよ。仲良くしましょう。エレインとハインズの娘は私達の子も同然よ。」
「分かりました。」
「セシリア。私達の息子を紹介しよう。」
ギル陛下に呼ばれて来たのは・・・。
白金の髪にウォーターオパールの瞳をした美少年。
名をシスイ・アルファード。第1王子であり、攻略対象者の一人。
「セシリア嬢、初めまして。シスイ・アルファードと申します。」
「お初にお目にかかります。殿下。セシリア・メルファーナと申します。」
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